依田義賢
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依田 義賢（よだ よしかた、1909年4月14日 - 1991年11月14日）は、日本の脚本家である。溝口健二監督の最盛期の作品で知られ、後年は大阪芸術大学映像学科教授を歴任した。
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[編集] 来歴・人物
1909年（明治42年）4月14日、京都市に生まれる。京都市立第二商業学校（のちの京都市立西陣商業高等学校、現在廃校）を卒業する。はじめ銀行に勤めるが、1930年（昭和5年）日活太秦撮影所脚本部に入り、翌1931年（昭和6年）、村田実監督のサイレント映画『海のない港』で、22歳で脚本家デビューした。同作は同年9月16日に公開された。
1936年（昭和11年）、永田雅一の第一映画に移籍し、溝口健二監督の『浪華悲歌』で高い評価を受ける。同作は依田の初めてのトーキーであった。以後、主として溝口のために多くの脚本を手がけ、代表的なものに『残菊物語』（村松梢風原作）、『西鶴一代女』、『雨月物語』などがある。晩年は熊井啓の脚本を書いた。また、著作には詩集もある。
[編集] おもなフィルモグラフィ
特記なきものは溝口監督作品である。
- 1931 海のない港 - 監督・共同脚本村田実、主演夏川静江
- 1936 浪華悲歌 Osaka Elegy
- 1936 祇園の姉妹
- 1937 愛怨峡
- 1938 亜細亜の娘 監督田中重雄
- 1939 侠艶録 監督田中重雄
- 1939 残菊物語 The Story of the Last Chrysanthemums
- 1941 - 1942 元禄忠臣蔵 The 47 Ronin 原作真山青果
- 1944 高田馬場前後 監督松田定次
- 1946 歌麿をめぐる五人の女
- 1947 女優須磨子の恋
- 1948 夜の女たち
- 1950 雪夫人絵図 原作舟橋聖一
- 1951 お艶殺し 原作谷崎潤一郎、監督マキノ雅弘
- 1951 お遊さま 原作谷崎潤一郎（『芦刈』）
- 1951 武蔵野夫人 原作大岡昇平
- 1952 西鶴一代女 The Life of Oharu
- 1952 滝の白糸 原作泉鏡花、監督野淵昶
- 1953 雨月物語 Ugetsu 原作上田秋成
- 1953 祇園囃子 A Geisha
- 1954 山椒大夫 Sansho the Bailiff 原作森鴎外
- 1954 噂の女
- 1954 近松物語 The Crucified Lovers 原作近松門左衛門（『大経師昔暦』）・川口松太郎（『おさん茂兵衛』）
- 1955 藤十郎の恋 原作菊池寛、監督森一生
- 1955 新・平家物語 原作吉川英治
- 1956 父子鷹 原作子母澤寛、監督松田定次
- 1957 大阪物語 原作井原西鶴、監督吉村公三郎
- 1957 異母兄弟 原作田宮虎彦、監督家城巳代治
- 1959 荷車の歌 原作山代巴、監督山本薩夫
- 1960 妖刀物語 花の吉原百人斬り 監督内田吐夢
- 1960 武器なき斗い 原作西口克己、監督山本薩夫
- 1961 悪名 原作今東光、監督田中徳三（以後シリーズ化）
- 1962 婦系図 原作泉鏡花、監督三隅研次
- 1962 恋や恋なすな恋 監督内田吐夢 ※モチーフは歌舞伎『保名』
- 1963 女系家族 原作山崎豊子、監督三隅研次
- 1963 武士道残酷物語 原作南條範夫、監督今井正
- 1968 牡丹燈籠 原作三遊亭円朝、監督山本薩夫
- 1969 眠狂四郎卍斬り 原作柴田錬三郎、監督池広一夫
- 1978 お吟さま 原作今東光、監督熊井啓
- 1980 天平の甍 原作井上靖、監督熊井啓
- 1989 千利休 本覺坊遺文 原作井上靖、監督熊井啓
[編集] ビブリオグラフィ
- 詩集『冬晴』、ウスヰ書房、1941年
- 詩集『ろーま』、骨発行所、1956年
- 『溝口健二の人と芸術』、映画芸術社、1964年 / 田畑書店、1970年 / 社会思想社、1996年 ISBN 439011588X
- 『京のおんな』、駸々堂出版、1971年
- 『祇園まち丶一噺』、駸々堂出版、1973年
- 『むみやうのすみか』、駸々堂出版、1974年
- 『舞妓の四季』、駸々堂出版、1975年
- 『依田義賢シナリオ集 1』、映人社、1978年
- 『依田義賢シナリオ集 2』、映人社、1984年
