小林義明
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小林 義明(こばやし よしあき1936年9月8日-)は、主に特撮テレビドラマ作品の映画監督・プロデューサー。元東映東京撮影所所属。
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[編集] 経歴
1960年に日本大学藝術学部を卒業後、東映東京撮影所に入社。佐伯清に師事し、社員監督の立場で数々の作品に携わる。デビュー作品は1966年の『刑事さん』。その後、吉川進プロデューサーの招きにより、1978年の『スパイダーマン』より特撮作品の演出に進出(『キャプテンウルトラ』などの特撮作品で助監督経験はあったが監督は初めてだった)。その独特の演出手法、幻想的な映像つくりで視聴者を刺激する。なかでも1982年から始まる『宇宙刑事ギャバン』をはじめとする宇宙刑事シリーズは自他共に認める代表作で数多くのファンを獲得した。また下記監督作品以外でも『Gメン'75』、『特捜最前線』などの作品でのオープニング演出も有名。さらに「林強生」名義で多数の作品で脚本も書いていた。
他の監督に比べると年間の撮影本数はきわめて少ないが、これには東映の社員であったため監督業に専念できないという説、また小林監督が他の監督に比べると撮影期間を倍以上かけてしまうため時間と予算が掛かってしまう故本数が必然限られるという説(本人によるとフイルムの量が3倍から6倍かかるとのこと。つまり時間も同じくらい掛かる)、また自身が東映労働組合の大幹部であったため協定により一部のジャンル(特撮作品)でしか演出が許されなかったという説があるが、真偽は定かでない。
1987年より東映テレビ事業部第2制作部制作『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』のプロデュースを担当。結果的に東映不思議コメディーシリーズラストの『有言実行三姉妹シュシュトリアン』まで全作品において企画に携わった。その傍ら数々の作品で監督業も継続的に行った。
1996年のスーパー戦隊シリーズ『激走戦隊カーレンジャー』のパイロット(1.2話)を演出後、東映を定年退職。以降、東映での演出作品はない。ただ『ウルトラマンダイナ』で2本の監督作品を残している。
[編集] 作品(監督)
[編集] テレビドラマ
★ パイロット
- 刑事さん※デビュー作品
- キイハンター(1968年-1973年、東映・TBS)※1本担当
- プレイガール(東映・テレビ東京)
- 明智小五郎 白昼夢・殺人狂奏曲(東映・テレビ東京)単発作品 ※脚本:大原清秀
- バーディ大作戦(東映・TBS)
- スパイダーマン(1978-1979年、東映・テレビ東京)7本担当
- ザ・スーパーガール(東映・テレビ東京)7本担当
- 電子戦隊デンジマン(1980-1981年、東映・テレビ朝日)8本担当
- 太陽戦隊サンバルカン(1981-1982年、東映・テレビ朝日)8本担当
- ロボット8ちゃん(1981-1982年、東映・フジテレビ)★ 1本担当
- 宇宙刑事ギャバン(1982年-1983年、東映・テレビ朝日)★ 14本担当
- 宇宙刑事シャリバン(1982年-1983年、東映・テレビ朝日)★ 8本担当
- 胸キュン探偵団(1983年、東映・TBS)★ 本数不明
- 宇宙刑事シャイダー(1984年-1985年、東映・テレビ朝日)6本担当
- 巨獣特捜ジャスピオン(1985年-1986年、東映・テレビ朝日)★ 2本担当
- ゲゲゲの鬼太郎(1985年、東映・フジテレビ)単発作品 ※脚本:山崎晴哉
- 時空戦士スピルバン(1986年-1987年、東映・テレビ朝日)2本担当
- 仮面ライダーBLACK(1987-1988年、東映・毎日放送)★ 1本担当
- 仮面ライダーBLACK RX(1988-1989年、東映・毎日放送)★ 2本担当
- 五星戦隊ダイレンジャー(1993-1994年、東映・テレビ朝日)★ 4本担当
- 忍者戦隊カクレンジャー(1994-1995年、東映・テレビ朝日)★ 4本担当
- 超力戦隊オーレンジャー(1995-1996年、東映・テレビ朝日)2本担当
- 激走戦隊カーレンジャー(1996-1997年、東映・テレビ朝日)★ 2本担当
- ウルトラマンダイナ(1997年-1998年、円谷プロ・毎日放送)2本担当
[編集] テレビドキュメンタリー
- 松本清張昭和史に迫る
- 60年安保と浅沼刺殺事件
[編集] 映画
- 仮面ライダー世界に駆ける(1989年)※脚本:浦沢義雄。浦沢の起用を堀長文プロデューサーに進言したのは小林である。
- 超力戦隊オーレンジャー(1995年)※脚本:上原正三。なぜか名義は「こばやし よしあき」と平仮名でクレジットされていた(ただし、予告編ではなぜか普通に本名の漢字の「小林義明」名義であった)。
[編集] オリジナルビデオ
- 妖怪奇伝ゲゲゲの鬼太郎 魔笛エロイムエッサイム(1987年) ※脚本:大原清秀
- 大予言 復活の巨神(1992年)※脚本:江連卓
[編集] 作品(脚本)
[編集] テレビ
- フラワーアクション009ノ1(1969年、東映・フジテレビ)第1話のみ担当 ※林強生名義、龍達彦と共作
- 特捜最前線(1977年-1987年、東映・テレビ朝日)1本担当 ※林強生名義
- 宇宙刑事ギャバン(1982年-1983年、東映・テレビ朝日)1本担当 ※林強生名義
- 時空戦士スピルバン(1986年-1987年、東映・テレビ朝日)1本担当 ※上原正三と共作
[編集] 作品(企画・プロデュース)
[編集] テレビ
- おもいっきり探偵団 覇悪怒組(1987年、東映・フジテレビ)
- じゃあまん探偵団 魔隣組(1988年、東映・フジテレビ)
- 魔法少女ちゅうかなぱいぱい!(1989年、東映・フジテレビ)※これよりクレジットは「企画」。
- 魔法少女ちゅうかないぱねま!(1989年、東映・フジテレビ)
- 美少女仮面ポワトリン(1990年、東映・フジテレビ)
- 不思議少女ナイルなトトメス(1991年、東映・フジテレビ)
- うたう!大龍宮城(1992年、東映・フジテレビ)
- 有言実行三姉妹シュシュトリアン(1993年、東映・フジテレビ)