彦野利勝

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彦野利勝（ひこのとしかつ、1964年 10月12日 - ）は、愛知県名古屋市港区出身（石川県金沢市生まれ）の中日ドラゴンズで活躍したプロ野球選手。現在は中部日本放送野球解説者、中日スポーツ評論家、野球教室経営。守備位置は外野手。右投げ右打ち。

[編集] 来歴・人物

1982年ドラフト会議で愛知高校から中日に5位指名で入団し、投手から外野手に転向。入団後2軍暮らしが続いたが、1987年1軍定着。星野監督時代の1988年には「1番センター」＝核弾頭として中日の6年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。1989年には自己最高の26本塁打を放ち、ベストナインに選出。ゴールデングラブ賞を通算3回受賞。1988年10月、工藤公康から球団史上唯一の日本シリーズでの初回先頭打者本塁打（第3戦、西武球場）を放つ。

星野監督の頃、彦野の手痛いエラーで敗戦した巨人戦の試合後に、まだナゴヤ球場の観客の一部が残り、グラウンド整備の係員が作業をしようとしている中、外野守備ノックを受ける彦野の姿があった。公式戦の試合後に一軍の選手がそのグラウンドにて居残り練習をする事は異例。翌日、試合前に報道陣に昨日の居残りは監督からの指示か、という質問に彦野は「いやー自発的行動ですよ。あくまでも」と苦笑いをしていた。

1991年 6月18日、ナゴヤ球場での対横浜戦で盛田幸妃からサヨナラ本塁打を放った際、一塁ベース付近で左膝靭帯を負傷して走塁できなくなり退場、代走の山口幸司がホームインした。1994年に118試合に出場してレギュラーを務め、カムバック賞を受賞した。その後は主に代打の切り札として勝負強さを見せた。1998年に引退。

[編集] エピソード

過去に､大洋ホエールズとの試合のときに、打球を放つ際、折れたバットが顔に直撃するというアクシデントが発生した。記録はサードゴロとなったが、彦野は折れたバットの痛みからうずくまり走ることができなかった。星野監督も心配しにかけつけたが、なんとか自力で歩ける事態だった。ただし、痛みは相当のものであったと思われる。
趣味はギター。プロ野球選手の中でも1、2を争うほどの歌唱力を持ち、「愛する君のために生まれ変わりたい」という曲でCDデビューを果たした経験もあり、選手名鑑の「カラオケの十八番」の項目に自分の持ち歌を記載していた。
サヨナラホームランを打って、走るときに負傷して退場した試合は、喜びの方が大きく、いい意味でプロ野球での一番の思い出と引退後語っている。
また、サヨナラホームランの負傷で療養中「サヨナラホームランでサヨナラした男」という異名をつけられ、笑っていたという（名古屋のCBCラジオ「ドラゴンズワールド」で本人談）。
引退後テレビ番組に出演した時に、一番嫌いな選手を聞かれたとき、達川光男を挙げた。理由はよく死球をぶつけられたからで、「いくよ、いくよ」と達川がささやき、ほんとにぶつけられて、「じゃけん言うたじゃろ、避けんか」と説教されたこともあったと言う。
名古屋市出身で、更に父親が熱狂的な中日ファンという環境だったにもかかわらず、少年時代は巨人ファンだったらしい。

[編集] 年度別打撃成績

年度	チーム	背番号	試合	打席	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	塁打	打点	盗塁	盗塁死	犠打	犠飛	四球	死球	三振	併殺打	失策	打率	出塁率	長打率
1983年	中日	57	1軍出場なし
1984年			1軍出場なし
1985年			11	7	6	3	2	0	0	1	5	1	0	1	0	0	1	0	3	0	0	.333	.429	.833
1986年			19	23	21	4	5	0	0	0	5	2	1	0	0	0	2	0	4	0	1	.238	.304	.238
1987年			101	341	311	51	79	21	1	11	135	30	2	5	8	2	17	3	77	4	1	.254	.297	.434
1988年			113	432	374	53	102	25	2	15	176	47	9	9	16	1	33	8	67	1	3	.273	.344	.471
1989年			125	551	454	83	125	21	3	26	230	59	10	10	15	4	71	7	82	6	1	.275	.379	.507
1990年			109	418	353	41	88	14	0	12	138	42	7	8	14	0	44	7	51	7	1	.249	.344	.391
1991年			42	127	97	18	31	4	0	3	44	18	0	0	1	2	23	4	13	4	1	.320	.460	.454
1992年		8	23	29	28	0	3	1	0	0	4	2	0	0	0	0	1	0	11	0	0	.107	.138	.143
1993年			95	227	196	21	51	9	0	6	78	29	0	1	2	1	24	4	50	10	1	.260	.351	.398
1994年			118	418	363	41	103	17	3	6	144	49	1	1	3	4	45	3	61	14	3	.284	.364	.397
1995年			93	213	181	14	39	10	0	1	52	20	0	1	2	0	27	3	28	6	1	.215	.327	.287
1996年			67	131	111	11	30	6	0	3	45	22	0	0	0	1	17	2	17	2	1	.270	.374	.405
1997年			42	42	36	2	11	3	0	1	17	19	0	0	0	1	5	0	8	1	0	.306	.381	.472
1998年		57	7	7	6	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	1	0	3	0	0	.000	.143	.000
通算成績			965	2966	2537	343	669	131	9	85	1073	340	30	36	61	16	311	41	475	55	14	.264	.351	.423

[編集] タイトル・表彰

ベストナイン1回（外野手 1989年）
ゴールデングラブ賞3回（外野手 1988年～1990年）
カムバック賞（1994年）

[編集] 背番号

57（1983年～1991年、1998年。前任者平野謙及び継承者英智もゴールデングラブ外野手）
8（1992年～1997年）

[編集] 現在の出演番組

[編集] 関連項目

先代:: 川崎憲次郎

セ・リーグカムバック賞: 1994年

次代:: 加藤伸一
（1996年※）

※1995年は該当者なし。

中日ドラゴンズ 1982年ドラフト指名選手
1位：鹿島忠 / 2位：平沼定晴 / 3位：市村則紀 / 4位：近藤満 / 5位：彦野利勝 / 6位：宮下昌己

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