人間ドック
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人間ドック(にんげんドック)は、自覚症状の有無に関係なく定期的に病院・診療所に赴き、身体各部位の精密検査を受けて、普段気がつきにくい疾患や臓器の異常や健康度などをチェックする健康診断の一種。
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[編集] 特徴
データを元に医師の問診、診察を受け、生活習慣病の予防や治療、その他の健康問題について助言、指導を受ける。 概ね、人間ドックの専門病院、専門診療所で受けるのが通例である。 検査の一部には、前日の夕食時あたりから絶飲食など事前の準備が必要なものもあり、確認が必要。
結果はその日のうちには判明しないものもある。 オプションで追加した検査項目により、検査時間も増加する。 半日の日帰りで済むものから1日、もしくは2日というコースが一般的。 2日間の場合は、2日続きで通うというわけではなく、病院の方で宿泊も手配する。 なかには5日、1週間というコースを設けている診療機関もある。
人間ドックで異常が見つかりやすい項目は、肝機能障害、高コレステロール、肥満、腎・膀胱疾患、高中性脂肪などである。
脳の認知機能やホルモンバランスなど加齢に伴い衰弱する傾向にある項目を重点的に検査する人間ドックのことを特にアンチエイジング・ドック(抗加齢ドック)と呼ぶこともある。
日本では、人間ドックは医療保険の対象ではないが、加入している健康保険組合によっては年齢などの条件(35歳あるいは40歳以上)を満たせば一定額の補助が出る。人間ドックは労働基準法、労働安全衛生法で定められている健康診断に含まれる。
「人間ドック」に相当する英語はcomplete physical examination、general checkup、health screening等にあたる。
[編集] 歴史
この種の短期入院検診は、日本では1954年7月12日に国立東京第一病院(現・国立国際医療センター)で開始されたのが始まりである。その後、聖路加国際病院が相次いで開始した。7月12日は、現在は記念として人間ドックの日となっている。
初めは「短期入院精密身体検査」と堅苦しく称されていたが、この検査について報道した読売新聞の記事において「人間ドック」という巧みなネーミングがされたことから、やがてこの呼び方が定着した模様である。
語源について作家の山田風太郎は、明治・大正期の軍人大山巌が「人間も船と同じで時々ドックに入って検査しないといかん」と言っていたことを「人間臨終図巻」の中で紹介して「人間ドックという言葉の由来は大山かもしれない」と書いている。ただし大山の言葉が確実な語源であるという裏付けはない。
[編集] 検査項目
- 身体測定
- 心肺機能
- 視聴覚
- X線検査
- 超音波検査
- 腹部超音波検査
- 乳がん超音波検査
- 食道・胃
- 上部消化管内視鏡検査
- 血液
- 血清
- その他血液系
- 空腹時血糖値
- グリコヘモグロビンA1c (HbA1c)
- グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(アスパラギン酸アミノ基転移酵素) (AST, GOT)
- グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ (GPT)
- 総ビリルビン (T-Bil)
- γ-グルタミルトランスペプチターゼ (γ-GTP)
- クンケル
- 乳酸脱水素酵素(LDH)
- ALP
- コリンエステラーゼ
- 総蛋白 (TP)
- アルブミン
- 蛋白分画
- A/G比
- 血清アミラーゼ
- 総コレステロール (T-Cho) : 動脈硬化の確認。
- HDLコレステロール (HDL-C)
- LDLコレステロール (LDL-C)
- 中性脂肪 (TG) : 高中性脂肪血症、肥満の確認。
- クレアチニン
- 尿素窒素 (BUN)
- ナトリウム
- カリウム
- クロール (Cl) : 塩酸基平衡異常の確認。
- 尿/便検査
- 蛋白定量
- 糖定量
- ウロビリノーゲン
- 尿潜血反応
- 尿比重
- 尿沈査
- 便潜血
- 前立腺がん検査
- 前立腺特異抗原 (PSA)
- 乳房・子宮
- 凝固・線溶
- 脳、頸動脈
- 知能
- 知能検査 : 認知障害の検査。
[編集] 関連項目
- 脳ドック
- 心臓ドック
- 健康診断