ド・ディオンアクスル
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ド・ディオン-アクスル(ド・ディオン式サスペンション)とは、自動車の駆動輪用サスペンションの一種で、車軸懸架(固定車軸懸架)方式の一つ。 名前は、かつてフランスに存在した自動車メーカー、ド・ディオン・ブートン(De Dion-Bouton)の創始者の一人である、アルベール・ド・ディオン伯爵(Albert de Dion)が考案し、自社の製品に採用したことが由来となっている。1893年開発。
後輪駆動車のアクスルチューブ、では、車軸とデファレンシャルギアが直結しており、サスペンションに合わせて動くためバネ下重量がかさむ。 そこで、ライブアクスルの路面追従性を向上させるため、ばね下重量の軽減を狙い、デファレンシャルギアをアクスルハウジング(ホーシング)と分離し、車体側(ばね上)に装架したもの。 デッドアクスル並みのばね下重量の軽さと、リジッド式のメリットである対地キャンバー変化の少なさを両立し、路面追従性、乗り心地を向上させている。デフの上下動が無いことで床面高さを下げられるメリットもある。
過去には半独立懸架とする記述も見られたが、独立して動くことが出来るのはドライブシャフトのみで、左右輪のハブ間は鋼管のド・ディオンチューブで剛結されているため、サスペンションとしては独立懸架ではない。
アクスル自体の位置決めは、重ね板ばねを用いるリーフ式か、トレーリングアームとラテラルロッド(パナールロッド)、またはワッツリンクとを組み合わせたリンク式となる。
日本車では、プリンス自動車の初代スカイライン(1957年)が嚆矢であるが、プリンスの日産合併後は途絶え、その後はホンダの小型車での採用例が多く見られる。軽貨物車のTNシリーズと、その後継となるアクティ、ストリート、小型車のロゴ、キャパ、HR-Vの各4WDなど、ホンダの後輪駆動車と四輪駆動車のなかでも、後輪を独立懸架とするまでに至らないコストを重視した車種に採用例が多い。また、マツダではコスモスポーツに、スズキでは3代目 スズキ・エブリィで採用されたが、共に1世代のみで、後継は無い。
TN ~ アクティと、エブリイでは、FF車用の横置きパワートレーンをミッドシップに搭載し、サスペンションやスプリングの荷室への張り出しを抑えるため、この方式が採用された。アクティの場合、アクスルチューブの位置決めは半だ円リーフスプリングで兼用するが、チューブにスペーサーを溶接し、かなり高い位置で支持する超オーバースラング式となっている。
また、TN ~ アクティと、エブリイと同様にミッドシップレイアウトを採用した三菱の軽自動車iでも後輪に採用されている。
スポーツカーでは、AE86のGTマシンや、アストンマーチン・V8ヴァンテージなどに採用されている。