駅スタンプ
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駅スタンプ(えきスタンプ)は、駅に置かれた記念用のスタンプの事を指す。
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[編集] 概要
観光名所の最寄り駅などでは、駅独自のものが製作される事もあるが、日本では旧国鉄時代に統一シリーズで設置されたものが有名である。JRになってからは各社で、あるいは支社内で統一デザインで設置される事も多い。また、記念のためのスタンプが新調される事もある。最近ではスタンプラリー用のスタンプを設置される事もある。また、私鉄でもスタンプを設置している会社も多い。
最近、合理化が進み無人駅となる事が多いが、近隣の有人駅で取りまとめられている事がある。また、駅に隣接する公共施設や駅前の売店などに切符販売を委託しているケースでは、スタンプも預けられている事もある。
歴史は古く、1931年(昭和6年)に福井駅に設置されたのが最初だった。当初は郵便の日付印を大きくした5cm程の物である(現在、JR東日本の大宮支社や八王子支社が採用しているサイズに近い)。
最近では、NHKの番組『鉄道乗りつくしの旅』で終着駅のスタンプが取り上げられ、注目を集めた。
[編集] 国鉄のスタンプシリーズ
[編集] DISCOVER JAPAN(通称DJスタンプ)
1970年に全国の約1,400駅(船舶内・自動車駅を含む)に設置した。この時は統一的なデザインは示されず、形も丸、四角や変形のものなど様々であった。以前からその駅にあったデザインに「DISCOVER JAPAN」の文字を入れたという駅が多かった。
文字の表示は、当初は「DISCOVER」と「JAPAN」の間に風向計の様な矢印が付いた物が大多数であったが、その後第2弾が製作された時には省略され、「DISCOVER」と「JAPAN」の間にハイフンを入れ、「JAPAN」の方を大きくしたデザインになった。但し、勝沼駅(勝沼ぶどう郷駅への改称後も使用中)では異なった字体であった。
専用の丸いプラスチック製のスタンプ台も設置された。目の高さには六角形の広告などを挟む板が2枚付けられていた。現在でも地方の駅でこのスタンプ台を見掛ける事がある。
また、この時に周遊券(→周遊きっぷ)を購入した者にラリー用のスタンプノートが渡され、スタンプの数に応じて景品が貰えたが、好評であったためにその後、弘済出版社(現在の交通新聞社)から国鉄監修として専用のスタンプ帳(現在のわたしの旅スタンプノート)も売り出され、駅の売店(キヨスク)などで購入できた。巻頭には全国のスタンプ設置駅が路線図で掲載された。このスタンプ帳はその後現在までにシリーズが変わる毎に新しい表紙で登場している。
このスタンプは、後に「わたしの旅」シリーズの登場で多くの駅からは消えたが、現在まで都会でも逗子駅や佐原駅など現役で残っている駅もある。特に地方の場合、その後に新しいスタンプが製作される程の乗降がないために生き残っている事が多く、その結果規模が小さい駅には残っているパターンが多く、最初に製作された矢印入りのスタンプも数多く残っている。
[編集] 一枚のキップから
1977年から始まった全国キャンペーンで、国鉄のテレビCMでも流された。「一枚のキップから」と書かれた硬券切符にM形の改札鋏を入れたデザインであった。この時点で設置した駅では「DISCOVER JAPAN」のスタンプからの置き換えがあったが、併用していた駅もあった。また、設置された駅はバスを含めて名所・旧跡の最寄り駅297駅(鉄道ファン1977年7月号106ページの記事による)で、しかも各管理局内で最大でも10数駅(最大は盛岡の17駅)であったため、「DISCOVER JAPAN」のスタンプもかなり残っていた。
この中で千葉管理局管内の駅には「ようこそ房総へ」も統一して入れられていたのが特筆できる。
元々設置数が少ない上、わたしの旅シリーズで多くが置き換えられたため、現在では残っている駅は数える程になり、東京近辺では佐原駅や勝浦駅などに限られ、DISCOVER JAPANシリーズより後発であるにも関わらず、シリーズ物では最少数派になっている。この中で、土讃線阿波池田駅では後述する「わたしの旅」で説明されている「JR四国版」となっているのが特筆できる。
[編集] いい日旅立ち
いい日旅立ちは1978年から始まった「DISCOVER JAPAN・2」ともいえるキャンペーンである。ただ、全国的な大規模のスタンプ設置は行われず、主要駅のみであった(一説によるとこれまでのスタンプが消耗したため作り替えられた駅にのみ設置されたとも言われている)。設置された時期もバラバラであり、シリーズ物というよりは、実質的にはこの頃に製作されたスタンプにロゴを後付けしたものであった。山口百恵の同名の曲もヒットし、キャンペーンに使われた。設置数は「一枚のキップから」よりもさらに少なかったため、現存する駅は1桁寸前の状態で、現在はほとんど全滅している。
[編集] わたしの旅
1980年に今までの国鉄キャンペーンのためのスタンプ設置とは異なり、スタンプを押すことが主体の企画として登場した。国鉄認定駅(=正規印)だけでも約740駅に設置した(国鉄認定駅とは「わたしの旅スタンプノート」にあった設置リストに掲載された駅のことであり、定義が曖昧であったため国鉄がわたしの旅スタンプに認定しなかった駅や独自に駅や管理局が製作した駅など、対象外の駅を含めると800駅近くにのぼる)。大きな特徴として、必ずしもターミナル駅に配備された訳ではなく、規模が小さな駅でも特色があれば設置されたことである(これの有名な事例が山手線で隣同士の目白駅と池袋駅であり、前者には配備されたが、後者は対象外であった)。
スタンプ自体に意味を持たせたことと、その駅のある地域の自然や文化・駅の特徴などにちなんだキャッチフレーズが入れられ「○○の駅(その他に街・里などもあり)」などと表示され、イラストが入ったということが特筆できる。
スタンプの意味は、3色の色(黒・赤・紫)と4種類の形(丸・四角・五角・六角)を組み合わせた12種類に分類された。規定の骨格は国鉄本社が決めたが、細部は各鉄道管理局に任されていたため、各地で違いが出ており、字の書体は各管理局で異なっていた他、東京西局では中距離電車の区間である塩山や甲府なども「中央線」表記であった。
色 | 形 | スタンプの意味(設置された駅の例) |
---|---|---|
黒 | 丸 | 自然の景色が特色の駅(大月駅など) |
赤 | 丸 | 動物や植物が特色の駅(行川アイランド駅など) |
紫 | 丸 | 温泉が特色の駅(熱海駅、伊東駅など) |
黒 | 四角 | 史跡や建物、文化財が特色の駅(御茶ノ水駅、中野駅など) |
赤 | 四角 | 新しい建築や文化施設が特色の駅(新宿駅、吉祥寺駅など) |
紫 | 四角 | 伝統工芸や特産物が特色の駅(結城駅、笠間駅など) |
黒 | 五角 | 歌、文学、伝説、人物が特色の駅(松戸駅、成東駅など) |
赤 | 五角 | 風俗、行事、お祭りが特色の駅(平塚駅、博多駅など) |
紫 | 五角 | 味覚が特色の駅(勝沼駅、富浦駅など) |
黒 | 六角 | 何かが国鉄で一番の駅(馬喰町駅、野辺山駅など) |
赤 | 六角 | レジャー、スポーツが特色の駅(千駄ケ谷駅、甲子園口駅など) |
紫 | 六角 | 産業が特色の駅(泉駅、八幡駅など) |
この中で一番少なかったのが「国鉄で1番」(黒六角形)で、稚内・千歳空港(→南千歳)・土合・横川・野辺山・東京・馬喰町・桜木町・津・二条・小松島(廃止)・平戸口(現・松浦鉄道のたびら平戸口)の各駅が採用していたが、現存している駅は桜木町のみとなっている。
また、「DISCOVER JAPAN」以来久しぶりに専用のスタンプ台が設置された。このスタンプ台は間伐材を利用した木製のもので、正面にスタンプの陰影が大きく掲げてあり、遠くからでもスタンプのありかを見つけることができた(このスタンプ台は後に他のスタンプが使用したり、スタンプ廃止後は掲示板や物置き台として現在も使用されている場合もある一方、駅の改装工事などで撤去された駅も多い)。このキャンペーンスタンプはJRにも引き継がれ、JRグループ監修のスタンプ帳も発売された。近年までは駅のキヨスクでも扱っていたが、現在では交通新聞社への直接購入やアマゾンなどのネット通販が主体となっている。書店でも購入できるが、常備しているのは東京駅の栄松堂や神田神保町の書泉グランデなどに限定され、多くの場合は取り寄せとなる。
JR化後には各地で独自仕様への改造が行われ、JR四国では、少し小型にして下に「JR四国 年 月 日」と日付の書き込みができる様に変更され、同時に路線名を○○本線から○○線に書き換えた(小型化された分絵が少し簡略化されている)。また、JR西日本のアーバン路線内の駅には各線の愛称も入れられ、例として姫路駅の場合、山陽本線の表記と共にJR神戸線の表記も入っている(この時、JR神戸線内ではエラースタンプが出現した。詳しくはエラースタンプの項目を参照のこと)。
国鉄時代は大きさは規格化されていたが、現在では大きさや仕様にも違いがあり、千葉駅や成田駅では小型になったり、1990年ごろから旧福知山管理局エリアの駅では形はそのままにシヤチハタ印に変更されやはり小型化されている。現在水戸駅に設置されているスタンプは10cm四方の正方形と非常に大型化されている(隣の勝田駅のスタンプ(水戸支社仕様のわたしの旅スタンプに極めて似ているスタンプ)が6cmであり、両者の差は3倍もある。国鉄時代は7cmが標準)。そのため、「わたしの旅スタンプノート」は横の長さがこのスタンプと同じ10cmのため、このノートに押印するのは困難である。
近年、登場から20年以上経過していることや各支社毎のスタンプシリーズが整備され、特に東日本と東海管内の駅からは消滅が激しく、JR東海では本社、静岡エリア共に統一印整備でほぼ消滅し、現在では名古屋・関ヶ原・木曽福島・一身田・三瀬谷・白川口・飛騨小坂の各駅にのみ残っている。東日本でも上越線や両毛線など全滅に近い路線も多い(両毛線は足利駅にのみ残存、上越線は越後中里駅のみだが同駅は冬期以外は無人のため押印不可となっており、同線は事実上全滅)。一方、本州以外の3社では今も多くの駅に残っている。特に四国は前述の様に独自の改造を行ったため、ほとんどの駅に残っており、現在でも管内の最大派を形成している。
なお、最近では色分けや形状の意味が引き継がれていないためか、スタンプインクの色や形が本来の意味と違う駅も数多く存在し、特にJR化以降に作られたスタンプは定義外れが目立つ。消耗で作り替えられる時に形が変わっている場合も多い(例として北鎌倉駅では現在国鉄時の規定にはない緑のインクを使用している。また千駄ケ谷駅は新宿地区で更新の際に「しんちゃんのスタンプノート」に含まれるため六角形→円形に変わっている、JR化後に作られた鶴見駅は「日本一古いクモハ12型走る駅」なので本来は「国鉄で一番」を意味する黒六角形であるが、実際は赤丸になっている、など)。
また、現在では「わたしの旅スタンプ」と言っても何のことか分からない駅員も多い。「古いスタンプ」や「国鉄のスタンプ」と言わなければ出て来ないことが多い。
[編集] いい旅チャレンジ20,000kmスタンプ
1980年に始まった乗りつぶし企画であるいい旅チャレンジ20,000km開始後、九州内の起点駅・終点駅に置かれていた駅名の書かれたスタンプである。
[編集] 新幹線乗車記念スタンプ
国鉄時代に開業した東海道・東北・上越の各新幹線の停車駅(1985年当時のみ その後に開業の駅は除く)にステンレス製のスタンプ台と共に新幹線改札付近に設置された。東北・上越では開業時に開業記念スタンプが設置され、好評だった事からその後東海道新幹線を含めて全駅に乗車記念として再度設置された。基本的には新幹線(東海道系は100系、東北系は200系。上野駅のみ開通時から1985年までは新幹線リレー号)と停車駅周辺の観光地や風景などを入れたものである。現在でも小田原、小山、熊谷など一部の駅には残っているが、設置場所が事務室や窓口に変わった駅もある他、上野と大宮では元々の上越新幹線乗車記念スタンプから「上越新幹線乗車記念」を削除して製作し直したスタンプが現在も使用されている。東海道新幹線では2005年夏頃から多くの駅で撤去され、現存している駅は小田原・熱海・新大阪のみである(但し当時のステンレススタンプ台に置かれているのは新大阪のみ。熱海は台を撤去、小田原は新幹線改札に申し出る必要がある)。山陽新幹線は新大阪以外には統一スタンプは用意されなかったが、山陽新幹線全通10周年記念スタンプが代わりに設置されて代用された。また、JR西日本では「500系のぞみ乗車記念」をのぞみ停車駅に設置していた時期もあり、JR東日本でも1998年の夏に「新幹線スタンプラリー」を企画していた事もあった。なお、東北新幹線の乗車記念スタンプは2007年10月14日に大宮に開館する鉄道博物館に収蔵される予定である。
[編集] 列車内のスタンプ
国鉄時代から寝台特急やSLなどイベント性の高い列車には乗車記念スタンプが置かれていた。現在でもトワイライトエクスプレスや九州横断特急、はやとの風などの観光列車やSLばんえつ物語号やSLやまぐち号などに置かれている。列車内で手軽に押せる様に多くはシヤチハタ印を使用しているのが特徴である。
[編集] JR化後の各社独自のスタンプ
[編集] JR東日本
平成が2桁になる頃から各支社毎に独自のスタンプが整備されつつあり、現在では支社統一印がないのは横浜支社と盛岡支社のみである。そのため、横浜支社管内では川崎・茅ヶ崎・町田・湯河原といった比較的知名度の高い駅であるにもかかわらずスタンプが設置されていない(現在横浜線・南武線・相模線では横浜支社内にスタンプが設置されている駅は全く無い)。またかつては「うるおいの新潟」や「うつくしまふくしま」などJRも関係している観光キャンペーンに併せてラリー用のスタンプが設置されていたことも多いが、現在ではコスト削減のためにほとんど設置されなくなって来ている。統一印整備の裏では国鉄時代~JR初期に製作されたスタンプの消滅が激しく、新潟支社や長野支社の様に統一印がある駅は古いスタンプが全くない駅も多い。
- 「奥の細道1989」
- 「駅からハイキング」
- 近年JR東日本が力を入れている「駅からハイキング」キャンペーンの参加記録としてスタート駅に小型のシヤチハタ印が用意されている。最初の頃は絵柄が入れられていたが、途中から「駅からハイキング・○○県」に変更になり、駅名と県名のみ(その他に小さくハイキンググッズが描かれている)のスタンプとなった。最後に整備された物は通常のゴム印となったが、その後参加システムが変更になり、スタンプが不要になったため、その後は追加されていない。
- 元々ハイキングの参加記録を付けるのが目的であり、既に他のスタンプが配備されていることが多いため、多くの駅では使用期間が短くすぐになくなることも多いが、国府津駅や北鴻巣駅の様にこのスタンプのみを常設印として使用している駅も存在している(注:北鴻巣駅は盗難のため、現在は設置されていない)。新潟支社ではこのほかにオリジナルの「えちご庄内駅からハイキング」のスタンプも製作されていたが、現在ではほとんど残っていない。
- このスタンプはハイキング参加者のためのスタンプであるが、参加者以外でも押せるため、通常の常設印にかなり近い。同じ様なスタンプはJR西日本にも存在する(駅からはじまるハイキング)が、西日本は専用のラリー帳以外への押印は禁止になっているのが東日本との違いである。
JR東日本のスタンプであるが、「駅からハイキング」のスタート駅には私鉄の駅も含まれていたため、鹿島臨海鉄道の大洗駅や長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅(このスタンプ自体は鹿島神宮駅に設置)、小湊鉄道の養老渓谷駅、伊豆箱根鉄道相模沼田駅、伊豆急行伊豆熱川駅にも設置されている。
- 八王子支社
- 2002年のスタンプラリーに際し、管内の有人駅すべて(京王の駅である南武線分倍河原駅は除外)に設置された。形状は小型で路線名、駅名、ゼブララインと会社名で囲ったものである。中央線の表記に関しては吉祥寺~藤野間が「中央線」、上野原~小淵沢間が「中央本線」となっており、東京圏での中央線(本線ではない)の定義である東京~大月間とはズレが生じている。
- 東京支社
- 東京支社新宿地区「しんちゃんのスタンプノート」
- これまでのスタンプの老朽化や紛失が多かったため、支社統一印が作成される前の1999年7月に新宿指導センターが独自に製作し、管内の山手線恵比寿駅~高田馬場駅と中央線の四ツ谷駅~西荻窪駅間に整備された。形状は8,5cmの円形だが、これまでの「わたしの旅スタンプ」と同じ二重輪郭+星マークがあるタイプ(信濃町駅・千駄ヶ谷駅・西荻窪駅・中野駅)とそれ以外(その他の駅)に分けられる。各駅バラバラな図案の中ですべてに共通なのはJRのロゴマークが入れられていることである。なお「しんちゃん」とは新宿地区のマスコットであり、この管内の駅で見掛けるお辞儀をしている駅員の名前である(新宿駅のスタンプにも描かれている)。
- 比較的新しいスタンプではあるが、支社全体の統一印が製作されたため、現存しているのは高田馬場・中野・荻窪・西荻窪・東中野・新宿・千駄ヶ谷の計7駅のみとなっている。
- このスタンプの特徴としては、これまでわたしの旅スタンプがあった駅でも千駄ヶ谷と中野は形が円形になり「中央線」が「JR」に書き替えられただけで、ほぼオリジナルと同じ図案であるのに対し、恵比寿駅は引き続き恵比寿様を図案にしたものの全く形が異なり、原宿と新宿に至ってはわたしの旅とは全く異なった図案に変わっている。
- 高崎支社
- 高崎支社はJR東日本でも一番スタンプに熱心であり、過去にも多くのシリーズが製作されている。
- LOOK EAST
- その先の日本へ
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- これもキャンペーンの一環として製作された。多くの駅ではLOOK EASTのデザインはそのままに、ロゴだけを作り替えた。
- 路線印
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- 通常スタンプは1駅1個が原則のため、新しいスタンプができた場合、古いスタンプは会社へ返却されるかもしくは廃止されることが多いが、高崎支社はこれらのスタンプが混在して残っている駅もあり、一度に複数押せる駅も目立つ。その一方で改廃も多く数年で絵柄が変わっていたりすることもあり、最新版である路線印も両毛線では現在では小型化された2代目に置き換えられているほか、上越新幹線・上越線でも上毛高原駅など半数の駅で撤去されている。
- 新潟支社
- JR記念スタンプ
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- 1994年頃から同支社管内の主要な駅に設置され、スタンプラリーに使用され、終了後に記念スタンプに名前が変わった。正方形のシヤチハタ印で路線別にインクの色が異なる(上越線=緑など)。近年、更新の際に通常のゴム印に作り替えられた駅もある。
- 長野支社
- 2003年よりエリア内の主な駅のスタンプが更新され、これまでの「わたしの旅スタンプ」の円形版をベースにした新スタンプが製作された。これまでのフレーズに代えて、外枠と内枠の間に駅名・路線名(長野駅は路線名はない。また小海線では愛称も併記)・開業日・標高が書かれている(例:●JR東日本 大糸線 白馬駅● ●昭和7年11月20日開業 標高697m●)。
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- 長野支社のスタンプは修正が多く、2005年夏に多くの駅で盗難に遭い、再製作された際に標高が訂正された駅もあるほか、長野新幹線は当初は在来線の駅の開業日を表記していたが、実態と合っていないため2006年初めに新幹線の開業日である「平成9年10月1日」に修正された。盗難に遭わなかった駅でも標高が訂正された駅も多い。
- 水戸支社
- 2001年頃より常磐線の多くの駅と水郡線の常陸大子駅に整備された。わたしの旅スタンプの四角形版であるが、一部がオリジナルと比較して角がやや角張っていることと、従来からわたしの旅スタンプを設置していた駅と勝田駅・高浜駅・富岡駅・久ノ浜駅は線名の代わりに「JR」が表記されている。形がやや縮小されていることを除けば「常磐線」表記の駅では国鉄規格と変わらないため区別することは難しい。水戸支社管内はこれまでわたしの旅スタンプがなかった駅もこのスタイルで整備されたため、現在ではJR東日本では一番わたしの旅スタンプが存在する状態である。牛久駅や日立駅などがこれまでの正規版(「常磐線」表記)を「JR」に変えただけであるのに対し、土浦駅は「筑波研究学園都市の駅」から「水と緑と歴史のまち」に変わっている。
- 大宮支社
さらにスタンプラリー期間のみの限定で高崎支社管轄の高崎線上尾駅、桶川駅、行田駅にも2004年1月に設置されていた。
- 千葉支社
- 支社統一印としては比較的初期の1998年より設置された。円形の上部に絵柄を配置し、下部にJR線の地図記号で仕切り駅マーク内にフリガナで表記し、その下に漢字で駅名を表記している。ただし、鹿島サッカースタジアム駅のようにフリガナが長い場合は入れ替っている。設置基準に統一性が無く、これまでわたしの旅スタンプがあった駅でもこのスタンプに置き換えがあった所と無いところがあり、必ずしも大きい駅に設置されたわけでもない(中心駅である千葉駅に設置されていない)など、他支社に比べて駅数と設置数の割合が低い。
- 東北地域本社(現仙台支社)通称:東北本社スタンプまたは仙台スタンプ
- 設置時期は不明。東北本社エリアのうち、宮城県内を中心とした本店エリアの東北本線・仙山線・仙石線・常磐線などの駅に設置された。下部に路線名と駅名が書かれ、上部に絵柄が書かれているが、特に目立った特徴は無い。設置後かなりの時間が経過しているため多くの駅では状態が悪く、更新も遅れているため絵柄が読みにくい所が目立つ。
このほか、関東の駅百選認定駅ではスタンプラリー用に用意されたスタンプを現在も使用している駅も多い。現在でもJRでは高尾駅・御嶽駅・大月駅・足利駅・北鎌倉駅・横須賀駅などで残っている。
[編集] JR東海
- 静岡支社
- 過去に2度統一印が設置された。最初は1992年に登場した5cmのスタンプ(シヤチハタ式)である。円形版の「わたしの旅」の形を引き継いでいるが、内枠がある駅とない駅があった。現在主流なのは2000年に63駅ある有人駅すべてに設置された新しいタイプの方である。8.5cmの円形にイラストが描かれているが、大型になったためこれまでのスタンプより絵が丁寧になり、美しい絵が描かれた駅が多い。また、地域の特性から図柄に富士山を入れてある駅も多い。
- 東海事業本部(通称東海本社印)
- 2002年に名古屋周辺の管内の52駅に設置された。路線毎に形が異なり、イラストは大幅に簡略化された。駅名のほかに路線名が入れられているがすべて「東海道線」など本線を省略した表記に統一されている。フレーズやイラストのモチーフなどは「わたしの旅」を引き継いだものも多い。ただし、インクはすべて赤を使用している。
[編集] JR西日本
JR西日本では主にアーバンネットワークエリア周辺の支社で独自印が多い。さらに2008年3月15日のダイヤ改正にあわせて、JR西日本管内(九州島内の山陽新幹線3駅を含む)すべての有人駅にスタンプを設置・更新することを発表した。既に新印に置き換えられている神戸・岡山・広島の各支社は新駅開業に伴う追加設置および旧印のみ設置されている駅・未設置駅が対象である。新デザインは旧国鉄のわたしの旅スタンプの円形バージョン(アーバン路線の路線名は愛称のみ表記)となる。
- アーバンエリアスタンプ
- 1989年より設置された。アーバンネットワークエリアに設置され、8cmの四角形と円形の2タイプが存在している。路線名と「JR西日本」・駅名でイラストを囲んでいるが、路線名は「大和路線」や「琵琶湖線」など愛称に統一されている(阪和線など、愛称のない路線は路線名のまま)。この形状はその後京都支社が独自に製作したスタンプに引き継がれた(四角形に統一され7cmに縮小)他、1991年4月25日の大阪環状線30周年記念スタンプもアーバンエリアスタンプをベースにしている。
- 神戸支社
- 2006年1月に管内の駅に設置された新しいタイプのスタンプである。通常のシヤチハタ印タイプとホッチキス型のスタンプに分けられている。なお、このスタンプの導入で管内のJR神戸線の駅では古いスタンプはすべて新スタンプと交換の形で会社へ返却となり、全滅となった(ただし、加古川線の神戸支社印は加古川鉄道部に集約保管されているため、一部の駅では旧印が現在も使用されている)。
- 神戸支社のスタンプは油性インクであるが、現在主流の顔料系ではなく、染料系を使用しているため、時間が経つと押したスタンプのインクのにじみが油性顔料インクよりもひどくなることがあり、押すのにはコツが必要である。
- 岡山支社
- 2006年11月上旬、岡山駅の新駅舎使用開始に合わせて津山・中国勝山・新見・備中高梁・総社・府中・西大寺・伊部・児島・和気・岡山・倉敷・新倉敷・笠岡・福山・尾道・新尾道の各駅に設置された。その後増備されていき、現在では、支社内のほぼすべての有人駅に配置されている。なお、このスタンプの導入により、岡山支社内の古いスタンプが山陽本線内を中心に淘汰されたが、残っている駅もわずかながらある。黒の顔料インクを使用したシヤチハタ印であり、印面下部にディスカバー・ウエストのロゴマークが入る。この中で和気駅のスタンプが隣の吉永駅が最寄である閑谷学校をモチーフにしたため設置後1か月で支社に返品され、短命に終わった。
[編集] 私鉄のスタンプ
- 東京メトロ
- 営団時代の1980年代に主要駅に設置されていたが、民営化時に主要駅と地下鉄博物館に全駅共通の新印が用意され、さらに2005年3月~2006年3月には東京メトロの誕生1周年記念スタンプラリー(チャレンジ東京メトロ 全駅スタンプラリー)として全駅に設置された。但し、他社管理駅は手前の駅に、複数の路線がある場合は同一柄を各線に1個づつ配備した。形状は駅毎に異なる。デザインは各駅毎に決められたため、バラエティーも豊富だった。このスタンプラリー終了後も一部の駅では残っている。また、営団時代のスタンプが地下鉄博物館と銀座駅に残っているが、新会社移行直後より営団色を極力排除した中では貴重な存在である。
- 小田急電鉄
- 1982年に登場し、その後全駅に設置された。現在、片瀬江ノ島駅以外は全駅で改札窓口や駅長室に保管されているが、近年一部で無くなった駅も出てきている。
- 富士急行
- 河口湖駅に6種類程置かれているが、スタンプのイラストにはJR車両(201系・189系・169系)が描かれている物もある。
- 東武鉄道
- 伊勢崎線、日光線、鬼怒川線、佐野線、桐生線、野田線、東上線の主要駅と名所下車駅に設置している。スタンプ用机はなく、改札内に保管してあるため、状態は良い。
- 都営地下鉄
- 相模鉄道
- これまで関東の駅百選選定駅以外にはスタンプが無かったが、2006年夏に「なつかしの駅舎」として全駅に設置された。ゆめが丘・緑園都市の両駅には百選のスタンプも設置されている。
- 大阪市営地下鉄
- 全駅に設置。地下鉄の売店でスタンプ帳を販売している。
- 山陽電気鉄道
- 全駅に設置。
- 札幌市地下鉄/福岡市地下鉄
- 全駅に設置されている
- 西日本鉄道
- 天神大牟田線の西鉄福岡(天神)駅、西鉄二日市駅、西鉄久留米駅、西鉄柳川駅、大牟田駅ならびに太宰府線太宰府駅、貝塚線貝塚駅、名島駅、香椎宮前駅、香椎花園前駅に設置。
他に近畿日本鉄道、京阪電気鉄道、叡山電鉄、南海電気鉄道、神戸新交通、高松琴平電気鉄道、土佐くろしお鉄道、甘木鉄道、島原鉄道等にもスタンプが置かれている駅がある。
[編集] エラースタンプ
通常、スタンプの原版は手作業で製作されるため、時には間違えて違う絵柄になる場合もある。多くはすぐに発覚して正規の物に差し替えられるため、押せる期間が短く貴重な物とされている。
- 1955年4月、国鉄奈良駅に設置されたスタンプのローマ字に誤って「NAHA」(那覇)と表記された。1ヶ月後に修正された。
- 1975年11月、国鉄北鎌倉駅のスタンプが新調された際に「鎌倉五山第一位円覚寺」が表記された。しかし、実際の第一位は建長寺であり、これを知った建長寺が国鉄に抗議した。その結果、「鎌倉五山第一位」が削除された。
- 1980年11月、国鉄の新シリーズ「わたしの旅」の整備時に大阪環状線の森ノ宮駅と東海道線の彦根駅が共に城のデザインであったため、森ノ宮駅に彦根城が、彦根駅に大阪城がそれぞれ描かれた。翌月には訂正された新しいスタンプが整備された。子供に指摘され、新聞でも話題になり、国鉄は赤っ恥をかいた。
- 1992年3月、JR西日本が「JR神戸線」を追加した「わたしの旅」スタンプを製作する際に、明石駅と姫路駅は本来「JR神戸線(山陽本線)」とすべきところを「JR神戸線(東海道本線)」と表記した。2ヶ月後に山陽本線表記に直された。
- 2005年3月、東京メトロが1周年記念スタンプラリーで整備した際、麹町駅のスタンプに描かれた電車に誤って営団地下鉄を意味する「Sマーク」を表記した。後にメトロの「Mマーク」が描かれた正規版に取り替えられている。また、赤坂見附駅のスタンプにも銀座線と丸ノ内線の電車を逆にするミスを起こし、すぐに差し替えられた。
なお、エラースタンプとまでは言えないが、次のような事例もある。
- 1980年から高山本線飛騨小坂駅に設置されている「わたしの旅」のスタンプには、御嶽山が描かれているが、これが木曽側から見た絵柄となっている。本来は飛騨側からの姿にすべきであろうが、四半世紀たった今でもそのまま使われている。
[編集] スタンプの製作
- スタンプは通常、その鉄道会社が地元の文具店に発注して製作する。イラストは業者に描かせる事もできるが、費用や日数が掛かるので、発注者が自分で描く事も多い。従って、スタンプの直径などはある程度規格化されている。ゴム印であれば約1万~1万5千円程度と比較的安く(普通のシヤチハタ印は2~3万円、ホチキス型となると4万円以上する)発注できる。
[編集] スタンプの達人達
- ベテランのスタンプコレクター達は、次の様な事を実践している。
- スタンプインクが薄い場合も多いので、スタンプインクを持参する(色も複数用意)。
- 油性、水性の両方のスタンプ台を持参し、インクを使い分ける。
- スタンプを掃除する専用ブラシ(歯ブラシなど)やウエットティッシュなどを用意。
- インクが滲まない様な吸い取り紙を使用(ティッシュペーパーでも可)。
[編集] マナー
- 使い終わったらスタンプは元のあった位置に置く。
- 使い終わったらインクの蓋は閉める。
- 混雑している時にスタンプを独り占めしない(押す枚数が多ければ待っている人に先を譲る)。
- 自前のインクを使う場合、油性と水性・顔料と染料などの違いがある。異なる種類を使う時は印面のインクを拭き取り、使用後も拭き取る(異なるインクを混ぜるとゴムの劣化の元になる)。
- シヤチハタ印は耐久性が低くなりがち。取り扱いは丁寧に。
- スタンプが置かれているテーブルやスタンプ台などにはスタンプを押さない。
- スタンプを盗まない。
[編集] 書籍
- 『コロタン文庫国鉄わたしの旅スタンプ全(オ-ル)百科』(三宅俊彦/小学館/1982年1月刊)
- 『駅スタンプの旅(SL編)』(松井信幸/エイ出版社/2004年2月刊)
- 『駅スタンプの旅(トロッコ列車編)』(松井信幸/エイ出版社/2004年10月刊)