コンゴニャス国際空港
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コンゴニャス国際空港 | ||||
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IATA:CGH - ICAO:SBSP | ||||
概略 | ||||
空港種別 | 民間 | |||
運営者 | サンパウロ市 | |||
開港日 | 1936年 | |||
航空管制 | 民間 | |||
Alternate Name | Congonhas International Airport | |||
海抜 | 2,631ft (803m) | |||
位置 | 南緯23度37分36秒西経46度39分19秒 | |||
滑走路 | ||||
方向 | ILS | m×幅 | 表面 | |
17R/35L | YES | 1,940×45 | 舗装 | |
17L/35R | YES | 1,435×49 | 舗装 |
コンゴニャス国際空港(コンゴニャスこくさいくうこう、Aeroporto Internacional de Congonhas)は、ブラジルのサンパウロ市内にある国際空港。サンパウロのIATA都市コードはSAOであるが、IATA空港コードは「CGH」を使用している。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 国内線専用
サンパウロ市内中心部から8キロのカンポ・ベロ地区の住宅地の真ん中に位置している。1919年に飛行機の離発着場として整備され、1936年に空港として本格的に運用されるようになり、その後の航空需要の急増を受けて滑走路の延長や国内、国際線ターミナルビルの増築、改築などが行われた。
市内中心部からのアクセスが良好なこともあり、現在はサンパウロの主要空港の1つとして多くの国内線が運行されている他、政府や空軍機、プライベートジェットにも使用されている。以前はブエノスアイレスやアスンシオンなどへの近距離国際線も運航されていたが、現在は運航されていない。
[編集] 「南半球で最も混雑した空港」
リオ・デ・ジャネイロのサントス・デュモン空港との間に「ポンテ・アエーレア(空の架け橋)」と呼ばれる世界有数の高頻度を誇るシャトル便が運航されている他、ブラジリアやベロオリゾンテとの間にもシャトル便が運航されている。
この他にもブラジル各地への国内路線が多数運行されている事から、2,000メートルに満たない滑走路が2本にわずか25の中型ジェット機用スポットがあるだけと小規模ながら、2005年には年間17,147,628人の乗降者数を数えるなど、ブラジル国内でも有数の規模の乗降客を誇る空港となっている。また、その混雑ぶりから「南半球で最も混雑した空港」との異名をとる。
[編集] 改修工事
2004年8月にはターミナルの大幅改修工事が完了し、ターミナルの増床が行われボーディングブリッジが本格的に整備された他、慢性的に不足していた駐車場の増床もなされ3300台が駐車できるようになった。なお、ターミナル以外の設備の老朽化が進んでいることや、市内電車とのアクセスの整備の計画があることなどから、改修工事は現在も段階的に行われている。
[編集] 問題点
[編集] 短い滑走路
もともとレシプロ機の発着を前提として1930年代に建設され、その後ジェット機の普及を受けて1960年代と1970年代に相次いで拡張されたこの空港の2本の滑走路は1,940mと1,435mで、これは今日の大型ジェット旅客機 (ボーイング747やエアバスA340など) が離着陸に必要とされている2,500mはおろか、中型ジェット旅客機 (ボーイング767やエアバスA300など) が離着陸に必要とされている2,000mにも満たない。
[編集] 住宅街の真ん中
しかも高層アパートを含む住宅地の中に取り残された陸の孤島のようなこの空港には、退避ゾーンになるような余裕がほとんどない上に、退避ゾーンを作る余裕もない (→ 航空写真で確認 ちなみにこの航空写真にある赤いものは全て「民家の屋根」である)、このため過去にはオーバーラン事故や周辺地への墜落事故が数回発生している。
上記のように、立地条件上これ以上の拡張工事は期待できないことから、1990年代に離着陸滑走距離が2000メートルぎりぎりにもかかわらず乗り入れされていたエアバスA300などのワイドボディ機の発着が禁止され、その後も数度に渡り中型ジェット機の発着禁止が議論されてきたものの、利便性を優先するためもありこうした問題は今日まで先送りのままとなっている。
[編集] 事故
そうした中、2007年7月17日、ブラジル南部ポルトアレグレ発のTAM航空3054便 (エアバスA320) がオーバーランして滑走路先の同社の貨物施設に激突、炎上するという事故が発生した。事故の原因は機体の制御装置の不具合によるものであると報道されているが、一部報道では滑走路の水はけの悪さによるハイドロプレーニング現象で機体がスリップしたことが原因の一つであると言う指摘もある。
なお、現在までのところ乗客乗員186人全員と地上の13人の死亡が確認されており、ブラジル航空史上最悪の事故となった。(→ 記事を読む:サンケイウェブ、NPR)
[編集] 3国際空港の住み分け
[編集] 乗り継ぎ
サンパウロはブラジル最大の都市であるにもかかわらず、上記のようにコンゴニャス国際空港は滑走路が短いため、1960年代以降の長距離国際線の主力機材であった、ボーイング707やダグラスDC-8などの離着陸に2000メートル以上の滑走路長を要する大型機材の就航が不可能な上、市街地にあり滑走路の延長など空港の規模拡張が困難であった。
その上に、長距離国際線にも対応する本格的な国際空港が、市内より100キロ近く離れたカンピーナス市にあるヴィラコッポス国際空港しかなく(日本航空の直行便も乗り入れていた)、サンパウロから海外へ向かう多くの乗客は、2時間近くかけてコンゴニャス国際空港よりバスでヴィラコッポス国際空港に行くか、リオ・デ・ジャネイロのガレオン国際空港で国際線に乗り継いでおり(なお、フラッグキャリアのヴァリグ・ブラジル航空の長距離国際線は、ヴィラコッポス国際空港ではなくハブが置かれているガレオン国際空港を主に使用していた)、その利便性の低さが問題視されていた。このため、1960年代から市街近郊への新空港建設の必要性が叫ばれていた。
[編集] 現在
その後、1970年代に入り新空港をサンパウロ市北東部のグアルーリョス市にあるブラジル空軍基地を拡張して建設することに決まり、その後1985年1月20日にグアルーリョス国際空港が開港した。
現在はシャトル便を中心とした国内線はコンゴニャス国際空港、国際線とシャトル便以外の国内線はグアルーリョス国際空港、国内、国際貨物便はヴィラコッポス国際空港を使用することが多い。なお、日本との直行便は全てグアルーリョス国際空港を使用している。
[編集] 市内との交通
市内中心部と近いことから、タクシーや自家用車でのアクセスの他、サンパウロ市内の主なホテルやバスターミナル、鉄道駅及び地下鉄駅との間には定期バスが高頻度で運行されている。なお、市内バスでの行先にある「AEROPORTO」(空港)行はこの空港を指す。
また、グアルーリョス国際空港やヴィラコッポス国際空港との間にも、リムジンバスや各航空会社運行によるシャトルバスが運行されている。
[編集] 航空管制
種類 | 周波数 | 運用時間(JST) |
CLR | 120.6MHz | |
GND | 121.9MHz | |
SAO PAULO TWR | 118.35MHz,127.15MHz | |
SAO PAULO APP | 119.8MHz,120.05MHz,129.5MHz | |
ATIS | 127.65MHz | 18:00-12:00 |
[編集] 航空保安無線施設
局名 | 種類 | 周波数 | 識別信号 |
SAO PAULO | NDB | 250.0KHz | SPO |
CONGONHAS | VOR | 116.9MHz | CGO |
CONGONHAS | DME | CGO |
[編集] ターミナル内施設
[編集] 主な乗り入れ航空会社
- ヴァリグ・ブラジル航空
- リオ・スール航空
- ノルデステ航空
- BRA航空
- ゴル航空
- TAMブラジル航空
- パンタナール航空
- オーシャンエア
[編集] 主な路線
[編集] 国内シャトル便
[編集] その他国内線
[編集] 外部リンク
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