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トールギス - Wikipedia

トールギス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

トールギス (Tallgeese) は、テレビアニメ新機動戦記ガンダムW』及びOVA新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に登場する架空の兵器OZ(旧スペシャルズ)によって製造されたモビルスーツ(MS)。(型式番号:OZ-00MS

名称の由来は降霊術師(Theurgist、テウルギスト、サージスト)から。


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 機体解説

機体諸元
トールギス(プロトタイプ・リーオー)
型式番号 OZ-00MS
OZ-00MS2(トールギスII)
所属 OZピースミリオン
地球圏統一国家軍(トールギスII)
設計・製造 ドクターJ
プロフェッサーG
ドクトルS
H教授
老師O
ハワード
生産形態 試作機
全高 17.4m
本体重量 8.8t
装甲材質 チタニュウム合金
(小説版:ガンダニュウム合金
武装 ドーバーガン
ビームサーベル×2
シールド
アビリティレベル ファイティングアビリティ:レベル100
ウエポンズアビリティ:レベル110
スピードアビリティ:レベル150
パワーアビリティ:レベル130
アーマードアビリティ:レベル120
リーオーをオールレベル100として換算)
主な搭乗者 ゼクス・マーキス
オットー
トレーズ・クシュリナーダ(トールギスII)
竜 妹蘭(老師O製造機)

[編集] 機体解説

アフターコロニー(A.C.)世界における全ての戦闘用MSの原型となった機体。後にガンダムタイプを開発する5名の技術者、そして推進器技術の権威ハワード博士を加えた科学者グループによってA.C.175年頃に設計図が完成、機体の製作が開始された。

「重装甲の機体を大推力で制御する」と言うコンセプトで開発され、完成すれば単機で戦局を左右し得る程の凄まじいまでの機体となるはずだったが、それは同時にパイロットの身体に15G(1~2秒で達する)もの負荷をもたらし、通常の人間では扱えないであろう事が予見された。加えて、「実際の運用においてはそこまでの性能は不要である」、「1つの機体に多くを望んで大型化した機体サイズは以降のMSの規格とするには不適当である」などの理由で、試作機1機の完成と数機分の予備パーツの製造を以って計画は中断された。しかしこのMS「トールギス」の設計を素案に、機体の簡素化とスケールダウン、生産性の向上を目指した新たな標準機の開発が行われ、原型機トールギスに先んじて量産型MS OZ-06MS「リーオー」シリーズが誕生。以後、このリーオーを基準として派生機の開発が行われる事になる。この為、本機は「プロトタイプ・リーオー」とも呼ばれる。

ガンダムと似た意匠のフェイスの下が、リーオーと同様の四角形状センサーとなっている事からもそれが見て取れる。

[編集] トールギスII

ゼクスのトールギスと共に製造された予備パーツを用いて組み上げられた機体。世界国家軍元帥に就任したトレーズ・クシュリナーダが自身の乗機として完成させた。ゼクスの機体を1号機として、本機は便宜上トールギスII(ローマ数字の2)と呼ばれる。

頭部がよりガンダムタイプに近いフェイス形状となり、胴体やバックパック、シールドのカラーがブルーに変更された以外はゼクス機と全くの同型機である。

なお、アニメの企画段階ではガンダムを意識したものではなく黒いカラーリングが検討されており、当初、「ブラックトールギス」として紹介された。漫画版ではこちらの機体が登場している。


[編集] 武装

トールギスの武装は全てが後のリーオーにも採用された装備である。

ドーバーガン
MSの身長を上回る大型砲。並の量産機程度の装甲なら容易く貫く程の威力を持ち、直撃すればガンダムタイプとて無事では済まない。だが、その他の武装に比べやや高価なため、供給数は多くはない。威力に比例して発砲時の反動も大きく、更にそのサイズもあって基本的には両手持ちでの運用される。トールギスは片手で射撃可能。
設定上はビーム弾と実体弾の2通りがある模様(トールギスはビーム弾の様である)。
シールド
左肩アタッチメントに装備された円盤状シールド。表面には鷲をモチーフとしたエンブレムがあしらわれている。
ビームサーベル
シールド裏に2基格納される格闘武装。

[編集] 劇中での活躍

トールギス

未完成状態のままコルシカ基地の倉庫に20年間放置されていたが、AC195年、OZのワーカー特士によって発見され、地球に降下したガンダムタイプに比肩し得るMSを求めていたゼクス・マーキス特尉に譲渡された。製造開始から20年目に完成したトールギスは、その後長い間彼の愛機となる。

テストパイロットはゼクスの部下であるオットー特尉が務めた。トールギスの旋回性能がエアリーズの3倍以上に達する等のデータを残したが(最高速度に至っては計測不能)、本機の初陣後負傷したゼクスに代わり無断で出撃したオットーは、勝利と引き換えにG負荷によって命を落とす事となった。

普通の人間に比べれば訓練である程度のGには慣れてはいたであろうゼクスも、当初は搭乗する度に吐血する程の過酷な状況に苦しめられる。しかし彼はついにはこの機体を制御し、南極におけるヒイロのガンダムヘビーアームズとの一騎打ちでも互角の戦いを繰り広げた。

ゼクスが宇宙に上がってからは多数のモビルドール部隊を相手に互角に渡り合ったが、この頃から、ゼクスの反応速度にトールギスの性能が追いつかなくなる。最後はゼクスがウイングガンダムゼロへ乗り換える時間を稼ぐ為、トーラス複数機を道連れに自爆させている。

小説版の新機動戦記ガンダムW Endless Waltz他で語られた張五飛の過去において、後のゼクス機とは別の、青いトールギスが確認されている。L5コロニー防衛のため、老師Oの手によってシェンロンガンダムに先行して建造されたこの機体には、L5コロニーがOZによる襲撃を受けた際、張五飛の婚約者であった竜一族の当主の孫、竜妹蘭が搭乗し、Gに耐えられず命を落としてしまっている。

トールギスII

トレーズが搭乗し、地球軍の陣頭に立ってホワイトファングと交戦する。幾多のビルゴIIを撃破した後に張五飛アルトロンガンダムと一騎打ちに臨む。戦闘で互角以上に戦うも、最期はツインビームトライデントで胴体を貫かれ撃破されている。

[編集] トールギスIII

OVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に登場。プリベンター・ウィンドことゼクス・マーキスが搭乗した。「III」はローマ数字の3である。

機体諸元
トールギスIII
型式番号 OZ-00MS2B
所属 プリペンダー
設計・製造 ドクターJ
プロフェッサーG
ドクトルS
H教授
老師O
ハワード
改修 地球圏統一国家
生産形態 カスタム機
全高 17.4m
本体重量 8.2t
ジェネレーター出力 3,447kW
スラスター総推力 87,003kg
装甲材質 チタニュウム合金
武装 メガキャノン
ビームサーベル×2
シールド(ヒートロッド
バルカン×2
主な搭乗者 ゼクス・マーキス

本機は「オペレーション・メテオに端を発する大戦の末期、トールギスIIと同時期にロールアウトしていた。しかし専用武装の最終調整に難航し、更に完成前に戦争終結を迎えた理由もあり、結局実戦投入される事は無かった。但しこれには異説があり、「トレーズがゼクスとの決戦用に製造したものの、ゼクスがガンダムエピオンに搭乗していた為に不要になった」等の経緯があるとも言われている。その後、バートンの乱が発生し、戦力が必要になった事からプリベンターが保管していた本機がゼクスに渡された。

武装以外の仕様は一部装甲の追加や細部形状が変更された程度だが、制御インターフェイスにはエピオンに実装されたエピオンシステムの前身的システムが搭載されている[1]

劇中、最新鋭MSであるサーペントと互角以上に渡り合い、多数を戦闘不能に陥れたことからも、トールギスの性能が決して最新MSに劣るものではないということを証明している(無論、ゼクスの卓越した操縦技術も理由の1つに挙げられるが)。

[編集] 武装

メガキャノン
右肩アタッチメントに装備された大型ビーム砲。通常射撃でもドーバーガンを上回る威力を持つが、更に砲身を上下分割・延長した最大出力モードに移行する事で、ウイングゼロのツインバスターライフルにも匹敵する破壊力を発揮する。
シールド(ヒートロッド)
エピオンと同型のヒートロッドを内蔵した専用シールド。本機に装備されたロッドは不使用時の取り回しを考慮し、シールド内への伸縮・格納機能が追加されている。なお、シールド裏面には先行2機と同型のビームサーベル2基を格納する。
バルカン
頭部に固定装備された近接防御機関砲。同時に頭部自体も先行2機と異なる独自のデザインが取り入れられている。

[編集] 劇中での活躍

地球から単独で大気圏突破、資源衛星MOIIIに到達するが、デキム・バートンによる真のオペレーション・メテオを見抜く事は出来なかった。その為、デキムに「X-18999コロニーを地球に落とす」と脅迫されデキム達の地球降下を許してしまう(しかし、その後デキムを逃がすもののメガキャノンで資源衛星MOIIIを破壊している)。 ブリュッセルでの戦闘においてはルクレツィア・ノインのトーラスと共に多数のサーペントを行動不能にした。騒乱終結後の本機の処遇は不明である。

[編集] 注釈

  1. ^ 「新機動戦記ガンダムW MS エンサイクロペディア」(一迅社発行)より。

[編集] 関連項目


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