デジタル
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デジタルとはアナログに対応する理論で、工業的には状態を示す量を数値化して処理(取得、蓄積、加工、伝送など)を行う方式のことである。また、ディジタル (digital, DT) ともよばれる。 デジタル処理、デジタル記録、デジタル伝送、デジタル制御などがある。
日本語訳として計数(けいすう)がある。古い学術文献や通商産業省の文書などで使われている。Digitalの本来の意味はラテン語の「指 (digitus)」であり、数を指で数えるところから離散的な数を意味するようになった。
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[編集] 概要
データの数値化にあたっては量子化を行い、整数値(すなわちdigit)で表現する。このため、データ量を離散的な値として表現することになり小さい量に対しては誤差を持つ。この誤差は適切な量子化を行うことで実用上影響の無い範囲にすることができ、データ量に比例したアナログ量を用いるのとほぼ等価な処理を提供可能である。
今日のコンピュータの主流であるデジタルコンピュータにおいては、0と1だけからなる2進数を物理的な表現形式(電圧の高・低)として持つため、デジタルは0と1からなるという説明がよくなされるが、はっきりと区別できる2以上の状態で表現されているデータ(例: そろばんの玉など)はどれもデジタルと呼ぶことができる。
一般的には「デジタル」と記述される。しかし、電気・電子・情報工学の分野では「ディジタル」と記述され、日本工業規格 (JIS X 0001, JIS X 0005)でも「ディジタル」(ディジタル計算機、ディジタル化する、ディジタルデータなど)になっている。これは、「digital」のつづり「di」を意識してのことである。
[編集] 特徴
デジタルデータは、離散値として数値化しているため、アナログデータと比べて劣化しにくい特性を持つ。伝送・記録再生などを行う場合、デジタル量もアナログ量と同様に電圧・電流などの電気信号に置き換えて取り扱われるが、外乱が生じて信号にノイズが混入した場合、アナログ処理では特別な処理を行わない限り信号に混じったノイズを取り除くことが困難である。これに対しデジタル処理では、数値は離散化してあり中間値を持たない(注1)ため、ノイズによって生じた誤差が一定以下ならばそれを無視でき、元の数値データを劣化無しに復元可能である。
- 注1) 例えばデータが整数表現の場合、ノイズによって1が0.8や1.2に変化しても1と認識させることが可能である。
実際の記録・伝送などではノイズなどの影響が無視できず、もとのデータと異なるデータが再生されてしまうこともある(上の例では1が0.4や1.6に変化すると別な値、すなわち0あるいは2として再生される)。しかし、データを予め誤り訂正符号などを使って冗長化しておくと、途中で劣化しても自動的に修復したり、誤りの発生を検出して再送を要求したりすることができ、信頼性の高い処理を提供することが可能になる。
[編集] デジタル処理の適用
実際のデジタル処理に当たっては、2進数ひとつの単位をビットとし、8ビットなどのまとまった単位を合わせてオクテットまたはバイト、ワードという単位にして取り扱うことが多い。これは処理装置や記憶装置の語長に合わせて効率よく使えるようにするためである。
デジタルデータにおいては、表現可能な数値範囲を超えたり、最小値に近い数値を扱う際には注意が必要である。 アナログ処理では、多少入力電圧が規定より超過しても影響がないか、わずかな影響で済む場合もある。しかしデジタル処理では、定義された最大値を超えた場合には桁あふれ(オーバーフロー)となり、以後の演算処理の結果は保証されない。また、最小値に近い数値では量子化誤差が無視できず、S/N比の劣化として現れることがある。さらに、数値計算の際に不用意な処理手順による桁落ちが生じ、著しい有効桁数の減少を招くこともあるため、注意を要する。
[編集] 符号化
様々な分野でそれぞれ適切な表現形式を用いてデータを符号化している。
- 数値は、整数や浮動小数点型、固定小数点型などとして扱える。
- 文字は、文字コードで文字とコードを対応させることができる。
- 音声は、PCMなどでデジタル化できる。楽譜情報を電子化したものはMIDI、MMLなど。
- 絵、映像は、光をRGBなど色の成分に分解し、各色の明るさなどを数値化する。