駄菓子
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駄菓子(だがし)とは、子供の持つ小銭程度で買える菓子のことである。
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[編集] 発祥
元は江戸時代に雑穀や水飴などを材料に使って作り上げ、庶民の間食として食べられていたので、安さから一文菓子と呼ばれていた。[1]
地方の藩においては常備食として蓄えていた「糒(ほしいい)」の払い下げを行っていたことから、それを材料とした駄菓子を作り上げ、今も売られる伝統的な郷土菓子として定着した地方もある。特に東北地方の仙台藩・会津藩・鶴岡藩・南部藩などは有名。
駄菓子という名称は、当時の高級菓子の名称である上菓子の対照としてつけられたもので、関西地方では雑菓子(ざつがし)とも称されている。この頃の駄菓子は製造に用いる材料が制限され、高価な白砂糖などを用いることは許されなかった。伝統的な駄菓子に「干し柿の甘さ」という言葉が残されているが、これは当時の様子を示す言葉だったとも考えられている。
[編集] 現在も売られている伝統的な駄菓子
- 仙台駄菓子
- 穀煎、甘々棒 - 飛騨駄菓子
- かりんとう - 播州駄菓子としてのルーツも持つ
- 黒棒 - 黒砂糖風味の棒状の菓子
- カルメ焼き - 南蛮菓子
- こんぺいとう(マルタ食品(株)など製造。ザラメに溶いたグラニュー糖をかけつつ数日大釜で転がすだけであの形になるが、その回転の加減でまん丸になってしまうため熟練の大技がなす形状)
[編集] 現在の駄菓子
今の駄菓子として売られているものは、明治時代からの流れを受け、戦後に発達したものがほとんどで、その種類も豊富であり、選ぶ楽しみと飽きさせない工夫がなされている。物によってはクジ引きが出来、当りが出ればおまけが貰えるのも子供に人気があった理由の一つとなっている。
なお小売りをしている店としては駄菓子屋と称されており、詳細はその項に詳しい。
[編集] 販売店
低額菓子を専門的に扱う駄菓子屋のほか、近年はコンビニエンスストアや大型ショッピングセンター、スーパーマーケットなどで見られるようになった。
[編集] 現在売られている駄菓子の種類
- 水あめ(カップ入りねりあめ・ねり飴・ねりあめなど)
- 三角飴
- ベッコー飴
- あんず飴
- きなこ飴
- 糸ひきあめ(フルーツ引きなど)
- サクマ式ドロップス
- ポップキャンディ(ピーチ・オレンジ・グレープ・ストロベリー)
- 瓶詰めキャンディー@10円(アメハマ製菓・パイン・キッコー製菓・江口製菓などより各種)
- お花の国フラワー
- ボンタンアメ
- 味カレー
- カレーあられ(カレー味では無い同型の亀せんもある)
- チーズあられ
- 餅太郎
- どんどん焼き - 現在は東北地方の郷土菓子
- ミルクせんべい(ソースせんべいや花丸せんべいとも。ソースはウスターソース・梅ジャム・オレンジジャム)
- ソースせんべい(梅ジャムせんべい)(ミルクせんべいとジャムのセットで食べきりサイズ)
- えびせんべい(ほぼまん丸の形状で桜海老や青海苔が練りこまれて焼かれたもの)
- たこせんべい(えびせんにたこも入った楕円のもので、ソースを塗ったり、割ってたこ焼きを挟んだりもする)
- にんじん(ポン菓子)-にんじんの色・形状の袋にポン菓子が入ったもの
- ベビースターラーメン(発売当初はベビーラーメン)
- ラメック(現在市販されていないが東京下町の駄菓子屋もんじゃ店にのみ卸されている)
- ラーメン屋さん太郎(やきそば屋さん太郎もある)
- らあめんババア
- おこづかいラーメン
- ヤッターめん
- ブタメン(袋状のスナックとしょうゆ・とんこつ・タン塩・カルビキムチ・みそ味のカップがある)
- ラスク(植竹製菓など)
- とんがり(コーンにゼラチンを充填したカラフルなミニディッシャーアイス形状)
- ヨーグル(サンヨー製菓他。過去他社製品にヨグットもあった)
- よっちゃんのす漬けイカ
- カットよっちゃんイカ(三杯酢の「白」や「辛口」やサイズの大きい「ビッグ」もある)
- 紋次郎いか
- 信玄いか
- のしいか
- 甘いか太郎(キムチ・めんたい)
- 酢だこさん太郎(その他:蒲焼・焼肉・のし梅・わさびのり・お好み焼き・焼肉カルビ)
- ビッグカツ(なごやみそカツ・ハバネロ入りなども)
- するめジャーキー
- すこんぶ
- 都こんぶ
- すき好きこんぶ(梅こんぶ)
- ウメトラ兄弟
- 甘梅姉妹
- さくら大根
- スモモちゃん
- すももくん(左記は袋状だがカップ状のすもも漬けもある)
- あんずボー
- みつあんず(黒っぽくゲル状)
- おやつカルパス(ミニサラミ)
- マルカワ・フーセンガム(フィリックス・コーラガムなど)
- マルカワ・マーブルガム(オレンジ・グレープ・イチゴ・マスカット)
- ニューフエガム
- プチガム(プラ容器の色のついたフタが笛になっている)
- 押し式当たり付き玉ガム各種(野球盤・パチンコなどでボタンを押して出た玉ガムの色により当たり)
- 丸金のゼリー
- くるくるボーゼリー
- うさぎマンボ(ポリエチレンのカラフルなチューブにコーンスターチを詰めたチョークのようなもの)
- ラムネ(クッピーラムネ・ニューフエラムネ・オレンジラムネ・特大ピースなど)
- ジューC(同等他社商品にネオ・フルーツ・C)
- パンチコーラ(マスカットジューセット)
- 梅ミンツ(パインミンツ・ミンツトリオ)
- ミニコーラ(オレンジ・ピーチ・フレッシュ・サワー・ブルーベリー・ビタC)
- ココアシガレット(オレンジ・イチゴ・サワー・コーラ・ブルーベリー)
- チョコバット
- チロルチョコ各種(ごえんがあるよミルクチョコレートも人気)
- セコイヤチョコレート(ミルク・イチゴ)
- 麦チョコ(イチゴ味もある)
- ライスチョコレート
- ベースボールチョコ(サッカーボールチョコ)
- プチプチうらないチョコ
- プチチョコレート(上記プチガム同等体裁。他にジューストとラムネもある)
- ミニプリンちゃんチョコ
- チョコハブラシ
- くろちゃんパイプチョコ
- スーパーBIGチョコ(日本一ながーいチョコもある)
- ぷくぷくたい(エアインチョコ)
- チョコまん
- チョコリングカステラ(リング状のサンリツパンのようなものにチョコをコートし、150個入りの大箱で裸売り)
- ヤングドーナツ(チョコ味もある)
- 花串カステラ
- 鈴カステーラ
- うまい棒(新うまい棒)
- テキサスコーン
- キャベツ太郎(玉葱さん太郎・もろこし輪太郎])
- フライドポテト(他社同等商品ポテトフライ16種味)
- ハートチップル(コーンポタージュ・幻の牛丼・下町焼きそば)
- あんこ玉
- 昔なつかしきなこ棒(くじ無しで3本1パックのもの)
- 棒きなこ当 きなこ棒(楊枝に刺さった当たりつきのばら売り)
- こざくら餅(グレープ・コーラ・フルーツソーダ・ミックス)(他社さくらんぼ餅・青りんご餅・フルーツの森も)
- きびだんご
- ハッカパイプ
- ラムネ(飲み物)
- みかん水
- ニッキ水
- ドリンク(当たりつきもあり、チューチューとも。主にソーダ・オレンジ・グレープ・メロン味などのビニール入り液体ジュース)
- 粉末ジュース(松山製菓オレンジ・メロン・イチゴ・パイン・グレープ)やシャンペンサイダーなど。
- カタヌキ
[編集] 出典
- ^ 中島久枝『人と土地と歴史をたずねる 和菓子』柴田書店 2001年 ISBN 4-388-05882-3