山形大学
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山形大学
大学設置 | 1949年 |
---|---|
創立 | 1878年 |
学校種別 | 国立 |
設置者 | 国立大学法人山形大学 |
本部所在地 | 山形県山形市小白川町1丁目4番12号 |
キャンパス | 小白川(山形県山形市) 飯田(山形県山形市) 松波(山形県山形市) 米沢(山形県米沢市) 鶴岡(山形県鶴岡市) |
学部 | 人文学部 地域教育文化学部 理学部 医学部 工学部 農学部 |
研究科 | 社会文化システム研究科 教育学研究科 理工学研究科 医学系研究科 農学研究科 |
ウェブサイト | 山形大学公式サイト |
山形大学(やまがただいがく、英称:Yamagata University)は、山形県山形市小白川町1丁目4番12号に本部を置く日本の国立大学である。1949年に設置された。大学の略称は山大(やまだい)。
目次 |
[編集] 概観
[編集] 大学全体
山形大学は、1949年(昭和24年)に国立学校設置法により、山形高等学校、山形師範学校、山形青年師範学校、米沢工業専門学校、山形県立農林専門学校を設立母体として設置された。設立時に文理学部、教育学部、工学部、農学部の4学部が設置されたが、現在では人文学部、地域教育文化学部、理学部、医学部、工学部、農学部の6学部を有する総合大学となっている。
[編集] 大学の理念・使命
- 大学の理念
「地域に根ざし、世界を目指す」をスローガンに、「自然と人間の共生」をテーマに掲げている。
- 大学の使命
-
- 学部教育(学士過程)を重視した人材養成
- 総合大学の利点を活かした研究の推進
- 開かれた学術・教育の地域拠点の形成
[編集] 沿革
- 1949年 国立学校設置法により、新制山形大学が発足(文理学部、教育学部、工学部、農学部を設置)
- 1954年 工業短期大学部併設
- 1964年 大学院工学研究科(修士課程)設置
- 1967年 人文学部、理学部、教養部設置(文理学部を改組)
- 1970年 大学院農学研究科(修士課程)設置
- 1973年 医学部設置
- 1975年 養護教諭特別別科設置
- 1979年 大学院理学研究科(修士課程)、大学院医学研究科(博士課程)設置
- 1983年 工学部にBコース増設
- 1985年 工業短期大学部廃止
- 1993年 大学院教育学研究科(修士課程)、大学院工学研究科(区分制博士課程)設置(工学研究科(修士課程)を改組)
- 1996年 教養部廃止
- 1997年 大学院社会文化システム研究科(修士課程)設置、大学院医学研究科を大学院医学系研究科に名称変更
- 1999年 大学院工学研究科を大学院理工学研究科に名称変更(理学研究科を廃止)
- 2004年 国立大学法人法により、国立大学法人山形大学へ移行
- 2005年 教育学部を地域教育文化学部に改組
- 2006年 人文学部総合政策科学科を法経政策学科に改組
[編集] 基礎データ
[編集] 所在地
[編集] 象徴
- ロゴマーク
現在の山形大学のロゴマークは、2001年に学生、卒業生、教職員などの大学関係者を対象に行われた公募で選定されたデザインが補作の上採用されたものである。山形大学の「山」の字をモチーフにデザインされ、色は緑豊かな山形をイメージした「常盤色(ときわいろ)」を採用している。
- 学生歌
「みどり樹に」という学生歌があり、入学式など様々な式典で歌われる。
[編集] 教育および研究
[編集] 組織
[編集] 学部
-
- 人間文化学科
-
- 共生人間学コース
- 文化環境学コース
- 法経政策学科
-
- 法律コース
- 経済・経営コース
- 公共政策コース
- 地域教育文化学部
-
- 地域教育学科
-
- 実践教育コース
- 社会臨床コース
- 文化創造学科
-
- 音楽芸術コース
- 造形芸術コース
- スポーツ文化コース
- 異文化交流コース
- 生活総合学科
-
- 食環境デザインコース
- 生活環境科学コース
- 生活情報システムコース
-
- 数理科学科
- 物理学科
- 物質生命化学科
- 生物学科
- 地球環境学科
-
- 医学科
- 看護学科
-
- 機能高分子工学科
- 物質化学工学科
- 機械システム工学科
- 電気電子工学科
- 情報科学科
- 応用生命システム工学科
工学部には昼間の授業を履修するAコースと、主に夜間の授業を履修するBコースがある。共に修業年限は4年である。
-
- 生物生産学科
- 生物資源学科
- 生物環境学科
[編集] 大学院
- 社会文化システム研究科
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- 文化システム専攻
- 社会システム専攻
-
- 教育学研究科
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-
- 学校教育専攻
- 教科教育専攻
-
- 理工学研究科
-
- 理学系
- 工学系
- 医学系研究科
- 農学研究科
-
-
- 生物生産学専攻
- 生物資源学専攻
- 生物環境学専攻
-
-
-
- 生物生産科学専攻
- 生物資源科学専攻
- 寒冷圏生命システム学専攻
- 生物環境科学専攻
-
[編集] 別科
- 養護教諭特別別科
[編集] 附属機関
- 附属機関
-
- 地域共同研究センター
- 大学院ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー
- 学術情報基盤センター
- 遺伝子実験施設
- 国際センター
- 高等教育研究企画センター
- 教職研究総合センター
- 外国語教育センター
- 放射性同位元素総合実験室
- 環境保全センター
- 保健管理センター
- インフォメーションセンター
- 理学部裏磐梯湖沼実験所
- 医学部附属動物実験施設
- 医学部附属実験実習機器センター
- 農学部附属やまがたフィールド科学センター
- 附属病院
-
- 医学部附属病院
- 図書館
-
- 附属図書館
-
- 中央図書館
- 医学部分館
- 工学部分館
- 農学部分館
- 博物館・資料館
-
- 附属博物館
[編集] 研究
[編集] 21世紀COEプログラム
21世紀COEプログラムとして、1件のプログラムが採択されている。
- 平成15年度(2003年度)採択
-
- 地域特性を生かした分子疫学研究(医学系)
[編集] グローバルCOEプログラム
グローバルCOEプログラムとして、1件のプログラムが採択されている。
- 平成20年度(2008年度)採択
-
- 分子疫学の国際教育研究ネットワークの構築(医学系)
[編集] 教育
- 現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)
- 平成16年度(2004年度)採択
-
- 生涯医学教育拠点形成プログラム -包括的地域医療支援機構創設-(地域活性化への貢献)
- 連携・共有する教養教育プログラムの開発 -県内高等教育の向上を目指して-(他大学との統合・連携による教育機能の強化)(山形県立保健医療大学、東北公益文科大学、山形県立米沢女子短期大学、羽陽学園短期大学、山形短期大学と共同で採択)
- 平成18年度(2006年度)採択
-
- 体験と実習を礎とする職業観形成法の確立(実践的総合キャリア教育の推進)
- エリアキャンパス未来遺産創造プロジェクト -大学の初年時教育と地域の人材育成を相乗的に活性化していく現地体験型授業-(地域活性化への貢献(広域型))
- 社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム
- 平成19年度(2007年度)採択
-
- 里山保全と中山間地域活性化を相乗的に具現化する里地里山活動プランナーの実践的養成(理工農系)
[編集] 大学関係者と組織
[編集] 大学関係者一覧
[編集] 施設
[編集] キャンパス
[編集] 小白川キャンパス
- 使用学部:人文学部、地域教育文化学部、理学部
- 使用研究科:社会文化システム研究科、教育学研究科、理工学研究科(理学系)
- 使用附属施設:附属図書館中央図書館、附属博物館 など
- 交通アクセス
山形大学の中心となるキャンパス。工学部Bコースを除く全学部の1年生と人文・地域教育文化・理学部の2~4年生が在籍。
[編集] 飯田キャンパス
- 使用学部:医学部
- 使用研究科:医学系研究科
- 使用附属施設:医学部附属病院、附属特別支援学校、附属図書館医学部分館 など
- 交通アクセス
- JR山形駅東口3番バス停から大学病院行バスで大学病院前下車(所要時間約15分)
医学部医学科の2~6年生と看護学科の2~4年生が在籍。隣接地に医学部附属病院と附属特別支援学校がある。
[編集] 松波キャンパス
- 使用学部:なし
- 使用研究科:なし
- 使用附属施設:附属小学校、附属中学校、附属幼稚園
- 交通アクセス
- JR山形駅東口4番バス停から山形県庁行バスで附属学校前下車(所要時間約10分)
附属小学校、附属中学校、附属幼稚園がある。
[編集] 米沢キャンパス
- 使用学部:工学部
- 使用研究科:理工学研究科(工学系)
- 使用附属施設:大学院ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー、附属図書館工学部分館 など
- 交通アクセス
工学部Bコースの全学年と工学部Aコースの2~4年生が在籍。キャンパス内にある旧米沢高等工業学校本館は国の重要文化財に指定されている。
[編集] 鶴岡キャンパス
- 使用学部:農学部
- 使用研究科:農学研究科
- 使用附属施設:附属図書館農学部分館 など
- 交通アクセス
- JR鶴岡駅から徒歩約15分
農学部の2~4年生が在籍。
[編集] 対外関係
[編集] 他大学との協定
- 大学コンソーシアムやまがた[2]
山形県内の10の高等教育機関と放送大学山形学習センター、山形県が組織している連合組織。各教育機関が単位互換協定を結んでおり、「ゆうキャンパス単位互換」という単位互換制度を実施している。
- 国際・学術交流等協定校
- ニューヨーク州立大学(アメリカ・ニューヨーク州)
- テキサス大学アーリントン校(アメリカ・テキサス州)
- コブルスキル農業・技術大学(アメリカ)
- 大邱大学校(韓国・大邱広域市)
- 仁済大学校(韓国・慶尚南道・金海市)
- 哈爾浜医科大学(中国・広西チワン族自治区)
- 吉林大学(中国・吉林省)
- 河北医科大学(中国・河北省)
- 華北煤炭医学院(中国・河北省)
- 国立中山大学(台湾・高雄市)
- 銘傳大学(台湾・台北市)
- ブリヤート国立大学(ロシア)
- ラトビア大学(ラトビア)
- タリン大学(エストニア)
- タルカ大学(チリ)
- 部局間学術交流等協定校
- 人文学部
- 医学部
- 工学部
- 農学部
[編集] 入試過誤
2001年5月、工学部が1997年度以降5年間の入試において、計428人の本来合格であるべきであった受験生をセンター試験の傾斜配点集計ミスが原因で誤って不合格にしていたことが発覚した。このため大学はそれらの受験生に謝罪し、合格とした。工学部への年度途中入学を認めたのはもちろん、過去の受験生で他大学に入学してしまっていた場合には希望に応じて編入を認め、さらに浪人や他大学入学に伴う学費を負担するなど、数億円に及ぶ救済措置を行った。この事件を発端に他大学でも類似のミスが続々と発覚し、個別の大学における入試制度のあり方自体を問う議論へと発展した。また、これを受け大手予備校(河合塾など)は、大学・短大からの入試問題作成委託を公言し、大きな反響を得た。
[編集] 天下り批判
2007年9月、学長選挙学内意向投票では小山清人が378票で1位、文部科学省前事務次官の結城章夫が355票で2位となった。意向投票の翌日に行われた学長選考会議の結果、14票中10票を集めた結城章夫が学長に就任した[1]。全国初の事務次官天下り学長と注目を集め、学長選挙の不明朗な経緯も含めて新聞に批判的な記事が掲載された。事務次官在任中に山形大学関係者と接触したことは、天下りを制限した国家公務員法に抵触する可能性も指摘された。また、山形大学学長選考規則は現職の国家公務員には学長候補者の資格がないと明記しているが、この点も瑕疵があったのではと指摘されている[2]。