大阪市交通局2001形電車
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大阪市交通局2001形電車とは、大阪市交通局が保有していた路面電車車両である。1951年から1952年にかけて40両が製造された。
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[編集] 復興、路線延長と合理化
戦災で大きな痛手を受けた大阪市電も、1711,1751形や1801形といった大型車の投入をはじめ、戦災で被災した旧2001形や旧2011形などの復旧工事を進めたことによって、輸送力の確保に務めた。また、戦災で被害を受けた路線も、中之島線や安治川築港線など、代替路線があったり港湾拡張で道路が分断されて廃止した路線を除いて、1950年の賑橋~大国町間の復旧を最後に全線復旧した。
1950年代に入ると、戦前の水準に復興した大阪市電は、1950年7月の今福線東野田~蒲生町四間、百済線寺田町~百済間の延伸を皮切りに、新たに大阪市へ編入された地域への路線延長を開始した。その一方で増大する人件費の抑制が求められるようになり、ラッシュ時以外は、大型車の運転手1名車掌2名の乗務を運転手、車掌各1名として後部扉を締切扱いにすることや、従来信号塔にポイント捜査員が常駐してポイントの切替を行っていたものを、架線にトロリーコンタクターを設けて自動化し、ポイント切替の無人化を図るなど、業務の合理化が図られるようになった。車両運用の面でも、大型車は戦後大量増備した1711,1751形や1801形をはじめ、戦前から活躍する1001形、1501形、1601形、戦時中に登場した1651形、1701形、旧阪堺電鉄(新阪堺)引き継ぎの1201形、1301形、1401形で需要を満たすことができたことから、2001形は、経営合理化のために旧2011形以来の中型車として登場した。
[編集] 概要
2001形は製造時期とモーター出力の違いで、1951年に富士車輌(2両)、広瀬車両(8両)、日立製作所(5両)、近畿車輛(5両)の各社で製造された2001~2020のグループと、1952年に富士車輌(5両)、広瀬車両(6両)、日立製作所(5両)、近畿車輛(2両)、帝国車両(2両)の各社で製造された2021~2040の2グループに分けることができるが、外観上の大きな違いは存在しない。また、所属全車両のビューゲル化が完了したことから、2001形からは新造時からビューゲル装備で登場したことと、1950年から市電の塗色がクリームとマルーンのツートンカラーに変更されたことによって、当初からツートンカラーで登場したことが特記される。
2001形の車体は1801形をモデルとしているが、車体長が約12.2mと大型車標準の13.7mから約1.5m短くなったことから、側面窓配置はD5D4となり、大型車から後部扉と戸袋窓分が切り落とされた形となった。前面も3枚窓で、中央窓上に小窓と系統幕、右側には方向幕がつく1801形と変わらないデザインであったが、ヘッドライトが屋根上に移設されて埋め込み式のスマートなものが取り付けられた。足回りは、戦災廃車となった1601形から取り外した大阪市電形台車のストックが鶴町車庫の構内に保管されていたことから、経費節減のために再整備して使用することとなった。モーターは、2001~2020では30kw/hのGE-247-Aを2個搭載したが、出力不足のために現場からは不評であったことから、2021~2040では37.5kw/hのSS-50を搭載することとなった。制御器は1801形と同様KR-8を装備した。
2001形は中型車として完成したデザインの車体であったことから、後に2101形や2501形が2001形と同じ車体で登場したほか、窓割りは新・大阪市電スタイルにモデルチェンジした3000形、2201形、3001形、2601形に継承された。
[編集] 運用と生涯
2001形は、天王寺車庫を除く市電各車庫に配属され、各路線で運行された(転配属を繰り返しているので、各車庫の配属時期にずれはある)ことから、市内各地でよく見かけられる車両となった。1601形譲りの大阪市電形台車を履いていたおかげで乗り心地は良好で、後に製造された2101形の履いていたウィングばね台車のFS-57と比べても遜色はなかった。また、2001形の履いていた大阪市電形台車の中には通常のものと変わった形をしたものもあった。
大阪市電縮小の過程において、2001形は使い勝手のいい中型車であったのと車齢が若かったことから、廃車が開始されたのは市電路線の廃止が進行した1967年からで、路線の縮小や車庫の廃止によって両数を減らしながらも、市電最末期の1969年2月の16系統の廃止に伴う春日出車庫の廃止まで生き残った。廃車後の保存車及び他社への譲渡車はないが、公共施設に引き取られた車両はあった。
[編集] 参考文献
- 『第二すかたん列車』 吉谷和典著 1987年 日本経済評論社
- 『なにわの市電』 小林庄三著 1995年 トンボ出版
- 『大阪市電が走った街 今昔』辰巳博著 福田静二編 2000年 JTB
- 『関西の鉄道』各号 29号『大阪市交通局特集PartII』1993年、42号 『大阪市交通局特集PartIII 大阪市電ものがたり』 2001年 関西鉄道研究会
- 『全盛期の大阪市電』 『RM LIBRARY 49』 2003年8月 ネコ・パブリッシング
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路線 | 安治川築港線 - 今橋天満橋筋線 - 上本町線 - 上本町下味原町線 - 梅田空心町線 - 梅田養源寺線 - 大手前上本町線 - 霞町線 - 霞町玉造線 - 北浜線- 九条高津連絡線 - 百済線 - 堺筋線 - 桜川中之島線 - 三軒屋新千歳町線 - 城南線 - 曽根崎天満橋筋線 - 谷町線 - 谷町寝屋川線 - 玉造線 - 玉造今里線 - 玉造森之宮線 - 築港線 - 築港北海岸通線 - 鶴橋線 - 鶴町線 - 天神橋西筋線 - 天王寺阿倍野線 - 天王寺大道線 - 天満今福線 - 天満橋善源寺町線 - 東西線 - 堂島大橋線 - 土佐堀南岸線 - 長柄橋筋線 - 難波木津線 - 南北線 - 西道頓堀天王寺線 - 西野田線 - 西野田桜島線 - 西野田福島線 - 野田線 - 阪堺線 - 東野田沢上江町線 - 福島曽根崎線 - 松島宇治川線 - 松島南恩加島線 - 都島守口線 - 森之宮緑橋線 - 勒本町線 |
系統 | 1 - 3 - 4 - 5 - 6 - 7 - 8 - 9 - 10 - 11 - 12 - 13 - 14 - 15 - 16 - 17 - 18 - 19 - 20 - 21 - 22 - 23 - 24 - 27 - 28 - 29 - 30 - 31 |
車庫 | 市岡 - 今里 - 上本町 - 梅田 - 春日出 - 九条 - 三宝 - 築港 - 鶴町 - 天王寺 - 港 - 都島 |
車両 | 801形 - 861形 - 868形 - 901形 - 1001形 - 1081形 - 1201形 - 1301形 - 1401形 - 1501形 - 1601形 - 1651形 - 1701形 - 1711形 - 1751形 - 1801形 - 2001形 - 2101形 - 2201形 - 2501形 - 2601形 - 3000形 - 3001形 |