ストーンオーシャン

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『ストーンオーシャン』 (JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Part6 Stone Ocean) は、荒木飛呂彦の代表作である大河漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart6（第6部）。幽波紋（スタンド）シリーズ第4弾。

目次 1 概要 2 あらすじ 3 登場人物 3.1 G.D.st刑務所・収監者 3.2 G.D.st刑務所・関係者 3.3 その他 3.4 DIOの息子達 4 関連用語 5 その他 6 関連項目 7 脚注

[編集] 概要

弓と矢は序盤に脇役的にしか登場せず、代わりとしてメインとなるのはスタンド能力を封印された「DISC」である。このPart6でジョースター家とDIOの因縁はいちおうの完結を見せる。

副題は「第6部 空条徐倫 ―『石作りの海』（ストーンオーシャン）」。この部からサブタイトル『ストーンオーシャン』がタイトルに含まれ、作品名は『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』となる。

単行本も新たに1巻から刊行されたが、1 (64) のように括弧表記でPart1からの通算巻数も表記されている。ちなみにPart1から通算した場合64巻～80巻に収録されている。

[編集] あらすじ

舞台は2011年のアメリカ。主人公は空条承太郎の娘「空条徐倫」（くうじょう ジョリーン、ジョジョ）。徐倫は無実の罪で「州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」（略称・G.D.st刑務所、通称「水族館」）に入れられるが、それは父・承太郎を狙う敵の策略であった。スタンド攻撃を受け仮死状態となった父親の生命を救うため、徐倫はジョースターの一族として因縁の敵と立ち向かう。これまでのシリーズ以上に血縁や運命的な「人と人との繋がり」に重きを置いた物語構造が特徴である。

物語後半にはシリーズを共通してジョースター一族と敵対する「DIO」の息子が3人登場し、全員スタンド能力を用いて徐倫らと対決する。

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注意：以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。

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[編集] 登場人物

[編集] G.D.st刑務所・収監者

空条徐倫（くうじょう・ジョリーン）

• 囚人番号：FE40536
• 罪状：殺人、死体遺棄、窃盗（刑期：15年+脱獄未遂5年）
• スタンド名：ストーン・フリー

Part3 『スターダストクルセイダース』の主人公、空条承太郎の娘。19歳。通称ジョリーン。アメリカ人の母を持つ日系アメリカ人。やはりそれまでのシリーズのジョースターの血統の人間と同じく背中には星型のアザがある。母親に「ジョジョ」の愛称で呼ばれるが、他の人間からそう呼ばれることを現在の徐倫は激しく嫌っている（ただし、過去に恋人のロメオに対し、自分のこと「ジョジョ」と呼ぶことを要求したことがある）。金持ちの息子であるロメオと金に価値を見出す悪徳弁護士によりひき逃げの罪を負わされ、弁護士の薦めで刑を軽くしてもらうために司法取引に応じたものの、逆に弁護士に陥れられ、懲役15年の刑となりG.D.st刑務所に入れられる。承太郎から送られた「スタンドの矢の欠片」によってスタンド能力に目覚める。実はひき逃げの罪は、父の承太郎を呼び寄せるためにプッチ神父が仕組んだ「罠」であった。その罠によって父の記憶が盗まれ、その記憶を取り戻すためにプッチ神父と対決することに。明るい性格だが、父から譲り受けた強い精神力と冷静な判断力で敵を倒していく。初めは幾度もの手痛い裏切りにあって打ちひしがれ、長年自分をほったらかしにしていた父・空条承太郎を嫌っていたが、戦闘を介して父の真意を理解し心身共に成長していく姿が描かれている。自身を糸にして、その糸を操るスタンド「ストーン・フリー」を操る。最初は糸を操るだけだったが、グェスとの闘いで糸を固めて女性型の近距離パワー型スタンドとすることが出来るようになり、さらには糸の能力を駆使して自らの体の傷を自らのスタンドで縫合しながら戦うようなことも出来るようになる。徐倫の成長によるものなのか、物語終盤では逞しい男性的な姿になっていた。なお、糸を出せる距離は糸が体重（約54kg）を支える太さで24m程度。糸を出すことは自分の身を削っていることなので当然リスクも大きく、糸がキズ付けられると自分の肉体もキズつく。さらに肉体の70％程度＝心臓付近まで削られていくと絶命する危険がある。ラッシュ時の掛け声は承太郎と同じく「オラオラ」。スタンド名の由来はThe Jimi Hendrix Experienceの楽曲「Stone Free」。名前はジョー・リン・ターナーを捩ったか、もしくはアメリカのカントリーシンガー、ドリー・パートンの楽曲「ジョリーン（Jolene）」からのネーミングかと思われる（ちなみに作中ではグェスが彼女の名前を連呼する形でこの曲のサビの部分を歌っている）。

エルメェス・コステロ

• 囚人番号：FE40533
• 罪状：武装強盗（刑期：8年）
• スタンド名：キッス（ザ・キッス）

徐倫と留置所で知り合ってから友人になった女性。武装強盗の罪によりG.D.st刑務所に入れられる。刑務所に入った理由は自分の姉を殺した犯人（スポーツ・マックス）への「復讐」であった。明るい性格で情に厚く、本懐を果たした後も徐倫と共にプッチ神父の陰謀に立ち向かう。胸に豊胸手術の跡があり、その跡がポケット状となって金を隠すことができる。徐倫が留置所の面会室で投げ捨てた「スタンドの矢の欠片」を拾い、スタンド能力を得ることになる。手から「シール」が出て、「シール」を貼ると物質を2つにする。シールを剥がすと物質がひとつに戻り同時に破壊が起こる能力で相手に対し攻撃をするスタンド「キッス」を操る。スタンド名の由来はアメリカのロックバンド「KISS」。名前の由来はファッションブランド「Hermès」およびイギリスのミュージシャン「Elvis Costello」。

なお、劇中のテロップでは彼女の年齢は21歳と記述されているが、単行本のおまけページでは23歳と、記述が食い違っている。

女性らしからぬその雄々しい外見から、ファンからは「兄貴」の愛称で呼ばれることも多い。

フー・ファイターズ

• 囚人番号：FE39423（エートロ）
• 罪状：毒殺（誘拐）（刑期：6年（7年））（エートロ）
• スタンド名：フー・ファイターズ

通称F・F（エフエフ）。スタンドのディスクにより生まれたミュータントの生物。黒く小さいミジンコの生物の集合体。プッチ神父の命令によりスタンドやいらなくなった記憶のディスクを守っていた。徐倫らとの戦いに敗北してからは、徐倫らとの戦いの前に爆死した女囚「エートロ」の体を利用してG.D.st刑務所で徐倫らと共に生活することに。エートロの年齢は22歳。負傷の際、傷口に自身の生物を埋め込み絆創膏のように治癒を早めることが出来る。また、指から自身の生物を飛ばすことによって攻撃する。その攻撃の際に、物語途中から指先が拳銃のように変形するようになった。水がないと干からびるために常に水分を携帯している。知性は高いが、普通の人間としての生活が短いために一般常識に欠け、時に奇妙な行動を取る。アナスイと共に厳正懲罰隔離房に収監された徐倫を救出し、重傷患者として運ばれるDアンGを抹殺する際にプッチ神父と交戦、DアンGの殺害は成功するがプッチ神父の攻撃を受け「エートロ」の体は再起不能となる。その後、ウェザー・リポートの助けを得てスタンドのみの姿に戻りながら徐倫達に「ホワイト・スネイク」の正体がプッチ神父である事を伝える。直後に徐倫らと一緒に「ホワイト・スネイク」の攻撃を受け再起不能となるが、直前にアナスイを治療し、同時に瀕死のアナスイに入れられた空条承太郎の記憶のDISCを守る。そして魂の状態になったことで「生きていた」ことを歓び、知性を持ったまま「友達にさよならを言えた」ことを徐倫に感謝しながら昇天した。名前およびスタンド名の由来はアメリカのロックバンド「Foo Fighters」。通称「F・F（エフエフ）」は、ファッションブランドFENDIの「ダブルFモノグラム」に由来するともされている。「エートロ」の名前の由来はファッションブランド「ETRO」。

なお劇中に於いて、エートロの肉体を乗っ取り記憶を読んだF・Fは、子供を誘拐して7年の刑をくらったことを語っているが、単行本のおまけページでの記述はなぜか罪状は毒殺、刑期は6年になっている。

ウェザー・リポート

• 囚人番号：MA152403
• 罪状：殺人未遂（刑期：不明）
• スタンド名：ウェザー・リポート

男囚で謎の人物。プッチ神父によって記憶の大半を奪われており、記憶を取り戻すために徐倫に協力する。記憶がないので寡黙な性格である。天候や空気を広範囲に操れるスタンド「ウェザー・リポート」を操る。基本的には優しく頼りになる男。

物語終盤に記憶のディスクを取り戻す。それにより、ウェス・ブルーマリンという本名、非常に危険な性格と、太陽光の屈折で天然のサブリミナル映像を生物に見せて無差別にカタツムリに変えてしまう、ウェザー・リポートの隠された真の能力『ヘビー・ウェザー』を持つことが分かる。ウェザー自身も知らないことだが、実は本物の「ウェス・ブルーマリン」ではなく、エンリコ・プッチ神父の双子の弟、「ドメニコ・プッチ」であった。生まれたときに死んだ赤ん坊（本物のウェス）とすり替えられ、ブルーマリン家の子供として育てられた。もちろん、プッチ家ではドメニコは死んだことになっていた。プッチ神父がそのことを偶然知った頃、ウェザーはプッチ神父の妹ペルラ・プッチと交際していた。つまり、知らずのうちに自分の実の妹と付き合っていたことになる。プッチ神父はせめてもの良心か、どちらにも知られないように別れさせようとするが、その際に不幸が起こりペルラが死んでしまう。その時に双子の兄が「矢」でスタンド能力に目覚めるのに反応する形でこの能力に目覚め、不幸に陥れた男たちを見つけ出し、プッチをも殺そうとするが、彼の告白によって生じた隙を突かれてホワイトスネイクの能力により記憶を奪われ、G.D.st刑務所に収監される。またプッチ神父が「DIO」の骨から生まれた緑色の赤ちゃんと合体し、背中に星型のアザが現れた時には、同時に彼の背中にも同様のものが現れた。通称およびスタンド名の由来はアメリカのジャズバンド「Weather Report」。「ウェザー・リポート」の能力「ヘビー・ウェザー」の名前の由来はWeather Reportのアルバム「Heavy Weather」。本名「ウェス・ブルーマリン」の由来はファッションブランドANNA MOLINARIのセカンドライン「Blumarine」。本来の名前「ドメニコ・プッチ」の由来はファッションブランドDOLCE & GABBANAの創立者の1人である「Domenico Dolce」。

ナルシソ・アナスイ

• 囚人番号：MA28050
• 罪状：殺人（刑期：12年）
• スタンド名：ダイバー・ダウン

猟奇殺人鬼の男囚。何でも分解したくなる症候群を持ち、10歳の時にポルシェを細かく分解し病院に入れられたことがある。その後、付き合った女性が浮気する現場を目撃。その女性と浮気相手を「分解」し、裁判の過程で精神鑑定も受けるが結果は正常、懲役刑を受けてG.D.st刑務所に入れられる。ウェザー・リポートが押さえつけていないと危ない性格であったが、徐倫の話を聞いてからは、徐倫を勝手に愛することになる。徐倫は物語終盤まで一貫してアナスイについて恋愛感情は全く無いようだったが、プッチ神父との決戦時にアナスイの捨て身の覚悟を前に想いを受け入れる。人や物質の体内に潜行し内部から操ったり、組み替えたり、或いはそこに籠らせた自らの力を解き放つことで攻撃するパワー型のスタンド「ダイバー・ダウン」を操る。スタンド名の由来はVan Halenのアルバム「Diver Down」。名前の由来はファッションブランド「narciso rodriguez」および「ANNA SUI」。初登場時はセリフが無く、明らかに女性キャラクターとして容姿が描かれていたが、後に再登場し、物語に本格的に関わるようになった段階で、実は男性であったことが明らかとなり、読者とF・Fを驚かせた。彼が女性から男性に変更された理由は「女性が女性を好きになるのは少年誌の意に反する。」ということを編集者に言われたかららしい。^[要出典]ちなみに、同性愛は青年誌に移った第7部で解禁となった。

グェス

• 囚人番号：FE18081
• 罪状：放火、殺人未遂、仮釈逃亡（刑期：12年）
• スタンド名：グーグー・ドールズ（グーグー・ドール）

女囚。22歳。徐倫が収容された監房の同居人。小心者で他人を信用しない性格。エルメェスから買い取った「スタンドの矢の欠片」の影響で、スタンド能力を得る。他人の身体を人形ほどに小さくできるスタンド「グーグー・ドールズ」を操る。グェスとの戦いで徐倫は糸を人型スタンドの形にまで進化させることに成功した。スタンド能力に目覚めた徐倫に、6部初のオラオララッシュを食う。その後は徐倫のいい友達になろうとしていたが、徐倫は終始うっとうしがっていた。スタンド名の由来はアメリカのロックバンド「The Goo Goo Dolls」。名前の由来はファッションブランド「GUESS」。

ジョンガリ・A

• 囚人番号：MA56002
• 罪状：殺人（刑期：7年）
• スタンド名：マンハッタン・トランスファー

男囚。35歳。元「DIO」の部下で、承太郎に対して恨みを抱く。元軍人狙撃手で、白内障のためほぼ盲目にもかかわらず、スタンド能力を使い空気の動きを読み、標的を正確に捉えることができる。ホワイトスネイクと共謀し承太郎の「ディスク」を奪うが、口封じのためホワイトスネイクに殺害される。弾丸を反射させる狙撃衛星のスタンド「マンハッタン・トランスファー」を操る。スタンド名の由来はアメリカのヴォーカルグループ「The Manhattan Transfer」。名前の由来はファッションブランドChristian Diorのデザイナー「John Galliano」。

サンダー・マックイイーン

• 囚人番号：MA57258
• 罪状：殺人（刑期：8年）
• スタンド名：ハイウェイ・トゥ・ヘル

男囚。27歳。自己中心的な考え方で、自分は社会に嫌われていると思い込んでいるマイナス思考の持ち主。プッチ神父に純粋な邪悪さを見出され、スタンドのディスクを与えられる。自殺未遂の常習者で、自殺行為を働くと、道連れにしたい相手を自分と同じ状況に至らしめるスタンド「ハイウェイ・トゥ・ヘル」を操る。スタンド名の由来はAC/DCのアルバム「Highway to Hell」。名前の由来はファッションブランド「ALEXANDER McQUEEN」。エルメェスと戦うが作中彼の自傷行為（自分へのスタンド攻撃）を止めさせようと、それをやめたら下着をあげることまで提案させた名キャラ（結局止めなかったが）。

ミラション

• 囚人番号：FE26789
• 罪状：窃盗、武装強盗（刑期：5年）
• スタンド名：マリリン・マンソン（取り立て人 マリリン・マンソン）

女囚。盗癖があり、プッチ神父に性悪な面を見出されてスタンドのディスクを与えられる。博打好きで、賭けに負けたりイカサマを行った相手の心の弱みにつけ入り、強制的に掛け金相当の物を取り立てる（つまり手元に金品などが無い場合は、内蔵等の人体の一部が取り立てられる）スタンド「マリリン・マンソン」を操る。取立ては「絶対」であり、取立て中スタンドは無敵。徐倫達に賭けを持ちかけエルメェスの肝臓を奪うが、徐倫に叩きのめされる。スタンド名の由来はアメリカのロックバンド「Marilyn Manson」。名前の由来はファッションブランド「mila schön」。

ラング・ラングラー

• 囚人番号：MA13022
• 罪状：タンカージャック（殺人）
• スタンド名：ジャンピン・ジャック・フラッシュ

男囚。プッチ神父に利用され、神父の目的を手伝うことになる。理論的な考え方をする。つばを吐きつけた相手と、その相手が触れたもの全てを無重力状態にするスタンド「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」を操る。奇妙な服装は無重力に備えてのもの。スタンド名の由来はThe Rolling Stonesの楽曲「Jumpin' Jack Flash」。名前の由来はファッションブランド「HELMUT LANG」およびジーンズブランド「Wrangler」。

なお、彼本人は、大学の女教授をナイフで刺殺したことを劇中で語っているが、単行本のおまけページでの罪状の記述はなぜかタンカージャックになっている。

スポーツ・マックス

• 囚人番号：MA26156
• 罪状：脱税および恐喝（刑期：5年）
• スタンド名：リンプ・ビズキット

男囚。職業は車のディーラーだが裏の顔はヤクザで、エルメェスの姉（グロリア・コステロ）を殺した犯人。プッチ神父にスタンドのディスクを与えられ、「DIO」を甦らせることを依頼される。死んだ生物を見えない死骸として甦らせるスタンド「リンプ・ビズキット」を操る。スタンド名の由来はアメリカのロックバンド「Limp Bizkit」。名前の由来はファッションブランドMaxMaraのセカンドライン「SPORTMAX」。

ケンゾー

• 囚人番号：ME25846
• 罪状：大量殺人（刑期：280年）
• スタンド名：ドラゴンズ・ドリーム（龍の夢）

老人の男囚。78歳。カルト宗教の元教祖で、教団員34名を自分の道連れに焼死させた際、奇跡的に自分だけ生き残る。刑務所内での長年の「風水」の研究の末、才能としてスタンド能力を身に付ける。吉凶の方角を指し示すスタンド「ドラゴンズ・ドリーム」を操る。自我がある口の悪いスタンドで「中立」の立場を唱えており、相手にも吉凶の方角を教えたりする。方角を指し示すだけのスタンドなので、戦闘の際はケンゾー自らの肉体を駆使して戦った。最後はアナスイにより解体・組み立て直され、バケツにすっぽりはめられて再起不能に。スタンド名の由来はホルン奏者Arkady Shilkloperの楽曲「Dragon's Dream」。名前の由来はファッションブランド「KENZO」。

DアンG

• 囚人番号：ME14067
• 罪状：殺人（刑期：20年）
• スタンド名：ヨーヨーマッ

男囚。32歳。徐倫を始末するため、プッチ神父からスタンドのディスクを与えられる。元警官であったために他の囚人から保護する目的で懲罰房塔に収容されていた。召し使いのように相手に付き従い、近づいて溶解液のよだれで攻撃する自動操縦型スタンド「ヨーヨーマッ」を操る。ヨーヨーマッはアナスイによりカエルの脳と繋げられ追跡不可能な状態にさせられ、本体は重傷患者として運ばれる際にF.Fに殺害された。スタンド名の由来は中国系アメリカ人チェロ奏者「Yo-Yo Ma」。名前の由来はファッションブランドDOLCE & GABBANAのセカンドライン「D&G」。余談だが、Part4に登場する川尻早人も「D&G」のロゴ入りTシャツを着ていたことがある。

グッチョ

• 囚人番号：MA20311
• 罪状：婦女暴行、窃盗（刑期：5年）
• スタンド名：サバイバー

男囚。31歳。徐倫を始末するため、プッチ神父からスタンドのディスクを与えられる。脳に刺激を与え、人間の闘争本能を限界まで呼び醒ますスタンド「サバイバー」を操る。「サバイバー」の術中に落ちた者たちは、半無意識に死ぬまで殺し合いを続けることになる。「サバイバー」は生前のDIOがプッチに与えたものであり、最弱だが手に余るスタンドと評されている。スタンド名の由来はアメリカのロックバンド「Survivor」。名前の由来はファッションブランドGUCCIの創立者「Guccio Gucci」。

[編集] G.D.st刑務所・関係者

エンリコ・プッチ（ロベルト・プッチ）

• スタンド名：
  1. ホワイトスネイク
  2. C-MOON（シー・ムーン）
  3. メイド・イン・ヘブン（雑誌掲載時はステアウェイ・トゥ・ヘブン（天国への階段））

G.D.st刑務所で教戒師を務める神父であり、事件の真の黒幕。1972年6月5日生まれ。39歳。素数を愛し、素数を数えることで自分を落ち着かせる。運命を克服することになによりもこだわる。修行時代にジョースター家の宿敵「DIO」と出会って彼の友人となり、「矢」の鏃を受け取る。後にそれがきっかけとなりスタンド能力を得ることとなった。そして「DIO」から全人類を幸福へ導く「天国へ行く方法」を託される。その詳細を記した文書があったが、「DIO」を倒した後に承太郎によって処分されてしまっていたことから、彼を刑務所内へおびき出すため娘である徐倫を利用し二人を陥れた。そして、承太郎の記憶のディスクを読むことによって「天国へ行く方法」を知りそれを完遂させようと目論む。父の記憶を取り戻すため追ってきた徐倫らに対し、ディスクでスタンド使いとした刺客を差し向ける。

半径20m以内の遠隔操作で、人の記憶とスタンド能力を「ディスク」化させて奪い取ったり読んだりすることができ、またディスクを介して人や物を操る（生物の行動だけでなく、物の状態をもディスクに込めた命令通りにすることも出来る）スタンド「ホワイトスネイク」を操る。さらに「天国へ行く方法」の手順を進めることにより、スタンドが進化する。

「DIO」の骨から生まれた緑色の赤ちゃんとの合体後、その背中にはかつて「DIO」が奪ったジョナサン・ジョースターの肉体と同様の星型のアザが現れ、ジョナサンの子孫にあたるジョースター家の血を引く人間（徐倫や承太郎）の「存在」を感じる能力を身につけた。スタンドも物質の重力を裏返す「C-MOON」に進化。そして、最終形「メイド・イン・へブン」は時を加速させる能力を持ち、「天国に行く方法」実現の鍵となる。ちなみに物理学では、相対性理論にもあるように「重力」と「時間」には深い関わりがあると言われている。スタンド名の由来はそれぞれ、イギリスのヘビーメタルバンド「Whitesnake」、Paul McCartney & Wingsの楽曲「C Moon」、Queenのアルバム「Made In Heaven」（またはLed Zeppelinの楽曲「Stairway to Heaven」）。名前の由来はファッションブランド「ENRICO COVERI」（または「roberto cavalli」）および「EMILIO PUCCI」。

エンポリオ・アルニーニョ

• スタンド名：
  1. バーニング・ダウン・ザ・ハウス
  2. ウェザー・リポート

刑務所内で出産されるも母親をプッチ神父に殺され、G.D.st刑務所にこっそりと住んでいる少年。11歳と言っているが自分の誕生日を正確には知らない。プッチ神父の存在を危惧しており、徐倫と承太郎が刑務所内で面会しようとした際、警告するために登場する。その後は徐倫を色々手助けし、仲間であるウェザー・リポートとナルシソ・アナスイを徐倫らに対面させた。物の幽霊を操り、例えば焼失した場所に住んだり、過去のパソコンを操ったり出来るスタンド「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」を操る。その能力のおかげで「水族館」に住んでいても誰にも見つからずに現在まで過ごしてきた。まだ子供でありながらも、「幽霊の部屋」の中にあった本を熟読していたためか、かなりの博学である。ディスク化されたウェザー・リポートを使い最後の最後にプッチを倒し、ジョジョ一行の中では加速した時間の中で唯一生き残った人物である。スタンド名の由来はTalking Headsの楽曲「Burning Down the House」。名前の由来はファッションブランドGiorgio Armaniのセカンドライン「EMPORIO ARMANI」。

ヴィヴィアーノ・ウエストウッド（ヴィヴァーノ・ウエストウッド）

• スタンド名：プラネット・ウェイブス（アース・ウィンド・アンド・ファイヤー）

G.D.st刑務所の懲罰房棟看守。28歳。徐倫を始末するため、プッチ神父からスタンドのディスクを与えられる。地球に落下する隕石を自分自身に引き寄せるスタンド「プラネット・ウェイブス」を操る。（隕石は自分に当たる直前で燃え尽きる）尚、雑誌および単行本での、徐倫戦決着時のクレジットでは、スタンド名はなぜか「アース・ウィンド・アンド・ファイヤー」とされている（ちなみに「アース・ウィンド・アンド・ファイヤー」は第4部における支倉未起隆の能力名である。とはいっても、こちらも本編上では名が出てこない、後付けのものなのだが）。スタンド名の由来はBob Dylanのアルバム「Planet Waves」。名前の由来はファッションブランド「Vivienne Westwood」。

ミュッチャー・ミューラー

• スタンド名：ジェイル・ハウス・ロック（JAIL HOUSE LOCK）

G.D.st刑務所の女性主任看守。25歳。通称ミューミュー。ホワイトスネイクの依頼で、スタンド使いの脱獄を防ぐために任務につく。脱獄を試みようと鉄格子に触れた者を、その瞬間から3つの事柄しか記憶できなくさせるスタンド「ジェイル・ハウス・ロック」を操る。徐倫にゴキブリ付きブーツの入った食事を食べさせたり、エンポリオをループ行動に陥らせ繰り返し感電させたりした。最後はエンポリオの記した1と0(二進法)のメモを徐倫がモノクロ写真に“プリントアウト”し、それがミュッチャーの似顔絵になったので徐倫に敵と認識されて倒され、脅迫されて脱獄を手伝わされる。スタンド名の由来はElvis Presleyの楽曲「Jailhouse Rock」。名前および通称の由来はファッションブランド「miumiu」とその創立者「Miuccia Prada」、および時計ブランド「FRANK MULLER」。

ロッコバロッコ

G.D.st刑務所の刑務所長。ワニのぬいぐるみ「シャーロットちゃん」を手にはめており、腹話術も使う。名前の由来はファッションブランド「rocco barocco」

ソニー・リキール

G.D.st刑務所の懲罰房棟看守。グッチョの「サバイバー」によって同僚のウエストウッドと喧嘩になり瀕死の重傷を負わされ、そのままDIOの骨により植物化させられて行方不明になる。名前の由来はリキエルと同じ。

[編集] その他

空条 承太郎（くうじょう じょうたろう）

• スタンド名：スタープラチナ（スタープラチナ・ザ・ワールド）

徐倫の父親。娘を脱獄させるためにG.D.st刑務所にやって来るが、ホワイトスネイクの策略に嵌まり、スタンド能力と記憶を抜き取られ、生ける屍となってしまう。彼のDISCを取り戻す事が徐倫たちの当面の目的となる。

詳しくは空条承太郎を参照。

緑色の赤ちゃん（名称不明）

• スタンド名：不明

プッチ神父が「天国へ行く方法」を実行していく中で生まれた赤ん坊。DIOの骨から生まれた、謎のパワー「天国へ行く方法」に必要不可欠な存在。かつてジョナサン・ジョースターから奪ったDIOの肉体の特徴であるジョースターの血統者特有の「星型のアザ」をこの赤ん坊も引き継いでいる。この赤ん坊に触れようと近づいても、赤ん坊との距離に比例して自らの身体が縮んでいくスタンド能力を持つ。そのため、決して赤ん坊に触れることはできない（但し赤ん坊が興味関心を抱いた対象はその限りではない）。この現象はゼノンのパラドックスに酷似している。

[編集] DIOの息子達

DIOが恐らく興味本位で産ませた3人の息子達。第5部の主人公である、ジョルノ・ジョバァーナとは異母兄弟の関係になる。ただし、ジョルノは自分が助けたマフィアのおかげで「人を信じる」ということを学び、真っ直ぐな若者に成長できたのに対して、彼らはその成長過程において良い影響を受けた人物がいなかったため、それぞれどこか歪んだ性格の若者に成長している。尚、3人共ジョルノ・ジョバァーナと同じく、父「DIO」がかつて奪ったジョナサンの肉体にあった「星形のアザ」＝（ジョースター家の血統者に共通する特徴）を受け継いでいる。ただし、DIOの吸血鬼の能力は人間の女性との交配で生まれた彼らには受け継がれていない様子である。

ウンガロ

• スタンド名：ボヘミアン・ラプソディー（自由人の狂想曲）

「DIO」の息子の1人。麻薬中毒で自暴自棄になっていたが、「DIO」の魂と一体化したプッチ神父に出会い、スタンド能力に目覚める。漫画や絵画など世界のあらゆるキャラクターを実在化させ、そのキャラクターに心惹かれた者の魂を、物語の世界へ引きずり込むスタンド「ボヘミアン・ラプソディー」を操る。スタンド名の由来はQueenの楽曲「Bohemian Rhapsody」。名前の由来はファッションブランド「emanuel ungaro」。

リキエル

• スタンド名：スカイ・ハイ

「DIO」の息子の1人。生きる目的を無くしていた彼はパニック障害に陥っていたが、「DIO」の魂と一体化したプッチ神父に出会い、スタンド能力に目覚める。それをきっかけに「精神の成長」という信念を持って徐倫たちの前に立ちはだかる。徐倫との死闘の中で精神的にも成長し、自分の体を病気にしてまで戦闘を続けたが、最後はエルメェスの拳を受け再起不能になる。『俺はアポロ11号なんだーッ！！』と言う名言を残しており、第6部の敵の中では特に人気が高い。動物の体温を奪って活動する未確認生物ロッズ（スカイフィッシュ）を操るスタンド「スカイ・ハイ」を操る。スタンド名の由来はJigsawの楽曲「Sky High」。名前の由来はファッションブランド「SONIA RYKIEL」。

ドナテロ・ヴェルサス

• スタンド名：アンダー・ワールド

「DIO」の息子の1人。スタンド能力の自覚が無かったため、今まで不運な人生を送ってきた。「DIO」の魂と一体化したプッチ神父に出会いスタンド能力に目覚めるも、指図してくる彼を疎ましく思い、「天国へ行く方法」を知ろうとする。地面が記録している過去の出来事を、地面から掘り起こして再現できる能力「アンダー・ワールド」を操る。スタンド名の由来はイギリスのテクノユニット「Underworld」。名前の由来はファッションブランドGIANNI VERSACEのセカンドライン「VERSUS」およびその創立者「Donatella Versace」。

[編集] 関連用語

ディスク

ホワイトスネイクの能力により生み出された物体。CDのようなディスクで、生物の頭部に挿入することができる。柔らかく弾力性があり、破壊することは不可能（但し、死者に挿入することで崩壊して消滅）。通常、一人の人間からは、「スタンド」と「記憶」の2つのディスクが取り出されるが、特定の身体能力（視力など）を小型のディスクとして取り出すことも可能。スタンドや記憶が封印されたディスクは誰のものでも挿入可能であるが、スタンドのディスクについてはそのスタンドの能力に適合する人物しか扱えない。「スタンド」と「記憶」の2つのディスクが両方とも抜かれてしまうとその人物は死んでしまう。「記憶」ディスクのみがない場合は、肉体のとりあえずの生存は可能であるが、生きる目的を失うことによって肉体が衰弱を始め、やがて死に至ってしまう。

『天国へ行く方法』

DIOが研究し、発見した理論。全人類に幸福をもたらすとされる。プッチ（もしくはDIO）が述べるところの『”幸福”とは”覚悟”である』という理念に基づいている。その理論とは、時を永遠に加速させることで宇宙を『一巡』させ、すべての生物に全ての未来を経験させることで、これから自分の人生や人類の歴史について起こることを”覚悟”させる、というものである。すなわち、自分がいつ結婚し、いつ事故に逢い、いつ死ぬかということを精神に記憶させ、それを”覚悟”することで達することが出来る新しい世界である（「キリスト教の『予定説』を体現した世界」であると考えられる）。神父が執拗に徐倫たちの抹殺を謀っていたのは『ジョースターの因縁』を新しい世界に持ち越させないためであった。

[編集] その他

• 登場人物の名称はファッションブランドメーカーをアレンジしたもの、スタンドの名称は洋楽のバンド名や曲名をアレンジしたものが多い。また、ストーンオーシャン単行本版最終話タイトル『ホワット・ア・ワンダフル・ワールド』の由来はLouis Armstrongの楽曲「What A Wonderful World」である。
• Part6より単行本が新たに1巻から刊行されたことについて、作者の荒木飛呂彦は、「編集部の要望」「分かりやすさを取ったんじゃないでしょうか」とインタビューにて答えている^[1]。
• 2008年4月18日から1ヶ月に1冊ずつの文庫化が決定している（全11巻予定）。
• 週刊少年ジャンプ連載時の「アオリ文」（欄外や扉絵などに編集段階で加えられた文章）には意味不明な文章が多い。例：「マイマイ連鎖」「すべってGO」「みんながストーン」「引力、即ち愛」など。
• Parte5『黄金の風』の主人公、ジョルノ・ジョバァーナもまたDIOの息子のひとりであるが、Part6本編には登場しなかった。ただし、単行本に掲載された注釈には、作中に現れなかっただけで（後半の舞台のひとつである）フロリダのどこかには来ていたのかもしれないとする興味深い記述がある。
• ウェザー・リポートのスタンド「ヘビー・ウェザー」の暴走により、人間がカタツムリに変わっていくシーンがあり、カタツムリの天敵であるマイマイカブリも登場する。作中ではマイマイカブリが前翅を広げて空を飛ぶシーンが描かれているが、これは間違いである。マイマイカブリの前翅は左右のものが融合しているため開くことができず、さらに後翅も糸状に退化していて飛ぶことができないからである。しかもマイマイカブリは日本の固有種なので物語の舞台であるアメリカには生息していない。
• 本作について評論・考察した、いわゆる「謎本」として｢ジョジョの奇妙な冒険Part6ストーンオーシャン超常心理分析書」（著：大沼孝次、発行：フットワーク出版社）が刊行されているが、著者が本作を評論するうえで予備知識となるジョジョの奇妙な冒険第1部～第5部を読んでいないために「空条承太郎とDIOは同一人物」「登場人物は全員サイボーグ」プッチ神父のスタンド能力で空条承太郎からディスクが取り出されたにもかかわらず「人間にディスクが入っているわけがない」などといった突拍子も無い分析が続出し、さらに本作自体もあまり熟読していないため、内容と全く関係ない「オカルト」や「バイキン」、さらには著者自身の夢の話などに多くのページ数を費やしているなど、謎本としての質を大きく欠いた内容となっている。そのため謎本としては異例なことに「第11回日本トンデモ本大賞」にノミネートされ、次点になっている[1]。
• 作中に登場する不条理四コマ漫画『マムシのロン』の元ネタと思われる漫画が、吉田戦車の『伝染るんです。』第4巻に存在する。
• 徐倫やエルメェスなど、女性でありながらマッチョな肉体を披露するキャラの源流には、荒木の尊敬する彫刻家・画家のミケランジェロよりの影響が窺われる。彼の作品であるシスティーナ礼拝堂の壁画に描かれた夥しい人物像には女性も含まれているが、ミケランジェロはこれを男性モデルを使い、筋骨隆々たる肉体に乳房をつけた「女性」として描き上げた。

[編集] 関連項目

• スタンド

[編集] 脚注

表・話・編・歴 ジョジョの奇妙な冒険
漫画	1:ファントムブラッド | 2:戦闘潮流 | 3:スターダストクルセイダース | 4:ダイヤモンドは砕けない | 5:黄金の風 | 6:ストーンオーシャン | 7:スティール・ボール・ラン
小説	“The Book”jojo's bizarre adventure 4th another day
ゲーム	コンピュータRPG| 対戦型格闘ゲーム（未来への遺産） | 黄金の旋風 | ファントムブラッド | 百人一首
設定	スタンド
登場人物	ジョナサン | ジョセフ | 承太郎 | 仗助 | ディオ | 吉良 | エリナ | スピードワゴン | シーザー | ポルナレフ | 露伴
その他	荒木飛呂彦| 死刑執行中脱獄進行中| 岸辺露伴は動かない -六壁坂-