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ドラミ - Wikipedia

ドラミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ドラミ藤子・F・不二雄作の漫画作品「ドラえもん」に登場する架空のロボット。ドラえもんの妹。

ドラえもんに代わって主役あるいは準主役級の活躍をすることもあり、映画ドラえもんの同時上映作として、映画も何作か作られている。テーマソングも数曲存在するが、『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』などで使用された「ハロー! ドラミちゃん」が広く知られているとされる。

ドラえもん
主な記事
1973年のアニメ(日テレ)
1979年のアニメ(テレ朝)
映画 - 最終回
人物
ドラえもん
のび太 - しずか
ジャイアン - スネ夫
その他の一覧
ひみつ道具
原作 - 原作以外
主題歌
ドラえもんのうた
ぼくドラえもん
ハグしちゃお
夢をかなえてドラえもん
関連漫画作品
ドラえもんズ - ドラベース
関連項目
藤子・F・不二雄
小学館 - コロコロコミック
テレビ朝日 - ANN
カテゴリ
ドラえもん
映画 - 人物
道具 - ゲーム
テンプレート
ドラえもん - 道具
映画作品 - 併映作品
  

目次

[編集] 設定

ドラえもんと同じ缶のオイル(ロボット専用オイル)から作られたため兄妹の関係にあるが、使用されたオイルが分離しており、下半分に沈殿していた良質なオイルを使用して作られたドラミの方が兄より優秀である[5]。なお、道具自体もドラミの方が圧倒的に高性能(以上は方倉陽二によるオリジナル設定。水田わさびら声優陣シリーズのアニメ作品『のび太くん、さようなら! ドラえもん、未来に帰る…』で正式設定とされた)。唯一兄より劣る点として、体が錆びやすく、海中では長時間の活動ができないと公言していたが[6][7]、実は兄を引き立たせるための方便であり、錆びやすいということはない[7]

性格は真面目でしっかり者。ただし真面目すぎる面があり、ひみつ道具に頼らずにまずのび太に実力で物事を解決させようとする傾向が、ドラえもんよりも強い。それが災いし、大きな事件になった事がある。道具の性能が優れているだけではなく、道具の使いこなし方も兄より上手。のび太の世話をするときには、単に力を貸すだけではなく、のび太が自発的に物事を解決する方向へ持っていこうとする[8]。掃除や洗濯などの家事も好きで、野比家ではのび太のみならずママの手伝いもすすんで行なう。

普段はセワシのもとに住んでいて、彼の世話をしている[8]

一日の大半を「宇宙大学」で過ごす。天才ロボットグループのリーダーシップを取り、大学院にて文学、哲学、科学などを研究している[4][1][9]

定期検査などのドラえもん休養中に、一時的な代理として現代にやって来て、のび太の世話をする[6]ほか、「タイムテレビ」などで兄のピンチを知ると駆けつける。その優秀さから、セワシはのび太の世話役を正式にドラミに交替させようとしたこともあるが、のび太により断られている[8]

女の子だけあり、ドラミの道具には花柄をあしらったものが多い。「もしもボックス」も花柄模様であり、『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』で登場する「ジェットフラワー」「みまわりテレビ」もヒマワリを模している。また、彼女専用のタイムマシンである「時空間チューリップ号」もチューリップを模している。

ザ・ドラえもんズのドラ・ザ・キッドとは友達以上恋人未満のような微妙な関係である。『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』の一件でキッドがドラミを守り抜いたことから惹かれ合い、互いに「ガサツくん」「へちゃむくれ」と呼んでからかい合っている。また、優秀さは「ロボット学校一の秀才」と呼ばれた王ドラをも上回り、現在その称号は彼女のものである。

好物のメロンパンは、初めて野比家へやってきたときに初めて食べ、以来大好物になった[10]

日本テレビ放送版アニメ作品には登場しない。

大山のぶ代ら声優陣シリーズでは1980年4月8日から登場し、よこざわけい子が声優をつとめた。水田わさびら声優陣シリーズでは2006年9月より登場し、千秋がドラミ役を引き継いだ。

[編集] 身体

  • 身長:100センチメートル[5]
  • 体重:91キログラム[11]
  • 一万馬力

ドラえもんに似た体形だが、体は誕生初期のドラえもん同様黄色。ポケットには柄模様があり、しっぽは花柄模様になっている。また「どこでもドア」に模様があるなど細かい違いもある。ドラミが使うタケコプターは、アニメではピンク色にカラーリングされる傾向がある[12]

耳は「リボン型集音装置」と呼ばれる[11]。これに使われている高感度集音装置は日本とフランスの合作品[1]

頭のリボンが耳となっているのは有名な話[13]。ドラミが造られたのは、耳を失ったドラえもんの悲しみを癒すためだったが、「耳のあるヤツに僕の悲しさが分かるか!」とドラえもんがスネないようリボン型の耳に交換されたのだという[5]。またドラえもんの顔にはレーダーひげがあるが、ドラミは女の子なのでひげは廃され[14]、代りにリボンがレーダー機能を兼ねている。

目からは魅力光線が放出されている[1]。この目でウィンクをすると、男を骨抜きにする愛の「必殺ウインク光線」を発射することができる[9]

頭脳はLSIおよびウルトラスーパーデラックスコンピューターを使用する[1]。頭の良さはドラえもんの3倍であるとされる[4]

首輪に付けている鈴は「子守り歌鈴」と呼ばれる。この鈴を鳴らすと、人を眠らせることのできる音波が放出される。

左胸の内部には、人の愛を感じてエネルギーに変換する「ハート」と呼ばれる部品がある[1]

[編集] 誕生から現在まで

[編集] 誕生の経緯

本キャラクターは原作者の藤子·F·不二雄が考えたものではない。小学館の学習雑誌『小学4年生』の読者だった奈良県在住の少女(当時小学4年生)がドラミのアイディアを小学館に送り、それが採用されたもの。1973年2月、『小学4年生』誌上で、「小学5年生4月号にドラ美ちゃんが登場します」と予告される。このときはまだ妹であるとは設定されておらず、告知のカットでは「ドラ美」に照れている素振りさえ見せており(当時はガールフレンドだった)、デザインも決定していなかった(顔が今とは違い、ヒゲも生えていた)。同年3月発売の、『小学5年生』4月号掲載「ハイキングに出かけよう」(藤子不二雄ランド2巻収録)でデビュー。

[編集] 設定の変遷

初期はおてんばぶりをみせるものの(最初期のドラミは、頭脳の回転は少々鈍く機械音痴な反面、「1万馬力の腕力で暴れ回る」という超じゃじゃ馬型のキャラクターであり、かつてのガチャ子ほどではないが同系統のキャラクターであった)、後期はしっかり者のお世話ロボットとして定着する。

また、初期は家庭科専門ロボットという設定であり、ポケットから出す道具も料理や掃除といった家事に関する物ばかりだったが[15]、後にはドラえもん同様の様々な道具を出すようになっている。

[編集] 外伝作品『ドラミちゃん』

デビュー間もなく『ドラえもん』とは別の、『ドラミちゃん』という外伝作品として独立連載が始まる。のび太の遠い親戚であるのび太郎の家に居候し彼の面倒を見るという物語だった。第1話『じゅん番入れかわりき』は、ドラミがドラえもんの手伝いに現代の野比家へやって来たものの、偶然にも町中でのび太郎に出会い、彼の世話をすることになるという物語で、作中ではのび太とのび太郎が共演している。
また、これ以降は1万馬力の設定は影を潜め、2006年のアニメでようやく再現された。

[編集] 『ドラえもん』への統合

『ドラミちゃん』のエピソードは、第1話「じゅん番入れかわりき」を除いた全話が『ドラえもん』の単行本に収録されている。単行本収録の際、『ドラえもん』本編のストーリーとして改訂された。すなわちのび太郎はのび太に、のび太郎の母親であるのぶ子はのび太の母親である玉子に、ガールフレンドであるみよちゃんはしずかに、いじめっ子のカバ田(ゴリブリ)はジャイアンに、という具合に人物が描き換えられた(ただし、登場人物が書き換えられていないコマも一部存在し、単行本の初期版では一部の登場人物の名称が修正されていない)。ただし、ズル木だけはスネ夫と体型が違いすぎるためか、修正されずそのまま残されている。また、初期のころは収録時にも修正忘れが多く、その例として、しずかの髪に斜線の入ったポニーテールの部分がある[16](これはみよちゃんの髪型であり、他はすべて削除され2つの結び目が書き換えられている)。また、のび太がジャイアンの家の前で「まちがえた。これはカバ田の家だっけ」と言っている(ただし、現在は修正されている)[17]。しかもこのコマでわかるように、本来なら小売店であるはずのジャイアンの家が、修正が入らなかったために一般的な住宅になっている。また、そういった経緯から現在の版においても、のび太の部屋にベッドがあったり、野比家の門構えが妙に豪華だったりといった違和感は残っている[18]

改訂後は前述のように、ドラえもん休息時の一時的な代理としてドラミがのび太の世話をする、ということになっている。ドラミはのび太郎のことを「のびちゃん」と呼びかけていたが、単行本収録後はのび太に対して他人行儀に「のび太さん」と呼ぶように変更された。

ちなみにいそほゆうすけにより、雑誌『ぴょんぴょん』にて『ドラミちゃん』が一時期連載されていた。のび太の未来が変わったために、将来不幸になってしまうジャイ子をドラミが助けに来たという設定だった。

[編集] ドラミが登場する映画

大山のぶ代ら声優陣シリーズ、よこざわけい子担当分

水田わさびら声優陣シリーズ、千秋担当分

[編集] 脚注・出典

  1. ^ a b c d e f 『ドラえもん百科』第2巻収録「ドラミちゃん秘密ブック」
  2. ^ 『ドラえもん百科』第2巻収録「ドラドラミ兄弟百科」
  3. ^ 『ドラえもん百科』第2巻収録「美女対決! ドラミちゃんVSしずかちゃん」
  4. ^ a b c 『ドラえもん百科』第1巻収録「ドラミちゃん秘密百科」
  5. ^ a b c d 『ドラえもん百科』第1巻収録「ドラえもん秘密百科」
  6. ^ a b てんとう虫コミックス第4巻収録「海底ハイキング」
  7. ^ a b 大山のぶ代シリーズアニメ作品「おまたせ ドラミちゃん初登場! のび太の海底ハイキング」
  8. ^ a b c てんとう虫コミックス第24巻収録「ションボリ、ドラえもん」
  9. ^ a b 『ドラえもん百科』第2巻収録「ドラミちゃんの一週間」
  10. ^ 大山のぶ代ら声優陣シリーズのアニメ作品『ドラミちゃん初登場! のび太の海底大冒険』
  11. ^ a b コロコロコミックデラックス(17)『映画アニメドラえもん・ドラミちゃん 《のび太の日本誕生/ ミニドラSOS!!!》』小学館、1980。
  12. ^ 大山のぶ代シリーズアニメ作品「ドラミとハイキング」「ジュラ紀でドラミが大ピンチ」、水田わさびシリーズのアニメ作品「のび太くん、さようなら! ドラえもん、未来に帰る…」
  13. ^ 1989年に放送されたアニメの映画特番の中で、同年の札幌雪祭りで雪像の製作を担当した自衛隊員が「ツノだと思って作ったら子供から抗議を受けた」と発言していたこともあった
  14. ^ 『ドラえもん百科』第2巻収録「ドラミちゃん質問箱」
  15. ^ 藤子不二雄ランド第2巻収録「ハイキングに出かけよう」
  16. ^ てんとう虫コミックス第6巻収録「ネッシーがくる」131ページ4コマ目
  17. ^ てんとう虫コミックス第6巻収録「ネッシーがくる」137ページ2コマ目
  18. ^ てんとう虫コミックス第5巻収録「地底の国探検」ほか
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