大須演芸場
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大須演芸場(おおすえんげいじょう)は、愛知県名古屋市中区大須にある劇場。大須観音のすぐそばにある。1962年に木造2階建ての建物としてつくられ、その3年後から演芸場になった。当時は、大須二十館といわれるほど、演芸場が多数存在したが、現在残るのはここのみ。名古屋に限らず中京地区唯一の寄席で、落語、漫才、手品などの演芸や年2回のロック歌舞伎スーパー一座による公演が行われている。他に大須大道町人祭の会場にも行われてる。
過去何度も閉鎖の危機に直面しながらも、その度に篤志家や支援者達から救いの手が差し伸べられ、延命。「奇跡の寄席」と呼ばれる。席亭は、1973年より足立秀夫。専属芸人の営業斡旋(「出張演芸」と称す)や席亭自らの講演料等によって、興行収入の減少を補っている。足立秀夫席亭の著書、『え~泣き笑いを一席… -- 大須演芸場涙の20年』(1993年10月 郷土出版社 ISBN 4-87670-055-9 )にそのあたりの事情が詳しく語られている。
2007年6月、テレビ番組の企画でその窮状を知った落語家の笑福亭鶴瓶(過去、大須演芸場への出演歴あり)が無報酬で公演を引き受け、売り上げ金は施設の改修などに費やされた。
楽屋通路の壁には1975年に書かれたであろう明石家さんまの落書き(サイン)があり、そこには「今日も客なし 明日は?」と書かれている。
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[編集] 歴史
- 1965年8月 開場
- 1973年8月 席亭交代。
- 1978年 リストラ実施。従業員は席亭のみとなり、出演者に対する出演料に東京同様「割」制度を導入。(その後、割制度は取りやめ)
- 1985年 営業取消処分を受ける
- 2000年7月 競売に掛けられるが、支援者が落札して現在に至る
- 2008年3月7日 創立25周年で、大須に本社をおくテレビ愛知が笑いの花道IN名古屋を収録した。愛知出身のスピードワゴンなどが出演,120人の観客が訪れた。この模様はテレビ愛知で3月8日に土曜スペシャル枠で放送した。
[編集] 番組
1月~6月と8月~11月の計10か月は演芸を上演。毎月ごとに出演者・演目が入れ替えられている(出演者は月中でも交替する事がある)。1~10日を上席、11~20日を中席、21~30日を下席とし、原則として10日間同じ番組だが、出演者の都合(病欠、営業、テレビラジオなど他の仕事など)によって変更する場合がある。
開演は平日が12時から二回公演、土日祝日は11時から三回公演(いずれも出演者は同じで、入れ替え無しの出入り自由。客入り具合で途中打ち切りもあり。三回公演の場合、三回目に全員が出ない場合がある(二回半公演))。一組の持ち時間はおよそ20分で、六組2時間が一公演の標準。1~2ヶ月に1度くらいの割で18時開演の夜席が行われている(不定期)。
7月はスーパー一座の「大須オペラ」、12月は「大須師走歌舞伎」を上演。毎年9月は落語芸術協会による『芸協まつり』が実施されており、浅草演芸ホールや新宿末広亭、またテレビでおなじみのメンバーが出演する。
この他、本公演以外に各種イベント会場として使用されることがある。
2006年の4、5月は、今池の大衆演劇専門劇場(今池アカデミー劇場)閉鎖に伴い、貸し小屋となり大衆演劇が上演された。
[編集] 主な出演者
大須演芸場専属の落語家ならびに色物芸人が出演。東京や上方からも客演が来ることがある。
- 伊東かおる:大分県出身の名古屋弁漫談家。「名古屋弁を全国に広める会(名全広)」会長。もともとは東京でも活動し、浅草松竹演芸場にもレギュラー出演していた。2007年7月8日逝去。
- 波たかし:漫談家。伊東かおると組んで漫才・コントも。
- 柳家小三亀松:日本都々逸協会会長。
- 柳家三亀司:江戸曲独楽。得意技は衣紋流し、投げ独楽二刀流。よしおかつかさとして司会業や、相棒ケンイチとともに腹話術も。
- 大東両:居合い切りが出来た唯一の紙切り師。またアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する全てのモビルスーツを切ることができた。浪曲師・寿々木冨士若は同一人物。2006年、逝去。
- 多嶋ゆきお:コミックマジック。2005年、逝去。
- ふしぎ光:手品師。
- かつら竜鶴:三味線漫談、民謡。警察官、カメラ店経営、芸人と多彩な経歴を持つ。
- なごやのバタやん:バタやんこと田端義夫公認のものまね。
- 古今亭志ん朝:東京落語の名人。席亭の心意気に感じて、1991年から毎年独演会を行っていた。小林信彦は、毎年その公演を聞きに名古屋まで出かけていた。2001年10月1日逝去。
- 雷門小福:名古屋出身・在住。江戸噺家・雷門の一党ではあるが、デビュー以来ずっと名古屋で活動する落語家。東京の協会等には属さず、フリーの芸人として自身のプロダクションを持っている。得意ネタは「花色木綿」(=「出来心」)など。
- 雷門獅篭:落語家兼漫画家。小福門下。元・立川志加吾。
- 雷門幸福:落語家。小福門下。元・立川談号。
- 雷門福三:落語家。小福門下。元・チャーリー。俳優としても活動。大須で駄菓子屋バー「チャーリーズ」を経営。
- 桂福若:上方落語家。犬山市在住のためか、「名古屋の落語家」としてカウントされていない。桂福團治は師匠で実父。従姉の泉ピン子も大須演芸場に出ていたことがある。阪神優勝時に、初めて道頓堀川に飛び込んだ人物とされる。
- 桂ぽんぽ娘:落語家。以前は東京で女流漫談家おさなぎ色として活動していた。2007年、正式に桂文福の弟子となり、「ぽんぽ娘(ぽんぽこ)」と命名される。
- ひとみちゃん:艶歌シャンソニエ家元。無慈悲なパイプ所属。自作の艶歌、シャンソンのプチリサイタルを行う。本来、芸名の「み」の字の上にはフランス語の発音記号トレマがついているが、ウェブ上では再現しにくいため、省略されたり、「ひと:みちゃん」などと表記される。
[編集] 料金
- 一般 1500円
- 学生 1000円(高校生以上)
- シニア(シルバー) 1000円(65歳以上)
- 小人 800円(小学生以上)
(いずれも、2007年8月現在。特別興行の場合など、変更あり) 開場当時は年間のパスが存在したが2年ほどで廃止になった。
[編集] アクセス
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 奇跡の寄席!大須演芸場 - 三遊亭円丈の公式サイトの一部ページ
- 雷門幸福のYose In Ohsu - 雷門幸福による番組表
- 桂ぽんぽ娘(元おさなぎ色)ホームページ
- 無慈悲なパイプ - ひとみちゃん所属公式サイト