堀長文
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堀 長文(ほり ながふみ1936年-)は、特撮テレビドラマ作品の映画監督・プロデューサー。元東映東京撮影所所属。早稲田大学卒業。
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[編集] 経歴
大学を卒業後、1961年に東映東京撮影所に入社。主に深作欣二に師事し、社員監督の立場で数々の作品に携わるが、監督としてはあまり作品にタッチできなかった。主な助監督作品に『刑事くん』『ジャイアントロボ』など。1971年放映の『キイハンター』の一編にて監督デビュー。その後、『Gメン'75』で助監督兼監督を務めるが、1983年より鈴木武幸プロデューサーの招きで、『科学戦隊ダイナマン』より特撮作品の演出に進出。翌年の『超電子バイオマン』ではメイン監督に就任。同作品で映画監督デビューも果たす。
1987年より監督業を休み、『仮面ライダーBLACK』のプロデュースを担当。終了後は「ジバン」の途中からサブプロデューサーに着任し「ウインスペクター」~「ビーファイター」までプロデュースをした。1996年の『刑事追う!』まで10作品、途切れることなく東映テレビ作品のプロデュースに尽力した。最後の特撮作品のプロデュース作品は「重甲ビーファイター」となった。その後フリーの立場で、『Gメン'75』スペシャルやゲームソフト『クロックタワー3』の制作に携わった。
[編集] エピソード
- プロデューサー専任になって以降は監督は行わなかったが、雑誌インタビューによると『特捜ロボジャンパーソン』の最初のオープニング・エンディングはメイン監督の小西通雄に代わり、代行で演出を行ったとのことである。
- 堀の功績は脚本家・小林靖子や監督・田崎竜太といった現在の東映特撮製作スタッフの中心的人物のデビューに寄与したことであると上司の吉川進が書籍インタビューにて答えている。田崎は出身大学の後輩にあたり、当時就職活動中だった田崎を『仮面ライダーBLACK』のサード助監督にスカウトした。また『特捜エクシードラフト』のプロットを書いてテレビ朝日の「ご意見・ご感想」コーナーに送付した小林に、本格的にシナリオの勉強をするよう進言。翌年の『特捜ロボジャンパーソン』でデビューも果たせた。
- 石田秀範監督も堀がチーフプロデューサーとなった『特警ウインスペクター』でチーフ助監督となり、翌年にはまだ20代で監督デビューを果たしていることから、堀の期待の程が窺える。
- アクション演出では第一人者だった金田治に初の本編演出を託したのも堀であった。堀は通常の撮影スケジュールに4日余分に日数を与え、本編演出経験のない金田に最大限の配慮をしたという。
- プロデュース作品の特徴としては、被害者を単なる善良な市民ではなく、訳ありや腹黒な事情を持ったケースが頻繁に見られる。その他にも監督時代の演出手法を活かしたハードなシーンが多いのも特徴。
[編集] 作品(監督)
[編集] テレビドラマ
- キイハンター(1968年-1973年、東映・TBS)
- Gメン'75(1975-1982年、東映・TBS)
- 科学戦隊ダイナマン(1982年-1983年、東映・テレビ朝日)4本担当 ※初の特撮作品監督
- 超電子バイオマン(1984年-1985年、東映・テレビ朝日)12本担当 ※パイロット
- 電撃戦隊チェンジマン(1985年-1986年、東映・テレビ朝日)8本担当 ※パイロット
- 超新星フラッシュマン(1986年-1987年、東映・テレビ朝日)2本担当 ※パイロット
[編集] ドキュメンタリー
- タイトル不詳(1985年) ※海洋ドキュメンタリー
[編集] 映画
- 超電子バイオマン(1984年、東映)
- 電撃戦隊チェンジマン(1985年、東映)
- 電撃戦隊チェンジマン2 シャトルベース危機一髪!(1985年、東映)
[編集] 作品(企画・プロデュース)
[編集] テレビ(連続)
- 仮面ライダーBLACK(1987-1988年、東映・毎日放送)
- 仮面ライダーBLACK RX(1988-1989年、東映・毎日放送)
- 機動刑事ジバン(1989年-1990年、東映・テレビ朝日)
- 特警ウインスペクター(1990年-1991年、東映・テレビ朝日)
- 特救指令ソルブレイン(1991年-1992年、東映・テレビ朝日)
- 特捜エクシードラフト(1992年-1993年、東映・テレビ朝日)
- 特捜ロボジャンパーソン(1993年-1994年、東映・テレビ朝日)
- ブルースワット(1994-1995年、東映・テレビ朝日)
- 重甲ビーファイター(1995-1996年、東映・テレビ朝日)
- 刑事追う!(1996年、東映・テレビ東京)
[編集] テレビ(単発)
- Gメン'93春 第一級殺人の女(1993年、近藤照男プロダクション・東映・TBS)
- Gメン'75スペシャル-帰って来た若獅子たち(2000年、近藤照男プロダクション・東映・TBS)
- Gメン'75スペシャル2 東京-北海道トリック殺人事件-!(2001年、近藤照男プロダクション・東映・TBS)
[編集] 映画
前掲にあげた作品の映画化は除く。
[編集] オリジナルビデオ
- 女バトルコップ(1990年、東映)
- 大予言・復活の魔神(1992年、東映)
- 真・仮面ライダー 序章(1992年、東映)
[編集] ゲームソフト
- クロックタワー3(2002年、カプコン)