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空条承太郎 - Wikipedia

空条承太郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

空条承太郎くうじょう じょうたろう)は荒木飛呂彦漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する架空の人物。Part3『スターダストクルセイダース』の主人公で、Part4『ダイヤモンドは砕けない』、Part5『黄金の風』、Part6『ストーンオーシャン』にも登場。


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 人物

1971年(1970年説もある)生まれのみずがめ座。男性。身長195cm・体重82kgで初期は筋肉質で肩幅の広い体格をしていたが、部が進むにつれだんだんにスマートになっていた。また顔つきも初期と後期ではかなり異なる(いずれも作者の絵柄の変化による)。瞳の色は深緑。髪の毛の色は黒。ジョセフ・ジョースター、スージーQ夫妻の孫。父は日本人ミュージシャン・空条貞夫、母はジョセフとスージーQの一人娘ホリィ。日本人とイギリスアメリカ人のハーフである。Part6の主人公である空条徐倫は実娘に当たる。

常に帽子と厚手のコート(Part3においては学ラン)を身に着けている。頭脳明晰で常に寡黙かつ沈着冷静だが、根は激情的な性格で正義感も強く、肉親に危機が及ぶと冷徹になりきれないことが多い。4部以降は冷静な面が強調され、主にリーダー・サポート役のキャラクターとなった。

口癖は「やれやれだぜ」。

[編集] Part3『スターダストクルセイダース

17歳(おそらく誕生日前の年齢で、Part3の1989年には18歳になる)。東京在住の男子高校生。100年前(1889年)にジョナサン・ジョースターと共に海に沈んだはずのDIOが復活した影響で、祖父ジョセフと共にスタンド能力に目覚めるが、当初はスタンドを制御できず「悪霊がとりついた」と思い込み、自ら留置所の中に入り居座っていた。スタンド発現の悪影響で重体になった母ホリィを救うため、祖父やジャン=ピエール・ポルナレフら仲間たちとともにDIOを打倒すべくエジプトを目指す。

威圧的な外見と気性の激しい性格のため暴力事件を頻繁に引き起こしており、周囲から不良のレッテルを貼られている。幼少期は素直で大人しい子供だったらしいが、当時から既に「やる時はやる」性格を持っていたようである。高身長で顔立ちが整っているため女性にモテることが多いが、本人は鬱陶しい女を嫌っており、騒がれることをあまり歓迎していない様子だった。

未成年ながら既に飲酒喫煙の習慣がある。また、火のついたタバコを口の中に5本入れ、火を消さずにコーラを飲むという妙な特技があるらしい。

登場初期は空条の「条」と承太郎の「承」を合わせた「ジョジョ」というニックネームで呼ばれていたが、回を追うごとにそう呼ばれることは少なくなり、やがて「承太郎」という呼び名で統一された。

単行本14巻に掲載された設定では、好きな歌手久保田利伸、好きなスポーツ選手は千代の富士(留置所の中にいた時にもラジオで大相撲中継を聞いていたり、花京院に相撲の土俵際での面白さを語ったりしている)、好きな女の子のタイプは日本人的な女性(結果的にはアメリカ人女性と結婚するが)、大嫌いなタイプはウットーしい女、好きな映画は「ネバー・クライ・ウルフ」、趣味は船や飛行機に関する本を読むこと、好きな色は透明感のある色、となっていた。 これらの設定は3部以降まったく触れられなくなる(相撲について語ったりするのも3部のみ)。

この後の部ではほとんど必要最低限の事しか喋らなくなるが、3部では仲間の発言にツッコミをいれたり等けっこうよく喋る。

[編集] Part4『ダイヤモンドは砕けない

28歳。海洋冒険家となり、海洋生物研究の第一人者として学会にその名を馳せている。年老いたジョセフに何かがあった時のために遺産を整理していたところ、ジョセフに隠し子・東方仗助がいることが発覚。仗助への遺産分配の手続きと、ジョセフの念写により杜王町に潜伏していることが判明した殺人鬼・アンジェロの追跡のため、M県S市杜王町を来訪する。その後、アンジェロの証言によりスタンド使いを生む「弓と矢」の存在が明らかになったため、調査のため続けて杜王町に滞在することになった。

年月を経たためかPart3時に比べ態度が丸くなっているが、根本の激情的な性格は変わらず、やかましい女を見ると激怒する。表立って敵スタンド使いと戦うことは少ないものの、豊富な知識や実戦経験などから、リーダー・サポート役として一目置かれる存在となっていた。 そのため、以前のような熱血漢的な側面はこの部のころから無くなっていった。

Part6での描写によると、この時点で既にアメリカ人女性と結婚し、娘・徐倫も生まれていたようである。

[編集] Part5『黄金の風

30歳。Part4の登場人物・広瀬康一に、DIOの遺児である少年・汐華初流乃(しおばなはるの)(別名:ジョルノ・ジョバァーナ)の調査を依頼。その後、康一からの報告によりジョルノがスタンド使いであることを確認して調査を打ち切り、以降は一切登場しない。

[編集] Part6『ストーンオーシャン

41歳。DIOの元部下ジョンガリ・Aの陰謀でG.D.st刑務所に投獄された徐倫を救出するため、スピードワゴン財団の協力を得て脱獄の手引きを行うが、ジョンガリ・Aを操る真の首謀者・プッチ神父に襲撃され、記憶とスタンドのDISCを奪われてしまう。それから長い間仮死状態となっていたが、徐倫の活躍によりDISCを2枚とも取り戻し、決戦の地ケープ・カナベラルに駆けつける。

プッチ神父との最終決戦においては、冷静な判断力や往年の実力が健在であることを見せたものの、神父の攻撃から徐倫を守ろうとする隙を突かれて神父に倒され、死亡してしまう。その後「一巡した世界」においてその存在を消滅させられたが、エンポリオが神父を倒して運命が変わった後の世界に徐倫たちが生まれ変わっている事を考慮すれば、承太郎の生まれ変わりもまたどこかに存在していると思われる。

家庭を顧みず仕事に励んでいたため家族との関係は悪く、妻とは離婚し、徐倫からも激しく憎まれていた。しかしそれは妻や徐倫を過酷な戦いに巻き込ませまいとした為で、承太郎の本心を知った徐倫とは後に和解し、「父さん」と呼ばれるまで関係が修復した。

スピードワゴン財団の人間からは「博士」と呼ばれている。これは、Part4最終話にあった「杜王町滞在中に執筆したヒトデに関する論文で博士号を取った」という記述に基づいているものと思われる。

刑務所内からの台詞によると、この頃には喫煙習慣はなくしていたようである。 話の殆どを仮死状態でいるなど、他の部のような攻撃的活躍の機会はあまり無い。 作者の絵柄の変化により3部のころに比べ、肩幅など非常にスリムな見た目となった。

[編集] スタンド

スタープラチナ(星の白金)

「破壊力A スピードA 持続力A 射程距離C 精密動作性A 成長性A→E(完成)」(『JOJO A-GO!GO!』による)

逞しい筋肉質の肉体を持った人型のスタンド。頭髪があり、デザインは「人型のスタンド」の中でも特に人間に近い。射程距離は約2メートルと短いが、他のスタンドを寄せ付けない桁外れなパワー、スピード、精密動作性、視力動体視力を持ち、至近距離から発射された銃弾を指で摘んで止めることもできる。

決め技は「オラオラ」の掛け声とともに拳の連打を相手に叩き込む、通称「オラオラのラッシュ」。また、人差し指と中指を伸ばして敵を切り裂く「流星指刺(スターフィンガー)」という技もある。

当初はただ力任せに殴るだけのスタンドだったが、Part3におけるDIOとの最終決戦において、DIOのザ・ワールドと同じ時を止める能力に目覚める。止められる時間は場面によってまちまちで、Part3では一瞬→2秒→5秒、Part4では0.5秒→1秒~2秒、Part6では2秒~5秒となっている。Part4以降、この能力は「スタープラチナ・ザ・ワールド」と命名されている。単行本でのスタンド解説によると、時を止める原理は、スタープラチナの卓越したスピードが、「光を越える」(ストーンオーシャン3巻)または「時を越える」(同17巻)と世界はその動きを止め、時間が止まるとのこと。

スタンド名の由来は、タロットカードの大アルカナ17番目のカード『THE STAR』。後に「近距離パワー型」と呼ばれるタイプのスタンドの原型である。Part4以降は「完成された」「無敵の」「史上最高(最強)の」スタンドと形容されている。初登場時は、顔が承太郎に似たデザインだった。

時を止めるときは「スター・プラチナ」(3部)「スター・プラチナ ザ・ワールド!」(4部)「時よ止まれ」(6部)などさまざまな呼び方をする。

[編集] 備考

  • シリーズを通して最も多く、また最も長期に渡って登場したキャラクターである。
  • 常に帽子をかぶっているため、帽子と後頭部が一体化しているように描かれている。これについて作者・荒木飛呂彦は、後ろから見ても承太郎とわかりやすくするため、また自身にとっても描きやすいためそうしていると語っている。なお、劇中で帽子を脱いだことがあるのは、計3回のみ(すべて第3部)である。part6では仮死状態でありながら本能で帽子をとられるのを防ぐほどになった。
  • Part3でかぶっていた帽子に付いていた、右手の甲の中指にペンダコがあるマークは、作者の事務所「LUCKY LAND COMMUNICATIONS」のマスコットマークである。これは本作を象徴するマークとして、Part3以降もさまざまな場所で登場している。
  • 作者は「溜池Now」(GyaO)で中川翔子と対談した際に、中川から「最高のスタンドであるスタープラチナに勝つことが出来るスタンドはありますか?」と質問され、「存在しない(強いて言うなら)。承太郎の子孫が使うスタンドだけでしょうね」と答えていた。
  • Part4ではスタッフのミスによりPart3が本来の1989年ではなく1987年に設定されてしまったため、Part4でのPart3に関連する西暦や年齢には若干ズレが生じている。

[編集] 声優

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