不死身の第四小隊
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不死身の第四小隊(ふじみのだいよんしょうたい)は、ガンダムシリーズのOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する架空の小隊である。本項では小隊隊員についても記述する。
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[編集] 概要
サウス・バニング(隊長)、アルファ・A・ベイト、チャップ・アデル、ベルナルド・モンシアの4人のモビルスーツパイロットで構成された地球連邦軍に所属するチームである。なお、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』はデラーズ紛争を描いた物語であるが、設定上は『機動戦士ガンダム』で描かれていた一年戦争にも参加している。
「不死身の第4小隊」の名の由来は、屈指の激戦であるソロモン攻略戦やア・バオア・クー攻略戦の中においても、一人の戦死者を出さずに終戦まで戦い抜いたことに由来する。ただしこれは通称名であり、正式名称は不明。彼らのモビルスーツはジムタイプを使っていた(プラモデルの説明書やムック本・ゲームによって使用機体が変更されている)。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] メンバー
[編集] サウス・バニング
- South Burning
- 階級は大尉。年齢は39歳。ベテランのモビルスーツパイロットで、乗機はジム改およびジム・カスタム。
- ベイト、モンシア、アデルと共に、一年戦争時は「不死身の第4小隊」に所属し同小隊を指揮していた(当時の階級は中尉)。戦後トリントン基地所属のテストパイロットの教官して指揮する立場にいた。しかし、年齢的に体力の限界を感じて引退を考えるようになる。実際、作中において搭乗機体の加速中、Gで血液が眼球に集まり視界が赤く染まるレッドアウトのような症状が出ていた。
- デラーズ・フリートによってガンダム試作2号機が強奪された際には、コウ、キース、アレンを伴い追撃を行う。この際の戦闘でザメルと交戦し辛うじて相打ちに持ち込むものの、脚を負傷する。その後2号機の奪還のためアルビオンにモビルスーツ隊の隊長として選任され乗艦する。傷が癒えるまでは艦内でMS部隊の指揮を取っていたが、シーマ艦隊との交戦中にコウが独断で地上装備の試作1号機で出撃した際には自らギプスを砕いてジム・カスタムで救援に向かっている。フォン・ブラウン出港後にはMSパイロットとして復帰し、アルビオン隊の戦力の要となった。
- コウやキースに対して厳しく接しているが、それは部下を思いやる気持ちの裏返しである。ベイト、モンシア、アデルからも、恐れられながら慕われている。ただし、同僚のカレントによれば「スケベ野郎」とのこと(第6話ではそれを裏付けるような描写が散見される)。
- 内通していたシーマ艦隊とワイアット大将の接触時にデラーズ・フリートの「星の屑作戦」に関する機密文書を入手するが、直後シーマのゲルググMとの戦闘で乗機が被弾。アルビオンへの帰還途中に被弾箇所が爆発・暴走した事により戦死する。
- 妻のシルビアとは別居状態であったが、彼女のスナップ写真を常に携帯していた。漫画版(松浦まさふみ、加登屋みつるの両方)では生存している。
- アーケードゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』では、連邦軍オペレーターとして、戦闘開始時と終了時にパイロット(プレイヤー)に声を掛けている。また、スーパーロボット大戦シリーズで0083が参戦した場合も生き残り、終戦まで戦い抜く。
[編集] アルファ・A・ベイト
- Alpha A. Bait、
- 声優は戸谷公次。PS2『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』などの一部ゲームでは今村直樹が演じた。
- 階級は中尉(後にバニングの戦死により戦時大尉)。年齢は28歳。アルビオンに補充要員として配属されたモビルスーツパイロット。乗機はジム・カスタム。
- 一年戦争ではバニング率いる「不死身の第4小隊」に所属し終戦までを戦い抜いてきた。性格はベテランのプライドゆえかやや協調性に欠けたところがあり、当初はモンシアとともによくトラブルを起こしていたが、バニングの戦死後アルビオンのモビルスーツ隊の隊長となってからはよく隊をまとめ、デラーズ紛争を生き抜いた。戦後はティターンズに参加している。
[編集] チャップ・アデル
- Chap Adel
- 声優は幹本雄之。
- 階級は少尉。年齢は24歳。一年戦争時はベイト、モンシアとともに「不死身の第4小隊」に所属し各地を転戦した。アルビオン搭乗後はジム・キャノンIIのパイロットとしてデラーズ紛争を戦い抜く。
- 優秀なパイロットだが、それを鼻にかけない温和で真面目な性格で、ベイトやモンシアをいさめる事も多かった。また、コウやキースを「ヒヨッコ」「計算外」と馬鹿にしていた他の二人と違って戦いの恐怖に慌てるキースに一言いって落ち着かせるなど、先輩としての気配りを見せるシーンもある。ちなみに既婚者。戦後はモンシア、ベイトと共にティターンズに参加した。
[編集] ベルナルド・モンシア
- Bernard Monsha
- 声優は茶風林。
- 階級は中尉。年齢は28歳。一年戦争中はバニングの部下として各地を転戦し「不死身の第4小隊」と呼ばれた。ガンダム試作2号機強奪後、アルビオンに補充パイロットとして着任。主人公のコウとは試作1号機のパイロットの座を巡り争うが、最後は互いを認め合い仲間として接する。搭乗機はジム・カスタム。
- 無類の女好き(セクハラ)で暇さえあれば女に手を出し、ブランデーをボトルで携行するほどの酒好き。また、スペースノイドを「宇宙人」と呼び、憂さ晴らしに捕虜を虐待するなど地球至上主義者である。このようにトラブル好きで素行の悪い人物だったが、パイロットとしては優秀。またバニングを心の底から尊敬しており、彼の死に際しては人目も憚らず号泣していた。デラーズ紛争後はティターンズに参加する。恋人の名前はマーリー。
- 加登屋みつるの漫画版ではアルビオンに乗り組んだコウやキースを率いる小隊長として登場し、後に戦死している(この作品ではバニングが負傷のため宇宙に行っておらず、ベイトとアデルは登場しない)。
- PS2ゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』ではア・バオア・クーのステージで声のみ登場し、バニング率いる小隊でジムに乗っている設定。アムロの乗るガンダムを見て「あれに乗ってみたい」と発言している。
- ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』では脇役なのに台詞が多かったり、個人での終了メッセージを持っていたりと人気が高い(原作序盤の酒癖が悪く態度も横柄な設定の為、あまり良い印象が無いのに比べ、ゲームでは「口は悪いが後輩の面倒見も良く、基本的には気の良いオヤジ」として描写されている点が大きいと思われる)。また、同シリーズでは原作ラストで転属されたティターンズを嫌う発言をしている。これはストーリーの都合上、デラーズ紛争とティターンズ結成の順が入れ替わっているため。