nimoca
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nimoca(ニモカ)は、西日本鉄道(西鉄)が2008年(平成20年)5月18日に導入した、非接触型ICカード(Felica)方式による乗車カード及び電子マネーカードの名称である。
カード発行会社は福岡県福岡市中央区天神一丁目11番17号に本社を置く西鉄の100%子会社である株式会社ニモカ(資本金1億円)である。
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[編集] 概要
nimocaは非接触型ICカード方式のカードであり、西鉄が保有・運行する鉄道全路線および西鉄バス(グループ全社)において乗車カードとして、また西鉄系列の商業施設において電子マネーとして利用できる。
名称の由来は、Nice Money Card の略と「電車にも、バスにも、買物にも、いろいろ使えるオールラウンドなカード」と言う意味が込められている。
イメージキャラクターはフェレット。特に名前は付けられていない。デザインはスケアクロウマンやモダンペッツで知られるplay set products。
フェレットは、2008年6月5日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された、映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」のジャパン・プレミアのレッドカーペットに、大阪・道頓堀の「くいだおれ太郎」や、中日ドラゴンズの「ドアラ」と並んで、インディ・ジョーンズのトレードマークである“帽子”と“ムチ”を携えて登場した。
[編集] 利用範囲
- 鉄道
- 西鉄電車全線が対象で、天神大牟田線、太宰府線、甘木線の全61駅は導入が完了しており、貝塚線は2010年春に導入を予定している。緑色の改札機でのみ通れるようになっており、従来の青い自動改札機では通過できない。無人駅では出入り口にある簡易改札機にカードをタッチするような形となっている。
- バス
- 一般路線バス全路線と高速バスの一部路線が対象。福岡地区は2008年度より、北九州・久留米・筑豊地区は2009年度より順次導入。定期券は各地区の導入完了時期に供用開始予定。
2008年6月現在、那珂川営業所所属の車両が受け持つ16系統(61番系統の福岡大学病院発着便を除く)で使用可能。
- 商業施設
- 大丸福岡天神・福岡三越・岩田屋本店の各百貨店
- ソラリアプラザ・ソラリアステージ・天神コア、西鉄ストア(天神大牟田線の沿線店舗)など
- ローソン(西鉄福岡天神駅店など福岡市内4店舗、今後、天神大牟田線・西鉄バス沿線店舗に拡大予定)
[編集] 種類
- nimoca
- 会員登録が不要。電車やバスの利用でポイントが加算される。また、無料でスターnimocaへの変更も可能。初期価格は2000円、そのうちデポジットが500円含まれており、残り1500円分が使用可能である。デポジットの500円は解約時に返還される。
- スターnimoca
- あらかじめ会員登録が必要。紛失時の再発行も可能。通常のnimocaと違い、nimoca加盟店における買い物でもポイントが加算される。販売価格などは通常のnimoca同様。
- クレジットnimoca
- 直接、クレジットカード会社へ申込が必要。紛失時の再発行も可能。通常のnimoca、スターnimocaと違い、クレジットでの利用分もポイントが加算される。オートチャージ機能がある。4社5ブランド(クレディセゾン、三井住友カード、ジェーシービー、三菱UFJニコス)のカードが用意されている。
nimocaとスターnimocaは、小児用の設定がある(住所・氏名の登録が必要)。また、nimocaをそのまま定期券として使用することも可能であり、券面に区間及び期限が印刷される。
[編集] ポイント
各nimocaにはポイント機能が付いており、利用金額によってポイントが貯まる、貯まったポイントは、1ポイント1円換算でSF(ストアードフェア)として使うことが出来る。ポイントの付き方は電車・バス・買い物(スター・クレジットのみ)・クレジット利用(クレジットのみ)でそれぞれポイントの種類・加算率が異なる。 ここでは便宜上、2種類に分けて説明する。
[編集] チャージ
nimocaのチャージはタッチパネル式の券売機か商業施設に設置されているチャージ機で行なう。チャージ可能な最低金額は1000円であり、上限2万円(バス車内では1万円)まで、クレジットnimocaのみ使用出来る機能であるオートチャージについては1ヶ月5万円までチャージが可能である。
[編集] カードポイント
電車の場合:月の乗車回数によって付与率が異なる。20回までの分が1%、21~40回までの分が2%、41回以上の分は3%。 バスの場合:当月利用金額が2000円以上でボーナスポイントが付く。付与率は運賃引落額の2%。
尚、ポイント付与の際1円以下の端数は切り捨てとなる。加算タイミングは即時。
[編集] センターポイント
クレジットnimoca:利用1000円につき3ポイント。オートチャージ利用分も対象になる。
商業施設(スター・クレジットのみ):対象外店舗を除き基本税抜200円ごとに1ポイント。但し、西鉄グランドホテルとソラリア西鉄ホテル、加盟店舗のフタタでは100円につき1ポイント。
加算タイミングは翌日以降。
カードポイントはバス車内、多機能券売機等の各所で交換できるが、センターポイントに関しては駅窓口・定期券発売所・バス営業所・ポイント交換機のみでの交換となる。また、バス車内でチャージした場合は、チャージした時点でカードポイント分を自動的に交換する機能を備えている。(申し出によりやめることも可能)
各ポイントの有効期限は、翌年の12月31日まで。
[編集] 沿革
- 2007年(平成19年)5月30日 - カード発行会社西鉄カード株式会社を西日本鉄道の100%子会社として設立。
- 2007年(平成19年)7月23日 - カード名称「nimoca」とカードデザイン・イメージキャラクターを発表。同日に西鉄カード株式会社を株式会社ニモカに社名変更。
- 2008年(平成20年)4月18日 - 2010年春から、JR九州SUGOCA(スゴカ)、福岡市交通局はやかけん、JR東日本Suica(スイカ)と相互利用を始めると発表。
- 2008年(平成20年)5月18日 - 供用開始。
[編集] 相互利用
2010年春開始を目標に、他のICカード乗車券との相互利用を目指し、2008年2月に「九州IC乗車券・電子マネー相互利用に関する協議会」を設立して協議し、2010年春から相互利用を始めることが決まった。
協議会に参加しているのは、SUGOCAを導入する予定の九州旅客鉄道(JR九州)、はやかけんを導入する予定の福岡市交通局、さらにはSuicaを導入・展開している東日本旅客鉄道(JR東日本)に西鉄を加えた4社である。電子マネー機能を含めた相互利用が実施される予定。
[編集] 外部リンク
- nimoca公式ページ
- ニュースリリース「ICカードの名称とデザインが決定しました」
- ニュースリリース「九州IC乗車券・電子マネー相互利用に関する協議会」の発足について
- 神尾寿の時事日想:西日本鉄道「nimoca」はこんなサービスになる
- 電子マネー・鉄道ICカード情報局
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プリペイド型 | Edy (ビットワレット) - nanaco (アイワイ・カード・サービス) - WAON (イオン) |
ポストペイ型 | iD (NTTドコモ) - QUICPay (moppa) - Smartplus (三菱UFJニコス) - Visa Touch (VISA) - eLIO (SFI) - PayPass (MasterCard) |
電子マネー機能付き乗車カード | Suica (JR東日本) - ICOCA (JR西日本) - PASMO (パスモ) - PiTaPa (スルッとKANSAI) - IruCa (高松琴平電気鉄道) - ICい~カード (e-カード) - passca (富山ライトレール) - nimoca(西日本鉄道) |
地域密着型電子マネー | 鎌倉湘南チェック (デジタルチェック) - とかしきチェック (デジタルチェック) |
自動販売機専用電子マネー | Cmode (コカ・コーラ) - Pidel (日本たばこ協会) |
関連項目 | おサイフケータイ - FeliCa - 非接触型決済 - 乗車カード |