西鉄1形電車 (鉄道・宮地岳線)
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西鉄1形電車(にしてつ1けいでんしゃ)は、かつて西日本鉄道(西鉄)宮地岳線(現在の貝塚線)で使用されていた電車である。
西鉄宮地岳線の前身、博多湾鉄道汽船(湾鉄)の自社発注車と大阪電気軌道(現在の近畿日本鉄道)の旧車体流用車が混在する雑多な構成であった。
なお大牟田線および軌道各線にも同形式・同番号の車両が存在したが、本形式とはまったく関連性がない。
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[編集] 車歴
[編集] 博多湾鉄道汽船の自社発注車
[編集] デハ1・2・3→モ1・14・2
宮地岳まで開業した直後の1925年9月に川崎造船所(現在の川崎重工業)で製造された客車ナハ1・2・3で、すでに電化する予定があったことから、将来電車として使用できるような車体の電車形客車として製造された。全長14,738mm、全幅2,708mm、ホイールベース2,134mm。
1929年に宮地岳線が電化された際、ウエスチングハウス社の電動機を使用して電車化され、デハ1・2・3となった。1941年にデハ2はモーターが41kw×4機から85kw×2機に変更された。
西鉄となった後の1945年に番号の整理が行われ、同時に記号も湾鉄の「デハ」から西鉄の「モ」に改められた。
- デハ1 → モ1
- デハ2 → モ14
- デハ3 → モ2
※西鉄宮地岳線では電動機出力が小さい車両をモ1形、大きい車両をモ10形とした。
モ1は1958年に鋼体化されたが、元の木造車体から扉や窓ガラスを流用し、床下にはトラスバーも残っていた。車体自体も木造車時代の姿に近いものとなった。一方1961年に鋼体化されたモ2は日車標準型に近似した近代化されたスタイルで、のちに宮地岳線の木造車が鋼体化された際もモ2と同様の車体となった。またモ14も追って鋼体化された。
各車の廃車日は下記の通り。
- モ1 → 1977年7月7日(台車はク366に転用)
- モ2 → 1979年3月28日
- モ14 → 1980年10月7日
[編集] デハ4~9→モ4~9
1929年の電化に合わせて日本車輌で製造された車両で、小田急1100形と寸法的にほぼ一致する同形車である。全長15,248mm、全幅2,730mm。
西鉄となった後に記号が「デハ」から「モ」に改められ、正面貫通扉の埋め込み、3扉→2扉化の改造が行われた。その後1978年から1981年にかけて廃車となった。各車の廃車日は下記の通り。
- モ4 → 1980年9月22日
- モ5 → 1981年12月1日
- モ6 → 1981年12月1日
- モ7 → 1978年5月30日
- モ8 → 1981年12月1日
- モ9 → 1981年12月1日
[編集] デハ10・11→モ11・12
1936年に汽車会社東京支店で製造された車両で、2扉クロスシート、全長16,850mm、運転室は右側片隅式である。 その後ロングシート化、乗降扉の移設、全室運転席化、改番(デハ10・11→モ11・12)電動機変更による出力強化が行われた。
2両とも、1979年9月14日付で廃車となった。
[編集] 大阪電気軌道(大軌)の旧車体流用車
[編集] デボ61形の旧車体流用車
大阪電気軌道のデボ61形のうち、90~96が1933年から1935年にかけて鋼体化され、103形103~109となった。この際発生した木製の旧車体のうち、90・93~96の車体が湾鉄に譲渡され、湾鉄の手持ち部品と組み合わされてコハフ1・5~8となった。のちに電車化され、1両は電動車、4両は制御車となった。
各車両の番号の変遷は以下の通り。
- コハフ1 → デハ12 → モ3 → ク52(2代目)
- コハフ5 → ク51
- コハフ7 → ク52(初代)
- コハフ8 → ク53
- コハフ6 → サ54 → ク54
1961年から1963年にかけて、事故廃車となったク52(初代)と、ク57に転用され廃車となったク53を除き鋼体化され、その後1977年から1980年にかけて廃車となった。
各車の廃車日は下記の通り。
- モ3→ク52(2代目) → 1977年9月22日
- ク51 → 1978年5月30日
- ク52(初代) → 1953年8月5日(事故廃車)
- ク53 → 1963年7月10日(ク57に転用)
- ク54 → 1980年10月7日
[編集] 鉄道模型
Nゲージで、kitcheNからデハ4・モ5・モ9のエッチング車体キットが製品化されている。
[編集] 参考文献
- 『鉄道ピクトリアル』1999年4月臨時増刊号(鉄道図書刊行会)
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