J-Iロケット
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J-Iロケット（じぇいわん、じぇいいち）とは、宇宙開発事業団（NASDA、現宇宙航空研究開発機構JAXA）と宇宙科学研究所（ISAS、同）が共同開発した全段固体燃料のロケットである。
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[編集] 概要
J-Iは今後需要が増すと考えられた軽量衛星打ち上げに参入するために計画された。一段目にH-IIロケットの固体ロケットブースター（SRB）、2段目にM-23、3段目にM-3Bといった宇宙科学研究所開発のM-3SIIロケット（M-3S2）を使用するなど、既存のロケットを組み合わせることで研究開発費を抑えるのが当初の意図であった。また固体燃料であるため、発射前の点検整備が簡単に済むことも有利であると予想された。しかし、J-1打ち上げの時点でM-3SIIは既に生産中止であり、高額を投じて製造ラインを再開せねばならなかった。そしてM-3SIIは研究開発用のロケットであるので、そこから流用した2段目のM-23は固体ロケットであるにも関わらず、事前に入念な整備を要した。また第一段目に流用したSRBは本来補助ブースタであるためロール制御機能がなく、新規に開発した小型エンジンによってロール制御機能の付加が必要であった。あわせてランチャーによる斜め打ち上げ-電波誘導による重力ターン方式のM-3SII、垂直打ち上げ-慣性誘導によるコンベンショナルな軌道投入方式のH-IIという、誘導方式および飛行マニューバーが全く異なるロケットを継ぎ接ぎしたため、各段の誘導制御装置には大幅な改造を施さねばならず、結果的に高額なロケットとなってしまった。
1996年（平成8年）2月21日に試験1号機の打ち上げに成功した。なお、この1号機の積荷は日本版スペースシャトルであるHOPE計画の高速再突入実験機「HYFLEX（Hypersonic Flight Experiment）」で、大気圏再突入に成功したが、機体は小笠原諸島沖で失われた。
2002年（平成14年）にH-IIAロケットのロケットブースターSRB-Aを1段目に利用した2号機を打ち上げる予定で準備を進めていたが、2001年（平成13年）の宇宙開発委員会による宇宙開発計画見直しによって中止され、J-Iロケット計画は凍結された。
[編集] 仕様
- 1号機
- 2号機（中止）
- 3段式固体燃料ロケット
- 全長 26.2m
- 直径 2.5m
- 重量 91.5t
- 1段目 - SRB-A（H-IIA）
- 2段目 - M-23（M-3SII）
- 3段目 - M-3B（M-3SII）
