シリーズぴこ
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シリーズぴこはショタアニメのシリーズ。ナチュラルハイ製作。世界初の少年愛アニメ。
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[編集] 作品コンセプト
ジャンルとして初めてのものである故に、その間口をできる限り大きく開いたと制作者達は述懐している。一般にショタと言えば男性にとっての同性小児愛的なものであるか、あるいはボーイズラブと呼ばれる、俗に言う腐女子・腐男子向けの作品であるかに分類されるが、初となる作品からそのような内容の方向性や購買層の限定をしてしまうと、その時点でジャンルそのものの幅が狭められてしまうとスタッフらは考えた。そこで第1作目『ぼくのぴこ』では、多くが入ってこられやすいように少年のキャラクターデザインを女の子っぽい風体にし、コンセプトも「女装ショタもの」とした。一方でボーイズラブや同性愛要素を残すべく、その少年の相手であり、観る者の視点となるキャラクターに青年タモツを置いた。
結果としては評価は真っ二つに分かれた。ただ、単純に売上部数のみを評価するのであれば、このコンセプトは間違ってはいなかったと言える。また、2006年9月30日に開催された発売記念トークイベントでは制作運営側の予想を大きく越えた盛況となるほか、ソフト・オン・デマンドでは売り上げ一位を記録、amazon.co.jpでもアダルトアニメランキング一位、発売日(2006年9月8日)の週ではアダルト部門全体においても一位を記録するなど、その成功を覗うことができる。
「シリーズぴこ」と銘打ち、第2作目『ぴことちこ』も2007年4月19日に発売されたが、内容的にはそれぞれ直接的な関係はなく、あくまでも「ぴこ」というキャラクターを中心に展開されるという共通点しかない。これはつまり「ぴこ」というキャラクターを使ったスターシステムとしてのシリーズを想定しているといえる。なお、2007年6月1日には第3作目の製作開始が発表された。2008年に入り、シリーズぴこ3『ぴこ×CoCo×ちこ』のタイトルで製作が進められている。2007年11月8日には一般向けに再構成された「pico~ぼくの小さな夏物語~」が発売された。
多くのアダルトアニメがそうであるように、性行為の展開以外のストーリーは皆無であるが、そこに到るまでの流れや、背景的な場面は存在する。
[編集] 登場人物
- ぴこ
- 本作のヒロインに相当。一見して女の子と見紛う雰囲気を持っており、タモツも最初は女の子だと思ってしまう。
- 名前の由来は幼い男の子の勃起する形容「ぴんこ勃ち」から。
- 2007年5月5日に行われたトークイベント「ショタナイト2」ではファンのアンケート回答結果と投票により誕生日は9月7日、血液型はAB型であることが決まった。誕生日は「シリーズぴこ」すべての始まりである第1作目『ぼくのぴこ』発売日に由来する。
- ちこ
- アニメでは2作目から登場するキャラクター。本作と連動して放送されているウェブラジオ「あおぞら通信」などではアニメ本編の登場に関わらず、ぴことともにパーソナリティを務めている。
- 別荘を持ち、夏の間はお手伝いさんであるお姉さんと林間で避暑を過ごしており、設定上は資産家の息子ということになっている。
- 名前の由来は男性器の幼児語「ちんこ」、および男児の性器は包茎であることからの連想による「恥垢」から。
- 2007年5月5日に行われたトークイベント「ショタナイト2」ではファンのアンケート回答結果と投票により誕生日は5月5日、血液型はB型であることが決まった。こどもの日であることに由来するが、これはちこのパーソナルデータが決まった『ぴことちこ』発売記念イベントにあたる「ショタナイト2」の開催日でもある。
- CoCo
- アニメ3作目から登場予定のキャラクター。黒のロングヘアがおしとやかさを印象づけ、ぴこ・ちこに比べるといっそう女の子らしい外見である。
- タモツ(モッくん)
- アニメ1作目『ぼくのぴこ』における、視点上の主人公。営業課のサラリーマンだが、しばしば仕事から離れて公園に出掛けたり、喫茶店で休むなどしている。
- ぴこから「モッくん」というニックネームを付けられ、劇中はこの名で呼ばれる。
- 名前の由来は男性器の俗称「物(イチモツ)」から。もともとは制作中における仮の名前であったが、ぴこ以外のバックグラウンドなどどうでも良いという理由から、そのままこの名前が使われることとなった。
- おじいさん
- タモツの贔屓にしている喫茶店のマスター。アニメ1作目の『ぼくのぴこ』に登場。ぴこの祖父にあたり、常連客であるタモツに、友達になってやれないかとぴこを紹介する。
- 劇中はほとんど置物状態で、当初のシナリオでは台詞すら存在しなかった。
- お姉さん
- ちこの別荘の家事を担うお手伝いさんでアニメ2作目である『ぴことちこ』に登場。日本で一般的にイメージされるメイドとは異なり、もっと母性的な存在として描かれている。夜な夜なマスターベーションにふけっており、その様子をちこに覗かれていた。
- 作中では名前はなかったが、ウェブラジオ「あおぞら通信」第49回放送にゲスト出演した際、「安藤まこ」という名に正式決定した。これは同ウェブラジオでのファンからの投稿によるものである。由来は「ぴこ」「ちこ」の響きにちなみ、女性器の俗称である「まんこ」から。
[編集] メディアミックス、グッズ等
社会現象化に伴ない、これを原作とするコミカライズが行われた(→晴れた日のぴこ)。また、関連グッズとしてCDが2007年3月23日に発売されており、これ以外にもCDアルバムやぷれい☆ステーショナリーの発売なとが計画段階にある。
トークイベント「ショタナイト」に先だって行われたアンケートや、イベント中でのアンケートは、直接内容には反映されないものの、オープニングカットや映像特典などで反映していく旨を発表し、また、発売前から放送されているウェブラジオ「あおぞら通信」に届けられたリスナーからのメールも参考にされている。
2006年末には一部の店頭やイベント会場においてカレンダーの配布が行われたほか、第2作目ではキャラクターのフィギュア梱包版が同時リリースされた。
またウェブラジオの中において、リスナーとのメールにてゲーム化の話が持ち上がった。2008年4月現在、これを受けてかPCゲーム化の企画が動き出したと発表されている。二次創作を公式に認めており、キャラクターデザインを行った彩画堂が自ら製作を発表した同人誌や、熱狂的ファンである抱き枕大魔王が製作した抱き枕やTシャツが紹介されている。
[編集] コミカライズ
- 晴れた日のぴこ
- 晴れた日のぴこ(はれたひのぴこ)はOVA『ぼくのぴこ』を原作とする派生作品のひとつで、青井円によって描かれた公式コミックである。芳文社から刊行されている「花音」2007年2月号に読切として掲載された。
- OVA本編では描かれなかった、タモツがぴこに体操服やブルマーをはかせるという内容になっている。ブルマーは原作ではオープニングでしか登場せず、ウェブラジオ「あおぞら通信」でもリスナーからは要望の多いシチュエーションであった。
- なお、原作ではちこは登場しないが、本作では最後のコマに現れている。
- 雨の日のぴことちこ
- 雨の日のぴことちこ(あめのひのぴことちこ)はOVA『ぴことちこ』を原作とする派生作品のひとつで、青井円によって描かれた公式コミックである。芳文社から刊行されている「花音」2007年5月号に読切として掲載された。
- いつもは外で遊んでいる2人は雨の降るその日は家でてるてる坊主を吊り、おやつにプリンを作ることにしたが、ちこが材料のミルクを飲んでしまい…。
- OVA第2作目を原作に持つが、物語自体の直接的なつながりは無く、ウェブラジオ「あおぞら通信」における2人の性格から作られた独立した作品といえる。また、『晴れた日のぴこ』宜しく、最後のコマにはタモツが登場する。
- ぴこともっくん, すごいよタモっちゃん
- ぴこともっくんおよび突発あほ4コマ劇場 すごいよタモっちゃん(とっぱつあほよんこまげきじょう-)はキャラクター原案を担当した彩画堂による事実上の公式同人誌『ぼくのぴこ コミック+公式キャラクター原案集①』に収録されているコミック作品。
- 前者はOVA第1作目の流れを汲む作品で、ぴことタモツのデートを描く。後者はいわゆるパロディ4コマ作品である。
- なお、この同人誌はその書名が示すように、ソフト・オン・デマンドやナチュラルハイ、シュガーボーイのライセンスのもと、キャラクター原案集が収録されており、企画当初に描かれたぴこのデザイン案や決定稿にいたる前の様々なおじいさんデザイン案が収録されている。
[編集] CD
- いぢりCD
- ぴことちこの「いぢりCD」(ぴことちこのいぢりしーでぃー)は「シリーズぴこ」関連商品のひとつ。ぴことちこによるHな台詞が延々と続き、ワード単位では1200語以上を収録している。
- もともとは公式サイトや、ウェブラジオ「あおぞら通信」で行われていた「萌え萌え~なセリフを言っちゃおう!のコーナー」での企画であったが、ウェブラジオでの評判が良かったことから比較的早い時期に商品化の話が持ち上がっていた。
- 概ね、ぴこによるもの、ちこによるもの、2人によるものという順で収録されており、更に対男性用、対女性用、両用という大きな流れで構成されている。
[編集] 菓子
- My Pico ミルクチョコレート
- My Pico Milk Chocolate(マイ・ピコ・ミルクチョコレート)は2007年2月11日に秋葉原および池袋で行われた第2作目発売決定記念バレンタインイベントで無料配布されたチョコレートの銘柄。中身は明治のミルクチョコレートであり、これに同銘柄のデザインを模して作られた、「My Pico Milk Chocolate」と書かれたラベルで再包装したもの。賞味期限は2007年11月付。
- ラベルの裏側にはOVA『ぼくのぴこ』および続編である『ぴことちこ』の広告が印刷されていたが、ちこのキャラクター設定と同年代程度の男の子にも配られるといった場面もみられた。
- どら焼き
- ぴこちこどら焼き(ぴこちこどらやき)は2007年5月5日に行われたトークイベントショタナイト2で配られたどら焼き。「ハートどら焼き」に、「ぴことちこ」の焼印が押してある特製品。製作協力として携わっているAV女優の三代目葵マリーの出資により実現した。
[編集] 自動車
- ぴこちこカー
- ぴこちこカーは広報用に塗装された乗用車。赤い色のミニ・クーパー。いわゆる痛車と呼ばれるもので、ぴこやちこのイラストが描かれている。
- 世界観を醸し出す目的か、「TAMOTSU RACING」「POWERD by MOKKUN」と書かれたステッカーが貼られており、設定上、タモツの車ということになっていると思われる。
- なお、広報を担当するさこやんのブログによれば、2007年5月5日のショタナイト2を終え、予定されていたプロモーションをすべて完了したことを以って、ラッピングはすべて剥されたとのこと。一方、「ぴこちこカー弐号機」と称して新たな塗装デザインで再登場するための準備に入っている旨が発表されている。
[編集] その他のグッズ
- キーホルダー
- 缶バッチ
- ぴこちこ缶バッチ(ぴこちこかんばっち)はイベント配布用に製作された缶バッチ。一部の店舗では『ぴことちこ』の特典としても配布されたとされる。
- メーカー側が広報用として企画したものではなく、三代目葵マリーが自ら費用を出して作った。
- ポスター
- カレンダー
- ポケットティッシュ
- 風船
- ぴことちこ風船(ぴことちこふうせん)はホワイトデーイベントにて配布されたヘリウムガス入りの空に浮く風船で、『ぴことちこ』の販売促進用に作られた。
- ウェブラジオによれば製作総指揮のとっちんによって企画されたが、空に浮く風船という性格上、OVAのターゲット層としている者たちにとっては困惑するグッズとなった。一方で子どもたちからは欲しがられるものとなり、とっちんやリアルぴこはそうした層への配布も行っていた。
- はみがきセット
- パンツ
- ぴことちこパンツはホワイトデーイベントにて配布された、ぴことちこのイラスト入り男児用ブリーフ。
- イラストこそ同じであるものの、特定の型ではなく、用意されたブリーフには色々なタイプがあり、ブリーフ自体は複数のメーカー、複数の型があったものと思われる。
- また、インターネットテレビGyaOの番組「きこうでんみさの"おまいら見るな!!"」第10回放送(2007年3月28日放送分)ではパーソナリティーであるきこうでんみさが下着の上からの重ねばきではあるものの、半ば強引にこのパンツをはかせられ、これは当該番組の視聴者プレゼントにあてられた。
- クリアファイル
- ぴことちこクリアファイルはイベント会場に使用した店舗への謝礼、および販売促進用として配布されたクリアファイル。通販特典にもなった。
- このように営業目的で配布は行われたが、メーカー側によって企画されたものではなく「ぴこちこ缶バッチ」同様、三代目葵マリーの出費により製作された。
- 電気マッサージ機
- ぴこちこ電マ(ぴこちこでんま)はインターネットテレビGyaOの番組「きこうでんみさの"おまいら見るな!!"」第10回放送(2007年3月28日放送分)で登場した電気マッサージ機。2台あり、それぞれ、ぴことちこのイラストの描かれた包みが施されている。いずれも番組用特製の小道具であり、配布や市販化はされていない。
- テレホンカード
- 等身大立て看板
- Tシャツ
- ぴこちこオリジナルTシャツは商品化されたグッズのTシャツ。関連イベントである「ぴこちこガラポン」の景品にもなった。男性用のLサイズとなっている。
- また女の子用ぴこちこオリジナルTシャツは同じく関連イベントである「ぴこちこガチャポン」の景品となった商品化グッズ。こちらは女性用Sサイズである。
- タオル
- ぴことちこオリジナルタオルは関連イベントである「ぴこちこガチャポン」の景品として作られたグッズ。
- ぴことちこ特製ビックタオルは『ぴことちこのご堪能BOX』梱包フィギュアのシリアルナンバー抽選にあたって用意された限定プレゼント。「キリバン葵マリー賞」と称して三代目葵マリーから贈られた。
- カッティングシート
- マウスパッド
- エプロン
- ぴこちこエプロンはイベントやデモンストレーション販売などでスタッフが着用していた、ぴことちこのイラストの入った赤いエプロン。トークイベント「ショタナイト2」でジャンケン大会の景品として提供された。
- ジャージ
- ぴこちこジャージはイベントやデモンストレーション販売などでリアルぴこやリアルちこが着用していた仕様のジャージ。関連イベント「ぴこちこガチャポン」の景品として提供された。
- ショタ緑茶
- お~いしょたはトークイベント「ショタナイト2」で入場者全員に配られたペットボトルの緑茶。黄金色の清涼飲料水。伊藤園の緑茶製品「お~いお茶」のパロディである。本来のラベルは外してあるため、元来のメーカーや銘柄は不明。消費期限は08年02月10日付。製造者固有記号はYT1。
- なお、イベント会場の新宿ロフトプラスワンは居酒屋であり、イベント中に飲むことは制限された。
- マグカップ
[編集] どしゃぶり通信
どしゃぶり通信(-つうしん)は「シリーズぴこ」に関連するウェブテレビ。正式名は「とっちん&金子の[どしゃぶり通信]」。
同じく「シリーズぴこ」に関連するウェブラジオである「あおぞら通信」にちなみ、製作総指揮のとっちんが企画した番組で、プロデューサーの金子政路ととっちんがパーソナリティーを務めるほか、着ぐるみのぴことちこが背後に座している。
内容は製作裏話などであり、「あおぞら通信」のゲスト枠だけを抜き出したような様を呈している。
[編集] 海外進出の経緯
一作目である『ぼくのぴこ』がリリース後、すぐにYouTubeなどを通じて複製配信が行われ、瞬く間に英語字幕入りの版が海外に流通し様々な話題を呼び、公式発表によれば10万件以上の違法ダウンロードがあったとされる。不当とは言え、需要性を強くみた本作のスタッフらは現在、公式による外語版の制作を計画し、具体的にドイツ市場を見据えての準備段階を見せている。
なぜにドイツであるのか公式のコメントは今のところ存在しないが、ドイツには少年を被写体とした作品の老舗であるPojkARTがあることで知られており、そうしたメディアの土壌は古くから存在していると見ることはできる。
ともあれ、この一件に限らず「シリーズぴこ」はショタアニメと言う未開拓のジャンル故か、周囲の意見を広く取り入れ、その反応を好意的に受け止めようとするスタッフの積極的な活動が続けられている。
[編集] 受賞歴
作品ごとの受賞歴はそれぞれ、ぼくのぴこ、ぴことちこを参照されたい。