女子高生
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女子高生(じょしこうせい)とは、女子高校生(じょしこうこうせい)・女子高等学校生(じょしこうとうがっこうせい)の略であり、本来は女子高校の生徒を言うが、女子の高校生全般を指す呼称として使われることが多い。その場合、主に高等学校に在学している女子の事を指すが、広く中等教育学校の後期課程、専修学校の高等課程(高等専修学校)などに在学している女子も指す事もある。この項目では、特に断らない限り、この広義の意味で「女子高生」という用語を使用する。
なお、俗な用法では、高等学校に在学している人の年齢が15歳から18歳である場合が多いため、ここから転じて「女子高生」という語が15歳から18歳ぐらいの女子全体を意味する事もある。
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[編集] 女子高生のトレンド・ブーム化
女子高生がブームになったのは、1993年頃からといわれる。それ以前には、仕事にスーツを着ていくのと同じで、堅苦しいという感覚から、家に帰れば、男女問わず、みな制服は脱いだ。高校生として制服を着ているということは、大人になっていない子どもであるという意味合いが大人・高校生双方に意識されており、1980年代の不良文化の名残もあって、高校生は大人の文化にあこがれ背伸びをして、放課後や休日には「制服を着ないで/脱いで」大人と同じような権利を行使してみる(例:喫煙、夜間外出)といった傾向もみられた。自由で束縛されないでいるという意識・感覚から、あるいは左記に述べたような意識もあって、一部の地域では、制服が定められていない、私服登校が可能な学校が人気を集めていた。 それ以前、1977年に放送が開始されたテレビアニメ「ヤッターマン」において、主人公の敵役の一人が「全国の女子高生」に呼び掛けを行うセリフが全国的に有名となった例があるが、結果的にその後の女子高生トレンドをかなり早いうちから先取りしていた一例であると言える。
その後、女子高生の文化にマスメディアが焦点を当て、テレビなどでトレンドや記号として紹介されたことによって、またブルセラなどの性的・社会的な問題があって「女子高生ブーム」が起きたことを受け、彼女たち自身が放課後や休日にも制服を着て行動するようになった。一部では、高校名や高校のバッグといった形で男子高校生にまでブームが及んだり、高校生ではなくなったのに、あるいは在籍通学していないのに、制服を着て街を徘徊してみせる「なんちゃって女子高生」まであらわれるようになった。
[編集] 女子高生の文化
15歳から18歳という年齢は、ほぼ青年期前期の思春期後期に該当する。特に女子については、大人意識と子供意識の狭間の中で、アンバランスな独特の文化を形成する事がある。
1960年代はスカートは膝丈に合わせるのが普通だったが、1970年代はモデル・ツィッギーの来日でミニスカート一大ブームとなり1980年代はスカートを長くする事(ロングスカート)が格好いいとということで長くなり、1990年代では学校制服のスカート丈を改造する生徒や(ミニスカート)、ルーズソックスを履いて登校するなどの服装の逸脱、「チョベリグ」(超very goodの略語)などの女子高生の言葉の乱れが注目された。2000年代に入ってからは、ルーズソックスに加え紺色のハイソックスなどの流行や、化粧をする者も見られるようになった。この他にも、ピアス用の穴を空ける事や髪を染色する事(茶髪、金髪など)も話題となっているが、これらは女子に限らず、男子生徒にも見られる共通の非行の前段階事例であると伝統的にみられてきた。
[編集] 女子高生に関わる犯罪
個人差はあるが男女を問わず、一般に15歳を過ぎると行動範囲が広がり単独で出来る事が増えるため、刑法に抵触したり、レイプなどの犯罪に巻き込まれたりする事も増える。しかも自意識の低さや人生経験が少ない事もあり、本人による適切な対処が難しい場合も多い。
特に売春(援助交際)は、女子高生が関わる事の多くなった犯罪といわれる。携帯電話、インターネットの普及や出会い系サイトの発達など、情報社会の進展については、女子高生が関わる売春(援助交際)の増大の一因とも指摘され、社会問題としても大きく取り上げられている。こうした状況から、2003年(平成15年)には、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(平成15年法律第83号、通称「出会い系サイト規制法」「出会い系サイト被害防止法」)が制定され、2003年(平成15年)9月13日から施行されている。
[編集] 女子高生をめぐる性風俗
女子高生による売春(援助交際)などは、アダルトビデオなどの題材にもされている。又、風俗店では、店員の女性が女子高生のような服装で男性にサービスを行うものもある。通称「JK物」という。 ポルノ作品における「女子高生」という呼称は、1980年代まではそれなりに用いられた。しかし、児童ポルノが世界中で問題となり、1990年頃から行政機関は、アダルトビデオなどで「女子高生」が題材となっている事に懸念を示すようになった。その後性風俗業界では、対象が高校生だけに限定されない「女子校生」という同音異義語を当てて用いるようになった。「女子校生」の表す意味は「女子校の学生・生徒」であるが、女子校の単語が意味するものが多岐にわたり、かえって低年齢化を進めているのではないかという懸念がある。
[編集] 女子高生の服装
女子高生の服装に性的嗜好(一種のフェチ)を示すケースも見られる。盗撮や痴漢などの性的な犯罪を犯すものがいる他、こうしたジャンルのアダルトビデオやアダルトサイトが存在、いわゆる児童ポルノとしても問題にあがる。その一方で、ミニスカートなどの服装がファッションではなく性的アピールだと認識される場合もあり、制服や服装規定の見直しを求める声も無いではない。
こういった現象の一端には、上記性風俗関係で服装が一種の記号化(これは萌えなどにもみられる)により性的なメディアで扱われている部分もあると見られている。ただそういった性的メディアの扱いを現実に求めればイメージクラブのような擬似的な性風俗業態を除けば明確な犯罪行為と位置付けられる。
[編集] その他
「女子高生」は伊藤ハムの登録商標でもある。登録番号4341989および4341990。前者の商品区分(正確には「商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務」)は、弁当・餃子・焼売・ピザ・ミートパイ・菓子およびパン。後者は肉製品・加工野菜・加工果実・カレー、シチュー又はスープのもとである。