GOSAT
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GOSAT | |
所属 | JAXA |
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製造 | 三菱電機 |
NSSDC-ID | - |
NORAD No. | - |
打上げ機 | H-IIAロケット |
打上げ場所 | 種子島宇宙センター |
打上げ日時 | 2008年8月予定 |
軌道 | 太陽同期準回帰軌道 |
高度 | 666km |
軌道傾斜角 | 98度 |
周期 | 約100分 |
回帰日数 | 3日 |
設計寿命 | 5年 |
運用停止年月日 | - |
Web | 温室効果ガス観測技術衛星 「GOSAT」 |
物理的特徴 | |
本体寸法 | 2.4m × 2.6m × 3.7m |
最大寸法 | 13.7m(太陽電池パドル翼端間) |
質量 | 1,750 kg(打上げ時) |
発生電力 | 3,800W(寿命末期) ※資料により3.3kW~4.0kWとばらつきがある。 |
姿勢制御方式 | 3軸姿勢制御方式 (異常時:太陽指向スピン安定) |
ミッション機器 | |
TANSO-FTS | 温室効果ガス観測センサ |
TANSO-CAI | 雲・エアロソルセンサ |
GOSAT(ゴーサット、Greenhouse gases Observing SATellite)は、環境省、国立環境研究所(NIES)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発中の、温室効果ガス観測技術衛星。地球温暖化の原因とされている二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度分布の観測を宇宙から行う。 2008年8月にH-IIAロケットにて打ち上げられる予定である。
予定通りに打ち上げられれば、温室効果ガスの観測を主な目的とする人工衛星としては世界初となる。
目次 |
[編集] 目的
GOSATは、京都議定書の第一約束期間(2008年~2012年)における地球上の温室効果ガス濃度分布の測定と、長期的な気候変動予測に必要なデータの取得のために開発された。
1997年、京都で第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)が開催され、京都議定書が採択された。それを受けて、第一約束期間に日本が行うべき温室効果ガス観測ミッションとして、以下の目標が定められた。
また、1992年からは、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により提案された計画である全球気候観測システム(GCOS, Global Climate Observation System)がスタートしている。 気候関連問題への対処に必要な情報の取得と、必要とする全ての利用者に得られた情報を確実に提供することを目標としているが、測定ポイントは約319個所(2006年5月時点)と限られているうえに地理的にも偏りがあり、それぞれ異なる機関によって観測されていたため、空間的分解能やデータの連続性に欠けていた。
GOSATにより、測定ポイントは地球表面を約180kmのメッシュで区切った約56,000個所へと飛躍的に向上する。また、同一のセンサによる地球全体の観測が可能なため、全地点を同じ尺度で継続的に観測を行うことができる。
こうして得られた衛星からのデータと地上での観測データを組み合わせ、シミュレーションモデルにかけることによって、温室効果ガスの濃度分布を高い精度(目標1%)で推計することができる。
これにより、京都議定書で定められた期間での二酸化炭素排出量削減量の監視や、温室効果ガスの長期的な変動データを取得して気候変動予測に役立てることができる。
[編集] 観測装置
[編集] TANSO-FTS (温室効果ガス観測センサ)
TANSO-FTS(TANSO : Thermal And Near infrared Sensor for carbon Observation, FTS : フーリエ変換分光器、Fourier Transform Spectrometer)は、二酸化炭素、および、メタンガスを測定する、GOSAT衛星の主センサ。地球表面で反射してくる太陽光をフーリエ分光して吸収スペクトルを観測することにより、大気中に含まれる温室効果ガスの濃度を推定する。 短波長赤外バンド1~3(SWIR Band1-3)により二酸化炭素の気柱積算量を測定し、熱赤外バンド4(TIR Band4)により二酸化炭素の鉛直濃度分布を測定する。 雲やエアロゾル等の誤差要因のない条件において、測定誤差1%以内を目標にしている。
[編集] TANSO-CAI (雲・エアロソルセンサ)
TANSO-CAI(CAI : Cloud and Aerosol Imager)は、TANSO-FTSにて二酸化炭素を測定する際に誤差要因となる、雲の有無の判定やエアロゾル(大気粒子状物質)の測定に用いる画像センサ。GOSAT衛星の副センサである。 TANSO-FTSで得られた測定データの補正のために用いられる。
[編集] 3機関の役割分担
GOSAT衛星は、以下の3機関による分担・連携体制で開発されている。
- 環境省(主に行政面での支援)
-
- 日本における地球温暖化対策の取りまとめ
- 観測装置の開発(JAXAと共同)
- 京都議定書の第一約束期間における、炭素吸収排出量の把握
- ポスト京都議定書に関する国際交渉において、GOSAT開発・運用で得られた実証的根拠を示す
- 国立環境研究所(NIES)(主に学術面での支援)
-
- 観測データから、地球全体の温室効果ガスの濃度分布を算出
- 算出されたデータから、区域ごとの温室効果ガスの吸収・排出量を推定
- 算出されたデータの検証、および、外部への公開
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)(主に技術面での支援)
-
- 観測装置の開発(環境省と共同)
- 衛星の打ち上げ・運用・観測データの受信
- 観測装置の校正
- 観測データの提供、および、利用促進
[編集] 計画の変遷
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軌道 | 太陽非同期傾斜軌道 |
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高度 | 650km |
軌道傾斜角 | 70度 |
周期 | 約98分 |
設計寿命 | 3年以上(5年目標) |
物理的特徴 | |
質量 | 1.2 t(打上げ時) |
ミッション機器 | |
OPUS | オゾン・広域大気汚染観測紫外線分光計 |
SOFIS | 傾斜軌道衛星搭載太陽掩蔽法フーリエ変換分光計 |
SWIFT | 成層圏風プロファイル観測装置 |
本衛星は、地球観測衛星みどり(ADEOS)の後継機である、地球環境変動観測ミッション(GCOM)の衛星GCOM-A1として、2000年1月に計画が提案された。
GCOM-A1においては、大気科学全般への貢献を目的として、以下の観測機器が搭載される予定であった。
- オゾン・広域大気汚染観測紫外線分光計(OPUS)
- 旧宇宙開発事業団(NASDA)の開発。オゾン、および、大気汚染物質の観測を行う。
- 傾斜軌道衛星搭載太陽掩蔽法フーリエ変換分光計(SOFIS)
- 環境庁(現環境省)の開発。二酸化炭素の濃度観測を行う。
- 成層圏風プロファイル観測装置(SWIFT)
- 欧州宇宙機関(ESA)の開発。成層圏における、オゾン・大気汚染物質の移動過程を観測する。
しかし、2002年8月に文部科学省宇宙開発委員会の提言や予算上の強い制約により計画の見直しが行われ、ミッションの目的は温室効果ガス観測に絞られた。同年10月、研究開発段階への移行は妥当と判断され、衛星名はGOSATとなった。
2003年9月、SOFISセンサでは京都議定書で求められている観測内容には十分でないとされ、代わってTANSO-FTSセンサが開発されることになった。[1]
SOFISセンサは、みどりやみどりIIに搭載されたILAS/ILAS-IIセンサの後継機で、実績のある観測方式(太陽光の掩蔽観測)を採用していたが、3ヶ月間平均の上層大気の二酸化炭素濃度を非常に高精度に求められるという利点はあるものの、高度5km以下の大気の観測や、短期間の変動の観測には不向きだった。
対してTANSO-FTSセンサは、太陽光が地球表面や大気に当たって跳ね返ってきた散乱光を観測する方式となっている。新規開発であり、雲やエアロゾルなどで遮られて精度が低下するなどの欠点もあるが、より狭い区域の地表近くの大気の温室効果ガス濃度を測定する事ができる。
[編集] 衛星の開発方針
GOSAT衛星は、重大な故障が発生しても衛星の基本機能が生き残るための工夫がなされている。JAXAによれば、従来は故障が起きないようにする設計を行っていたが、GOSATでは重要部品を二重化することにより、故障する可能性は上がるが故障しても衛星バスの運用や観測が続行できる可能性がより高くなるように設計されているという。
- 姿勢制御の異常時
- 太陽指向スピン安定モードを追加。この状態でも必要な電力を発生できる。
- 給電系異常時
- 超低負荷モード(S-LLM)により、観測装置を停止させてでも最低限の衛星バスの機能を維持する。
- 太陽電池パネル・電源バス異常時
- いずれも二重化されており、片方が故障した場合は、観測装置の一部(TANSO-FTSの熱赤外センサTIRやポインティング機構、および、TANSO-CAIセンサ)を停止させた観測モードIIにより、運用を継続する。
[編集] 他の温室効果ガス観測衛星
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所属 | NASA |
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打上げ機 | トーラスロケット |
打上げ日時 | 2008年9月15日予定 |
軌道 | 太陽同期準回帰軌道 (A-Train) |
高度 | 705km |
軌道傾斜角 | 98.2度 |
周期 | 約98.8分 |
回帰日数 | 16日 |
設計寿命 | 2年 |
物理的特徴 | |
衛星バス | LEOStar-2 |
質量 | 440 kg(打上げ時) |
ミッション機器 | |
Grating Spectrometer | CO2全量測定用高分解能分光計 |
NASAは、GOSATとほぼ同時期の2008年9月に、炭素観測衛星OCO(Orbiting Carbon Observatory)の打ち上げを予定している。GOSATのTANSO-FTSと同じ観測方式のセンサを搭載する。 OCOは、A-Train(A列車、Aqua-Train)と呼ばれるNASAの他の地球観測衛星隊(Aqua, PARASOL, CALIPSO, Cloudsat, Aura)と同一の軌道をとり、これらの衛星の測定データを総合して二酸化炭素濃度の推定精度を高める予定である。GOSATと同時期に打ち上げられることから、GOSATとOCOで観測結果を相互校正・検証することが予定されている。
欧州宇宙機関(ESA)も二酸化炭素観測衛星CARBOSATを計画していたが、京都議定書に貢献しうる精度・空間分解能が得られないとして、計画は中断している。
[編集] 予定・経過
- 2008年8月 H-IIAロケットにて打ち上げ予定
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 宇宙航空研究開発機構
- 温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT」
- 浜崎敬 ~地球が呼吸する様子を見てみたい~ GOSATプロジェクトマネージャーによる談話
- 地球全体の温室効果ガスを測定する衛星とは? - 第3回GOSATシンポジウム (マイコミジャーナル)
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経過 |
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原因 |
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影響 |
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対策 |
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議論 | 懐疑論 • 暴走温室効果 • スベンスマルク効果 • ガイア理論 • エコロジー • 地球寒冷化 • ホッケースティック論争 | ||||||
カテゴリ : 気候変動 • 地球温暖化 |