運賃箱
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運賃箱(うんちんばこ)とは、路線バスないし鉄道の車両内において、運賃を収受するために設置されている箱、ないしは機械装置である。導入している事業者によっては料金機などと呼んでいるところもある。
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[編集] 使用目的など
路線バスや列車においてワンマン運転を行う場合に、運転手(運転士)が旅客からの運賃を収受するために設置されている。単なる箱である場合と、両替・硬貨計数などの機能を持った機械装置である場合がある。旅客が支払った運賃の額が正当であることを確認しやすいように、運転席付近に設置されていることが多い。なお、乗客が何を入れたのかが分かるように運賃箱の内側(運転手側)が透明になっていることが多い。
装置の下部には着脱可能な現金箱が設けられており、乗務が終了すると現金箱を取り外し、営業拠点に設けられた専用金庫(金額計数機能付き)に直接現金を投入する。事業者にもよるが、不正横領を防止し、現金を厳正に取り扱うという観点から乗務員は運賃箱の中身には一切触れず、装備員と呼ばれる別の係員が運賃箱を取り扱う場合や、鍵が営業所で一括管理されていることが多い。
[編集] 機能
- 運賃投入口より貨幣・回数券・整理券を受け入れる
- 投入された貨幣の保管
- 硬貨・紙幣の両替。機種により対応する種類は異なる(例・紙幣は千円札のみ対応など)
- 運賃前払い方式を採用しているところでは、この両替機部分を「つり銭の必要な硬貨」「紙幣」の投入口としている場合もある。
- 運賃投入口・紙幣投入口より投入された硬貨・紙幣の計数
- 運賃前払い方式を採用しているところでは投入された金額を計数して、つり銭が出てくるものもある。この場合、両替機部分の硬貨投入口をふさいで硬貨を投入できないようにしている。
- 高額紙幣の読み取りが可能な紙幣投入口を装備する機種もある。一般路線では高額紙幣の両替やつり銭が必要な運賃の精算が不可能であり、高額紙幣が必要になるほど運賃が高額になる事があまりないためICカードの入金に利用されるのが殆どである。又、二千円札の読み取りが可能かどうかは事業者によって異なる。
- 整理券番号の読み取り。整理券に印刷されたバーコードを利用する。
- プリペイドカード、ICカードなどの読み取り・書き込み
- ICカードの入金(チャージ)
- プリペイドカードの販売
- 指定された紙幣を投入してボタンを押すと、カード取り出し口よりカードが出てくる。
- 各種情報(運賃・投入金・カード残額など)の表示
持っている機能は種類により異なる。
- 海外では、運賃箱は単にお金を入れるだけの場合が多く、両替機能がついていないことが多い。この場合、バスカード読み取り機(ICカード含む)や、つり銭を出す専用の機械が別途設けられていることが多い(韓国や台湾のバス等)。