ホワイトアウト
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『ホワイトアウト』は、真保裕一のサスペンス小説。日本最大のダムを占拠したテロリストから人質を救うべく立ち上がった青年の活躍を描く。織田裕二主演で映画化され、ヒット作となる。タイトルの「ホワイトアウト」とは、激しい吹雪により視界が奪われ、自分の位置が全く分からなくなってしまう事を言う。
目次 |
[編集] 小説
1995年に新潮社から発刊。1996年に、第17回吉川英治文学新人賞を受賞。
このミステリーがすごい!で国内部門1位に選ばれ、120万部を超えるベストセラーとなった。
[編集] あらすじ
日本最大の貯水量を誇る新潟県奥遠和ダム。冬のある日、ダムの運転員富樫は遭難者救助のために猛吹雪のなかを出発するが、ホワイトアウト現象に見舞われ、同僚であり親友の吉岡を亡くしてしまった。
それから2ヵ月後、吉岡の婚約者であった平川千晶が奥遠和ダムに訪れるが時同じく、テロリスト集団「赤い月」がダムを占拠した。テログループは政府に50億円を要求、拒否すれば人質を殺害しダムを破壊すると通告。ダムが破壊されたら20万世帯は一瞬にして水没してしまう。タイムリミットは24時間。偶然テロリストから逃げおおせた富樫は人質となっているダムの職員、そして平川千晶を救出すべく単身テロリストに戦いを挑む…。
[編集] 映画
ホワイトアウト | |
監督 | 若松節朗 |
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製作 | 日本ヘラルド映画 東宝 フジテレビジョン 日本ビクター 電通 デスティニー アイ・エヌ・ビー |
脚本 | 真保裕一 長谷川康夫 飯田健三郎 |
出演者 | 織田裕二 松嶋菜々子 佐藤浩市 |
音楽 | ケンイシイ 住友紀人 |
撮影 | 山本英夫 |
編集 | 深沢佳文 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2000年8月19日 |
上映時間 | 129分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 42億円 |
allcinema | |
Variety Japan | |
allmovie | |
IMDb | |
2000年に映画化された。監督は本作が劇場映画デビュー作である若松節朗。奥遠和ダムのモデルは奥只見ダムとされている[1]が、映画では同ダムは使用されず、富山県の黒部ダムが使用された。これは監督が黒部ダムが自身のイメージするダムと重なったからだと言う[2]。
テロリストたちが持ち込んだ武器は東側を代表するアサルトライフルである旧ソ連製のAK-47愛称カラシニコフと、ナガンM1895である。双方とも、北方領土付近で操業している漁船に乗り込み、警備にあたっているロシアの巡視船の乗組員と取引をおこない仕入れたものである。この時に使われた水中スクーターは物語の後半で重要な役割となっている。
興行的に成功した一方で、アメリカのアクション映画である『ダイ・ハード』と『クリフハンガー』を足して割ったような映画だと評される事も多い[要出典]。なお、主人公が最初に敵を倒す方法が『ダイ・ハード』にほぼ同じで、これは同作へのオマージュとも取れる。
[編集] スタッフ
- 監督 : 若松節朗
- 原作 : 真保裕一(新潮文庫刊)
- 音楽 : ケンイシイ、住友紀人(サウンドトラック発売元:ビクターエンタテインメント)
- テーマソング : 「SECRET RENDEZ-VOUS」織田裕二
- 製作者 : 坂上直行、宮内正喜、岸田卓郎、高井英幸
- 企画 : 塩原徹、河村雄太郎、島谷能成、永田芳男
- プロデューサー : 小滝祥平、遠谷信幸、石原隆、臼井裕詞
- アソシエイトプロデューサー : 野口照彦、千野毅彦、佐倉寛二郎、前島良行
- 脚本 : 真保裕一、長谷川康夫、飯田健三郎
- 脚本協力: 福田靖
- 撮影 : 山本英夫
- 照明 : 本橋義一
- 録音 : 小野寺修
- 美術 : 小川富美夫
- 編集 : 深沢佳文(ワインド・アップ)
- 監督補 : 森谷晃育
- 製作担当 : 藪下隆
- 操演・特殊効果:岸浦秀一(ローカスト)
- 特殊技術 : 神谷誠
- ビジュアルエフェクトスーパーバイザー : 松本肇
- ガンエフェクト : 栩野幸知
- スタントコーディネーター : 釼持誠
- スタント&アクション:スーパーアクションメガシステム
- シューティングコーディネイト:エススリーカンパニー
- 音響効果 : 東洋音響カモメ
- 照明協力:フジライティング・アンド・テクノロジイ
- 美粧:ベレッツアスタジオ
- 特機:K&L
- 特別協賛 : 日本移動通信・DDIセルラーグループ
- 協力 : 三菱自動車工業、ヤマハ発動機、モトローラ、富士通、三菱電機
- 特別協力 : 関西電力、東北電力、電源開発、水資源開発公団
- 撮影協力 : 湯之谷村観光課
- 現像:IMAGICA
- スタジオ:東宝スタジオ、日活撮影所
- 企画協力:クロスメディア、メディアウエイブ、エンジンネットワーク
- 製作協力 : 共同テレビジョン、東宝
- 空撮協力 : 朝日航洋、東邦航空、中日本航空、三井物産エアロスペース
- 製作プロダクション:デスティニー、アイ・エヌ・ビー
[編集] キャスト
- 奥遠和ダム
- 赤い月(テロリストメンバー)
[編集] 原作との相違点
- 原作では宇津木について「髪が薄いダイバー」とし、移動に水中スクーターを使うという設定だったが、映画では長髪に口髭という設定に変えられ、水中スクーターも登場しない。
- 笠原の正体が小柴であることを示す方法が違う。
- 原作は病院にて物語の終りを迎えるが、映画では警察のヘリコプターの中で物語を終える。