平成筑豊鉄道伊田線

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伊田線（いたせん）は、福岡県直方市の直方駅から福岡県田川市の田川伊田駅に至る平成筑豊鉄道の鉄道路線である。

旧国鉄特定地方交通線であった伊田線を承継した路線である。筑豊本線と同じく石炭を若松や戸畑の積出港へ運搬するために敷設された。

目次 1 路線データ 2 運行形態 3 歴史 3.1 年表 4 駅一覧 5 関連項目

[編集] 路線データ

• 管轄（事業種別）：平成筑豊鉄道（第一種鉄道事業者）
• 区間（営業キロ）：直方～田川伊田 16.1km
• 軌間：1067mm
• 駅数：15駅（起終点駅含む）
• 複線区間：全線
• 電化区間：なし（全線非電化）
• 閉塞方式：複線自動閉塞式

[編集] 運行形態

昼間時間帯は毎時2本運転で、田川線直通の直方～行橋間の列車を中心に運転されている。糸田線とは朝と夕方に直方～田川後藤寺間直通の列車があるほかは、金田駅で乗り換えとなる。合わせて1日2往復だけだが朝と夜に快速が直方～田川伊田間で運転されている。ワンマン運転を実施している。

[編集] 歴史

筑豊炭田から産出される石炭の輸送のため、後年の筑豊本線の支線として筑豊興業鉄道（ちくほうこうぎょうてつどう。後の筑豊鉄道）により建設された鉄道路線である。1893年に直方～金田間が開通した。1897年に九州鉄道に合併された後、1899年には豊州鉄道（現在の田川線）の伊田（現在の田川伊田）まで延伸され全通した。

直方～伊田間は、1911年に複線化され、この本線のほかにも、沿線の炭鉱に伸びる貨物支線を多数有していたが、筑豊炭田の衰退とともにそれも廃止されていった。それにともない、伊田線自身も第3次特定地方交通線に選定され、九州旅客鉄道（JR九州）に承継後の1989年に糸田線、田川線とともに平成筑豊鉄道に転換された。

平成筑豊鉄道に転換後も、金田から伸びる三井鉱山の専用鉄道からのセメント輸送のため、日本貨物鉄道（JR貨物）の貨物列車が直方～金田間に乗り入れ（貨物営業は平成筑豊鉄道）、金田～直方～門司港～外浜間に貨物列車が運転されていたが、荷主の三井鉱山がセメント事業から撤退したことにより、2004年3月末限りで廃止された。

[編集] 年表

• 1893年（明治26年）2月11日 【開業】筑豊興業鉄道 直方～金田 【駅新設】金田
• 1894年（明治27年）8月15日 【社名改称】筑豊興業鉄道→筑豊鉄道
• 1897年（明治30年）8月26日 【駅新設】（貨）金田
• 1897年（明治30年）10月1日 【合併】筑豊鉄道→九州鉄道
• 1898年（明治31年）2月9日 【駅新設】中泉
• 1898年（明治31年）3月29日 【貨物支線開業】中泉～日焼 【駅新設】（貨）藤棚、（貨）日焼
• 1899年（明治32年）2月8日 【貨物支線開業】本洞分岐点～本洞 【駅新設】（貨）本洞
• 1899年（明治32年）3月25日 【延伸開業】金田～伊田（伊田駅で豊州鉄道（現在の田川線）と接続）
• 1900年（明治33年）9月9日 【貨物支線開業】大城第一分岐点～大城第一、大城第二分岐点～大城第二 【駅新設】（貨）大城第一、（貨）大城第二
• 1900年（明治33年）9月17日 【駅新設】糒
• 1903年（明治36年）4月1日 【貨物支線開業】方城分岐点～方城 【駅新設】（貨）方城
• 1904年（明治37年）4月1日 【貨物支線開業】赤池分岐点～赤池 【駅新設】（貨）赤池
• 1907年（明治40年）7月1日 【買収・国有化】九州鉄道→官設鉄道
• 1908年（明治41年）3月11日 【分岐点→信号所】本洞
• 1908年（明治41年）3月28日 【貨物支線開業】金田分岐点～金田（本線上の貨物駅を支線に移設）
• 1909年（明治42年）1月1日 【貨物支線開業】金田～堀川 【駅新設】（貨）堀川 【駅名改称】（貨）金田→金田炭坑、金田分岐点→金田炭坑分岐点
• 1909年（明治42年）10月12日 【国有鉄道線路名称設定】伊田線 直方～伊田
• 1910年（明治43年）8月18日 【分岐点→信号所】赤池
• 1911年（明治44年）2月1日 【信号所→連絡所】本洞、赤池 【分岐点→連絡所】金田炭坑
• 1911年（明治44年）9月1日 【複線化】直方～金田
• 1911年（明治44年）12月28日 【複線化】金田～伊田
• 1922年（大正11年）1月1日 【貨物支線廃止】本洞連絡所～本洞 【連絡所→信号所】本洞
• 1922年（大正11年）4月1日 【連絡所→信号場】赤池、金田炭坑
• 1922年（大正11年）11月1日 【信号所新設】御館山 【信号所廃止】本洞
• 1923年（大正12年）5月31日 【貨物支線廃止】大城第二分岐点～大城第二 【駅廃止】（貨）大城第二 【分岐点廃止】大城第二
• 1927年（昭和2年）6月20日 【貨物支線廃止】金田炭坑信号場～金田炭坑 【駅廃止】（貨）金田炭坑 【信号場廃止】金田炭坑
• 1930年（昭和5年）4月1日 【分岐点廃止】大城第一分岐点（貨物支線の起点を中泉に変更）、方城分岐点（貨物支線の起点を金田に変更）
• 1935年（昭和10年）10月1日 【信号所廃止】御館山
• 1937年（昭和12年）6月1日 【駅名改称】（貨）赤池→赤池炭坑
• 1937年（昭和12年）6月25日 【信号場→駅】赤池
• 1945年（昭和20年）6月10日 【貨物支線廃止】中泉～日焼（中泉駅構内として存続）、金田～堀川（金田駅構内として存続） 【駅廃止】（貨）藤棚、（貨）日焼、（貨）堀川
• 1964年（昭和39年）2月25日 【貨物支線廃止】中泉～大城第一 【駅廃止】（貨）大城第一
• 1971年（昭和46年）3月15日 【貨物支線廃止】金田～方城 【駅廃止】（貨）方城
• 1978年（昭和53年）3月31日 【貨物支線廃止】赤池～赤池炭坑 【駅廃止】（貨）赤池炭坑
• 1982年（昭和57年）11月3日 【駅名改称】伊田→田川伊田
• 1987年（昭和62年）2月3日 第3次特定地方交通線として廃止承認。
• 1987年（昭和62年）4月1日 【貨物営業廃止】金田～田川伊田 【承継】九州旅客鉄道（全線・第1種）・日本貨物鉄道（直方～金田・第2種）（国鉄分割民営化により）
• 1989年（平成元年）10月1日 【転換】九州旅客鉄道（第1種）・日本貨物鉄道（第2種）→平成筑豊鉄道
• 1990年（平成2年）4月1日 【駅新設】市場、人見、上金田
• 1990年（平成2年）10月1日 【駅新設】あかじ
• 1990年（平成2年）10月22日 【駅新設】藤棚
• 1992年（平成4年）4月1日 【駅新設】下伊田
• 1997年（平成9年）3月22日 【駅新設】ふれあい生力
• 1999年（平成11年）3月13日 【駅新設】田川市立病院
• 2001年（平成13年）3月3日 【駅新設】南直方御殿口 【駅名改称】あかじ→あかぢ
• 2004年（平成16年）4月1日 【貨物営業廃止】直方～金田

[編集] 駅一覧

●：停車、｜：通過

普通列車は省略：各駅に停車。

駅名	営業キロ	快速	接続路線	所在地
直方駅	0.0	●	九州旅客鉄道：筑豊本線（福北ゆたか線）	福岡県	直方市
*南直方御殿口駅	1.1	｜
*あかぢ駅	2.4	｜			鞍手郡小竹町
*藤棚駅	3.6	●			直方市
中泉駅	4.3	｜
*市場駅	6.5	｜			田川郡福智町
*ふれあい生力駅	7.6	｜
赤池駅	8.5	●
*人見駅	9.1	｜
金田駅	9.8	●	平成筑豊鉄道：糸田線
*上金田駅	11.6	｜
糒駅	12.8	｜			田川市
*田川市立病院駅	13.4	｜
*下伊田駅	14.5	｜
田川伊田駅	16.1	●	九州旅客鉄道：日田彦山線 平成筑豊鉄道：田川線

*印は転換時（後）に設置された新駅

[編集] 関連項目

• 日本の鉄道路線一覧