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かもめ (列車) - Wikipedia

かもめ (列車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

白い「かもめ」885系電車
白い「かもめ」885系電車
「ハイパーサルーン」783系電車
「ハイパーサルーン」783系電車

かもめとは、九州旅客鉄道(JR九州)が博多駅長崎駅肥前鹿島駅佐賀駅間、諫早駅~長崎駅間を鹿児島本線長崎本線を経由して運行しているエル特急

目次

[編集] 運行概況

[編集] 使用車両

ソニック用編成で運転されることもある
ソニック用編成で運転されることもある
  • 885系電車:「白いかもめ」の愛称がある。通常は100号を除きSM1~7編成が充当されるが、運用と車両整備の都合上、SM8~11編成(「白いソニック」)が代走することもある(100号には毎日充当)。
  • 783系電車:「ハイパーサルーン」の愛称がある。通常はCM1~5編成が充当されるが、ごく稀に「にちりん」系統に充当されるCM31~34編成が代走することもある。なお、佐賀駅発着列車については本来CM35編成を充当するが、この車両は「みどり」の運用に入ることが多く、その際は「みどり」用のCM11~15編成または「ハウステンボス」用のCM21~25編成を充当する。

[編集] 運行本数等

定期列車
  • 博多駅~長崎駅:26往復(1~52号)
  • 博多駅~肥前鹿島駅:上り1本(102号)
  • 博多駅~佐賀駅:3往復(101~105号、100・106・108号)
  • 諫早駅~長崎駅:上り1本(202号。平日のみ運転)
    • 列車番号は、1~52号が号数+2000M、100番台が号数+1980M(ただし100・102号は号数+1982M)、202号は2092Mである。併結によって変わることはない。
臨時列車
  • 土曜・休日などには佐賀発博多行きの104号が運転される。
  • GW・お盆・年末年始などの最繁忙期には博多駅~佐賀駅・肥前山口駅間の列車が増発される(号数は80・90番台)。本数は時期によって異なる。この列車には885系と783系が併用されるが、2006年2007年の年末年始より時期によって787系電車の設定もある(885系・783系は共にに予備編成が少ないという事情がある)。なお、この臨時列車は佐賀駅~肥前山口駅間の乗客が極端に少なくなることから肥前山口駅発着の列車は減少傾向にあり、近年では上り1本を除き全て佐賀駅発着で運行されている(2007年の秋期は全て佐賀駅発着となっていた)。
    一方で長崎駅まで乗り入れる臨時列車はほとんど運行されてこなかったが、近年は福岡Yahoo!JAPANドームなどでのコンサートや長崎ランタンフェスティバルの際に臨時列車が運行されることがある(「ランタンかもめ」や「コンサートかもめ」の名前で運行されることもある)。2008年のお盆には博多駅~長崎駅間の臨時列車が運行されることになっている。
  • 2007年7月1日、臨時列車(団体扱い)「かもめ70周年号」が運行された。車両には485系国鉄色3両(大分鉄道事業部大分車両センター所属)が使用された。停車駅は博多、鳥栖、佐賀、肥前山口、肥前鹿島、多良(往路のみ)、湯江(復路のみ)、諫早、浦上、長崎である。また同日、長崎-諫早間でも臨時団体列車として運行された。

[編集] 利用状況など

「かもめ」は「リレーつばめ」・「ソニック」と並ぶJR九州の看板特急である。上記2列車と異なり完全な1時間2本運転ではないこと、783系列車は1号を除き佐世保線特急の「みどり」と併結運転するという特徴がある。783系充当列車と885系充当列車との所要時間面での格差が大きく、(肥前七浦諫早間の急曲線連続区間での振り子車と非振り子車の格差が大半)時間帯によっては併結運転を行う列車が運転されない時間帯もある。(下りでは博多発13・14時台、上りでは長崎発11・13時台)

博多-長崎間では1990年に長崎自動車道が全通後高速バス九州号」(九州急行バス)との競合が激しくなっている。所要時間では「かもめ」の方がやや優勢だが、高速バスは本数面や福岡市中心部である福岡空港天神にも立ち寄るという点で勝っている。運賃面やサービス面では従来高速バスに有利であったが2枚きっぷ・4枚きっぷ等の割引切符の発売や885系車両の導入などで差が縮まりつつある。

一方、博多-佐賀間は西鉄高速バスが頻発しているが博多-長崎間とは違い列車が優位に立っている。そのために佐賀駅からの博多方面への利用客は多く、上り列車の佐賀駅→博多駅間は一部の指定席が自由席として開放される(詳細は後述)。

バリアフリー対応設備は、885系の2号車長崎寄りに車椅子対応便所及び車椅子対応座席が設置されている。

[編集] 編成内容

※併結相手の「みどり」「ハウステンボス」(いずれも博多駅~肥前山口駅間併結)の編成はそれぞれのページを参照のこと。「みどり」は「かもめ」の博多側に(「ハウステンボス」も併結する際は「ハウステンボス」を間に挟む)併結する。

  • 3・7・11・13・17・21・25・27・29・33・37・41・45・47・49・51・105号、4・6・8・12・16・20・22・26・28・32・36・38・42・46・50・52・100・102・104号(885系SM1~7編成。ただし100号はSM8~11編成)
←長崎・佐賀 博多→
1 2 3 4 5 6
  • 1・5・91519・23・3135・39・43号、2・10・14・1824303440・44・48・202号(783系CM1~5編成。1号、202号を除き全列車「みどり」と併結し、号数表記がこの書体の列車は毎日、この書体の列車は週末など、23号は最繁忙期に「ハウステンボス」も併結)
←長崎 諫早・博多→
1 2 3 4 5
  • 101・103号、106・108号(783系CM35編成)
←佐賀 博多→
1 2 3 4

全車禁煙。783系は各車両とも長崎・佐賀寄りのA室と博多寄りのB室に分かれる。
また、カード式公衆電話は、885系では2号車長崎寄り、783系では1号車長崎寄りに設置されている。

枠=グリーン車 白枠=普通車 指=指定席 自=自由席

  • 指定席が自由席となる場合は、以下のとおりである。
    1. 2・52号の3号車。
    2. 5号の2号車B室・3号車。
    3. 1・3・105号、100・102・104号の2・3号車。
    4. 202号の全車(1号車A室は乗車不可)。
    5. 上り列車の佐賀駅~博多駅間において、1号車を除く指定席車両(この場合は空いている指定席を自由席として開放するため、指定券を持つ客が優先)。
  • 「かもめ」と「みどり」(列車によっては「ハウステンボス」)の車内間通り抜けはできない。
  • 783系で運転する列車は、2000年3月11日(885系投入日)より現CM1~5編成に変更されたが、同編成は2007年3月17日まで所定4両編成だった。ただし、多客期には同編成のうち4編成を5両編成に増結して充当し、残る1編成は「かもめ」運用には入っていなかった。しかし、2006年9月以降は5両での運転が常態化しており、2007年3月18日改正で同編成は、「有明」時代と同様の5両編成に戻された。

[編集] 停車駅

駅名/
号数
1~52号 100番台 200番台 臨時列車
単独運転 「みどり」併結
博多駅  
二日市駅 ●(2号は通過) 105・108   ※1
鳥栖駅  
佐賀駅  
肥前山口駅 102  
肥前鹿島駅 102    
諫早駅    
浦上駅    
長崎駅    
記号凡例
●:全列車停車
○:一部列車停車
数字:その号のみ停車
★:全列車停車の上「みどり」と分割・併合
※1:104号は停車。80・90番台は一部列車が停車。

この他、以下の駅に臨時停車する。

[編集] 沿革

[編集] 「かもめ」列車名としての沿革と由来

「かもめ」の名称を使用した列車は、時期により3種類に分類される。このうち、戦前は「鷗」と漢字表記であったが、戦後はすべて「かもめ」とひらがな表記になっている。
  1. 東海道本線特別急行列車(特急列車)「鷗」
  2. 山陽本線経由関西~九州間特急列車「かもめ」
  3. 長崎本線エル特急「かもめ」

なお、由来としては海鳥のカモメであるが、東海道本線特別急行列車「鷗」は「富士」・「」の公募による愛称に挙がっていたこともあり、旧国鉄JRグループでは特急列車の名称に充てられたが、その他にも海鳥の名前から海を連想するため、夏期に運行される臨時列車として、以下の路線で「かもめ」を名乗る列車が運行されていたことがあった。


[編集] 1937年~1943年 東海道本線特急「鷗」

東海道本線優等列車沿革の項目も参照のこと)

[編集] 1953年~1975年 山陽本線・鹿児島本線・日豊本線特急「かもめ」

山陽本線優等列車沿革の項目も参照のこと)

  • 1953年(昭和28年)3月 山陽本線鹿児島本線京都駅博多駅間を結ぶ特急列車として「かもめ」を設定。
    両線では戦前に「富士」・「」といった特急列車が設定されていたが、戦中の1944年(昭和19年)に「富士」を最後にして廃止されたため、戦後初の同線における特急列車となった。
    運行前には"山陽特急"との仮称があり、新式の一等展望車の設計等がなされたとされるが、実際には二等三等車食堂車のみの組成となった。
  • 1957年(昭和32年)6月 「かもめ」三等車にスハ44系客車から新型車両であった10系客車が用いられる様になる。
    博多駅方でのデルタ線による編成の回転がしづらいことなどからの採用であったが、急行列車と共通するボックスシートを三等車に用いざるを得なかった。
    このため、走行区間では海が見える区間より山中を走る区間が多いことや、「つばめ」・「はと」と比べ見劣りする編成内容から「『かもめ』でなく『からす』だ」とからかわれた事もあった。
  • 1961年(昭和36年)10月 「かもめ」に特急用気動車キハ82系気動車を導入。運行区間を京都駅~長崎駅日豊本線経由宮崎駅間に変更。
  • 1965年(昭和40年)10月 「かもめ」の宮崎駅発着編成を鹿児島本線経由西鹿児島駅発着に変更。
  • 1968年(昭和43年)10月 "ヨンサントオ"とのちに称されるダイヤ改正により以下のように変更。
    1. 「かもめ」の西鹿児島駅発着編成を「なは」に名称変更。
    2. 従来「いそかぜ」として運行していた筑豊本線原田駅佐世保線経由佐世保駅発着列車の名称を「かもめ」に変更。これにより、「かもめ」は京都駅~長崎駅・佐世保駅間の運行となり、関西圏対長崎本線系統の特急列車の名称となる。
    • 黒崎駅~原田駅間は筑豊本線経由(60.5km)であると鹿児島本線経由(70.8km)に比べると営業キロで10.3km程度短縮されることや筑豊地域とりわけ現在の飯塚都市圏への便を図るためとされているが、小倉駅肥前山口駅間では同じ列車名でありながら行先・経由地の違う列車が平行して運行される事態となった。
  • 1975年(昭和50年)3月 山陽新幹線博多駅乗り入れに伴い「かもめ」廃止。

[編集] 1976年~ 長崎本線特急「かもめ」

これについては、長崎本線優等列車沿革との関連が高いことから、下記を参照されたい。

[編集] 長崎本線優等列車沿革

[編集] 戦後の運行展開

  • 1953年(昭和28年)3月15日門司港駅長崎駅間を早岐駅大村駅経由で運行する準急列車として、3107・3108列車が運行を開始する。
    当初は臨時列車扱いであったが、同年11月には定期列車に昇格。また、鳥栖駅までは熊本駅発着の「407・408列車」に併結される形であった。
  • 1954年(昭和29年)10月1日、3107・3108列車単独運行に変更。なお、このとき通称として「ながさき」の名称が与えられる。
  • 1956年(昭和31年)11月19日、従来、広島駅門司駅間を運行していた山陽本線準急3207・3208列車が延長され、407・408列車と博多駅を介して直通運転を実施。これにより、広島駅~長崎駅間を運行する列車番号を405・406列車に変更される。
  • 1959年(昭和34年)9月22日、405・406列車にも「ふたば」の愛称が与えられる。
  • 1960年(昭和35年)5月1日、以下のように運行体系が変更される。
    1. 長崎本線肥前鹿島駅経由の気動車による準急列車「ながさき」が新設される。この列車は、佐世保線佐世保駅発着の準急列車「弓張」を肥前山口駅で分割運転を行うこととなった。
    2. 「ながさき」・「弓張」の補助列車として博多駅長崎駅間を大村線経由で運行する準急列車出島」(でじま)運行開始。
    3. 「ふたば」運行区間を広島駅~博多駅間に短縮。以降は山陽本線優等列車沿革を参照されたい。
  • 1960年9月1日、「ながさき」上り1本に島原鉄道島原鉄道線加津佐駅発の列車を設定する。
  • 1961年(昭和36年)9月1日、「ながさき」島原鉄道線よりの乗り入れを拡大。下り1本が加津佐駅→長崎駅間、博多駅~南島原駅間1往復(ただし、上りは加津佐駅始発。)となる。
  • 1961年10月1日このときのダイヤ改正に伴い、以下のように運行体系が変更される。
    1. 従来京都駅~博多駅間を運行していた特別急行列車かもめ」の使用車種を特急形気動車である80系気動車に変更の上、運行区間を京都駅~長崎駅日豊本線経由宮崎駅間に変更。
    2. 「ながさき」1往復増発し、1往復を門司港駅発着に変更。
    3. 熊本駅~長崎駅間を佐賀線経由で運行する準急列車「ちくご」を運行開始。
  • 1962年(昭和37年)9月10日、「ながさき」門司港駅発着の1往復を小倉駅発着に変更。
  • 1963年(昭和38年)6月1日、「出島」運行区間を肥前鹿島駅経由広島駅~長崎駅間に変更。同時に急行列車に昇格。ただし、広島駅~小倉駅間を別府駅発着の「べっぷ」と併結運転。
  • 1964年(昭和39年)3月20日、「出島」運行区間を呉線呉駅~長崎駅間に変更。同時に全区間単独運転となる。
  • 1964年4月10日久大本線経由で別府駅~長崎駅・佐世保駅間を運行する急行列車「西九州」(にしきゅうしゅう)を運行開始。
  • 1964年10月1日、「西九州」の長崎駅発着編成に臨時増結車両として博多駅発着編成を連結開始。
  • 1965年(昭和40年)10月1日、ダイヤ改正により以下のように変更する。
    1. 「かもめ」の宮崎駅発着編成を鹿児島本線経由西鹿児島駅発着に変更。
    2. 「ながさき」1往復の運行区間を日豊本線豊肥本線経由で熊本駅~博多駅(ただし、博多駅行きは三角線三角駅始発)の急行列車「くさせんり」と合同。熊本駅~別府駅~博多駅~長崎駅・佐世保駅間を運行する急行列車「九重」(くじゅう)とする。これにより、「ながさき」1往復減じ、3往復となる。
  • 1966年(昭和41年)3月5日、準急制度改変に伴い、「ながさき」・「ちくご」急行列車に格上げ
  • 1966年3月25日、ダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
    1. 「出島」に佐世保発着の編成を連結開始。
    2. 「西九州」の博多駅~長崎駅編成を定期列車化。これにより、「西九州」の運行区間は久大本線(久留米駅)経由別府駅~佐世保駅・長崎駅間及び二日市駅経由博多駅~長崎駅間となる。
  • 1967年(昭和42年)10月1日、「九重」運行系統を分割し、日豊本線経由別府駅~佐世保駅・長崎駅間運行の「べっぷ」とする。
  • 1968年(昭和43年)10月1日このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
    1. 「かもめ」の西鹿児島駅発着編成を筑豊本線原田駅・佐世保線経由佐世保駅発着に変更。西鹿児島駅発着の列車は別に大阪駅~西鹿児島駅間運行の「なは」として分離する。
    2. 「西九州」の博多駅~長崎駅間、「べっぷ」の大分駅発→長崎駅行列車、「ながさき」の全列車の名称を変更し、長崎本線急行列車の総称として「いなさ」の名称が与えられ、臨時列車1往復を含めた5往復体制を採る。
      ただし、「べっぷ」・「ながさき」の名称はそれぞれ関西対別府、東京対長崎の夜行急行列車の名称となる。これ以降の「べっぷ」は彗星_(列車)山陽本線優等列車沿革を、「ながさき」は東海道本線優等列車沿革山陽本線優等列車沿革さくら_(列車)を参照されたい。
      また、「西九州」・「ちくご」はそれぞれ、「いなさ」に併結する形をとるようになる。
  • 1972年(昭和47年)3月15日、「いなさ」、「ゆのか」の大分駅発を延長し、大分駅発着1往復とする。また、博多駅発下り1本を増発し、下り7本上り6本となる。
  • 1972年10月2日、「いなさ」 上り博多駅行1本を増発し、7往復となる。
  • 1975年(昭和50年)3月10日山陽新幹線博多駅乗り入れにより、以下のように変更する。
    1. 山陽本線昼行優等列車は新幹線列車へ移行する施策がなされたことから、「かもめ」全区間、「出島」の博多駅以東廃止。
    2. 「いなさ」、列車名を「出島」に変更。「出島」山陽新幹線連絡急行列車として、小倉駅発着3往復、博多駅発着7往復の合計10往復となる。
  • 1976年(昭和51年)3月1日、従来無名の寝台車連結の夜行列車に「ながさき」の名称を与える。
    なお、「ながさき」は門司港駅~長崎駅・佐世保駅間の運行であったが、佐世保線・大村線経由で運行されていた。この経路の夜行普通列車の歴史は古く、長崎本線のルートがそれまでの早岐駅・大村駅ルートから現在の肥前鹿島駅ルートになった1934年(昭和9年)12月の段階で、既に門司駅(現在の門司港駅で、現在の門司駅は当時大里駅といった)~長崎港駅(長崎~上海間航路接続のための駅で、船の入港しない日は長崎駅止まりとなった)に廃止時と同じルートの列車として設定されていた。

[編集] 長崎本線エル特急としての「かもめ」の復帰とその後の展開

  • 1976年(昭和51年)7月1日、長崎本線・佐世保線全線電化により、以下のように変更する。
    1. 「出島」4往復を特急列車に格上げ。「かもめ」の愛称を与えエル特急に指定。7往復を設定し、うち3往復が小倉駅発着とし、4往復が博多駅発着となる。
    2. 「かもめ」は6往復で佐世保線佐世保駅発着の「みどり」を併結し、1往復は「みどり」編成を「かもめ」の付属編成として運転。分割・併合は肥前山口駅で行う。
    3. 「出島」は、小倉駅発着を1往復含む6往復とする。なお、気動車による運行であったことから、2往復は島原鉄道加津佐駅へ乗り入れを行う。
  • 1978年(昭和53年)10月2日このときのダイヤ改正に伴い以下のように変更する。
    1. 「かもめ」1往復のみ連結していた付属編成を「みどり」に編入し運転区間を佐世保駅へ延長、全列車「みどり」併結となる。ただし、実際は佐世保線西有田信号場の完成を待って翌1979年から運転開始、それまで「みどり」は佐世保線内運休中の形を取った。
    2. 「西九州」別府駅行を大分駅→別府駅間を普通列車化。
  • 1980年(昭和55年)10月1日このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
    1. 「出島」3往復を格上げし、「かもめ」3往復増発。小倉駅乗り入れを終了し、博多駅~長崎駅間で10往復体制となる。
    2. 「出島」島原鉄道線乗り入れを終了し、博多駅~長崎駅間3往復の運行となる。
    3. 「西九州」運行区間を博多駅~大分駅間とし、「由布」に名称を変更。
    4. 「ちくご」廃止
  • 1981年(昭和56年)6月7日、長崎本線久保田駅牛津駅間を走行中の「かもめ・みどり11号」が、線路の一部が波打っているのを発見して急停車。「かもめ」の後ろ2両と「みどり」の全編成が脱線した。後に損傷の激しかった「みどり」の後3両は廃車になった。ちなみにこの事故は国鉄時代に485系電車が事故廃車になった唯一の事例である。
  • 1982年(昭和57年)11月15日このときのダイヤ改正に際して「出島」3往復を電車化し、「かもめ」に昇格。「かもめ」博多駅~長崎駅間を13往復体制となる。これにより「出島」廃止。
  • 1984年(昭和59年)2月1日、「ながさき」廃止。
  • 1985年(昭和60年)3月14日このときのダイヤ改正により、「かもめ」日中の5往復について「みどり」との併結を廃止。ただし、運行本数は13往復と変更なし。
  • 1986年(昭和61年)11月1日このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
    1. 「かもめ」・「みどり」全列車単独運転となる。同時に「かもめ」1往復が小倉駅まで延長される。
    2. 臨時列車としても「ながさき」を廃止。

[編集] JR化後、新型車両の投入とその変遷

  • 1988年(昭和63年)3月13日、「かもめ」1往復増発し、14往復となる。同時に下り1本で「みどり」との併結再開。小倉駅発着列車は再び消滅。
  • 1989年(平成元年)3月11日、「かもめ」14往復から18往復に増発(下り4本・上り3本は「みどり」併結)。また、2往復で783系電車(ハイパーサルーン)の使用を開始。
  • 1990年(平成2年)3月10日、「かもめ」3往復増発し、21往復(下り7本・上り5本は「みどり」併結)とした上で、783系充当の5往復に「ハイパーかもめ」の名称を与える。また、この頃から「かもめ」(485系)を赤い外観の「KAMOME EXPRESS」(7/8両編成)「RED EXPRESS」(5両編成)にリニューアルする。
  • 1992年(平成4年)3月14日、「みどり」併結列車の一部でハウステンボス駅発着の「ハウステンボス」併結開始。
  • 1992年(平成4年)7月15日、「かもめ」1往復増発し、「ハイパーかもめ」と合わせて22往復とする。
  • 1993年(平成5年)12月1日、いわゆるホームライナー的な運行で毎日運行の臨時列車として博多駅~肥前山口駅間を運行する「かもめ101・102号」を新設する。使用車両は485系(主に「ハウステンボス」車両)。
  • 1994年(平成6年)3月1日、「かもめ」のうち5往復に「つばめ」用の787系電車を投入。
  • 1994年(平成6年)7月1日、「ハイパーかもめ」の愛称を廃止。
  • 1995年(平成7年)4月20日、「かもめ101・102号」を定期列車化し、車両を783系とする。
  • 1996年(平成8年)3月16日、「かもめ」は単独運転列車を783系(17往復)、「みどり」併結列車を485系(5往復)に統一。783系の一部編成は「つばめ」「にちりん」で使用していた編成から転用。これに伴い787系は撤退。また、この頃までに「KAMOME EXPRESS」車両は消滅。
  • 1997年(平成9年)11月29日、「かもめ5号」を門司港駅始発とする。
  • 2000年(平成12年)3月11日、「かもめ」2往復を増発し、24往復となる(下り8本・上り7本は「みどり」併結)。同時に、上り1本を除く単独運転の列車で885系電車を用いた「白いかもめ」を充当(単独の上り1本と「みどり」併結列車は783系)。また、佐賀駅発着列車(103・104号。885系)を設定する。
    • なお783系自体は引き続き充当されたが、「かもめ」には「有明」で使用していた編成のうち5本が1両減車し4両編成(多客期は5両に増結。)とした上で転用され、「かもめ」で使用していた編成は「にちりん」系統及び改造の上で「みどり」「ハウステンボス」に転用された。そのため、ダイヤ改正直前には「みどり・ハウステンボス」編成で走る「かもめ」も見られた。
  • 2001年(平成13年)3月、101・102号の使用車両を787系(「有明」編成)に変更するが、10月には「かいおう」に同編成を転用したため、再び783系(「ハウステンボス」編成)に戻された。
  • 2002年(平成14年)6月、土曜・休日のみ運転の佐賀発博多行き「かもめ106号」運転開始(885系)。
  • 2002年10月21日、101~104号の運行を以下のように変更する。なお、103号以外の延長区間は臨時列車扱いとした。
    • 101・104号:佐世保駅発着に変更の上「みどり」に編入(号数は変更なし)。使用車両は885系。
    • 102号:肥前鹿島駅発に変更。
    • 103号:使用車両を783系(「ハウステンボス」編成)に変更。
  • 2003年(平成15年)3月、103・102・106号、「みどり101・104号」の運行を以下のように変更し、106号以外の臨時列車扱いは解除。
    • 103・102号:車両を885系に変更。103号については号数を101号に変更。
    • 106号:号数を104号に変更。
    • みどり101・104号:号数を31・2号に変更の上、車両を783系に変更。
  • 2003年(平成15年)7月18日、長崎本線内で885系を使用した「かもめ46号」が落石に衝突し脱線。(詳しくは、鉄道事故の項を参照)。
  • 2004年(平成16年)3月13日、平日のみの運転ながら、諫早駅→長崎駅間の「かもめ201号」を885系により設定。
  • 2005年(平成17年)3月1日、「かもめ」門司港駅乗り入れを終了。下り1本、上り2本を増発し、上りの長崎駅21時台発の2本を1本に統合。博多駅~長崎駅間で都合25往復となる。これにより、区間運転列車を除いて、単独運転列車(16往復)は885系、「みどり」併結列車(9往復)は783系に統一された。同時に平日のみの運転ながら、783系により長崎駅→諫早駅間の「かもめ202号」を設定。
  • 2005年(平成17年)7月11日、長崎本線市布駅肥前古賀駅間で、博多駅発長崎駅行「かもめ3号」の窓ガラスが破損し、乗客6人が負傷。この事故を受けて、783系電車のエンブレム及びルーバー塞ぎ板は同日中に全て撤去された。後に塞ぎ板のみ再取付、エンブレムはステッカーになった。
  • 2006年(平成18年)11月1日、臨時列車扱いであるが「白いソニック」を充当して佐賀発博多行「かもめ100号」を設定。
  • 2007年(平成19年)3月18日、「かもめ」以下のように変更を行う。
    1. 佐賀駅発着列車を3往復に増加。これに伴い、従来の101号は105号に変更。100号の臨時列車扱いは解除。
    2. 783系で運行する列車を、佐賀駅発着列車を除き、所定でも4両編成から5両編成に増結。
    3. 全列車全車禁煙とする。
  • 2007年(平成19年)7月1日、運転開始70周年に485系Do-2編成を使用した特急「かもめ70周年記念号」が運転。
  • 2008年(平成20年)3月15日、この日廃止された寝台特急「あかつき」の博多駅~長崎駅間について、ダイヤをおおよそ踏襲の形で1往復増発(増発分には783系が用いられるため、博多駅~長崎駅間の列車で783系での単独運転が復活)。これに伴い201号の運転は終了(201号を博多発に変更し、1号に変更。残りの25本は号数を2ずつ繰り下げ3~51号に変更)。

[編集] 列車名の由来

五十音順

  • いなさ」・・・長崎市にある稲佐山(いなさやま)から。
  • かもめ」・・・上記にもあるが、海鳥のカモメから来ている。なお、戦前の列車愛称の公募に際して8位であったことから採用された経緯を持つ。
  • 九重」(くじゅう)・・・経由地である九重連山(くじゅうれんざん)にちなむ。
  • ちくご」・・・列車経由地である佐賀線の大部分が旧国名令制国上)筑後国(ちくごのくに)の領域にかかることから。
  • 出島」(でじま)・・・江戸時代オランダ商館所在地であった長崎市にある地名である出島から。
  • ながさき」・・・目的地である長崎県・長崎市及び運行路線である長崎本線にちなむ。
  • 西九州」(にしきゅうしゅう)・・・目的地である長崎県・佐賀県を指す広域地域名から。
  • ふたば」・・・広島市にある「二葉山」(ふたばさん)にちなむとされる。
  • べっぷ」・・・目的地である別府市にちなむ。

[編集] 関連項目

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