トヨタ・マークX
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マークX(MARK X - エックス)は、トヨタ自動車が生産する中型の高級車である。
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[編集] 概要
名前から推測されるように、マークIIの後継車種として登場。マークII時代から数えると10代目にあたる。また、マークIIより一足先に生産終了したヴェロッサの実質的な後継車種と言われているが、取り扱い店舗や登場時期から、後継車種とはやや言い難い。
販売以前よりティザー広告を放映しており、その内容は「X-BODY それは、四隅にタイヤが張り出した低重心ボディ、あなたの想像は私を超えられるか」というアナウンスと、アルファベットの「X」を象ったシンボルマーク的なものを流し、左側ヘッドランプを少しの間見せるというもので、マークXの車名や実際の車体は一切出ておらず、商品の詳細な説明も一切なかった。また、後に登場した派生車種のマークXジオでも発売前にティザー広告が流された。
かつては、クラウンとカムリの中間に位置するといわれていたが、現在ではカムリの大型化による車格アップとウィンダムの実質吸収により、カムリとマークXは同格車両としてトヨタ内では扱われている。カムリのG-ディグニスエディションはマークX最上級グレードの300Gクラスとなり、機敏なドライブフィールを重視するマークXか後席居住性を重視したカムリにするかで客層を分けている。カムリは「日本国内でのみ」マークXに販売台数で水をあけられているが、カムリは世界戦略車なので実質的にはマークXの販売台数はカムリの足元にも及ばない。[1]。
共通のプラットフォームを使う12代目(S180系)クラウンと同様、エンジンがマークII時代に搭載されていた直6・2L、同2.5Lから、直噴のV6・2.5L、同3LのGRエンジンに交換された。エンジンはヤマハ発動機で作られている。トランスミッションは全グレードマニュアルモード付きの6速AT(四輪駆動車は5速AT)となり、18インチアルミホイールを履くグレードが用意されるが、iR-V(TOURER V)に相当するMT装備のターボスポーツセダンは消滅した。クラウンやレクサスにはない、6:4分割可倒式リアシートによるトランクスルー機能がある。形式記号はマークIIから引き続き、X120系から始まる。
ちなみに名目上「派生種」となっているジオのプラットフォームはオーリスやブレイド等と共通のトヨタのミニバンプラットフォームであり、駆動方式もマークXの後輪駆動と違いジオは前輪駆動ベースで、マークXとマークXジオとの設計に関係は皆無。
製造は金ケ崎町(岩手県胆沢郡)にある関東自動車工業・岩手工場およびトヨタ自動車・元町工場であったが、 現在は社内の事情により元町工場のみである。
取り扱い販売店はマークIIから引き続いてトヨペット店(東京地区では東京トヨタでも取り扱い)[2]。
近年では同じエンジンを搭載するクラウンよりも約100万円安いことから首都圏では個人タクシーでの使用も多くなっている。
マークX取扱ディーラーであるトヨペット店の50周年記念モデルとして、「Special Version Supercharger」と、「Special Version」が全国限定で100台設定された。特に「Supercharger」は3GR-FSEにトムスの手でチューニングが施され、スーパーチャージャーを装着し、320ps/42.0Kg-mを発揮させ、足回りを固めたモデルである。尚、「Special Version Supercharger」の価格は東京店頭渡し価格で609万円となっている。
VIPカー等への改造防止の為、バンパーとマフラーが一体化していて、その他、4代目レクサス・LS(ハイブリッドも含む)と13代目クラウンでも同じ手法が取られている(こういった手法を取っているのは同車が最初である)。だが、現在社外リアバンパーが多数のメーカーから発売されている。尚、派生車のマークXジオはオーリスをベースとしている為、一体化はしていない。今後、トヨタの高級車ではこういった手法が増えていくものであろう。
[編集] 歴史
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- 2004年11月9日にマークIIの後継車種として発売開始。
- 2005年10月24日から中華人民共和国でも現地生産が開始され、レイツ(Reiz)の名称で販売されている(漢字表記は「鋭志」)。
- 2006年10月11日、マイナーチェンジが行われ、よりスポーティさが増した。
- 2007年9月10日に特別仕様車の 250G Limitedと250G Four Limited を発売した。
- 2007年9月26日に派生ミニバンのマークXジオが登場。
[編集] CM
[編集] CMソング
[編集] CMキャラクター
[編集] キャッチコピー
- 「X For Men」
- 「私の真ん中に、オレが帰ってくる。」
- 「男の真ん中でいたいじゃないか」
[編集] 車名の由来
トヨタによると、英語で「目標」「名声」を意味する「MARK」に、「未知数」を意味する「X」を組み合わせ、未知なる可能性に挑む思いを込めたものだという。車体記号はマークII時代より「X」である。 別の説では、初代マークIIから数えて10代目のモデルの意味を持ち、マークXの「X」は、ローマ数字の「X」(ten、テン)の意も含まれていると言われているが、トヨタからの直接の言及は無い。本来、「マークエックス」ではなく「マークテン」として発売するつもりであったと報じるマスコミもある。[4]
[編集] 脚注
- ^ マークXは全長4730mm×全幅1775mm×全高1435mm(2WDの場合)であるのに対し、現行カムリは全長4815mm×全幅1820mm×全高1470mm(2WDの場合)である。
- ^ 大阪地区はトヨタ店で販売されていたが、2006年8月8日をもって大阪トヨタは大阪トヨペットに名称変更されたため、マークXがトヨタ店で販売される都道府県は東京のみとなった
- ^ 過去に、前身であるマークIIの対抗車種である日産・ローレルのCMに出演していた。
- ^ 現行マークXの車体記号はGRX12#型