モバHO!
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モバHO!(モバホ!)は、モバイル放送株式会社が提供する、移動体向け東経144度衛星放送サービス。2004年10月20日にサービスを開始した。
2007年3月31日、株式会社東芝の連結子会社(特定子会社)化された。
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[編集] システム概要
従来の衛星放送は家屋などに固定したアンテナで受信する、固定受信局向けの放送である。放送衛星は高度約36,000kmの静止軌道から、12GHz帯(Kuバンド)を用いて100~200W程度の送信出力で放送する。この放送波を受信するためはパラボラアンテナのような高利得アンテナを用いる必要がある。こうした高利得アンテナは指向性が鋭いため正確に衛星に向ける必要があり、自動車などの車両に取り付けたアンテナでは受信が困難である。また、衛星が見通せないトンネル内や地下、高架下では受信ができなかった。
モバHO!のシステムでは放送周波数に2.6GHz帯(Sバンド)を用いる。周波数が1/2になると空間の伝播損失は1/4になり、他の要因とあわせ従来の衛星放送に比べ約1/13のロスで済む。また、衛星側のアンテナとして12m径の高利得アンテナを用いることで有効輻射電力を増加させている。このため受信機のアンテナを小型の無指向性の物にすることができ、受信機を携帯端末サイズにまで小型化することが可能である。なお携帯端末にはパッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)が採用されている。
また、大都市圏向け(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡など)のサービスであるが、衛星が見えないトンネル内やビルの谷間ではギャップフィラーを用いて受信可能にする。これは衛星を見通せる場所に設置したアンテナで受信した信号を、衛星からの電波の届かない場所に再送信する中継局である。ギャップフィラーには、S帯の電波を再送信する形式と、衛星から通信として送られてくるKu帯のTDMの電波をS帯のDS-CDMに変換して再送信する形式がある。
しかし、ギャップフィラーの設置されていない日本国内(特に地方)の大半の地域での衛星が見えないトンネル内やビルの谷間での受信環境が良くなく、特に地方のモバイル放送の受信契約者からは、ギャップフィラーの設置や増設が待たれている。
今後のモバイル放送の契約者増を図る為には、受信契約者に対する充実した対策やパラボラアンテナのような高利得アンテナを用いない簡便さをアピールするためのコンテンツの充実が望まれる。
放送方式は日本国内では唯一の直接拡散符号分割多重方式(DS-CDM)を採用している。国際的にITU-R Rec. BO. 1130-4 Digital System Eとして採択されている。
[編集] コールサイン
MBSATのモバHO!放送システムに対して、コールサインJO900-SB-DSが総務省関東総合通信局より付与されている。
なお、他の日本国内の衛星放送は2007年11月までに、チャンネル運営を行う社団と、その委託を受けて中継を行う衛星運営企業との上下分離を完了しており、チャンネル運営と衛星運営を兼ねる放送事業者はモバイル放送が唯一となっている。
[編集] 受信機器
放送を受信する機器は、携帯型・車載型・PCカード型の3種類が提供される。AVケーブルを接続して普通のテレビでも視聴する事は可能だが、元々小型画面用にQVGAで放送されているので、画質が粗くなる。
当初、携帯型受信機は東芝とシャープからそれぞれ発売された。このうち、東芝製の「モバビジョン」は2006年2月に、「リチウムイオンバッテリーパックが膨らみ、バッテリーケースの蓋が閉まらない」というトラブルが起きることが判明した。この東芝・シャープの製品は生産完了により終息していくため、現在はモバイル放送社自身がカーキットと呼ばれる車載用、またホームキットという屋内受信用のセットを販売している。
2006年には携帯電話内蔵型(DoCoMo MUSIC PORTER X)やカーナビ内蔵型(トヨタ純正ディーラーオプション)も登場したが、携帯電話内蔵型は後に続く機種がなく、事実上、MUSIC PORTER Xのみで生産終了した。
また、2007年6月にはワンセグ放送の視聴も可能な携帯型受信機(アップグレードによりモバイル放送だけでなくワンセグ放送の録画も可能)を新たに販売開始した。
このほか、アイリバーの開発した受信機「U:MO(ユーモ)」を、USENが「モバイルUSENクラブ」という会員制サービスでレンタル提供している。なお、同クラブは2008年2月末日をもって新規入会受付を終了した。
[編集] サービス
モバHO!で提供されるサービスは以下の通り。一部を除いて有料放送である。
なお、モバイル放送に与えられている免許は音声放送であるため、映像放送については簡易動画付という位置づけである。
[編集] 映像放送
[編集] 現在放送中のチャンネル
チャンネル | 放送局 | 要素 | 放送日 |
---|---|---|---|
001ch | チャンネルONE | MONDO21や釣りビジョンなどスカパー!の娯楽系チャンネルを軸に編成 | 毎日 |
011ch | モバイル.n | NHKニュースや、ディスカバリーチャンネルなどの一部番組を軸に編成 ※NHKニュース番組は首都圏のローカルニュースも含め、放送される |
|
014ch | 日テレNEWS24 | スカパー!と同時放送 | |
033ch | TBSチャンネル | ||
034ch | アニマックス | ||
035ch | MTV | ||
036ch | Music Japan TV | 平日 | |
081ch | グリーンチャンネル | EAST、競馬開催日のみ。平日開催の際はチャンネルONEにて放送される | 土日 |
チャンネル | 放送局 | 放送終了日 |
---|---|---|
012ch | CNNj | (-2007年3月) |
015ch | 日経CNBC | (-2007年3月) |
[編集] 音声放送
チャンネル | 放送局 | ジャンル | 放送日 | 放送時間 | 曲名表示 |
---|---|---|---|---|---|
401ch | モバHO!401 | プロモーション | 毎日 | あり | |
403ch | HMV Japan-COUNTDOWN | 邦楽ヒットチャット | |||
404ch | oricon | ||||
405ch | J-POP チャット | ||||
406ch | J-POP 2000 | 邦楽年代別 | |||
407ch | J-POP 90's | ||||
408ch | J-POP 80's | ||||
409ch | J-POP 70's | ||||
413ch | oricon=Artist Special | 邦楽ジャンル別 | |||
414ch | J-STREET | ||||
415ch | フォーク大全集 | ||||
416ch | 演歌 | ||||
417ch | グループサウンズ | 平日 | |||
431ch | Billboard Station | 洋楽ヒットチャット | 毎日 | ||
433ch | Bilboard 90's | 洋楽年代別 | |||
434ch | Bilboard 80's | ||||
435ch | Bilboard 70's | ||||
436ch | Bilboard 60's | ||||
443ch | Billboard Ballads | ||||
446ch | THE ROCK by レッドシューズ | 洋楽ジャンル別 | 0:00~6:00 | ||
447ch | rockin'on | ||||
448ch | BLACK MUSIC STATION | ||||
449ch | レゲエ | ||||
451ch | WPHI-R&B/Hip-Hop | なし | |||
452ch | KSON-Country | ||||
461ch | CLUB MIX | クラブ | あり | ||
462ch | THE FEELING | ヒーリング | |||
471ch | THE JAZZ | ジャズ | なし | ||
472ch | KKJZ=Jazz&Blues | ||||
475ch | THE CLASSIC | クラシック | |||
476ch | WQXR-Cassic | ||||
480ch | TOKYO FM | 国内FM | |||
481ch | J-WAVE | ||||
482ch | FM802 | ||||
483ch | ZIP-FM | ||||
491ch | みんなだいすき♪キッズ・ソング | ファミリー | あり | ||
492ch | おとぎの国の音楽 | 土日 | |||
493ch | 歌ってあそぼ♪ | 平日 | |||
494ch | アニラジ | 毎日 | 6:00~0:00 | ||
499ch | ラジオNIKKEI第二 | 競馬 | 土日 | なし |
[編集] データ放送
約50タイトル
- 毎日新聞ニュース
- RBB TODAY 速報ニュース
- 各地の天気
- 天気図
- 高速道路交通情報
- スポーツ速報
- スポニチ芸能ニュース
- 新作映画情報
- お出かけイベント情報
- プロに聞く!デジカメ撮影術
- 星座占い
- 詰碁
- 詰将棋
- ナンバーズ3&4結果
- ミニロト&ロト6結果
- 中央競馬速報
- 今日の単語ドリル
- HMV Japan-COUNTDOWN
他
- 携帯型受信機MBR0501A/K/Lでのデータ放送サービスの利用は、2007年8月27日から衛星を使ってのソフトウェア更新により可能となった。
- TOKYO FM、J-WAVE、FM802、ZIP-FMのCMの間はすべてBGMに差し替えられている。
[編集] 画質改善(動画圧縮方式の変更)
2005年10月~11月にかけて、映像チャンネルの圧縮方式をMPEG-4からH.264へ段階的に移行した。 受信機器では、衛星ダウンロードによるソフトウェアの自動あるいは手動更新を行う必要がある。 また、PCカード型受信機ではインターネットからのダウンロードで対応した。
[編集] その他
SKテレコムはシステムEと呼ばれるモバHO!と同一の放送方式で韓国向けサービスを行う。このモバHO!と、SKテレコムの子会社TUメディアは放送衛星(MBSAT)を共用している。韓国内では衛星DMBと呼ばれており、SKテレコムとKTFの携帯電話でも視聴することができる上に、ギャップフィラーの数も多く、加入者数が伸びている。なお回転偏波は日本では左旋円、韓国では右旋円となっている。
類似する衛星ラジオサービスとして、米国では既にXMサテライトラジオ社とシリウス・サテライトラジオ社があり、共に移動体向けの音声放送を行っている。なお、両社は合併の予定(en:XM/Sirius merger)。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 公式サイト
- 東芝:モバイル放送受信機[モバビジョン] - 生産完了品。在庫限り販売。
- 東芝科学館 - ニューテクノロジー - モバイル衛星放送「モバHO!」について。東芝 デジタルメディアネットワーク社 担当者との対談。
- モバイルAVプレイヤー - シャープ製品。