黄金の法
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『黄金の法(おうごんのほう)』は、
映画『黄金の法』は、幸福の科学出版によるアニメ映画で、2003年10月11日に東映系で公開された。英語版の作品名は、"The Golden Laws" である。
目次 |
[編集] ストーリー
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西暦2403年のニューアトランティスにある未来都市に住む中学生のサトルは、図書館で夏休みのレポート資料を探していて、21世紀の日本で書かれたという神秘の書『黄金の法』に出会う。数時間後、家で読みふけっていたサトルのところへ、30世紀からタイムマシンに乗って少女アリサがやってくる。アリサは、夏休みのレポートを書くために家系図を調べていて、15代前の先祖にあたるサトルが伝説のエリート校「U.H.S.」(University of Happiness Science middleschool) の首席だったと知り、自分と同じ15歳のサトルに会うために、父親が開発したタイムマシンの試作機「TM-07」に乗り込んだのだった。
大木にぶつかった衝撃で制御が不安定になったTM-07であったが、サトルが持っていたペン型のノートで起動に成功した。タイムマシンの存在を知ったサトルは21世紀の日本へ行くことを望むが、TM-07は異次元世界と三次元世界の間を迷走し、7世紀の鞍馬山で天狗が出たと思われたり、古代エジプトで壁画職人に目撃されたり、古代インカのナスカ高原で神と間違われたり、預言者エゼキエルの時代のバビロンに現れたりした後、紀元前2300年頃の古代ギリシア(エーゲ海)で海竜(嵐を起こす魔神の一種)に遭遇し、サトルとアリサは窮地に追い込まれる。近くを航行していたヘルメスの船団からは、兵隊長デメスの弓部隊が弓矢を放つものの海竜には全く歯が立たない。これを見たヘルメスは、ケリューケイオンの杖をデメスに預け、帆船のマストから海竜の頭へ飛び移り、背中に担いでいた青龍刀を海竜の左目に突き刺した。帆船に戻ったヘルメスはデメスから大きな弓を受け取り、アフロディーテから受け取った「金の矢」(オフェアリス神殿に祀られていた奇跡の矢)を射て、最後にケリューケイオンの杖で天空から雷を降ろして海竜を倒した。
ようやく難を逃れたサトルとアリサは、ヘルメスから「時の旅人」と呼ばれ、自らの心が求める「探しもの」を見つけて来るように語られる。再びサトルとアリサの「タイム・ラフティング」が始まった。
紀元前1200年頃の古代エジプトでは、スフィンクスの鼻に接触したTM-07の中から、「出エジプト」でヘブライ人をエジプトから解放しようとするモーセを目撃する。アリサは、追うファラオの軍隊の存在をテレパシーでモーセに伝え、TM-07からバーチャルファイヤーを放って軍隊を一時的に足止めにした。その後、紅海(葦の海)で風により水を割って渡るモーセらを見守る。モーセの力強い信仰の奇跡を目の当たりにしたサトルは、TM-07内で自分の勇気の弱さを実感していた。
紀元前600年頃のインド(マガダ国)に着陸したサトルとアリサは、街に出て釈尊の時代であることを知る。その頃、アジャセ王に釈迦教団が支持をするという約束をしたダイバダッタが、自らが教団を継ぐために釈尊を亡き者にしようと企てていた。ある時、霊鷲山の山道を登る釈尊一行に向かって落とされた大岩に、アリサはレーザービームを照射して岩を粉砕した。釈尊は右足から出血したが命に別条はなく、透明なタイムマシンを見て微笑んだ。さらに後日、酒を飲まされた殺人象ナーラギリが暴れて釈尊へ突進し踏み潰そうとするが、釈尊は施無畏印と与願印を結び、手をかざしてナーラギリをおとなしくしてしまった。絶句したダイバダッタは、自らの右手薬指の爪に毒を浸して釈尊に襲い掛かろうとするが、釈尊はダイバダッタに静かに語りかける。その慈悲深い言葉に嫉妬したダイバダッタは無意識のうちに爪を噛んで倒れた。この様子を見ていたアジャセ王は回心して仏陀に帰依する。街で不審者として警備兵に捕まっていたサトルとアリサは、「過去に我が弟子として共に敵と戦った」と釈尊から告げられて解放された。サトルは、仏陀とその弟子は心の中で深い絆で結ばれているという言葉を心に噛みしめていた。
紀元30年頃のイスラエルでは、木製の十字架を引きずりながら背負って歩き、ゴルゴタの丘で十字架に架かったイエス・キリストを目撃する。イエスは天を仰ぎ、エリヤとラッファエロに迎えに来るよう叫んで絶命した。サトルとアリサは、異次元モードでイエスの魂を導く天使達を見る。後日、サトルとアリサは白い防寒具を着てイエスの墓の前にいた。やがてマグダラのマリア達が来たため岩陰に隠れたが気づかれた。その時、イエスの墓に金色の粉が降り注ぎ、光球となった後にイエス・キリストの姿へと変わる光景を目の当たりにする。イエスの復活現象を目撃したサトルとアリサは、上空に現れたヘルメス神がイエスの霊的復活に力を与えた愛の神だと悟った。
再び21世紀の日本へ向かおうとするサトルとアリサは、紀元500年頃の中国(天台山)に現れた。華頂峰山頂で坐禅を組む僧侶(天台智顗)をしばらく観察しているうちに、荘厳な光のなかに文殊菩薩と普賢菩薩が現れるのを見る。文殊菩薩と智顗の会話の後、巨大な光のなかに釈迦如来が現れ、智顗に心を針の向きで喩えた一念三千の教えを啓示した。さらに、釈迦如来と文殊菩薩は、智顗に対して1500年後の東の国に釈尊の生命体の本体が降臨することを告げる。大きな太陽に向かって決意を固める智顗を見つめながら、サトルとアリサはその信仰心に感動していた。
サトルの懇願で再びヘルメスの時代へ戻ったサトルとアリサは、ナフプリオンの広場で3色の火が焚かれた祭壇を囲んでプロメティウスに熱狂する約3000人の群衆を見る。その中心ではクレタの王ヘルメスがプロメティウスと対決していた。ヘルメスは、霊能力や現世利益のみを求める奇跡では人の心は救えず、神の子としての生き方や真実の世界を説いてこそ人々の心は救われるのだとプロメティウスに諭すが、プロメティウスは祭壇から突然に4本の火柱を立ててヘルメスを囲み、逃げ場をなくした。サトルとアリサは風を起こして火を吹き飛ばそうとするが、上空に達した火柱がTM-07を直撃したため岩場に不時着した。サトルとアリサはプロメティウス教団の群衆に入り、ヘルメスの弟子だと宣言してプロメティウスと対決しようとする。その間にヘルメスは霊界へ幽体離脱し、ナフプリオン上空の雲の上でパンとアガペーを呼び、海竜の居場所へ案内するよう頼んだ。巨大な御殿に着いたヘルメスは玉座にいる海竜王にプロメティウスの火を消すよう命じ、海竜王は手下の非礼を詫びて恭しく承知した。サトルとアリサは教団の男達に捕らえられるが、間もなく海竜達の仕業によって大粒の雨が降り出し、土砂降りになって火が消えた。その後、海竜王に乗ったヘルメスが杖を振り下ろすと稲妻が発生し、祭壇を破壊した。教団の男によって火柱の仕掛けが暴露され、化けの皮を剥がされたプロメティウスは逃げ出すが、追う群衆によって捕らえられた。ヘルメスは、神の愛と信仰を守る勇気をサトルとアリサに説き、いろいろな時代で光の天使たちが輝きを発する理由と、永遠の旅人として時の流れのなかで生まれ変わりながら輝きを増していく人間の秘密を明かし、人々に囲まれて去っていく。
TM-07のエネルギー残量があと一回のタイムワープ分しかないことに気づいたアリサは、サトルのいた2403年に戻ることを決意した。エル・カンターレが地上に生まれていたという奇跡の時代を通り過ぎた時点で無数の黄金の光が大河となった光景を見て、その光源が地球の至高神エル・カンターレだと悟る。やがて、ニューアトランティスのサトルの家に戻ったアリサは、TM-07のエネルギー源がプレアデス星団から調達した特殊な鉱石であるため、30世紀に帰れないことを打ち明ける。サトルが何かを言いかけようとした瞬間、アリサの両親がアリサを連れ戻すために別のタイムマシンから現れた。父親からサトルに関する話を聞いたアリサは、タイムトラベルによって未来が変わったことに気づく。そして、アリサらは、アリサの父親が1年かけて作成したタイムマシン2号機に乗って異次元へと消えていった。
エンディングでは、カメラの視点がサトルの家からどんどん上空へ引いていき、ニューアトランティス大陸は金色の光となり、地球の地表も視界から消え、黄金色の天の川、銀河群から成る大河、表面が揺らぐ十三次元宇宙球が映じられた後、黄金の川の先端が見えてエンドロールが永遠の彼方へと流れていく。
以上で黄金の法に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] キャスト
ヘルメス/釈尊 | 子安武人 |
アフロディーテ/文殊 | 伊藤美紀 |
サトル | 青山桐子 |
アリサ | 雪野五月 |
天台智顗 | 小嶋一成 |
デメス | 青野武 |
モーセ | 掛川裕彦 |
アジャセ王 | 郷里大輔 |
ダイバダッタ | 野沢那智 |
イエス・キリスト | 島田敏 |
マグダラのマリア | 住友優子 |
プロメティウス | 銀河万丈 |
パン | 真山亜子 |
アガペー | 大本眞基子 |
海竜王 | 郷里大輔 |
[編集] スタッフ
制作総指揮・原作・原案 | 大川隆法 |
シナリオ クリエイティブ・ディレクション |
「黄金の法」シナリオ・プロジェクト |
プロデューサー | 小田正鏡 小川空城 佐藤直史 |
アニメーション・ディレクター | 石山貴明 |
作画監督(ヘルメス/釈尊) | 須田正己 |
作画監督(サトル/アリサ/智顗) | 清水恵蔵 |
作画監督(イエス/モーセ) | 羽根章悦 |
作画監督(プロメティウス) | 江口摩吏介 |
音楽 | 水澤有一 |
美術監督 | 鈴木朗 |
VFXクリエイティブ・ディレクター | 粟屋友美子 |
VFXスタッフ | VISUAL MAGIC NICE+DAY Colorado FX SimEX digital studio |
VFXスーパーバイザー | 伊藤徳彦 |
色彩設定 | 原田幸子 |
コンポジットコーディネーター | 伊藤正弘 |
編集 | 古川雅士 |
アニメーション・プロデューサー | 川人憲治郎 |
アニメーション製作 | グループ・タック |
配給 | 東映 |
製作 | 幸福の科学出版 |
[編集] 漫画・タイムラフティング
- タイムラフティングは幸福の科学が発行した黄金の法を元にした漫画。作者は『さとうふみや』。
- キャラクター
- 天崎時雄(トキオ)
- 自称ミステリーハンターの高校生。プチ予知能力なるちょっとした力を持っている。
- ハル
- 行方不明になった父親を探すべく30世紀の未来からタイムマシンで来た少年。
- ナナ
- トキオ達が過去の時代で出会ったヘルメスに仕える巫女見習いの少女。