BOLERO (Mr.Childrenのアルバム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
BOLERO | ||
---|---|---|
Mr.Children の アルバム | ||
リリース | 1997年3月5日 | |
ジャンル | J-POP | |
時間 | 56分54秒 | |
レーベル | トイズファクトリー | |
プロデュース | 小林武史 | |
チャート最高順位 | ||
|
||
ゴールド等認定 | ||
|
||
Mr.Children 年表 | ||
深海 (1996年) |
BOLERO (1997年) |
DISCOVERY (1999年) |
『BOLERO』(ボレロ)は、Mr.Childrenの6枚目のアルバム。1997年3月5日にトイズファクトリーより発売。
[編集] 概要
前作『深海』から約半年を経て発表。
この作品の発売時には既に活動休止が決定していたこともあり、大ヒットを記録した。
ジャケットには異国の少女が一人、一面に咲き広がるひまわりの中でボレロの代名詞でもある小太鼓(スネア)を叩いている写真が使われている。メンバー以外の人物が起用されたのは初めて。
前作の『深海』に収録されたシングル曲が「花 -Mémento-Mori-」と「名もなき詩」の2曲のみで(後に「マシンガンをぶっ放せ」は後発シングルとして出ている)、それまでに発売されていたシングル曲のほとんどが未収録となっていた為か、このアルバムではそれまでの未収録だった4曲に加えてリードシングル曲の「Everything (It's you)」を加えている。シングル曲以外では「タイムマシーンに乗って」、「傘の下の君に告ぐ」など社会風刺曲が多い。
発売前に一部雑誌には「青盤(前作『深海』)」と「赤盤(本作『BOLERO』)」による2枚組という情報も流れた経緯がある。『深海』と同時期に桜井の中では出来ていた曲もあり、あえて『深海』にはイメージ的に入れなかった曲もあるらしく、対になっている面もある。当時の雑誌のインタビューで桜井は「(『深海』と『BOLERO』は)3Dメガネの青と赤のようなもの。両方揃って初めて立体に見える。」と語っていた。
プロデューサーの小林武史は「(ベスト盤的な要素のある)このアルバムはいいものなのかどうかわからない…。」とアルバムの評価を濁していたが、売り上げは『Atomic Heart』に次ぐ、Mr.Childrenとしては歴代2位の328万枚を売り上げた。オリコン史上、アルバム2作品でトリプルミリオンを達成したのは、Mr.Childrenが初めてだった。
大ヒットしたシングル曲が多かったので、当時の報道では、「ファンへの感謝の気持ち」と語っていた。
[編集] 収録曲
- prologue
ボレロ調のインストゥルメンタル。次の曲と音がつながっている。 - Everything (It's you)
13thシングル曲。こちらのバージョンはイントロと前曲が意図的につながっているように構成されているため、厳密にはシングルバージョンとは異なっている。ベストアルバムにはシングルバージョンで収録されている。 - タイムマシーンに乗って
社会を風刺した攻撃的なロック。Mr.Childrenの曲の中で、社会批判が最も強い曲とも言われている。この曲は前作『深海』の「Making Songs」に制作中の様子が収録されている(桜井は雑誌の対談で、これらは偶然似ただけで別の曲だと語っている)。仮タイトルは「バカ・ロック」。 - Brandnew my lover
前曲に続き攻撃的なロックナンバー。「ファックする豚だ」など過激な歌詞が特徴。 - 【es】 〜Theme of es〜
8thシングル曲。自身の記録映画「【es】 〜Mr.Children in FILM〜」の主題歌として書き下ろした曲。 - シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
9thシングル曲。Mr.Childrenのシングル曲の中でもかなりのアップテンポな楽曲である。この曲と「【es】 〜Theme of es〜」はエゴをテーマに詞が書かれている。 - 傘の下の君に告ぐ
アップテンポな曲であるが、その明るい曲とは対照的に歌詞は強い社会批判の詞となっている。「傘の下」とは「在日米軍の傘下」の意味である。サビの部分で韻を踏んでいる。 - ALIVE
当時の桜井はプライベートな問題で「精神的にかなり苦しんでいた。」と語っており、この曲にはそのような厭世観、無常観が色濃く反映されているが、サビでは「やがて荒野に花は咲くだろう」と前向きである。手塚治虫の「ブッダ」にも影響されたとも語っている。曲はシンプルなコード進行ながらも、デジタルとアナログを使い分けている。一時期このアルバムのタイトル候補でもあった。アルバム発売時にはこの曲がCMで流れされていた。 - 幸せのカテゴリー
過去の愛(幸せのカテゴリー)に別れを告げる男の歌で、当時の桜井が抱えていたプライベートな問題(離婚・再婚)に一つの結論を出したような歌詞となっている。桜井自身はこの曲を「寒い詞」と語っている。 - everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
7thシングル曲。桜井曰く、「サザンでいう"勝手にシンドバッド"的お祭りバカナンバーが欲しかった」とのこと。 元々はシングル『Tomorrow never knows』のカップリングとしてレコーディングされていたが、あまりにもこの曲の出来がよかったために急遽次作のシングル曲としたという逸話も残っている。そのために『Tomorrow never knows』、『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』の両シングルのカップリングは『Atomic Heart』からのリカットとなっている。本来タイアップが予定されていたが、歌詞がはしたないと言うことでタイアップは実現しなかった。 - ボレロ
タイトル、作風はモーリス・ラヴェルのボレロから。オーケストレーションとバンド・サウンドが融合した意欲作。しかし、「prologue」も同様だが、厳密にいうと本物のボレロは3拍子。だがそこのところは4拍子にアレンジされている。PVではオーケストラに囲まれた桜井が椅子に終始もたれながら一切楽器を弾かずに歌っている。 - Tomorrow never knows (remix)
自身最大のヒットとなった6thシングル曲。桜井曰く、「この曲はここに入れるしか収まりがつかなかった。まあ、ボーナストラックだと思って下さい。」「これが答えか?と聞かれると、それはちょっと…」とのこと。タイトルに「remix」とあるのは、このアルバム用にシングルでは打ち込みであったドラム等を生で録り直しているためである。
前作: |
Mr.Childrenのオリジナルスタジオレコーディングアルバム |
次作: |
オリコン週間アルバムチャート第1位 1997年3月17日付 |
||
前作: 松任谷由実 『Cowgirl Dreamin'』 |
Mr.Children 『BOLERO』 |
次作: globe 『FACES PLACES』 |