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ケレス (準惑星) - Wikipedia

ケレス (準惑星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ケレス
(セレス)
1 Ceres
HSTが撮影したケレス。
分類 準惑星
軌道の種類 小惑星帯
発見
発見日 1801年1月1日
発見者 ジュゼッペ・ピアッツィ
軌道要素と性質
元期:2008年5月14日 (JD 2,454,600.5)
軌道長半径 (a) 2.767 AU
近日点距離 (q) 2.547 AU
遠日点距離 (Q) 2.987 AU
離心率 (e) 0.080
公転周期 (P) 4.60 年
平均軌道速度 17.91 km/s
軌道傾斜角 (i) 10.59
近日点引数 (Ω) 72.96 度
昇交点黄経 (ω) 80.41 度
平均近点角 (M) 301.65 度
物理的性質
長短径 959.2 × 932.6 km
直径 952.4 km
質量 9.445 ×1020kg
平均密度 2.05 g/cm3
表面重力 0.26 m/s2
脱出速度 0.51 km/s
自転周期 9.075 時間
スペクトル分類 G / C
絶対等級 (H) 3.34
光度係数 (G) 0.12
アルベド(反射能) 0.113
表面温度
最低 平均 最高
~230 K
色指数 (B-V) 0.713
色指数 (U-B) 0.426
■Project ■Template
ケレスの内部モデル
ケレスの内部モデル
ケレス(青色)の軌道。赤色の軌道は惑星、一番外側の軌道は木星。
ケレス(青色)の軌道。赤色の軌道は惑星、一番外側の軌道は木星。

ケレス (1 Ceres) は準惑星の1つで、小惑星帯に位置する最大の天体。セレスともいう。小惑星として初めて発見された天体でもあり、小惑星番号1番を持つ。

目次

[編集] 概要

1801年1月1日シチリア島にあるパレルモ天文台の台長ジュゼッペ・ピアッツィによって発見され、ローマ神話の女神ケレスから命名された(中文名は「穀神星」)。その後、見かけ上太陽に接近したために行方が分からなくなったが、カール・フリードリヒ・ガウス最小二乗法を改良して編み出した軌道計算法によって同年の12月31日フランツ・フォン・ツァハハインリヒ・オルバースらにより再発見された。

発見当時は新しい「惑星」とみなされていたが、その後近くの軌道に同じような天体が続々と見つかってきたこと(小惑星帯の発見)や、惑星にしては小さすぎる(最小の惑星である水星の約5分の1)ことなどから、1850年頃から「小惑星」として惑星とは区別されるようになった。それでもケレスは直径約950kmと小惑星の中では飛び抜けて大きく、その後何千何万という小惑星が発見されてきたにも関わらず、およそ150年の間、ケレスは「太陽系最大の小惑星」であり続けた。

2000年代に入り、海王星以遠にクワオアー(直径1,250 km ± 50 km)などケレスを上回る大きさの太陽系外縁天体が複数発見されてきたことで、ついにケレスは最大の小惑星ではなくなったものの、その自己重力が球形を保つのに十分であるため、2006年からは「準惑星」として扱われることとなった。

小惑星帯にはケレスほど大きな天体は存在しない。次に大きいパラスでも質量はケレスの5分の1ほどしかない。ケレスの質量は小惑星帯の天体の総質量の4分の1~3分の1を占める。

ケレスは、太陽に温められていることから、ごくわずかな大気が存在すると考えられている。また、形状がほぼ球形であり、表面の凹凸が少ない事から、ケレスは岩石のを持つと考えられている。コーネル大学のピーター・トーマスは、薄い地殻と岩石の核との間に厚さ60~120kmの氷のマントルが広がっているというモデルを提示している。

ケレスと同じような軌道を持つ小惑星族があり、かつては「ケレス族」と呼ばれていたが、ケレスのスペクトルはこの族のほとんどの小惑星と違っているため、ケレスの方がこの族の中に紛れ込んだものと考えられるようになった。小惑星族の方は「ゲフィオン族」と改名されている。

[編集] 第26回IAU総会(惑星の定義)

2006年8月16日IAU総会で惑星の定義の草案が発表された。ここで提案された定義に従えば、2003 UB313エリス)・カロンと共に、ケレスも太陽系の惑星として追加されることになっていた。しかし同月23日に発表された修正案は、エリス・カロンに加え冥王星と共に、太陽系の惑星には含まれないことになるものだった。同月24日には修正案が採択され、ケレスは惑星ではなく、新設されたdwarf planet(準惑星)というカテゴリに分類されることになった。

[編集] ケレスの研究について

2001年ハッブル宇宙望遠鏡紫外線により画像が撮影され、暗色の円状の地形(クレーターと推測された)に「ピアッツィ」の名が付けられた。2004年マウナケア山W・M・ケック天文台補償光学によりケレスの高精度観測が行われた。その結果、2つの衝突クレーターと思しきアルベドが低い地点が発見され、そのうちの一つには明るい平野が認められた。しかし、ハッブルが認めた「ピアッツィ」は、ケックの観測では発見できなかった。

アメリカ航空宇宙局 (NASA) は2007年9月に探査機ドーン」を打ち上げ、予定では2015年にケレスに接近する。この探査機は2006年6月に打ち上げる予定であったが、技術的な問題や当初予算より高額となったことなどから一旦は計画中止とされ、ジェット推進研究所 (JPL) などによる抗議によって再開、打ち上げに至っている。

[編集] ケレスに関連するもの

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

先代:
-
小惑星番号を持つ
天体の一覧
(1) ケレス
次代:
(2) パラス


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