人文学部
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人文学部(じんぶんがくぶ)は、人文科学(人文学)の教育・研究を行う学部である。
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[編集] 概要
日本の人文学部には、内容的にも歴史的にも異なる二種類の系統がある。
一般に、人文科学あるいは人文学は、学問の三分法に基づいて文系学問から法学・政治学・経済学といった社会科学を除いた学問群を指す(狭義の人文学)。この意味での人文学を修する学部は文学部と同義であり、その説明は文学部に譲られるべきである。
他方、学問の伝統的二分法において、自然科学に対する精神科学(英: Human Science/moral science、独: Geisteswissenschaften)を意味する学問、すなわち自然 (nature) に対しての人間の所産 (arts) を研究する学問としての学問を人文科学あるいは人文学と呼ぶ事がある(広義の人文学)。成立上の経緯はともあれ、この意味での人文学を修する人文学部が存在する(あるいは、した)。
学制改革による新制大学の設置の際、日本の各県に旧制高校を母体とした国立大学が誕生する。このとき多くの文系学部は文系理系を合わせた文理学部として出発した。なお、戦前には旧制高等学校であった金沢大学(旧四高)、熊本大学(旧五高)、岡山大学(旧六高)と新潟大学は始めから文・理が独立した形でスタートするが、この三校は東北・九州両旧帝国大学にならって法文学部と名づけたが、新潟大学は新たに人文学部という名を設けた。この二種の学部は成立の経緯も学部としての内容もほぼ同等である。
その後、各地の文理学部が分離していく際、埼玉大学と佐賀大学を除いては、人文学部あるいは法文学部と理学部(と教養部)へと分離していく。そのそれぞれの名称は金沢大学他(法文学部)と新潟大学(人文学部)に倣ったものである。法文学部の項でも説明があるように、これらの人文学部には、(狭義の)人文学系に法学系あるいは経済学系の学科が含まれている(法科を含むところは少ないが)。山口大学などは始めから経済学部が独立していたため、文理学部からの独立の時点で既に狭義の人文学部であった。さらに、新潟大学、千葉大学、信州大学の人文学部は法学系・経済学系の学科を分離し、狭義の人文学部や文学部へと改組されていった。
なお、三重大学の人文学部は国立大学では唯一旧制学校の系統をひかない1980年代の新設学部である。(そのほか岩手大学の人文社会学部も旧制高校の系統をひかない1977年の新設学部である)
[編集] 同様の学部
[編集] 似た性格の学部
[編集] 人文学部を持つ日本の大学
[編集] 国公立
[編集] 私立
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