ハワイ語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハワイ語 ʻŌlelo Hawaiʻi |
|
---|---|
話される国 | アメリカ |
地域 | -- |
話者数 | 1000から2000人 |
話者数の順位 | 100位以下 |
言語系統 | オーストロネシア語族 |
公的地位 | |
公用語 | -- |
統制機関 | -- |
言語コード | |
ISO 639-1 | -- |
ISO 639-2 | haw |
ISO/DIS 639-3 | -- |
SIL |
ハワイ語(ʻŌlelo Hawaiʻi)は、オーストロネシア語族に属し、ハワイ諸島先住民のポリネシア人であるハワイ人の先祖代々の言語である。英語とともにハワイ州の公用語に指定されている。ハワイ語の特徴として、本来「t」と「k」を区別しなく、例えばWIKIPEDIA→WIKIPIKIAとなる。近縁のポリネシア語と同様に、用いられる音素が非常に少ないことである(後述する#ハワイ語のアルファベットの章を参照のこと)。この音素の「t」の発音はハワイ諸島のカウアイ島側の地域で一般的であり、「k」の発音はハワイ島(Big island)側の地域で用いられる。
ハワイ語は、サモア語、マオリ語などのポリネシア語とごく近い関係にあり、一部のアジア南部やマダガスカルの言語ともやや遠い親類関係にあたる。
ハワイアンクリオールとも呼ばれるハワイの混成語は英語を元にした地域言語であり、ハワイ語や砂糖やパイナップル栽培に雇われた日本人や中国人を主とする移住民が持ち込んだアジアの言語からも一部の語彙を借用している。
ハワイ語のISO言語コードは haw である。
目次 |
[編集] 絶滅の危機
ハワイ語は現在絶滅の危機に瀕している。ハワイ諸島のほとんどの地域ではハワイ語は英語にとってかわられており、ハワイ語は日常会話にはもはや使われていない。例外的にニイハウ島ではいまだ日常会話にもハワイ語を使っているが、それはニイハウ島は個人的に所有されている島であり、外部からの訪問を厳しく制限しているためである。さまざまな理由により、ハワイ語を話す者の数は1900年ごろの約3万7千人から現在は約1千人にまで減少した。現在生存するハワイ語話者の半分は70歳から80歳である。
伝統あるハワイ語を復興しようとするネイティブハワイアンの努力は、ここ十数年のうちに増加してきている。ハワイ語を次の世代に残そうとする家族の子供たちのために、現在ハワイ語の没入法を行う学校が開校されている。また、ローカルラジオ局ナショナル・パブリック・ラジオは「きょうのハワイ語」(Hawaiian word of the day)という番組を放送している。
ハワイアンは第二言語としてハワイ語の学習を行っているが、モデルとするネイティブスピーカーがおらず、ハワイ語のつづりも英語の音価に基づいて表記され英語の語順が用いられている。また、19世紀初期まで話されていた純粋なハワイ語を復活させようという人々と、英語や混成語との100年以上にわたる接触によって形作られたハワイ語で育った人々との緊張関係も見られる。
[編集] ハワイ語のアルファベット
ハワイ語やポリネシア語のアルファベットは、ハワイ語では「ka pī‘āpā Hawai‘i(カピーッアーパーハワイッイ)」といい、19世紀につくられたラテン文字の変種である。これらは12の文字と1つの記号からなり、世界的にもアルファベットの少ない言語のひとつとなっている(ニューギニアのロトカス語のアルファベットはハワイ語より1文字少ない11文字、ピラハー語は2文字少ない10文字である)。ハワイ語のアルファベットには母音としてa, e, i, o, u、子音としてp, k, ‘, m, n, w, l, h がある。‘(または ` )はオキナ(‘okina)と呼ばれる声門閉鎖音である。wはvとして発音されることもある。例をあげると、Hawaiiは「ハワイ」とも読むが、本来なら「ハヴァイッイ」と読む。長音符はハワイ語ではカハコー(kahakō)と呼ばれ、母音の上に置くことで母音を延長する。長音には必ずアクセントが置かれる。英語と異なり、長さによって母音の発音が変わることはない。
オキナは正式には「ʻ」(Unicode、ʻ)を用いるが、対応していないフォントやウェブブラウザでは正しく表示されないので、シングルクォートの開き「‘」(Unicode、‘)が妥協案。左に傾いた引用符(backtick)や下側が太い引用符を使うこともしばしばある。
オキナを用いる例を挙げると、「Hawaii」は正式な表記では「Hawaiʻi」であり、「Oahu」は「Oʻahu」となる。発音は[ha.ˈvai.ʔi]と[o.ˈʔa.hu](IPA)であり、ハワイ語のつづりからオキナで記述された声門閉鎖音を読み取ることができる。
ハワイ語には162個の音節しかない。ほとんどの言語はもっと多くの音節のレパートリーを持つが、ポリネシア語にはさらに少ない音節のセットを持つものがある。
[編集] ハワイ語由来の単語
他、ハワイの地名の多くはハワイ語である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
ハワイ州 都市 | 地理 | 歴史 | 言語 | Landmarks |
|
---|---|
州都: | ホノルル |
主な都市: | ヒロ | ホノルル | カフルイ | カイルア=コナ | リフエ |
ハワイ諸島: | ハワイ島 | カホオラウェ島 | カウアイ島 | ラナイ島 | マウイ島 | モロカイ島 | ニイハウ島 | 北西ハワイ諸島 | オアフ島 |
郡: | ハワイ郡 | ホノルル郡 | カラワオ郡 | カウアイ郡 | マウイ郡 |