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女人禁制 - Wikipedia

女人禁制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

女人禁制(にょにんきんせい)とは、女性に対して社寺や霊場、祭場などへの立入りを禁じ、男性主体の修行や参拝に限定する事。

女性の月経に関係する特定の期間を忌みとする一時的な女人禁制と、女性を男性と区別して恒常的に立入りを禁ずる永続的な女人禁制がある。

目次

[編集] 女人結界

特に、霊山における入山規制の結界を「女人結界」と言い、その境界には女人境界石が建てられていた。しかし、信仰心の篤い女性信者のために、結界の外に女性が念仏に励む場所として女人堂が建てられた。また、女性の参拝・修行を許可した場所を「女人高野」という。

明治時代の文明開化以降、多くの山の女人結界が解除された。また近年、女性の社会進出と共に「女人解禁」が議論され、解禁された場所もある。現在も女人禁制の伝統を守っているのは極一部である。

[編集] 由来

霊山などへの女人禁制は、主に修験道の伝統にもとづくとされている。 修験道は仏教(主に密教)に、日本の古来の神道や大陸由来の道教などが習合して成立したものであるため、なぜ女性の入山を禁止しているのか? その理由を明確に知ることは難しい。

[編集] 仏教の戒律に由来する理由

本来の仏教には、ある場所を結界して、女性の立ち入りを禁止する戒律は存在しない。道元正法眼蔵にも、日本仏教の女人結界を「日本国にひとつのわらひごとあり」と批判している箇所があり、法然親鸞なども女人結界には批判的である。


ただし仏教は、人間の欲望を煩悩とみなし、智慧をもって煩悩を制御することを理想としており、人間の欲のうち、最も克服しがたい性欲を抑えることを薦めてもいる。そのため出家者の戒律には、性行為の禁止(不淫戒)、自慰行為の禁止(故出精戒)、異性と接触することの禁止(触女人戒)、猥褻な言葉を使うことの禁止(麁語戒)、供養として性交を迫ることの禁止(嘆身索供養戒)、異性と二人きりになることを禁止(屏所不定戒)、異性と二人でいる時に関係を疑われる行動することを禁止(露処不定戒)など、性欲を刺激する可能性のある行為に関しては厳しい制限がある。

また修験者は、半僧半俗の修行者であるが、その場合でも、修行中は少なくとも不淫戒を守る必要がある(八斎戒の一つ)。

ちなみに在家信徒も、淫らな性行為(婚前性交渉、浮気、不倫や強制猥褻、獣姦、強姦など)は不邪淫戒として禁じられている(五戒の一つ)。また在家者も座禅念仏などの修行に打ち込む期間だけは不淫戒を守ることが薦められる。

それらの目的を達成するために、修験道では、男性の修行場から女性を排除したものと思われる。逆に尼寺(女性出家者の施設)は(女性出家者を性暴力などの被害から守る理由で)もともと僧寺(男性出家者の施設)に付属する施設と規定されており、そのため男性を厳格には排除しづらかった。

また、仏教では、本来(破戒僧が自分の愛人を出家させて身辺に置くことを防ぐため)仏陀を除く出家者は異性の出家者を弟子として得度することは禁じられている。(僧を得度できるのは僧のみ。尼を得度できるのは尼のみ)

弟子の得度に必要な施設を戒壇という。

そもそも日本で最初の出家者は尼であったが、その戒壇の設置に朝廷の許可が必要であった奈良時代以降、鎌倉時代くらいまで、戒壇の設置を許された東大寺や延暦寺などの戒壇が全て男性僧侶を対象としており、女性(尼)の授戒得度が困難であった点との関連も考えられている。

ただ仏教の戒律は、上記のように出家者、修行者、在家で求められる戒律がそれぞれ異なり、戒律の内容や解釈、厳格さも各宗派で異同がある。そのため尼寺でも「男子禁制」の寺院が存在していたり、山岳部にあっても女人禁制が取られていない寺院も存在していたりする。

[編集] 神道の血穢による理由

神道においては、生物の身体から離れて、流出した血液は血の穢れとみなされる。(これは身体の一部が身体から分離したものとケガレとみなす考え方で、頭髪や爪、排泄物などにも同様な観念がみられる、また他の宗教や神話にも類似した観念が存在する)

そのため、生理中の女性や産褥中の女性が、神聖とされる場所(神社の境内など)に入ることや、神聖な物(御輿など)に接触することを禁止するタブーが古来よりある。

本来は、女性だけでなく、生傷を負って流血している男性が神域に入ることや、神域での狩猟なども同様な理由で禁止されているのだが、封建時代の男尊女卑の風潮から、女性を神域から排除する理由として生理や産褥の血の穢れのみが強調され、使われはじめたと思われる。

[編集] 道教や密教などの神通力信仰

一説には古代日本においては、おもに道教や密教の影響で、僧侶に対し加持祈祷による法力、神通力が期待されていたためとする説もある。僧侶が祈祷に必要な法力を維持するためには持戒の徹底が必要であると考られていた。

性欲を起こすと仙人が神通力を失う話としては、今昔物語にある久米仙人の話が有名である。久米川の辺で洗濯する若い女性の白い脛(はぎ)に見惚れて、神通力を失い、墜落し、その女性を妻としたという。

[編集] 中世における神仏習合

上記の仏教と神道、道教などの異なるタブー観が、中世に習合し、山岳の寺院、修験道などを中心として、鎌倉時代ごろに今の女人禁制、女人結界のベースとなる観念が成立したものと考えられている。

また、唯識論で説かれた「女人地獄使。能断仏種子。外面似菩薩。内心如夜叉」(華厳経を出典とする俗説あり)や法華経の「又女人身。猶有五障」を、その本来の意味や文脈から離れ、「女性は穢れているので成仏できない、救われない」という意味に曲げて解釈し、引用する仏教文献も鎌倉時代ごろから増えてくる。(原典にそういう意味はない)

これらをもって、女人禁制は鎌倉仏教の女性観に基づくと説明されることがある。 ただし上記のように法然や道元のような鎌倉時代の宗祖たちには、女人禁制に批判的であった人物がいたことにも留意したい。

[編集] その他に、女人禁制の由来と思われる理由

また修験道の修行地が人跡未踏の厳しい山岳地帯であったためとの見方がある。

今でも登山者の遭難事故は珍しいことではない。まして古代においては山は魑魅魍魎が住む危険な場所と考えられていた。そのため子供を産む女性は安全のため近づかない、近づいてはならない場所であったとする。

逆にそういう場所だからこそ、修験者は異性に煩わされない厳しい修行の場として、山岳を選んだというもの。文明が進んで、山道などが整備されると、信心深い女性が逆に修験者を頼って登山してくるようになり、困った修験者たちが結界石を置いてタブーの範囲を決め、その外側に女人堂を置いて祈祷や説法を行なったのだとする。

民俗学者の柳田国男姥捨山岩木山の登山口にも姥石という結界石があるのに着目し、結界を越えた女性が石に化したという伝説を『妹の力』『比丘尼石』のなかで紹介している。結界石・境界石の向こうは他界(他界#山上他界)であり、宗教者は俗世から離れた一種の他界で修行を積むことによって、この世ならぬ力を獲得すると考えられた。

また、古来、山神、石長比売女神であることから、女神の嫉妬を避ける為との説もある。たとえば『遠野物語』に登場する遠野三山伝説では、早池峰山・六角牛山にそれぞれ3人の女神が住んだ山とされ、長らく女人禁制であった。これは女性を危険な山に近づせないためのタブー神話であるとも考えられる。

しかし現在でも女人禁制である沖の島宗像大社沖津宮の祭神、田心姫も女神であることから、女神は嫉妬ぶかく、女性を忌むという神話も、別に成立していたのかもしれない。

また別の説では巫女イタコといった「女性には霊がつきやすい」から荒修行が女性には困難であるという説明づけもされることがある。

女人禁制の理由については、上記のようなさまざまな由来や学説が唱えられている。各々の場所には各々の由来が伝えられている。またそれらが歴史的な過程で絡み合い変容していく場合もあり、どれか一つをもって一般論を導き出すのは、困難といえる。

なお、祭りに女人禁制が取り入れられたのは、男尊女卑が広く浸透したとされる江戸時代ないし明治時代以降のことと考えられ、『古事記』には祭りに女性が参加していた記述が見られる。また古代の日本では、女性は神聖な者で神霊が女性に憑依すると広く信じられており、卑弥呼に代表されるように神を祭る資格の多くは、女性にあると考えられていた。一例として神道の祖形を留めているといわれる沖縄では女性は「神人(かみんちゅ)」と呼ばれ(男性は「海人(うみんちゅ)」、ノロなどの神職が祭祀を行う場では女人禁制とは逆の男子禁制が敷かれていた。現在でも風習の名残は残っている。

[編集] 女人禁制に対する反対(大峰山の事例)

2005年11月3日大峰山の女人禁制に反対する人々が結成した「大峰山に登ろうプロジェクト」(以下、プロジェクト)のメンバーが、大峯山登山のために現地を訪れ、寺院側に質問書を提出し、解禁を求めたが不調に終わった。その結果改めて話し合いの場を設けることで合意して両者解散したが、その直後に問題提起の為としてプロジェクトの女性メンバー3人が登山を強行した。この行為に対し寺院側、反対派地元住民、およびいくつかの報道機関が批判を行った。

  • プロジェクト側の行動を賞賛する意見(男尊女卑を肯定する象徴であり、男女共同参画理念に反する悪習である)

もある一方、

  • 女人禁制は堅持すべきとする意見(日本に根付いた宗教伝統文化を継承するものであり、男尊女卑などの差別を推進する意図のものではなく、強行登山は日本文化を冒涜する軽率な愚行である)もある。

また

  • 信教の自由の立場からプロジェクト側を批判する意見(ある信仰や風習が近代的な価値観から見て迷信的に見えたとしても、高圧的かつ軽率にそれを捨てさせる態度はよくない。信仰している人たちの自発的な改革を待つべき)もある。

また

  • 日本には逆に男子禁制の風習がある祭礼や場所(御嶽 (沖縄)など)があるが、それについて廃止・修正する行動がなされていない事に関して、プロジェクト側を批判する識者もある。

[編集] 日本の信仰や風習で女人禁制とされている(されていた)場所

[編集] 山岳・霊場

[編集] 仏教・山岳修験道系

[編集] 神道系

  • 沖ノ島 - 男性でも上陸時に精進潔斎が必要。

[編集] 神道系の祭

[編集] 異能を持つ特殊技能者のメンバーシップに基づくもの

  • 鉱山山師) - 近代の炭鉱では、慣習が途絶え、女性も坑内作業に従事するようになる。
  • 工事中のトンネル内(山師) - 現在は女性技術者もおり、問題となることはない。
  • 酒蔵(杜氏)- 現在は女性杜氏もいる。
  • 大相撲の土俵(力士) - 現在でも継続されており議論されている。

[編集] 女人禁制とされている(されていた)芸能

  • 歌舞伎 - 歌舞伎の創始者とされているのは女性であるが、各地で歌舞伎劇と売春を兼ねる集団が出現するなど風紀上の問題から、女人禁制となり、現在に連なる男性のみの「野郎歌舞伎」となった。
  • 能楽 - 能楽協会への女性能楽師の加入は1948年に認められた。日本能楽会重要無形文化財総合認定)への加入は2004年に認められた。

[編集] 日本以外で日本の女人禁制と類似したタブーがある場所

  • アトス山 - 正教会の修道院が置かれる、家畜でもメスの持ち込みは禁止。ただしネコを除く。
  • 古代ギリシャのオリンピア競技場 - 既婚の女性のみ観戦禁止。未婚女性は出場はできないが観戦は可。
  • フリーメイソンの至聖所 - 会員資格も五体満足で文盲でない成人男子に限定されている。
  • 会員制ゴルフ場(会員資格や施設使用権等を男性に限定しているゴルフクラブ) - セント・アンドリュース、オーガスタナショナルGC、小金井カントリー倶楽部などの歴史の古いゴルフ場が多い。

[編集] 関連項目


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