コウ・ウラキ

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コウ・ウラキ (Kou Uraki) はOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する架空の人物で、本作品の主人公である。担当声優は堀川亮（現：堀川りょう）。

[編集] プロフィール

地球連邦軍の士官で、アニメ初登場時の階級は少尉。年齢は19歳。ナイメーヘン士官学校卒業。

注意：以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。

[編集] 劇中での活躍

士官学校卒業後、オーストラリア・トリントン基地に配属されテストパイロットとなる。

一年戦争の中で、モビルスーツに大きく興味を持ったことから（趣味の一環として）研究心を持つようになった。アルビオンが来航した際には、搭載されていると思しきガンダムタイプのモビルスーツ（ガンダム試作1号機、ガンダム試作2号機）を見学の許可も得ずに見に行き、専属の技術者であるニナ・パープルトンらに追い出される。しかし多少見ただけで両機体の特性を把握する等、MSに対する観察眼の高さを見せた。

その日の夜中に、元ジオン軍のアナベル・ガトーがアルビオンのデッキに潜入し、ガンダム試作2号機を強奪。その場に偶然居合わせたコウは、残されていたガンダム試作1号機に飛び乗り、ガトーの行く手を阻もうとする。しかし実戦を知らない新兵のコウは、一年戦争の修羅場を生き抜いた「ソロモンの悪夢」と呼ばれるエース、ガトーの足元にも及ばず、軽くあしらわれた上に未熟と罵られて逃亡を許してしまうという、コウにとって非常に苦い初陣となった。

それからは「アルビオン」の正規クルーとなり、試作2号機の追撃に参加する。初戦以来ガトーに大きな敵愾心を燃やし、いつかリベンジする事を胸に作戦に参加していくが、ガトーと同じく歴戦のパイロットであるシーマ・ガラハウにも敗北を喫し、ガンダム1号機のパイロットとしての自信を喪失しはじめる。またニナとの関係にも悩んだことなども重なり、コウは「アルビオン」を降りて月面都市フォン・ブラウンをさまよい、そこで元ジオン軍の隻腕のパイロット、ケリィ・レズナーと出会う。

ケリィは、愛機ヴァルヴァロを改修してパイロットとして復帰する事を期しており、それを手助けする事を通じてのケリィとのやりとり、そして敵として戦場で再会したケリィとの決闘が、コウにMSパイロットとしての再起を促す事になる。また、上官であるバニングの死が、コウを人間的にも成長もさせていく（この時、戦時階級として中尉に昇進する）。しかし戦局はデラーズ・フリート優位に進み、更に連邦がアルビオンを忌避し始める。その中で、コウはついに待望の宿敵ガトーと対峙する。コウ達の目の前で、連邦軍の艦隊を核弾頭で焼き払ったガトーに、コウは宇宙戦用にカスタムされたフルバーニアンで一騎打ちを挑む。「貴様が忘れても、俺は忘れはしない」と雪辱を果たすべく猛攻をかけ、ガトーの2号機を大破させるが、同時に自身の1号機も大破する。またこれにより、2号機奪還という作戦自体は失敗に終わる。

「アルビオン」は更なるデラーズ追撃のため、アナハイム・エレクトロニクス社の保有するドック船「ラビアンローズ」に最新鋭のガンダム試作3号機の受領に向かうが、ナカト少佐らによる待機命令によって妨害される。コウたちはそれを無視して3号機を無理やり受領し、コウが乗り込むことになる。彼はデラーズのコロニー落とし「星の屑作戦」を阻止するため3号機を駆り、ガトー分艦隊旗艦ペールギュントなど多数の戦艦、敵機を殲滅する。しかし並のパイロットでは扱いかねる特殊機の3号機で戦い続ける代償として、彼は肉体的、精神的に追い詰められ、補給のために一時的に帰還した際にはコックピット内で薬物^[1]を自ら注射していた。そして、その激戦の中で自らが所属する連邦軍の腐敗にも直面し、衝撃と怒りをおぼえる。

「星の屑作戦」のコロニーが地球に迫る中、そのコロニー内に落下の最終調整を行うため侵入したガトー、それを追跡してきたコウ、そして彼の想い人であると同時にかつてのガトーの恋人であるニナの三者が、直接対面する事になる。この中で、ガトーを銃撃しようとするコウに、ニナは銃口を向ける。そのニナの真意は明らかでないものの、彼にショックを与えるには十分であった。ガトーの仕上げによってコロニーの落下は不可避となり、もはやコウには再び3号機に乗り込み、ガトーのノイエ・ジールと最後の決着に挑む他なくなった。未熟な新兵から、デラーズとの戦いで飛躍的な成長を遂げたコウは、「ソロモンの悪夢」と渡り合うまでの戦士となっていたが、コウの銃撃を腹部に受けていた状態ながらもガトーは徐々にコウを押し始める。

その両者の激突を飲み込む様に、連邦軍が敵味方が入り乱れる中になりふり構わず発射したソーラ・システムⅡが直撃し、3号機のオーキスは大破、コウはステイメンのコクピットの中で気絶し、ガトーは、彼に手を下す事なくその宙域を去る。そしてガトーは半壊したノイエ・ジールで連邦軍の包囲網に特攻をかけ、巡洋艦サラミスを道連れに散る。目覚めたコウは、もはや宿敵との決着が叶わないことを知り、絶叫を上げながら宇宙空間の暗闇にライフルを打ちまくる。

その後は再び少尉として北米オークリー基地に赴任しニナと再会を果たしたが、その後の二人の関係については語られていない。なお映画版ではこのシーン自体が無く、テロップで罪状消滅のみが示され、以降の彼については描かれる事なく物語は終わる。

[編集] 備考

ニンジンが大の苦手で、山盛りのニンジンとにらめっこするシーンがあり、親友のチャック・キースにからかわれている。
ガンダムシリーズ生誕20周年記念として出版されたムック本（竹書房）では、関わった事件が事件なだけに、「才能は有るが運が悪すぎる。」と評価されていた。
なお、ガンダムシリーズのアニメ作品で主人公が初登場段階で既に軍人になっているのはコウが初めて。他には『機動戦士ガンダム第08MS小隊』のシロー・アマダ、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のシン・アスカ、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』のスウェン・カル・バヤンがいる。
ニナ曰く、「乗るモビルスーツの性能を限界まで引き出せる」「戦局の未来予測の精度が高い」という特技を持っている。当時の最新型MSである1号機、連邦軍でも類を見ない特殊機である3号機を短期間で乗りこなし、多大な戦果を挙げたことから、コウのモビルスーツ操縦技術には目を見張るものがあるのは確かである。
『スーパーロボット大戦シリーズ』ではウィンキーソフトが製作していた頃（いわゆる『第○次』シリーズ）では劇中の活躍がまるで反映されていない程の低い能力値だったが、『スーパーロボット大戦α』以降は改善されており、作品によってはガトーと真っ向から信念をぶつけ合い、お互いの信念をかけて戦う宿敵と認められている（ただし、アンソロジーシリーズでは度々他の参戦作品のキャラクターに「（原作の）主人公はガトーではなかったか?」や「ガトーと2人で並ぶと、宿敵と言うよりも（コウが）引き立て役に見える」等と、他作品のキャラ達に弄られる事がある）