釘バット
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釘バット(くぎバット、Spike rod)とは、野球の木製バット(まれに金属バット)全体に釘をハリネズミの針状に打ち込み、対人打撃武器としたものの俗称である。
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[編集] 概要
通常のバットでも十分凶器となり、現にバットを使った殺人事件も起きている。そのバットにさらに釘を多数打ち込むことにより、攻撃目標に打撲のみならず刺傷や裂傷を負わせることを企図した打撃用武器のひとつである。さらにはその外観から鬼の持つ金棒やモーニングスターといったトゲ付きの棍棒を連想させ、相手を視覚的に威嚇するのも役立つ。ただし、多くの釘バットの実装(漫画等の上での表現を含む)では、釘の先頭の尖った部分はバットの内部に刺さっており、頭部の平らな部分がバットの外に露出する形になっている。このため釘が皮膚や衣服に埋没した際には抵抗となって抜けづらくなる可能性もあり、格闘時における武器としての有効性にはやや疑問が残る。また、バットに用いられる木材は一般に堅く乾燥しており、不用意に打釘すれば割れることもあるため、手軽に作成することは難しい。
上記のような理由(および元々バット自体が武器でないこと)から、現実世界の戦闘場面で確実な殺傷を任務とする者(軍人・ヤクザ等)の武器として用いられることはほとんどなく、また喧嘩で使用すれば証拠が残り計画的殺意が疑われることなどから、実際には不良少年が威嚇用に携帯する程度であろうと思われる。プロレスのデスマッチにおいては、観客に対して暴力性をアピールする目的で使用されることもある(同様に有刺鉄線を巻きつけたバットも使われる)。また、下記の外部リンクに示すとおり、芸術作品の一種として釘バットの制作・展示を行う「釘バットアーティスト」とでも呼ぶべき人々が存在する。
漫画では、所持する登場人物の(外見・社会的属性・通常の行動から考えて)意外な暴力性を象徴する小道具として、しばしば登場する。また、オンラインゲームでは、バットの殺傷能力を高めた武器アイテムという位置付けで登場する場合もある。
[編集] 釘バットでの殺戮例
1990年代にルワンダで起きたフツ族によるツチ族虐殺(ルワンダ紛争)の際、フツ族の民兵は現地語で「マス」と呼ばれる釘バットを使用している。多くのツチ族が釘バットでの殴打によって命を奪われていった。
マスは、釘をバットに打ち込んだ後に頭を切り落としヤスリで尖らせることで、殺傷力が増すように加工されていた。
[編集] 釘バットが登場するフィクション作品
釘バットが登場する主なフィクション作品と所持する登場人物(括弧内は登場人物の通称)を以下に挙げる。
- 漫画
- 仮面のメイドガイ - フブキ
- こみっくパーティー - 高瀬瑞希(犬威赤彦が描いた電撃大王連載上でのオリジナル設定)
- GTO - 村井國男
- たのしい甲子園 -太田(さらに作者大和田秀樹の公式サイト名は「釘バットドットコム」)
- はやて×ブレード - 無道綾那
- ぷぎゅる - カナト
- ぽけっとタマちゃん - 玉手川ひろこ(タマ)
- まほらば - 亜麻根瑞穂(釘バット)※アニメ版ではメガホンに変えられている。
- 京四郎 - 佐倉京四郎(彼女が誕生日にプレゼントしてくれた。中2~高1まで使用)
- アニメ
- 超合体魔術ロボ ギンガイザー - ブルゲイダー(主人公側のロボット)が、トゲバットという釘バットに似たアイテムを使う。
- ライトノベル
- シャムロック - 中瀬古舞
- 零崎軋識の人間ノック - 零崎軋識 ※ただし使用していた釘バットは釘とバットが一体型の全鉛製鋳造品である
- 撲殺天使ドクロちゃん - 三塚井ドクロ エスカリボルグという釘バットに似たアイテムを使う。
- ゲーム
- ファイナルファンタジーVII - クラウド・ストライフ※ゲーム中の装備品の一つとして登場。
- SIREN2 - 阿部倉司※あるシナリオで、特定の条件を満たすことにより次のシナリオから同人物の使用武器になる。
- ペルソナ3 -両手剣の一つとして登場。片手剣として鉄パイプも登場する。
- 戦国BASARA2 - 宮本武蔵※ゲーム中の武器として鉄パイプと共に登場。
- モンスターハンター - 片手剣の一つとして登場。
[編集] 外部リンク
- 釘バット~Spike Baseball Stick!!~
- 釘バットアーティスト・毒による、釘バットの制作工程・完成品展示、販売を行うサイト。
- わしの釘バット(週刊アヤラ)
- 釘バットの制作工程・展示。制作者は毒の釘バットアートでの弟子筋に当たるという。
- 釘バットつくりました。(れいん画像置き場)
- 釘バットをテーマにした写真作品。これも制作者は毒の釘バットアートの弟子。
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