ウォルター・ジョンソン
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ウォルター・ジョンソン(Walter Perry Johnson , 1887年11月6日 - 1946年12月10日)は、主に1910~1920年代に活躍したアメリカメジャーリーグの野球選手。ポジションは投手。カンサス州フンボルト生まれ。右投げ右打ち。ニックネームはThe Big Train(人間機関車)。通算417勝を挙げたメジャーリーグを代表する剛速球投手。
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[編集] 来歴・人物
[編集] デビューまで
野球選手を志すようになったのは、父親が石油事業を始めるためカンザス州からカリフォルニア州に移住した1901年頃のことだった。高校在学中からその球の速さは注目され、高校卒業後すぐに、アイダホ州のアイダホ・ステートリーグのセミプロチームでプレイしていたところをスカウトされる。ただジョンソン自身は、当時田舎暮らしをよしとしていて、都会に出て行くことを渋っていたというが、1907年にワシントン・セネタース(現ミネソタ・ツインズ)とプロ選手としての契約を結ぶ。デビュー戦のデトロイト・タイガースとの試合に勝つことはできなかったが、対戦したタイガースのタイ・カッブは、ジョンソンが並外れた能力を持った投手であることをすぐに察知した。1年目のジョンソンの勝敗は5勝9敗だったが、防御率は1.88と良い数字を残した。
[編集] 大投手へ
ジョンソン入団後もしばらくセネタースは下位に低迷し、ジョンソン自身の勝星も伸びなかった。しかし彼は1910年に25勝17敗、防御率1.36、リーグ最多の313奪三振と更に成績を上げ、1912年には防御率と奪三振でリーグトップとなる。ジョンソンに引っ張られる形でようやくセネタースの成績も浮上し、この年チームはリーグ2位まで躍進した。
1913年から1919年のジョンソンの活躍は特に凄まじかった。1913年に最多勝、最多奪三振、最優秀防御率の投手三冠を獲得し、同年のチャルマーズ賞(最優秀選手賞)を受賞した。またこの年から4年連続でのリーグ最多勝利投手、また奪三振数も1912年から1918年まで8年続けてリーグ最多となる。1916年シーズンにはリーグ最多の369回を投げながら、ついに1本のホームランも浴びることがなかった。この頃のジョンソンの球速は99マイルはあったといわれ、対戦打者が2ストライクであきらめてバッターボックスから帰ってしまったこともあった。30歳になった1918年には二度目の投手三冠に輝き、1919年にも最優秀防御率、最多奪三振の2部門でリーグトップとなった。
[編集] 悲劇と復活
毎年のようにリーグの投手タイトルをとってきたジョンソンだったが、ボールの規格が変わった1920年の成績は8勝10敗、防御率3.13と落ち込んだ。翌1921年にジョンソンを相次いで不幸が襲う。7月に父親が脳卒中で亡くなり、同じ年のシーズンオフには長女がインフルエンザで亡くなった。相次ぐ悲劇にジョンソンは引退を考えていたが、ファンの懇願もあり、それまで一度もなしえていなかったセネタースのリーグ優勝を目標に現役続行を決意する。悲願となったセネタースのリーグ優勝はついに1924年に成し遂げられ、既に36歳になっていたジョンソンも23勝7敗と大活躍、同年は自身3度目となる投手三冠を獲得し、二度目のリーグ最優秀選手に選ばれた。翌1925年には37歳で20勝を達成、セネタースのリーグ2連覇に貢献した。
[編集] 引退後
1927年、ジョンソンは39歳で現役を引退。21年間で通算417勝279敗、生涯防御率2.17、3508奪三振、110完封、20勝以上12度、防御率2.00以下の年が11度という驚異的な数字が残った。最多奪三振12度は現在でもメジャーリーグ記録である。
引退後1929年から4年間セネタースの監督をつとめ、その後3年間クリーブランド・インディアンズを指揮した。インディアンズの監督を退いた1936年にアメリカ野球殿堂が設立され、ジョンソンは最初に殿堂入りした5人の選手の一人となった。1946年に脳腫瘍のためワシントンD.C.にて死去。
[編集] 年度別投手成績
年度 | チーム | 登 板 |
完 投 |
完 封 |
勝 利 |
敗 戦 |
セーブ | 勝 率 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボーク | 失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
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1907年 | WSS | 14 | 11 | 2 | 5 | 9 | 0 | .357 | 110.1 | 100 | 1 | 20 | 2 | 70 | 4 | 0 | 35 | 23 | 1.88 |
1908年 | 36 | 23 | 6 | 14 | 14 | 1 | .500 | 256.1 | 194 | 0 | 53 | 11 | 160 | 13 | 1 | 75 | 47 | 1.65 | |
1909年 | 40 | 27 | 4 | 13 | 25 | 1 | .342 | 296.1 | 247 | 1 | 84 | 15 | 164 | 12 | 0 | 112 | 73 | 2.22 | |
1910年 | 45 | 38 | 8 | 25 | 17 | 1 | .595 | 370.0 | 262 | 1 | 76 | 13 | 313 | 21 | 0 | 92 | 56 | 1.36 | |
1911年 | 40 | 36 | 6 | 25 | 13 | 1 | .658 | 322.1 | 292 | 8 | 70 | 8 | 207 | 17 | 0 | 119 | 68 | 1.90 | |
1912年 | 50 | 34 | 7 | 33 | 12 | 2 | .733 | 369.0 | 259 | 2 | 76 | 16 | 303 | 11 | 0 | 89 | 57 | 1.39 | |
1913年 | 48 | 29 | 11 | 36 | 7 | 2 | .837 | 346.0 | 232 | 9 | 38 | 9 | 243 | 2 | 0 | 56 | 44 | 1.14 | |
1914年 | 51 | 33 | 9 | 28 | 18 | 1 | .609 | 371.2 | 287 | 3 | 74 | 11 | 225 | 14 | 1 | 88 | 71 | 1.72 | |
1915年 | 47 | 35 | 7 | 27 | 13 | 4 | .675 | 336.2 | 258 | 1 | 56 | 19 | 203 | 7 | 0 | 83 | 58 | 1.55 | |
1916年 | 48 | 36 | 3 | 25 | 20 | 1 | .556 | 369.2 | 290 | 0 | 82 | 9 | 228 | 9 | 0 | 105 | 78 | 1.90 | |
1917年 | 47 | 30 | 8 | 23 | 16 | 3 | .590 | 326.0 | 248 | 3 | 68 | 14 | 188 | 7 | 0 | 105 | 80 | 2.21 | |
1918年 | 39 | 29 | 8 | 23 | 13 | 3 | .639 | 326.0 | 241 | 2 | 70 | 8 | 162 | 8 | 0 | 71 | 46 | 1.27 | |
1919年 | 39 | 27 | 7 | 20 | 14 | 2 | .588 | 290.1 | 235 | 0 | 51 | 7 | 147 | 4 | 1 | 73 | 48 | 1.49 | |
1920年 | 21 | 12 | 4 | 8 | 10 | 3 | .444 | 143.2 | 135 | 5 | 27 | 5 | 78 | 5 | 1 | 68 | 50 | 3.13 | |
1921年 | 35 | 25 | 1 | 17 | 14 | 1 | .548 | 264.0 | 265 | 7 | 92 | 2 | 143 | 7 | 0 | 122 | 103 | 3.51 | |
1922年 | 41 | 23 | 4 | 15 | 16 | 4 | .484 | 280.0 | 283 | 8 | 99 | 7 | 105 | 3 | 0 | 115 | 93 | 2.99 | |
1923年 | 42 | 18 | 3 | 17 | 12 | 4 | .586 | 261.0 | 263 | 9 | 73 | 20 | 130 | 2 | 0 | 112 | 101 | 3.48 | |
1924年 | 38 | 20 | 6 | 23 | 7 | 0 | .767 | 277.2 | 233 | 10 | 77 | 10 | 158 | 4 | 0 | 97 | 84 | 2.72 | |
1925年 | 30 | 16 | 3 | 20 | 7 | 0 | .741 | 229.0 | 217 | 7 | 78 | 7 | 108 | 1 | 0 | 95 | 78 | 3.07 | |
1926年 | 33 | 22 | 2 | 15 | 16 | 0 | .484 | 260.2 | 259 | 13 | 73 | 5 | 125 | 2 | 0 | 120 | 105 | 3.63 | |
1927年 | 18 | 7 | 1 | 5 | 6 | 0 | .455 | 107.2 | 113 | 7 | 26 | 7 | 48 | 1 | 0 | 70 | 61 | 5.10 | |
通算成績 | 802 | 531 | 110 | 417 | 279 | 34 | .599 | 5914.1 | 4913 | 97 | 1363 | 205 | 3508 | 154 | 4 | 1902 | 1424 | 2.17 |
[編集] タイトル・表彰・記録
- アメリカンリーグ最優秀選手:2回(1913年、1924年)
- 投手三冠:3回(1913年、1918年、1924年)
- 最多勝利:6回(1913年~1916年、1918年、1924年)
- 最優秀防御率:5回(1912年、1913年、1918年、1919年、1924年)
- 最多奪三振:12回(1910年、1912年~1919年、1921年、1923年、1924年)
- 通算完封数:110(歴代1位)
- 通算防御率:2.17(歴代8位:投球回2000イニング以上)
[編集] 打撃成績
- 通算成績:933試合、2324打数547安打、本塁打24、打点255、打率.235
[編集] 監督としての戦績
年度 | チーム | リーグ | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 勝率 | 順位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1929年 | WSH | AL | 153 | 71 | 81 | .467 | 5位 | |
1930年 | 154 | 94 | 60 | .610 | 2位 | |||
1931年 | 156 | 92 | 62 | .597 | 3位 | |||
1932年 | 154 | 93 | 61 | .604 | 3位 | |||
1933年 | CLE | 99 | 48 | 51 | .485 | 4位 | 6月11日~ | |
1934年 | 154 | 85 | 69 | .552 | 3位 | |||
1935年 | 96 | 46 | 48 | .489 | 3位 | 開幕~8月4日 | ||
通算 | 966 | 529 | 432 | .550 |
[編集] 出典・外部リンク
- baseballhalloffame.org(英語)– アメリカ野球殿堂(National Baseball Hall of Fame)による紹介
- 選手の通算成績と情報 Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube
- Official Web Site
獲得タイトル・記録 | ||||||||||||
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サイ・ヤング | ウォルター・ジョンソン | クリスティ・マシューソン | ピート・アレクサンダー | ウォーレン・スパーン | パッド・ガルヴィン | キッド・ニコルズ |
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ノーラン・ライアン | ロジャー・クレメンス | ランディ・ジョンソン | スティーブ・カールトン | バート・ブライレブン | トム・シーバー | ドン・サットン | ゲイロード・ペリー | ウォルター・ジョンソン | フィル・ニークロ | グレッグ・マダックス | ファーガソン・ジェンキンス | ボブ・ギブソン | カート・シリング | ペドロ・マルティネス | ジョン・スモルツ |
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投 手 | ノーラン・ライアン · サンディー・コーファックス · サイ・ヤング · ロジャー・クレメンス · ボブ・ギブソン · ウォルター・ジョンソン · ウォーレン・スパーン · クリスティ・マシューソン · レフティ・グローブ |
捕 手 | ジョニー・ベンチ · ヨギ・ベラ |
内野手 | ルー・ゲーリッグ · マーク・マグワイア · ジャッキー・ロビンソン · ロジャース・ホーンスビー · マイク・シュミット · ブルックス・ロビンソン · カル・リプケン · アーニー・バンクス · ホーナス・ワグナー |
外野手 | ベーブ・ルース · ハンク・アーロン · テッド・ウィリアムズ · ウィリー・メイズ · ジョー・ディマジオ · ミッキー・マントル · タイ・カッブ · ケン・グリフィー・ジュニア · ピート・ローズ · スタン・ミュージアル |
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