ガンダムヘビーアームズ
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ガンダムヘビーアームズ(Gundam Heavyarms)は、アニメ『新機動戦記ガンダムW』シリーズに登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称MS)。(型式番号:XXXG-01H)OZ側のコード名は「ガンダム03」。
本稿では『新機動戦記ガンダムW ~ティエルの衝動~』に登場する派生機の概要も記述する。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] ガンダムヘビーアームズ
ガンダムヘビーアームズ | |
型式番号 | XXXG-01H |
建造者 | ドクトルS |
生産形態 | ワンオフ機 |
全高 | 16.7m |
本体重量 | 7.7t |
装甲 | ガンダニュウム合金 |
武装 | マシンキャノン×2 バルカン×2 ビームガトリング ホーミングミサイル×6 胸部ガトリング砲×2 マイクロミサイル×24 アーミーナイフ |
アビリティレベル | ファイティングアビリティ:レベル110 ウエポンズアビリティ:レベル160 スピードアビリティ:レベル110 パワーアビリティ:レベル140 アーマードアビリティ:レベル140 ※リーオーをオールレベル100として換算 |
主な搭乗者 | トロワ・バートン ヒイロ・ユイ |
[編集] 機体解説
アフターコロニー(A.C.)195年、スペースコロニー内に潜伏する反地球圏統一連合組織によって行われた地球上の連合及びOZに対する一大テロ作戦、オペレーション・メテオの中核として開発された5機のガンダムタイプMSの1機。
5機のガンダムは、その開発者である科学者達がA.C.180年以前から最強のMSとして設計していたウイングガンダムゼロのデータを基に、一部の機能を追求・特化して作り上げた子供達と言うべき存在であり、そのいずれもがOZが保有するMSを凌駕するスペックを有していた。
ヘビーアームズは、当時のウイングゼロの開発スタッフの1人ドクトルSが、L3コロニーにて完成させた機体である。ガンダムタイプは基本的に単機での敵殲滅・拠点制圧を目的としており、それを成し得る為の数々の機能・装備が取り入れられている。本機の志向するコンセプトは「火砲の充実による砲撃力の徹底追求」。これはある意味、ガンダムの基本コンセプトを最も単純に、かつ忠実に再現していると言える。
左腕のビームガトリングを始め、全身に多数のミサイル、ガトリング砲を内蔵した様は正に移動弾薬庫と言うべきもので、その総合火力は戦艦にも匹敵する。だが反面、弾切れ後の戦闘力低下も著しく、右腕に装備された折り畳み式アーミーナイフ以外の武装を持たないのが弱点である。
しかし、本機の専任パイロットであるトロワ・バートンは10歳の頃よりMSの操縦に親しんできた戦闘のエキスパートであり、その類稀な反射神経、身体能力を駆使した軽快かつアクロバティックな機動は、全弾発射後の接近戦においても優れた戦闘力を発揮した。
[編集] 武装
- ビームガトリング
- ビームの弾を高速連射する左腕の大型ガトリング砲。シールドを一体化した攻防一体の装備である。しかし、この異なる機能の一本化は装備の重量増加という弊害を生み、左側への重心偏向による機体挙動の不安定さが欠点であった。しかしトロワは高い操縦センスを以てこれをカバー、機体設定に特に補正を加える事無く操って見せた。補正を行っていない理由については、作中でトロワ自身が「接近戦に素早く移れるように」と語っている。バックパックにマウント可能。
- バルカン
- 頭部に2門内蔵された機関砲。小口径故威力・射程距離は攻撃用としては非力で、近接防御や牽制等の補助的使用に限られる。
- マシンキャノン
- 両肩に内蔵された機関砲。こちらは頭部バルカンに比べ大口径で、MSを充分に破壊可能な威力を持つ。
- 胸部ガトリング砲
- 胸部の開閉式装甲カバー下に隠されたガトリング砲。口径は頭部バルカンと肩部マシンキャノンの中間に位置し、砲門数を増加する事で総合的な威力を高めている。カバー開放時はコクピット部の装甲ごと開く構造のため、一時的にコクピット部の防御が皆無に近い状態となる。EndlessWaltz版では砲門部のみ開く構造に変わっている。
- ホーミングミサイル
- 両肩アーマー(Endless Waltz版は両脚ランチャーポッド及びフロントアーマー)に内蔵された自動追尾式ミサイル。ロックオンした標的の熱紋、電磁波を探知しこれを自動的に追尾する。
- マイクロミサイル
- 両脚ランチャーポッド(Endless Waltz版は両肩アーマー及び腰アーマー)に内蔵された小型ミサイル。こちらは追尾機能は無く、複数目標に対し飽和攻撃を仕掛ける“面の制圧”を目的とする。
- アーミーナイフ
- 右前腕に固定装備された折り畳み式ナイフ。ガンダニュウム合金製の刀身はチタニュウム合金製の装甲を切断・貫徹するには充分な強度を持つが、あくまで砲撃機の近接戦闘というイレギュラーをカバーする為の緊急装備であるため攻撃力自体はビームサーベルには及ばない。
- だがパイロットのトロワの高い技能によって敵を輪切りにするなど十分な活躍を見せる
- ビームサーベル
- 本機の正式な武装ではない。トロワは南極でゼクス・マーキスのトールギスとの決闘に臨むヒイロ・ユイに本機を貸し与えた際、密かにウイングガンダムのビームサーベル((1本))を左腕に仕込む改造を加えていた。通常はビームガトリングのみが外れるが、この改造により左前腕ごと外れ、グリップが露出する仕掛けとなっている。
[編集] 劇中での活躍
オペレーション・メテオでL3コロニーから地球に降下し、連合、ドーバー基地を襲う。ヒイロと同行していた間はノベンタ元帥の遺族の元やゼクスとの決闘の地へ彼を無事送り届ける際に機体のない彼に代わって活躍する。また、ヒイロもゼクスとの決闘で本機を使用した。しかし、ガンダムパイロットたちが宇宙に上がってからはトロワが本機を地球に置いたままOZに潜入しヴァイエイトに乗り換えたり、カトルを説得した犠牲に記憶喪失で宇宙を彷徨っていたため、4クールでサリィ・ポォに拾われ改修型が出るまでは全く出番がなかった。改修前の5機の中で唯一宇宙で姿を見せなかった機体でもある。
[編集] ガンダムヘビーアームズ改
ガンダムヘビーアームズ改 | |
型式番号 | XXXG-01HC |
建造者 | ドクトルS |
生産形態 | 強化改修機 |
全高 | 16.7m |
本体重量 | 7.7t |
装甲 | ガンダニュウム合金 |
武装 | マシンキャノン×2 バルカン×2 2連装ビームガトリング ホーミングミサイル×6 胸部ガトリング砲×2 マイクロミサイル×24 アーミーナイフ |
アビリティレベル | ファイティングアビリティ:レベル120 ウエポンズアビリティ:レベル170 スピードアビリティ:レベル120 パワーアビリティ:レベル140 アーマードアビリティ:レベル140 |
主な搭乗者 | トロワ・バートン |
[編集] 機体解説
トールギス、ウイングゼロの開発スタッフの1人ハワード博士が、自身の艦ピースミリオン内にてヘビーアームズを改修した機体。
左腕のビームガトリングが2連装に、バックパックや腰周りのスラスター類が宇宙用に強化された。但し実弾武装メインである構成は変わらず、弾切れの心配は解消されていないのが問題点であると言える。
[編集] 劇中での活躍
ウイングゼロのゼロシステムとカトルの呼びかけによりトロワが記憶を取り戻してからはピースミリオンの一員として再び改修された本機に搭乗することとなる。ホワイトファングのモビルドール群との戦闘やリーブラ破壊に貢献した。
[編集] ガンダムヘビーアームズ アーリータイプ
[編集] 機体解説
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz版のガンダムヘビーアームズである。TV版ヘビーアームズではシールドに一体化していたビームガトリングガンの代わりに実弾のガトリングガンを持ち、バックパックにはそのマガジンを装備している。また、TV版ヘビーアームズと同様の赤系のカラーリングがなされている。(設定資料等ではそうなっているが、Endless Waltz本編で数カットではあるがこのアーリータイプと思しき機体が回想シーンにて登場しており、そこでは後述のEndless Waltz版ヘビーアームズ改と同じ青系統のカラーリングとなっている。)
[編集] ガンダムヘビーアームズ改 (Endless Waltz版)
ガンダムヘビーアームズ改 (Endless Waltz版) |
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型式番号 | XXXG-01H2 |
建造者 | ドクトルS |
生産形態 | 強化改修機 |
全高 | 16.7m |
本体重量 | 8.2t |
ジェネレータ出力 | 3190kw |
スラスター総推力 | 73750kg |
装甲 | ガンダニュウム合金 |
武装 | マシンキャノン×2 バルカン×2 ダブルガトリングガン×2 ホーミングミサイル×36 ・オプション+8 ガトリング×4 マイクロミサイル×54 |
主な搭乗者 | トロワ・バートン |
[編集] 機体解説
OVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』では、5体のガンダムのデザインが一新された。
本機は設定上TV版のガンダムヘビーアームズ改と同一の機体であるが、一部の媒体では混同を避けるためガンダムヘビーアームズカスタムとも呼ばれる。また、TVに当初登場していたヘビーアームズに対応する機体としてヘビーアームズアーリーモデルのデザインも存在している。
武装は、2連装ガトリングが両腕に、計4門装備され、搭載されるミサイル類も大幅に増えている(ただし、ガトリングガンはTV版のビームガトリングとは異なり実弾である)。そして、アーミーナイフの廃止により完全な砲撃戦用MSになっている(ただし、小説版『Endless Waltz』では弾薬の尽きたヘビーアームズがアーミーナイフでサーペントと戦っている描写がある)。また、トロワ・バートンの意向で頭部右半分を覆うピエロのマスクも装備している。ガトリングガンは背部のラッチに装備可能。
1/144プラモデルではオプションとしてフロントアーマーに8発のホーミングミサイルを追加装備する。
[編集] 劇中での活躍
廃棄の為に太陽に向けて飛び立っていたが、マリーメイア軍が蜂起したため、再びトロワが搭乗する事となる。 作中では大量の火器でサーペントを迎撃した(ただし、作中は全て信管が抜かれていたため、1人の死者も出していない)。紛争終結後、サンドロック・デスサイズと共に爆破された。
[編集] 派生機
[編集] ガンダムデリンジャーアームズ
実業之日本社から刊行された『新機動戦記ガンダムW ~ティエルの衝動~』に登場する機体。
ヘビーアームズの量産化を前提に開発されたMS。首都防衛用砲撃機として大戦時に量産されていたが、大半の機体は結局実戦配備される事は無かった。長距離移動の必要が無い為、頭部のブレードアンテナが廃されているのが特徴。オリジナルのヘビーアームズよりも若干火力は上(ただし、オリジナルのヘビーアームズが改良されてからは、オリジナル機の方が上になった)である。
[編集] 劇中の活躍
ロームフェラ財団によって保管されていた機体の内1機が、元OZ兵士トライノイ・リヴィンスキーにより奪取された。その後、追撃して来たガンダムデスサイズギルティ、ガンダムサンドレオンと交戦し戦士の墓にて相打ち。トライノイも死亡した。
[編集] 関連項目
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ガンダムシリーズの映像作品 | ||||||
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ガンダムシリーズの劇中項目 | ||||||
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