トヨタ・コンフォート
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コンフォート (comfort) は、1995年12月に登場したトヨタ自動車が生産するセダン型乗用車である。タクシー、教習車として用いることを前提に開発された。
製造はトヨタグループの関東自動車工業東冨士工場(静岡県裾野市)で行われる。
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[編集] 概要
1993年に発売された日産・クルーに対抗すべく、小型タクシーおよび教習車用途の車両として1995年12月にデビュー。ベースはX80系マークIIセダン。型式は XS11/XS11Y (3Y-PE/4S-FE) と XS13Y (3S-FE)、教習車には型式の後にYがつく。FR方式で後席の寸法と後部ラゲージルームの容積を可及的大きくとり、無線機や料金メーターなどのタクシー業務用機器取り付けスペースを設けるなど、完全にタクシー向けに特化された設計である。また、このシリーズは40万キロメートル以上の走行に耐えられるようにスポット溶接を減らしてあえて車体剛性を落としているのも特徴である。また、このような手法は同社のE110系カローラシリーズ、同E110系スプリンターシリーズから用いられている。日産・クルーと違い、Bピラーの位置は左右対称になっている。中型タクシー用の姉妹車のクラウンコンフォートはホイールベースを10センチ延長してある。タクシー向けに設計された車種ではあるが、タクシー・教習車とも個人でもディーラーにて購入は可能である。グレードはタクシー仕様がスタンダード、デラックスパッケージ、SG。教習車仕様がデラックス。価格は153.3万円から186.6万円。
[編集] トランスミッション
トランスミッションはタクシー仕様・教習車仕様ともに5速MTと4速ATも設定。ちなみにコンフォート・クラウンコンフォート・クラウンセダンシリーズ(XS1x系)の中でガソリンエンジンでMTの設定があるのは教習車だけである。
[編集] 歴史
- 1995年12月発売開始。搭載エンジンは排気量 2,000 cc の LPGエンジン (3Y-PE) 、教習車向けには 1,800 cc ガソリンエンジンの 4S-FE 、2,400 cc ディーゼルターボ (2L-T) 。
- 1999年平成10年排出ガス規制適合。
- 2001年ディーゼルエンジン2L-T廃止、教習車のエンジンを2,000 ccガソリンエンジンの3S-FEに変更。
- 2002年10月一部改良。ABSと運転席エアバッグ(教習車は運転席、助手席)が標準装備された。
- 2004年6月一部改良。平成17年排出ガス規制適合、サイドターンランプ、LEDハイマウントストップランプが装備された。
- 2007年10月一部改良。教習車仕様のガソリンエンジンが3S-FEから1TR-FEに変更され、U-LEV認定を取得。
- 2008年 LPG車のエンジンを現行の3Y-PE型から、液体噴射仕様の1TR-FPE型(2,000 cc)に変更予定(時期は未定)。
[編集] コンフォートGT-Zスーパーチャージャー
2003年、2000ccガソリンエンジン教習車の5速MT仕様をベースに、トヨタテクノクラフトの手によってスーパーチャージャー搭載、サスペンションのチューニング等を施したスポーツセダン仕様の「コンフォートGT-Zスーパーチャージャー」が6月24日から11月17日まで、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県のトヨペット店の期間販売地域限定にて受注生産。計59台販売された(生産台数は先行試作車含め60台)。価格は227.0万円から291.8万円。 なお、同車のプロジェクトはTRD部門ではなく特装車部門が行ったため、TRDコンフォートという表現は正しくない。
ベースエンジンは3S-FE型直列4気筒DOHC(ハイメカツインカムエンジン)で、これに小倉クラッチ製ルーツブロワー式スーパーチャージャーTX07を組み合わせ、使用燃料をプレミアムガソリンとすることにより、最大 0.3 kgf/cm2 の過給圧で実馬力 118 kW (160 ps)/6,100 rpm、221 N m (22.5 kg m)/3300 rpm という出力を得ている。これは、ノーマル比 26% のパワーアップ(ノーマルはカタログ上 96 kW (130 ps)/5,600 rpm、181 N m (18.5 km m)/4,400 rpm)で、3S-GEエンジンを縦置き搭載するアルテッツァRS (SXE10) の(カタログ上 154.4 kW (210ps)/7,600 rpm、215.7 N m (22.0 kg m)/6,400 rpm)よりも低速域からのトルクバンドを広くとり、トータルでの扱いやすさ、そしてエンジンよりもシャーシがはるかに勝っている標準車へのパワー感という「味付け」を狙ったものである。なお、車両重量は 1,300 kg (総重量1,575 kg)、パワーウエイトレシオは 8.13 (9.84) kg/ps である。最高速はリミッターカットでのサーキット走行で 204 km/h というデータが残っている。
その他、専用のブレーキパッド(フロント)&ブレーキシュー(リア)、フロントスポイラー、ブラックアウトされたウレタン風リアスポイラー、専用マフラーが奢られているほか、標準でRSワタナベ製のエイトスポークアルミホイールとブリヂストン POTENZA G3 が装備されている。トランクの左上についているエンブレムまで、古きよき1980年代テイストのスポーツセダン像を醸し出している。車高は純正比マイナス 30 mm とし、日常での使い勝手も考慮したダウン量となっている。
オプションとして、大森計器製の電気式3連メーター(ブースト・油圧・油温)、強化クラッチ、LSD(TRDorZEXEL)、前席TRDセミバケットシート、TRDエアバッグ付ステアリング・シフトノブ等の装備があった。
[編集] D1仕様
2004年チューニングショップ OKUYAMA の手によって、トヨタテクノクラフトが調達した3台の中古1800教習車(SXS11Y)をうち2台を使用して製作(残り1台は部品取り)、エンジンを3S-GTEに換装、Do-Luck のエアロパーツにガルウィング装着のドリフト仕様のコンフォートが登場し、各イベントで走行された。その後D1グランプリに出る機会を逃したままガレージに眠っていたところ、2006年D1グランプリ参戦中のAPPレーシングの2号車として OKUYAMA にて再度大改造ののち 2006D1 グランプリの国内ラウンドに参戦することになった。その際に規定に合わせてガルウィングを撤去。同年第3戦富士では追走ベスト16進出を果たした。
[編集] 取扱いディーラー
T140系コロナセダン(タクシー仕様)、X80系マークIIセダン(タクシー及び教習車仕様)の後継車種の名残で、トヨペット店で取り扱われている。ただし、大阪府内は2006年8月7日まで大阪トヨタ。教習車仕様に限り東京トヨタでも取扱う。
なお、2004年4月以前は教習車仕様に限り、ネッツ店、ビスタ店(チェイサー/クレスタ両車の教習車仕様取扱いの名残)でも取り扱っていたが、両店併合に伴い取り扱いを中止した。
[編集] 脚注
- ^ 但し、1998年までは併売されている。