韓鶴子
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韓 鶴子(ハン・ハクチャ、한학자、Hak Ja Han、1943年2月10日― 現在65歳)は、世界基督教統一神霊協会(統一教会、統一協会)の教祖・文鮮明の夫人。 「統一教会」の関連団体である「世界平和女性連合」、「世界平和家庭連合」及び「天宙平和連合の総裁。
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[編集] 人物
統一教会においては歴史上初めて完成した女性として全人類の「真の母」と意義付けされ、「真のお母様」と呼ばれる。「真の父」であるとされる夫の文鮮明と共に呼ぶときは”真の(御)父母様”(正式には”天地人真の父母様”)と呼ばれる[1]。
文鮮明との間に14人[2]の子供(3人は既に他界)と20人以上の孫を持つ[3](文鮮明#韓鶴子との子女を参照)。 1990年頃までは外部に出ることはほとんどなかったが、1991年の「世界平和アジア婦人連合」(後の「世界平和女性連合」)創設以降、世界各地を講演で回るようになった。 統一教会の資金を支える日本に入国できない夫の代わりに度々来日する。
[編集] 来歴
- 2月10日(陰暦では1月6日)の午前4時半に、日本併合時代の朝鮮半島の平安南道の安州の信里という村(現在は北朝鮮領)に韓承運(ハン・スンウン、1909年~1978年)と30歳の洪順愛(ホン・スネ、1914年~1989年)の一人娘として生まれる(陰暦の1月6日は夫、文鮮明と同じ誕生日[4]であるが、あくまで教会の資料であり、事実でないなら運命的な結婚であることの暗示させるものと思われる)。洪家の家系は三代続けて娘一人の家系であるという。父親は婿養子になるのを拒否して鶴子がお腹にいる7か月のときに出て行ったという。統一教会ではその後の父親の消息についてはまったく語られていない。
- 1951年(8歳)
- 1月4日 朝鮮戦争の最中、江原道(カンウォンド)春川(チュンチョン)市に一時寄居し、そこの小学校に通う[5]。
- 1956年(13歳)
済州島で暮らす。「孝敦(ヒョウドン)初等学校」に通う。 母親の洪順愛は熱心なキリスト教徒であったとされ、金聖道(キム・ソンド)の聖主教団や、腹中教などの教団を経てこの済州島で伝道され、統一教会(統一協会)の信仰を持つようになる。 母親が教会で奉仕生活(文鮮明の食事係)をするため鶴子と祖母は順愛の弟に引き取られた。 ソウルの「善正(ソンジョン)女子中学」を卒業。カトリック系統の「聖ヨセフ病院」の看護補助員となる。
- 1960年(17歳)
- 17歳[6]になった年に宋長老によって文鮮明の夫人に選ばれ[7]、41歳[6]の文鮮明と結婚。同年4月11日に「聖婚式」と呼ばれる儀式を行う[5](教会では人類始祖のアダムとエバが失敗した内容をやりなおすものとされ、新約聖書のヨハネの黙示録にある「子羊の婚姻」と意義付けられている)。
- 1989年(46歳)
- 母親の洪順愛が享年76で他界。
文鮮明によって洪順愛は”真の母を育てた偉大なる母という意味で”「大母様(テモニム)」と命名され、金孝南(キム・ヒョウナム)という統一教会信者である霊能者に再臨し、天使を使い悪霊を追い出したり、地獄にいる人達を解放する権能を持つとされる。
- 1985年(42歳)
- 1992年(49歳)
- 4月10日 韓国で、女性運動のNGO、「世界平和女性連合」の創設大会で同会の総裁として講演。
- 5月11日~ 「理想世界の主役になる女性」または「世界平和における女性の役割」をテーマに世界巡回講演。韓国、日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、ロシア、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、中国。
- 1993年(50歳)
- 5月20日~8月 米国44ヶ都市で「真の父母と成約時代」のテーマで講演。
- 9月10日~30日には日本の27か所で、
- 10月4日~31日には韓国の主要大学40校で、
- 10月31日には韓国の国会議事堂議員会館会議室で、
- 11月2日から12月22日には世界39か国43か都市で、同様の講演。
- 7月28日 米国議会ダークセン上院議員会館で、「神様、女性と真の家庭」のテーマで講演。
- 9月7日 ニューヨーク市の国際連合の第二会議場で、「神、女性、そして世界平和」のテーマで講演。
- 1995年(52歳)
- 9月14日~20日 日本で、「真なる家庭と私」というテーマで講演。
- 10月6日~11月2日には韓国で講演。
- 1998年(55歳)
- 2月23日~3月6日 日本の12か都市で、「文鮮明先生御言葉訓読大会」を行う。
- 4月1日~16日にはアメリカ、カナダで行う。
- 1999年(56歳)
- 夫、文鮮明から表彰牌を授与される。
- 2000年(57歳)
- 5月8日~19日 南米4か国で「訓読大会」。
- 5月20日~29日にはヨーロッパ各国で、
- 5月31日にはカナダで。
- 6月23日 国連NGO(非政府組織)の「世界平和教育者国際連合」(IAEWP)から「グランプリ平和賞」を授与される。
- 8月 夫、文鮮明と共にアラスカで鮭を釣り過ぎて摘発され、罰金250ドル(約2万7千円)の罰金を科せられたと外電に報じられる。
- 2006年(63歳)
- 4月26日~5月10日 「天宙平和連合」(UPF)共同総裁として、世界120か都市巡回講演を行う。
[編集] 参考文献
- 世界基督教統一神霊協会(発行)『韓鶴子女史 御言葉選集 愛の世界』 光言社 1989年2月11日
- 杉山もと子[8]『地球家族―韓鶴子女史講演集』 泰流社 1996年10月 ISBN 978-4812101926
世界基督教統一神霊協会(統一教会・統一協会) 【表】 【ノート】 【履歴】 |
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歴史 | 世界基督教統一神霊協会の年表 | ||
教祖と家族 | 文鮮明 韓鶴子 文孝進 文顕進 文國進 | ||
幹部 | 朴普煕 郭錠煥 久保木修己 大塚克己 川瀬カヨ | ||
経典・教義 | 『原理講論』 反共主義 世界基督教統一神霊協会の関連用語 再臨 メシア 救世主 | ||
活動 | 合同結婚式 純潔運動 日韓トンネル ピースカップコリア インテリジェント・デザイン 国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案(スパイ防止法) 『インチョン!』 『暗号名 黒猫を追え!』 『新千年紀宣言』 | ||
関連団体 | 統一教会関連の企業と団体 国際勝共連合 原理研究会 天宙平和連合 世界平和女性連合 世界平和教授アカデミー 天地正教 国際救援友好協会 サービスフォーピース リトルエンジェルス SHINZEN 野の花会 日韓トンネル研究会 鮮文大学校 ブリッジポート大学 城南一和天馬 | ||
関連企業 | 一和 ハッピーワールド メッコール 世界日報 (日本) 世界日報 (韓国) ワシントン・タイムズ UPI通信社 平和自動車 一心病院 | ||
問題 | 霊感商法 カルト セクト 洗脳 マインド・コントロール 青春を返せ裁判 血分け | ||
信者 シンパ |
桜田淳子 徳田敦子 川瀬カヨ 松下正寿 福田信之 笹川良一 岸信介 安倍晋太郎 中曽根康弘 渡辺久義 ロナルド・ウィルソン・レーガン ジョージ・H・W・ブッシュ | ||
元信者 | 洪蘭淑 山崎浩子 飯星景子 副島嘉和 音無美紀子 仲正昌樹 | ||
批判者 | 浅見定雄 有田芳生 紀藤正樹 山口貴士 中村敦夫 飯干晃一 リチャード・コシミズ 石井紘基 「全国霊感商法対策弁護士連絡会」 | ||
公式ウェブサイト | http://www.uc-japan.org/index.aspx |
[編集] 脚注
- ^ a b 『女性東亜』1986年5月号
- ^ 自身の講演や雑誌の記事でも13人の子供を生んだとされるが、これは生後7日ほどで亡くなった本来の次女である文恵進(ムン・ヘジン、1964年7月28日~同年8月4日)を数に入れていないものと思われる
- ^ 文鮮明は韓鶴子と出会う以前に1944年に別の女性と結婚し、1956年に離婚したが、その間に正式な結婚ではないが、統一教会の女性信者との間に男の子をもうけている(『ファミリー』(2000年5月号参照)
- ^ 韓国の女性誌『女苑』(1982年11月号)で韓 鶴子の特集が掲載されたが、そこでは「誕生日が同じだけでも「天生縁分」というが、この夫婦たるやすでに天が決めておいた夫婦ではないだろうか。」と記している。
- ^ a b c d 『韓鶴子女史 御言葉選集 愛の世界』 光言社 1989年2月11日
- ^ a b 統一教会では韓鶴子と文鮮明の結婚年齢を数え年でそれぞれ、16歳、40歳と語っている。
- ^ 卓明煥「統一教、その実相」
- ^ 杉山もと子は韓鶴子が総裁を務める「世界平和女性連合」の元会長。