アンチ巨人
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アンチ巨人(アンチきょじん)とは日本のプロ野球球団・読売ジャイアンツを嫌う人の総称である。
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[編集] 概要
アンチ巨人という野球ファンが現れたのは、昭和40年代(1960年代後半~1970年代前半)の読売巨人軍V9における黄金時代からとされる。この当時は、「巨人軍が強すぎる」がために嫌うファンが主流であった。
昭和50年代(1970年代後半)以降は、ジャイアンツが強いことよりも、球界の盟主を標榜するがゆえの、プロ野球ファンを無視した独善的な選手獲得および制度改革によるところが大きい。
昭和50年代~昭和60年代(1970年代後半~1980年代)は、江川事件やの入団騒動など、特定選手の入団に際するトラブルがたびたび発生し、これがアンチ巨人を増やす原因となった。
平成(1990年代)以降、渡邉恒雄オーナー(当時)が球団経営にかかわるようになると、ジャイアンツに有利な制度改革(希望入団枠制度やフリーエージェント制度など)がアンチ巨人を増やすきっかけとなった。ただし、「巨人ファンだが渡邉は大嫌い」、という人も少なくない。
読売以外の特にセ・リーグのファンには「○○のファンでアンチ巨人」が多く、パ・リーグのファンは存在意義すら認められず報道などで公然と差別されていたこともあったため、セ・リーグへの反感としてのアンチ巨人も存在する。
しかし年々読売中心主義の弊害や特定球団に対する報道のみが優遇される、経営者としても他のオーナーは力が弱く渡邉の存在のみが極端に権力化している、などの不公平な扱いに対する野球ファンの不満が、次第にパ・リーグやMLBへの嗜好に変化するようになった。同時に福岡県・千葉県・北海道・宮城県といった地方にプロ野球が設置されたり、これらの好調な観客動員にあわせて他の球団もファン層の拡大のための経営努力をするなどしたため、ファンの分散化が起こっている。
しかし報道などでは未だに巨人が優遇されている現状であり、不公平な扱いや東京一極集中的発想の報道を続けるといった問題はマスコミ問題として潜在している。
[編集] アンチ巨人が問題視する項目
アンチ巨人が読売巨人軍を嫌う理由の代表的なものとして、以下の項目が挙げられる。
- 別所引き抜き事件
- 湯口事件
- 江川事件
- 定岡正二のトレード拒否
- 柴田勲のポーカー賭博現行犯逮捕
- 桑田真澄の登板日漏洩事件
- 上原浩治の2000年の交通事故時における対応
- 読売巨人軍ファンの応援におけるオリジナル発言問題:千葉ロッテマリーンズの応援を多く流用した私設応援団G-FREAKSがオリジナルと言い張った問題。
- 逆指名対象となった目玉選手の不可解な入団経緯。
- 元木大介をはじめとするドラフト候補選手の巨人以外入団拒否の姿勢。
- 2003年の原監督が渡邉恒雄会長との確執が原因で辞任。辞任にあたっての巨人サイドでのセレモニーが行われなかったこと、さらにはたまたま最終戦が阪神だったことから、星野監督(当時)が阪神サイドに「花道を飾らせてあげたい。」と働きかけ、前代未聞の敵陣地である甲子園球場での辞任セレモニーを実施、花束贈呈と辞任のスピーチが行われたこと。原辰徳#その他および星野仙一#人物参照
- 2004年のプロ野球再編問題における読売新聞社社長の渡邉恒雄による暴言「たかが選手が!」に対する反感(現場の野球選手に対する冒涜)
- 徳光和夫や中居正広といった、他球団を誹謗する巨人ファンへの批判。
- 審判の巨人びいき。いわゆる"ジャンパイア"
- 東京ドームにおける、巨人のホームラン乱発。通称"ドームラン"
- FA選手やドラフト候補の選手への裏金問題(例、内海哲也、金刀憲人、小笠原道大など)
それ以外に、いわゆる判官びいきもある。テレビやマスコミが巨人ばかりを取り上げすぎるとか、ひいきチームの試合はテレビに出ないのに巨人ばかりが、とか言う声もある。読売新聞や日本テレビの系列企業における過剰報道、ひいき報道が繰り返されている現状もある。
野球愛好者の中では「本来中立であるべきマスコミが、自社系列であるものの、特定の1球団を全国的な報道で大々的にひいき、優遇することを歴史的に続けているのはおかしい」ということが問題視されている。 他のマスコミでも読売に同調し、東京一極集中の報道をしているため、地方にある球団を軽視するなど中立を無視している現状がある(例はテレビ朝日の報道ステーションの「月刊カズシゲ」)。 他の球団が同様の手法をとることは親会社の業種や規模として不可能であるため、報道として批判がある(現在ではパ・リーグにマスコミを親会社とした球団がないこともある)。
また、親会社が全国マスコミであることは、選手にとって知名度を上げる格好の材料となる。スター扱いされること、金銭面で他球団より投資が高い球団であることで年俸も高いこと、引退後に事業をするときに有利であったり、テレビでの露出もしやすいなどの特殊性があることもいえる。しかし読売にとっては広告塔としての効果は多大であるが、本来のプロ野球のあり方として疑問がもたれている。報道、特に放送回数の多さなどが原因でセ・リーグのみを逆指名する選手が多いなどの弊害も出ている(親会社がマスコミである横浜ベイスターズですら、その親会社のTBSが今も巨人偏重の報道をしている(しかし最近は朝の番組で横浜の情報を流したり、夕方のニュースでは基本的に横浜の試合しか流さなくなった。TBSにある紙コップなどには全て横浜ベイスターズのロゴが刻印されている。)し、東京ヤクルトスワローズに出資しているフジテレビやニッポン放送も同様である)[要出典]
[編集] アンチ巨人が起こした出来事
[編集] 球界の盟主を自認するが故の反感
渡邉恒雄や徳光和夫など熱狂的巨人ファンは、「巨人が優勝すると景気が良くなる」と発言することがあるが、アンチ巨人が「巨人ファンの見苦しい言い訳」と主張することでもある。
「全国ネットで試合が放送される巨人と、一部地域でしか放送されないことの多い他球団(特にパ・リーグ)で仮に優勝したときの経済効果を考えれば、単純に人口比でみれば巨人ファンが多いから、巨人の優勝セールが全国で行われる」ということである(特に2000年のONシリーズはそれが顕著に出た)。
しかし、現在は巨人戦の地上波中継が削減されており、視聴率も芳しくない。それが原因で最近では巨人戦を放送するよりも、数字が取れている番組を放送したがる傾向が見受けられる(例:日本テレビの土曜・日曜。2007年時点では19・20時台のレギュラー番組が好調のため)。
[編集] アンチ巨人の有名人
- 青島幸男
- 巨人の批判本『だから巨人ファンはバカなのだ』(ごま書房、1976年)を刊行した。
- 畑田国男
- 漫画家。1982年に有志と「嫌巨会」を結成し、「畑田国男と嫌巨会」の名義で『アンチ巨人読本』(1982年、大陸書房。のち角川文庫に収録)、『アンチ巨人狂本』(1983年、角川文庫)を刊行した。『アンチ巨人読本』では一方的に罵倒するだけではフェアではないと、ジャイアンツに対して嫌巨会とのソフトボール試合の呼びかけも行ったが、これについては反応はなかった。
- 高橋留美子
- 『虚塵の星』という同人誌を出した事がある。高橋留美子漫画作品一覧/「虚塵の星」。
- 武論尊
- 「巨人の負け試合」が、一番好きな番組だとヤングマガジンのインタビューで発言した。
- 久米宏
- 巨人が優勝した1989年にニュースステーション内で行った賭けの代償として丸刈りになった。
- 山中秀樹
- 琴錦功宗
- 角界一を自負するほどのアンチ巨人。ジャイアンツが優勝した時、水戸泉が彼に優勝話を聞かせたら「イヤミを散々言いやがって」と激怒したほど。
- やくみつる
- いしいひさいち
- 渡邉恒雄を非難する意味で、渡邉をモチーフにした「ワンマンマン」というキャラクターを登場させている(ののちゃんなど)
[編集] アンチ巨人用語
- 虚塵…巨人の侮称で主に2ちゃんねるやmixiで用いられる。
- ゴミ売…読売の侮称
- 呆痴スポーツ…報知スポーツのこと
- バカ大将…原辰徳の侮称でマラ立つとも呼ばれる。
- ウナギイヌ…阿部慎之助のことを指す。あまりにも顔が不細工で天才バカボンのウナギイヌに似ているためそうよばれる。
アンチだけでなく巨人ファンにも知られている。
- 落武者…元北海道日本ハムファイターズの小笠原道大のことを指す。日ハム時代は逞しい髭を生やしてまるでサムライのような雰囲気だったが虚塵に来てからは落武者やカッスと呼ばれる。
- アゴ倉…中日ドラゴンズ→近鉄バファローズ→横浜ベイスターズの門倉健のことを指す
- ケツ出しバカ…高橋尚成が02年のビール掛けの時にケツを出して全国放送で恥を晒したバカのこと