北島康介
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オリンピック | ||
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競泳 | ||
金 | 2004 | 男子 100m平泳ぎ |
金 | 2004 | 男子 200m平泳ぎ |
銅 | 2004 | 男子 4×100mメドレーリレー |
北島 康介(きたじま こうすけ、1982年9月22日 - )は、日本の男性競泳(平泳ぎ)の選手。アテネオリンピックの100m平泳ぎ、200m平泳ぎの金メダリスト。東京本郷高校、日本体育大学卒業。日体大大学院中退、東京スイミングセンター(東京SC)、日本コカ・コーラ所属。身長177cm、体重72kg。血液型B型。
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[編集] 略歴
東京都荒川区出身で、生家は精肉店を経営。幼稚園は荒川区の道灌山幼稚園を卒園している。文京区の区立千駄木小学校、文林中学校、本郷高校卒業。中学時代は陸上部に所属したが、陸上部員としてあまり活動していない。日本体育大学に進学し、大学4年時に、日本学生選手権大会(インカレ)で100m・200m平泳ぎで2冠学生新記録で優勝。大学対抗400mメドレーリレーでも活躍し、5人抜きで日体大を準優勝に導いた。日体大大学院に進んだが、文武両道の厳しさから2006年に退学した。
2005年度から日本オリンピック委員会が始めた選手強化キャンペーンのシンボルアスリート制度を用いず、2005年4月から日本コカ・コーラと所属契約を結ぶことになり、スイミングキャップやレーシングゴーグル、水着にCoca-Colaのロゴを入れて大会に出場する。クロールも速く、個人メドレーで日本で5本の指に入るレベルにある。
[編集] SPEEDO製水着問題
北島は「SPEEDO」の水着を好んでいたが、所属していた東京スイミングセンターが「arena」ブランドの日本国内でのライセンシー(実施権者)であるデサントと親しかったため、個人の広告活動の解禁まで「arena」製の水着を使用していた。アテネ五輪の年から「SPEEDO」の水着を使用したが、そのライセンシーだったミズノが独自水着の販売に踏み切ると、ミズノとの契約を続けた。2008年、三井物産とゴールドウィンが日本ライセンシーとなった「SPEEDO」が新型水着「レーザー・レーサー」を発表し、中村礼子(アシックスと契約)は新型水着を試したが、北島はミズノ製の水着を着用し続けた。ある大会後の記者会見で、「新型水着を試したいという気持ちはあるが、ミズノがそれに負けない水着を開発してくれると思う」と述べ、ミズノとの契約を優先すると表明した[要出典]。隣にいた中村を「ずるいですね」と言った。
また、2008年5月18日に、東京辰巳国際水泳場で行われた競泳早慶戦オープン参加したとき、北島は日本選手権用の旧タイプ水着を着用した。試合後のインタビュー会見を開いた。そのときに、例の「SPEEDO」新型水着に関して質問が集中するなどメディアが騒ぎ立てる水着問題に対して、北島は「正直言って、うっとい(うっとうしい)ですね。もっと違ったカタチで水泳に注目してほしい」と珍しくイラ立ちを見せた[1]。
2008年6月、「ジャパン・オープン」では、英語で「I AM THE SWIMMER」、中国語で「是我在遊泳」と書かれたTシャツでプールサイドに現れ、水着騒動に「泳ぐのは僕だ」と主張して一石を投じた[2]。この大会では、途中までミズノ製の改良型水着でタイムが伸びなかったが、レーザー・レーサーを着用して世界記録を更新した。6月11日、公式サイトで「北京オリンピックではSpeedoの水着を着用しようと思います」と表明した。
[編集] 主な戦績
- 2000年、日本選手権 100メートル平泳ぎ優勝。シドニー五輪で同競技決勝に進出し、4位となる。
- 2001年の日本選手権では、50、100、200メートル平泳ぎ全てに優勝。
- 2002年8月25日、パンパシフィック水泳選手権横浜2002 100メートル平泳ぎ優勝。
- 2002年10月2日、釜山アジア大会の男子200メートル平泳ぎ決勝で2分09秒97で優勝、世界記録(当時)を更新。同大会MVP
- 2003年7月21日、世界水泳バルセロナ大会の男子100メートル平泳ぎ決勝において、59秒78の世界記録(当時)で優勝を飾った。
- 2003年7月25日、世界水泳バルセロナ大会の男子200メートル平泳ぎ決勝において、2分09秒42の世界記録(当時)で優勝。この200メートルと100メートルの両平泳ぎ決勝の実況を務めたのが特別実況の古舘伊知郎だった。
- 同年11月、衆院選啓発キャンペーンCMに木村佳乃(女優)と出演。
- 2004年8月15日、アテネ五輪男子平泳ぎ100メートルで金メダル獲得。タイムは1分00秒08。インタビューで「チョー気持ちいい(超気持ちいい)、鳥肌ものです」とコメント。ちなみにこの「チョー気持ちいい(超気持ちいい)」は、この年の新語・流行語大賞の年間大賞にも選ばれた。同日、100メートル背泳ぎ優勝のアーロン・ピアソル(アメリカ)が「北島はスタート時に禁止されているドルフィンキックを行った」と抗議したが、大きな問題にはならなかった。
- 2004年8月18日、同大会男子平泳ぎ200メートルで2位以下を1秒以上突き放し、金メダル獲得、二冠を達成。タイムは2分09秒44(五輪新記録)。
ピアソルやアメリカ記者団がおこなった「北島泳法違反」の発言は、北島に対する心理的揺さぶりとみる者も居たが、その後違反ぎりぎりの泳法をとる選手の有利を防ぐために2006年シーズンからスタートとターン直後に限りドルフィンキックを1回打つ事を認めるルール改正への流れとなった。 - 2005年4月21日 日本選手権(世界水泳モントリオール大会選考会兼ねる)の男子200メートル平泳ぎ決勝レースに出場も3位に甘んじこの競技の自力での世界選手権出場を逃した。
- モントリオール世界水泳で男子100メートル平泳ぎで59秒53で銀メダル。50メートル平泳ぎで27秒78で日本記録を更新し、銅メダル。男子400メートルメドレーリレーでは平泳ぎで59秒19で銅メダル。
- 2006年4月20日 日本選手権の男子200メートル平泳ぎで2年連続の敗戦。続く22日には50メートル平泳ぎでも敗れる。23日、100メートル平泳ぎで優勝し、辛うじてパンパシフィック水泳選手権の代表権を手に入れる。
- 2006年12月3日、ドーハアジア大会の男子50メートル平泳ぎ28秒38で銀メダル、男子100メートル平泳ぎ1分01秒13で金メダル、男子200メートル平泳ぎ2分12秒05で金メダル。
- 2007年3月、世界水泳メルボルン大会の男子100メートル平泳ぎ59秒96で銀メダル、男子200メートル平泳ぎ2分09秒80で金メダル。
- 2007年8月21日、日本(千葉)で開催された世界競泳2007の男子100メートル平泳ぎ59秒74で優勝。(日本国内のレースで初めて1分00秒を切る)
- 2008年6月8日、東京辰巳国際水泳場でのジャパンオープンの男子200メートル平泳ぎで、SPEEDO社のレーザー・レーサーを着用して挑み、5年ぶりとなる2分07秒51の世界新記録(0秒99更新)を樹立。
北島の世界新記録は、日本人選手が国内長水路レースで記録したものとしては、1972年7月21日の「日本水泳選手権競技大会」で青木まゆみが女子100mバタフライで記録して以来、36年ぶりだった。
[編集] 日本記録
ここに掲載するのは、個人種目のみ。
泳法 | 距離 | 水路 | 記録 | 樹立年 | 大会名 |
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平泳ぎ | 50m | 長水路 | 27.65 | 2008年 | ジャパンオープン |
平泳ぎ | 100m | 長水路 | 59.44 | 2008年 | ジャパンオープン |
平泳ぎ | 200m | 長水路 | 2.07.51 | 2008年 | ジャパンオープン |
平泳ぎ | 50m | 短水路 | 27.14 | 2007年 | 日本短水路選手権 |
平泳ぎ | 100m | 短水路 | 57.62 | 2008年 | 日本短水路選手権 |
平泳ぎ | 200m | 短水路 | 2.04.96 | 2007年 | 日本短水路選手権 |
[編集] 受賞歴
[編集] 出演CM
- 「arena」水着宣伝(デサント、~2003年)
- 「SPEEDO」水着宣伝(2004年~2007年5月)※2007年5月までMIZUNO(現在は三井物産)のライセンス商品
- 「MIZUNO」水着宣伝(2007年6月~)
- キシリトール(ロッテ:放映は終了)
- 第43回衆議院議員総選挙投票啓発(総務省ほか、木村佳乃と共演。2003年)
- アクエリアス(コカ・コーラ)
[編集] 外部リンク
[編集] 脚注
- ^ 5月19日付『中日スポーツ新聞』より。
- ^ 『水着が泳ぐわけじゃない』北島選手 騒動イラッ東京新聞 2008年06月07日