ロン・ギドリー
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ロン・ギドリー(Ronald Ames Guidry , 1950年8月28日 - )は、元メジャーリーグの投手。左投左打。アメリカ合衆国ルイジアナ州ラファイエット出身。ニックネームは「Louisiana Lightning」「Gator」。
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[編集] メジャー生活
- 1971年、ニューヨーク・ヤンキースからドラフト3巡目(全体の65番目)で指名され入団。1975年7月27日にメジャーデビューし、1988年に引退するまでヤンキース一筋で14年間投げた。
- ギドリーは1975年と1976年に数試合登板。1977年もシーズン当初はリリーフだったものの、後に先発ローテーション入りし16勝を挙げる。また、同年ヤンキースはワールドシリーズ優勝。自身もプレーオフとワールドシリーズで20イニング投げ、5自責点しか許さず2勝0敗の成績を残した。
- 1978年は現役最高の成績を挙げ、近代野球で投手が残した数字としても最高水準の物であった。6月17日にはヤンキー・スタジアムでのカリフォルニア・エンゼルス戦で18奪三振を記録。結局同年は25勝3敗、防御率1.74の好成績でサイ・ヤング賞を受賞。また、アメリカンリーグMVP投票でもジム・ライスに次ぐ2位に入る。ギドリーの25勝目は、ヤンキースとボストン・レッドソックスが同率首位で並んだ結果行われた地区優勝を決める1試合制のプレイオフで挙げた物であった。この年もヤンキースはロサンゼルス・ドジャースを下してワールドシリーズ制覇を果たす。この年ギドリーが挙げた防御率よりも低い防御率を達成したア・リーグの投手は2000年のペドロ・マルティネスまで出なかった。
- その後7年間に渡ってギドリーは113勝57敗を挙げ、ゴールド・グラブ賞も5年連続で獲得。しかし、1981年の腕の故障などが彼のパフォーマンスを低下させる要因となった。肩の手術の結果が思わしくなかった結果、1989年7月12日に引退を発表。
- 1984年8月7日のシカゴ・ホワイトソックス戦の9回で、ギドリーは3球3者三振を達成。ア・リーグ史上8人目(メジャーリーグ20人目)となる快挙であった。
- ギドリーはウィリー・ランドルフとともにヤンキースの副キャプテンを1986年3月4日から引退時まで務める。
- ギドリーの着けていた背番号『49』は2003年8月23日のロン・ギドリー・デーで永久欠番となる事が発表された。同日、ヤンキー・スタジアムのモニュメント・パークにギドリーを称えるレリーフも設置され、「圧倒的な投手で、信頼の厚いリーダー」「真のヤンキースの一員」という文字が刻まれている。この式典には現在モニュメント・パークに自身のレリーフが設置された、当時存命していた永久欠番選手5名(フィル・リズート、ヨギ・ベラ、ホワイティー・フォード、レジー・ジャクソン、ドン・マッティングリー)が出席した。また、現在16あるヤンキースの永久欠番の中で最も大きい数字で、投手ではフォード以来二人目の欠番である。
- 通算170勝は球団史上4位、奪三振1778はフォードに次いで球団史上2位。また、通算勝率も引退当時はフォードに次ぐ史上第2位であった。
- 引退後はヤンキース傘下のマイナーチームで投手コーチなどを務め、2006年よりメル・ストットルマイヤーの後任として、ヤンキースの投手コーチを務めている。
- ヤンキースの後輩、アンディ・ペティット投手は、同じルイジアナ出身である彼にあこがれて野球を始めた逸話がある。
[編集] 年度別成績
年度 | 球団 | 登板 | 完投 | 完封 | 勝数 | 敗数 | セーブ | 勝率 | 投球回 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | 防御率 |
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1975年 | NYY | 10 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .000 | 15 2/3 | 15 | 10 | 6 | 3.45 |
1976年 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 16 | 12 | 4 | 10 | 5.63 | |
1977年 | 31 | 9 | 5 | 16 | 7 | 1 | .695 | 210 2/3 | 176 | 67 | 66 | 2.82 | |
1978年 | 35 | 16 | 9 | 25 | 3 | 0 | .892 | 273 2/3 | 248 | 74 | 53 | 1.74 | |
1979年 | 33 | 15 | 2 | 18 | 8 | 2 | .692 | 236 1/3 | 201 | 71 | 73 | 2.78 | |
1980年 | 37 | 5 | 3 | 17 | 10 | 1 | .629 | 219 2/3 | 166 | 82 | 87 | 3.56 | |
1981年 | 23 | 0 | 0 | 11 | 5 | 0 | .687 | 127 | 104 | 27 | 39 | 2.76 | |
1982年 | 34 | 6 | 1 | 14 | 8 | 0 | .636 | 222 | 162 | 73 | 94 | 3.81 | |
1983年 | 31 | 21 | 3 | 21 | 9 | 0 | .700 | 250 1/3 | 156 | 65 | 95 | 3.42 | |
1984年 | 29 | 5 | 1 | 10 | 11 | 0 | .476 | 195 2/3 | 127 | 49 | 98 | 4.51 | |
1985年 | 34 | 11 | 2 | 22 | 6 | 0 | .785 | 259 | 143 | 45 | 94 | 3.27 | |
1986年 | 30 | 5 | 0 | 9 | 12 | 0 | .428 | 192 1/3 | 140 | 41 | 85 | 3.98 | |
1987年 | 17 | 2 | 0 | 5 | 8 | 0 | .384 | 117 2/3 | 96 | 42 | 48 | 3.67 | |
1988年 | 12 | 0 | 0 | 2 | 3 | 0 | .400 | 56 | 32 | 20 | 26 | 4.18 | |
通算 | 368 | 95 | 26 | 170 | 91 | 4 | .651 | 2392 | 1778 | 670 | 874 | 3.29 |
[編集] 受賞歴・記録
- 最優秀防御率 2回(1978年、1979年)
- 最多勝 2回(1978年、1985年)
- サイ・ヤング賞 1回(1978年)
- ゴールドグラブ賞 5回(1982年 - 1986年)
- ロベルト・クレメンテ賞 1回(1984年)
- オールスター選出 4回(1978年、1979年、1982年、1983年)
[編集] 外部リンク
- 選手の通算成績と情報 Baseball-Reference、The Baseball Cube
獲得タイトル・記録 | |||||||||||||||
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2 ポール・ブレア / 6 ロイ・ホワイト / 9 グレイグ・ネトルズ / 10 クリス・チェンブリス / 11 フレッド・スタンリー / 14 ルー・ピネラ / 15 サーマン・マンソン / 17 ミッキー・リバース / 19 ディック・ティドロ / 20 バッキー・デント / 24 マイク・トッズ / 25 ジョージ・ゼバー / 28 スパーキー・ライル / 29 キャットフィッシュ・ハンター / 30 ウィリー・ランドルフ / 35 ドン・ガレット / 41 クリフ・ジョンソン / 44 レジー・ジャクソン / 49 ロン・ギドリー / 50 ケン・クレイ 監督 1 ビリー・マーチン |
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2 ポール・ブレア / 6 ロイ・ホワイト / 9 グレイグ・ネトルズ / 10 クリス・チェンブリス / 11 フレッド・スタンリー / 12 ジム・スペンサー / 14 ルー・ピネラ / 15 サーマン・マンソン / 17 ミッキー・リバース / 19 ディック・ティドロ / 20 バッキー・デント / 24 ゲーリー・トマソン / 25 ブライアン・ドイル / 27 ジェイ・ジョンストーン / 29 キャットフィッシュ・ハンター / 31 エド・フィゲロア / 36 ポール・リンドブラッド / 41 クリフ・ジョンソン / 43 ケン・クレイ / 44 レジー・ジャクソン / 45 ジム・ビーティー / 46 マイク・ヒース / 49 ロン・ギドリー / 54 リッチ・ゴセージ 監督 ビリー・マーチン / ディック・ハウザー / ボブ・レモン |