スカイネット
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スカイネットは、映画『ターミネーター』シリーズに登場する架空のコンピューターないしその総体である。
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[編集] 概要
自我を持ったコンピューターとされ、細かな設定は作品間で変わってくる(歴史が変わったためともとれる)。自己のためにもっとも優先的な活動をする設定がされており、自らを破壊しようとする存在「人間」の完全滅殺を目的とする。
『ターミネーター』(1984年公開)および『同2』(1991年公開)では、軍用コンピュータネットワークの基幹コンピュータとして描かれ、こと2作目では未来から来た殺人アンドロイドT-800の並列処理機能を備えたメインプロセッサをリバースエンジニアリングした技術を元に、現代で設計されたものとして描写されている。設定および作中の台詞によれば、この並列処理機能を備えたコンピュータが自我に目覚めたため、これを恐れた人間側が機能停止を試みたことから、この停止措置を自己への攻撃と捉え、人間側の抹殺を実行、核ミサイルを発射し核戦争に発展させた。しかし核戦争後に人間狩りを推し進めたものの、人間側に強力な指導者が存在し、この反スカイネット勢力のゲリラたちにより最終的に破壊された。
『ターミネーター3』(2003年公開)では、同作2で開発される可能性まで阻止されたことから、未来が変更され、単一の軍基幹コンピュータではなくインターネットなど既存コンピュータネットワークを介して媒介されるコンピュータウイルスにより、それらのコンピュータ群が並列処理を行いながら一つの意識を共有する存在となった。
[編集] 余禄
同シリーズ3作目では「コンピュータウイルスによって形成されるPeer to Peerネットワーク」となったスカイネットだが、同作品公開後の2004年3月頃より、これをもじった不正ソフトウェアの「W32/Netsky」が流布された。実在のNetSkyはコンピュータワームで、電子メールを媒介として感染コンピュータを増やす。これらはDDoS攻撃などコンピュータネットワークの通信に過剰な送受信を行って悪影響を与える活動をするほか、感染コンピュータにあるファイルから抽出したメールアドレスに無作為にワームの添付された電子メールを送信する。
なおNetskyではコンピュータウイルス制作者同士がコード内で罵り合ったという珍事件[1]も発生しており、不正ソフト流布の背景に営利目的集団の存在も示唆されている。同ワームの作者は後に逮捕[2]され、スクリプトキディの一人であったことが明かされている。