武田信廉
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| 時代 | 戦国時代 | |||
| 生誕 | 天文元年（1532年） | |||
| 死没 | 天正10年3月7日（1582年3月30日） | |||
| 改名 | 孫六、信廉、信連、逍遙軒信綱 | |||
| 墓所 | 山梨県甲府市の逍遙院 | |||
| 官位 | 刑部少輔 | |||
| 氏族 | 武田氏（甲斐源氏） | |||
| 父母 | 父：武田信虎、母：大井の方 | |||
| 兄弟 | 竹松、信玄、犬千代、信繁 信基、信廉、一条信龍、宗智 松尾信是、河窪信実、信友、勝虎 他女子数名 |
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| 子 | 信澄、娘（仁科盛信室）、娘（河窪信俊室） 娘（小笠原信嶺室） |
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甲斐武田氏第18代当主・武田信虎の子。母は大井の方で、武田信玄や武田信繁の同母弟である。後に出家して逍遙軒信綱と号す。武田二十四将の一人。
一般に、通称の逍遙軒（しょうようけん）として知られる。信玄の弟として武田家を支えたが、武勇などには秀でた人物ではなかったと言われ、画家としての才能に優れた人物であったといわれる。
[編集] 生涯
天文元年（1532年）、甲斐武田家の第18代当主・武田信虎の子として生まれる（生年は享禄元年（1528年）説もある）。
永禄4年（1561年）の第4次川中島の戦いにおいて兄の信繁が戦死したため、親族衆筆頭となり、騎馬80騎持の大将となった。戦時には、後方守備や本陣守護などを務めている。元亀元年（1570年）には高遠城主に任じられた。
元亀4年（1573年）4月、長兄の信玄が死去し、武田勝頼が家督を継承すると、一族の重鎮として飯田城代や大島城代などの要所を任された。天正3年（1575年）、長篠の戦いにおける5月21日の設楽原決戦の際には、戦局の不利を早々に察してか、穴山信君らと共にいち早く戦線を離脱し、武田軍の布陣に大きな穴を開けている。
天正10年（1582年）2月、織田信長による武田征伐が始まると、織田信忠を先鋒とする織田勢は南信濃から侵攻する。これに対して信廉はたいした抵抗もせず、大島城を放棄して甲斐へと退却した。戦後、織田軍による執拗な残党狩りによって捕らえられ、勝頼自刃から13日を経た3月24日、甲斐府中の立石相川左岸にて斬首された。享年51。墓は甲府市桜井町逍遥院にある。
[編集] 人物・逸話
- 画才に優れ、父・信虎や母・大井氏の肖像のほか、多くの文化財級の絵画等の作品を残すなど、文化人として知られる。甲府大泉寺での信虎葬儀に際しては肖像を奉納している。また、文才にも優れ、永禄10年（1567年）に信玄が家臣から起請文を徴したとき、その流麗な筆跡の起請文が、生島足島神社に現存している。
- 逍遥軒と号していたが、逍遥という言葉からして遁世の意味合いが含まれている。兄2人ほどの力量を持ち合わせていない自覚がありながら、武田一門の血の濃さから重鎮としての働きを要求される現実に辟易していた、との想像も膨らむが、あながち間違いとは断じ難い。
- 『甲陽軍鑑』によれば、骨相が似ている信玄の影武者を務めたとも言われ、側近たちですら見分けがつかなかったと言われている。その逸話を示すのが元亀4年（1573年）、三方ヶ原の戦いでの戦勝後も継続されていた西上作戦が途中で切り上げられ、武田軍はやむなく撤退した。その帰路の信濃駒場で信玄が病死しているが、その死を内外に隠すために信玄に成りすまし、全軍の甲府への引き揚げを成功させている。また、北条氏政が信玄の死去を確かめるため、使者として板部岡江雪斎を甲斐に派遣したが、このときに使者の前に影武者として現れて欺いたという逸話もある。
- 武将としての功績には乏しいが、その理由は病弱だったためともいわれる。
- 勝頼との折り合いが悪かったといわれるが、これは武田義信以外の信玄の息子はすべて養子に出ているため、一部の有力家臣が信廉を武田家当主に推したためと言われている。一説に、信玄の死後は自らが武田家当主になると考えていたものの、信玄は武田信勝を信廉の養子とした上で当主とし、勝頼が信勝を後見することで、事実上、勝頼が武田家を継ぐことを認めたとされる。このいきさつを知らない勝頼が、信廉を家臣の一人としか見なかったことで両者は反目し、のちの武田家滅亡の一因となったという。信玄の同母弟という武田家の血が濃い信廉と、本来は諏訪家を継ぐはずだった勝頼との関係は、何れにせよ微妙にならざるをえなかったと思われる[要出典]。
[編集] 子孫
信廉は肥前五島の城主でもあったと伝えられている。子は、早世した武田信澄のほかに、武田弥太郎源信兼がおり、南都に居住した後、出羽寒河江（山形県寒河江市）に移り城主大江氏に仕え、天正12年（1584年）、最上川端で最上義光との戦いで戦死したと伝えられている[1]。
以降、その子、「五島」（武田姓を憚り、関係のあった五島姓を名乗ったものと考えられる）太郎左衛門源兼房（ - 1614）は中生居（現山形県上山市）にて帰農し、その子五島太郎左衛門源道雪（ - 1669）を経て、奈良姓（寒河江に移る前に弥太郎源信兼が南都に一時居住したことと関係があると思われる）を名乗り、初代奈良光太郎右衛門金道（ - 1683）、男子がなく養子も早世したため、次弟の奈良崎（ここから奈良崎姓）半左衛門金光（- 1718）が家を継ぎ、以降奈良崎助左衛門を代々名乗る。
幕末、奈良崎家7代助左衛門棟盁（ - 1847）が奥羽山脈を貫く隧道により隣国陸前仙台藩角田領（支藩石川氏）（宮城県七ヶ宿町）から灌漑用水を引く工事を私費を投じて始める（地元を流れる須川は蔵王温泉を水源とし硫黄を含む川であり農業用水としては不適だったため）。水源地が隣藩であるため困難を極め、明治14年8代助左衛門道弼（ - 1883）により完成し、地元上山市では旧横川堰[2]として知られている。11代が当主となり山形県上山市中生居に将来の12代当主と共に現在に続く。
