ターミネーター3
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ターミネーター3 Terminator 3: Rise of the Machines |
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監督 | ジョナサン・モストウ |
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製作 | マリオ・カサール |
脚本 | ジョン・ブランカート マイケル・フェリス |
出演者 | アーノルド・シュワルツェネッガー クリスタナ・ローケン ニック・スタール クレア・デーンズ |
音楽 | マルコ・ベルトラミ |
配給 | ワーナー・ブラザース(アメリカ) 東宝東和(日本) |
公開 | 2003年7月2日 |
上映時間 | 109分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | 1億8730万ドル |
興行収入 | 4億3千万ドル |
前作 | ターミネーター2 |
次作 | ターミネーター4 |
『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines)は2003年のアメリカ映画で、SF映画。『ターミネーター』(1984年)、『ターミネーター2』(1991年)から続くシリーズの第3作である。全世界興行収入4億3千万ドル。T3(ティースリー)と略される事もある。
2003年7月2日アメリカ公開。上映時間109分。製作費1億8730万ドル。
12年ぶりの続編ということで、数々の話題を起こした。キャッチコピーは「恐れるな。未来は変えられる。」
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 概要
監督は前2作を務めたジェームズ・キャメロンからジョナサン・モストウに交代した。シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロンは、物語は『ターミネーター2』で完結したものと考え、続編は作るべきでないと考えた。一方で主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは逆の考えで、好んで続編を作りたがったと言われる。ジェームズ・キャメロン自身のスケジュールにも無理があったと言われる。結果、ジョン・コナーを演じる俳優も、『ターミネーター2』のエドワード・ファーロングからニック・スタールに代わり(エドワードが同時期に薬物中毒に陥ったことも原因)、音楽も『ターミネーター』『ターミネーター2』のブラッド・フィーデルからマルコ・ベルトラミに変わった。その結果前作2つとは、かなり印象の違う撮影スタイルで製作されている。
女性の容姿をしたT-Xという型のターミネーターが登場し、最新のVFXで描かれる。また、T-1という初期型のターミネーターも登場。シュワルツェネッガーが演じるのは、T-850という『T2』に登場したものとは別タイプのターミネーターである。
内容的には賛否両論だったものの(下記参照)、興行的には成功を収め、早くも続編の『T4』の製作が決定し、シュワルツェネッガー主演を予定されていたが、後に知事職の多忙から出演はしないと発表された。
[編集] あらすじ
T-1000との壮絶な死闘から10年後の話となる。スカイネットが人類に反乱し、核戦争が起きるはずだった1997年8月29日は無事に過ぎ去り、「審判の日」は回避されたかに思われた。そして、時は2004年、青年に成長したジョン・コナーは平穏な日々を送っていたが、未だに胸のどこかで不安を感じていた。
そして、その予感は物の見事に的中するのであった。2032年から2体のターミネーターが送り込まれてきた。1人はジョンの副官達の抹殺を目的とする、T-1000を遥かにしのぐ性能を持つ最新・最強のターミネーターT-X。そして1人は、10数年前にコナー親子を守り、燃え盛る溶鉱炉に入って自決したT-800の改良版、T-850だった。T-Xは、ジョンの昔の同級生で後に彼の妻であり、レジスタンス副リーダーになるケイト・ブリュースターや、ジョンと彼女に協力することになる人物を抹殺しようとする。だが、そこへT-850が現れ、T-Xの攻撃にあいながらもジョンと彼女を救った後、彼はジョンに「歴史は変わってはいない。君が回避したと思っていた審判の日は先に延ばされただけだ。審判の日は回避不可能だろう」と告げる。
ジョンはケイトと共に、T-Xの追跡をかいくぐりながら、再び未来を変えるために奔走する事になった・・・。
[編集] スタッフ
- 監督:ジョナサン・モストウ
- 脚本:ジョン・ブランカート、マイケル・フェリス
- 製作:マリオ・カサール
- VFX:インダストリアル・ライト&マジック、Hydraulx
- 特殊メイク・アニマトロニクス:スタン・ウィンストン
- 音楽:マルコ・ベルトラミ
[編集] キャスト
- T-850:アーノルド・シュワルツェネッガー(吹替:玄田哲章)
- ジョン・コナー:ニック・スタール(劇場公開版:辺土名一茶、DVD版:石母田史朗、テレビ版:浪川大輔)
- ケイト・ブリュースター:クレア・デーンズ(劇場/DVD版:林真里花、テレビ版:魏涼子)
- T-X:クリスタナ・ローケン(劇場/DVD版:岡寛恵、テレビ版:本田貴子)
- ロバート・ブリュースター:デビッド・アンドリュース(劇場/DVD版:土師孝也、テレビ版:津嘉山正種)
- スコット・ピーターソン:マーク・フォミグリエッティ(劇場/DVD版:内田夕夜、テレビ版:古澤徹)
[編集] 前2作へのオマージュ&共通点
この作品は前2作と似ているシーンや、お約束などがいくつかある。
- 映画の冒頭でターミネーターの事を信じている人物は1人だけ(「1」=カイル(ジョンの父)、「2」=サラ(ジョンの母)、「3」=ジョン)。 2番目に信用する人物は「1」=サラ、「2」=ジョン、「3」=ケイト(ジョンの未来の妻)と全てコナー・ファミリーで、次回作の「一人だけ映画の冒頭でターミネーターの事を信じている人物」になっている。
- 大男の手を素手で握りつぶす。「3」では服を奪う際に「この手に言いな」と言われ本当に握った手に向かい「よこせ」と言うシーンがある。
- シュワルツェネッガーは必ずサングラスを掛け、バイクに乗る(このシリーズのトレードマークと言っても過言ではない)。「3」ではエルトン・ジョンがかけていた物と同タイプのサングラスを一度かけ、違うとばかりに踏み潰すシーンがある。こういったジョークのようなシーンが多いのも「3」の特徴で、前作に慣れたファンには違和感を感じることもある。
- T-850が警察の白バイを奪う際に「降りろ」と告げるシーンは、「1」でT-800がトラックを奪う際にドライバー、「2」でT-1000がヘリを奪う際にパイロットに告げるシーンに対応している。
- 警官の車両を奪うときは必ず警官を乱暴に扱う。
- シュワルツェネッガー演じるターミネーターは車を奪うとき、必ず窓ガラスを割ってホットワイヤーを使う。
- T-850がエンジンをかける前にサンバイザーから腕時計を取り出すシーンは、「2」でT-800がジョン・コナーからサンバイザーから車の鍵を取り出すのを教わるシーンと対応している。
- 敵のターミネーターは必ず大型車を奪って追ってくる。「1」「2」はタンクローリー、「3」はクレーン車。因みに一番高価だったのは「3」。
- 前2作に登場したアール・ボーエン演じるシルバーマン医師役が登場する。(全作通して登場するのは彼とシュワルツェネッガーのみである。)シルバーマン医師は「2」で目撃したターミネーター達の事を幻覚と認識していた。
- ジョンは「2」でT-800と初対面した時に自分を殺しに来たと思ったが、「3」でT-850と初対面した時も殺しに来たと思った。
- 「1」でサラを助けに来たカイルが言う台詞「死にたくなければついて来い」を、「2」で同じくサラを助けに来たT-800が、「3」で墓場でT-Xから逃げる時にジョンがケイトに言う。
- 声帯模写(「2」のT-1000、「3」のT-Xはこの機能の延長であると言われている/声だけではなくT-1000と同じように姿かたちもコピーできる)。
- 顔の半分を負傷し、金属の骨格がむき出しになる。
- 本シリーズ及びシュワルツェネッガーの決め台詞に「I'll be back」があるが、「3」では応用パターンとしてT-850がT-Xを穴に落とした後に「She'll be back」(奴は戻ってくる)と言うシーンや、ジョンとケイトの危機に再起動して復活しヘリで駆けつけたT-850が「I'm back」(戻ってきたぞ)と言うシーンがある。
- 再起動するT-800(及びT-850)。「T1」ではタンクローリーの爆発の後倒れこみ、皮膚が全て焼けてから再起動。「T2」はT-1000に鉄棒で串刺しにされ、補助電源を使い再起動。「T3」はT-Xに回路をいじられ、自ら一時停止し再起動。
- T-Xが上半身だけになっても追跡しようとするシーンは「T1」のオマージュである。ちなみに、T-Xの最期も「T1」のプレス機を連想させる上下開閉式扉の下で完全に破壊された。
- ラストは主人公(シュワルツェネッガー以外)のナレーション。
[編集] その他
- 前作(『ターミネーター2』)ではジョンの年齢は10歳という設定であったが、それから10年後の世界が舞台であるはずの今作では23歳(勿論本来なら20歳)になっており、ジョンの回想でも前作時で13歳であったと話されている。またこの事は、元々続編製作に断固反対だったジェームズ・キャメロン監督の怒りに油を注いだ結果となった。
- 主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは、今作のために前作とほぼ同じ体形に鍛えなおしたという。また、未公開シーンとなってしまったが、CRSの研究スタッフメンバーの1人にウィリアム・キャンディ軍曹という人物も演じており、この人物がT-800系統の顔のモデルとなっていった描写がある。(このシーンの時でも相変わらずシュワルツェネッガーはドイツ訛りで演じており、作中で(ターミネーターとして製品化する際に)このままの喋り方ではまずいとターミネーターの軍事導入のための視察に来ていた軍人に指摘され、(製品化の際には声はそのままで訛りは)直すとスタッフに言われてしまうというシーンが描かれている。)
- 当初、ケイト・ブリュースター役にはソフィア・ブッシュが選ばれていたが、ジョナサン・モストウ監督が「若すぎる」という判断を下し、クレア・デインズに変えられた。
- 前作でジョン・コナー役を演じたエドワード・ファーロングは、当時は非常にハンサムな少年で製作側もファンも続投を望んでいたがドラッグ問題の為に降板、今作で同役を演じたニック・スタールは見方は人それぞれではあるがハンサムとは言いがたい容貌であったため、日本のファーロングファンからは「スタールをジョン・コナー役に配したのはミスキャストである」という批判が大きかった。一方、肯定的なファンの中には、ファーロングよりもスタールの方が「1」で登場したジョンの父親カイル・リース役のマイケル・ビーンに似ているという意見もある。
- 当初、多くの報道でサラ役のリンダ・ハミルトンは回想シーンに登場すると言った情報が流れたものの、結局そのようなシーンは無かった。当初リンダにも出演依頼があり、台本を渡したが「この脚本にはドラマがない」と言い降板した。
- T-Xが登場した後に、女性から奪った車はレクサス・SC430である(日本では映画公開当時レクサスの日本進出前だった為、「そこのソアラ、止まりなさい」という字幕が降られている)。また、トヨタ・タンドラも登場している。
- 今作で登場するT-1はアニマトロニクスではなく、工学技術に基づいて作られた精巧なロボットである。1台1700万円を投じて3台制作された。
- シュワルツェネッガーが出演しない場合の脚本も用意されていた。
- 派手なカーチェイスが撮影されたが、一般道ではなくボーイング社の工場敷地内部での撮影である。
- クレーンは一度転倒してしまい大破損するが、高額かつ1台しかないため何とか修理して撮影を続行した。
- T-Xが序盤でレクサスを奪ったあと、T-Xのあまりの重みで車体が沈むというシーンがあったのだが、ソフト化の際にカットされてしまった。
[編集] 漫画作品
- ターミネーター3 Ark Performance
[編集] ゲーム作品
- ターミネーター3 ライズ オブ マシーン
- ターミネーター3 ザ・レデンプション