オロナミンCドリンク
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オロナミンCドリンク(オロナミンシードリンク)は、大塚化学ホールディングスが製造、大塚製薬が販売している炭酸飲料である。単にオロナミンC、オロナミン、更に略してオロCとも呼ばれる。商品名は、武田薬品の「アリナミン」にあやかったもので、自社の皮膚薬「オロナイン(H)軟膏」、そして飲料の成分であるビタミンCと合成している。オロナインに続くヒット商品に成長するようにという願いが込められている。
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[編集] 概要
1965年2月販売開始。ガラス製の瓶入りで当時は王冠型のキャップ、内容量120ミリリットル。イソロイシンなどの必須アミノ酸を多く含み、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCなどの栄養価も含む。スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店頭だけでなく、大塚製薬の自動販売機でも販売されている。
1971年に王冠から普通の瓶入り飲料と同じ、廻す(スクリュー)方式のキャップになったが、1980年代半ばに毒物が混入される事件が全国各地で起きた後の1986年、一度開けたら栓ができないように引いて開けるプルトップ方式に変更された。水谷修によると、中にシンナーを入れる人がいたから現在の方式に変わったと、著書に書いている。(参考としてパラコート連続毒殺事件参照)
2000年には姉妹品の「オロナミンC ロイヤルポリス」も発売。こちらはローヤルゼリーとプロポリスの抽出物を成分に含む。
発売当初は、本来医薬品であるべき健康ドリンク剤に炭酸を含んでいることで、当時の厚生省からクレームがつけられ、「医薬品としては認められない」と判断された。このため大塚製薬にとってはまさに「苦汁をなめる」時代が数年間続いた。やがて大村崑のCM「元気ハツラツ」が定着し、のちにV-B群やV-C、アミノ酸などのサプリメントが氾濫するようになっても日本の健康ドリンクのロングセラーともいうべき製品に成長していった。
過去に同業他社が類似品を生産し、実質寡占市場を崩そうとしたが、高いブランド力と製品力で、他社の追随を許していない(主な類似商品を参照)。
[編集] テレビでのキャンペーン
キャッチコピーは「元気ハツラツ」。
- 初代テレビCM出演者は大村崑。発売当初から約10年間出演していた。昭和40年代にはテレビCMのほか、ほかの大塚グループ製品と同様、ホーロー看板を全国各地に設置する広告手法も併用された。
- 1976年から2001年まで、プロ野球の読売ジャイアンツの選手を多く起用した。
CMのラストに大村崑による「オロナミンCは小さな巨人です!」というフレーズが長い間つづいていた。また、姉妹品『オロナミンC ロイヤルポリス』のCMでは、巨人軍(当時)の松井秀喜がキャラクターを務めていた。
- また、巨人軍の本拠地東京ドームの観客席後ろの大きな看板(ホームラン打球を当てれば賞金100万円がもらえる「東京ドーム・ビッグボードホームラン賞」の対象)にも「元気ハツラツぅ?」と書いた看板を出している。広告では「CパワーがGパワーになる」のキャッチフレーズも使われた。
- 日本テレビ系の全日本プロレス中継のスポンサー時代には同じ系列会社のボンカレーとともにリング下や会場の壁に垂れ幕がかかっていた。
- この他、巨人軍バージョンとは別に、加山雄三やサザンオールスターズが出演した別バージョンのCMも放映されていた。サザンバージョンのキャッチコピーは「明るくケジメるオロナミンC」だった。
- 1993年後半~1994年前半にかけては木村拓哉がCMに出演(この間、巨人の選手が出演するテレビCMは中断していたが雑誌媒体の広告などには出ていた)し、その縁から1994年~1995年には木村も所属するSMAPがCMソングを担当した(「オリジナルスマイル」「しようよ」「がんばりましょう」)。
- 長年親しまれた巨人の選手に代わり、2002年3月1日からは『21世紀の裕次郎を探せ!』キャンペーンの協賛企画としてグランプリの徳重聡など石原プロモーションの俳優らがCM出演。その後も人気タレントを数多く起用している。
- 2007年現在のCMは、女優の上戸彩がメインキャラクターとして起用されている。
上戸が第一線で活躍するスポーツ選手や芸能人などの著名人と共演(※)。これは2003年、ブランドマネージャー(当時)の大塚太郎が「オヤジ飲料」からの脱却を目指して企画したもので、上戸と著名人とのやりとりが毎回話題を集めている。共演者の応答は、初期は「OF COURSE!」だったが、後に「すっげぇハツラツ!」に変更されている。
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- 2005年度のCMは「もしも私が○○だったら」というテーマで、上戸が女優以外の仕事をしたらどうなるかという設定で放送され、大統領、校長先生、スポーツ新聞記者の職種をモチーフにした寸劇風CMを放映した。
- また、キャッチコピーも2002年からマイナーチェンジされ、「元気ハツラツぅ?」となっている。
- 2004年からは番組スポンサーとなった人気ヒーロー番組『仮面ライダーシリーズ』とタイアップ。『剣』、『響鬼』、『カブト』、『電王』に主演している役者(椿隆之・細川茂樹・水嶋ヒロ・佐藤健)が、ここでしか放送しないスペシャルCMに出演し、宣伝している。
(※) CMにおいて上戸彩と共演した主な著名人は下記の通り。肩書は出演当時のもの。
- 新庄剛志(プロ野球選手・北海道日本ハムファイターズ 巨人軍以外のプロ野球選手で初の起用)
- ペ・ヨンジュン(韓国の俳優)
- 滝沢秀明(俳優・タレント、2005年NHK大河ドラマ『義経』で共演 CMでも滝沢は義経役)
- ボビー・オロゴン(タレント・格闘家:大統領編)
- 亀梨和也・赤西仁(KAT-TUN:校長編)
- 中村俊輔(サッカー選手・セルティック:スポーツ新聞記者編)
- ミシェル・ウィー(女子プロゴルファー:ロングパットのコツ?!編)
- 楳図かずお(漫画家:楳図先生の驚き編)
- 錦戸亮・大倉忠義(関ジャニ∞:関ジャニ入らへん?編)
- 白鵬翔(大相撲大関:つっばり指南編)
- 高橋大輔(フィギュアスケート選手:外回り?編)
- 室伏広治(ハンマー投選手:特別教師編)
- ジャッキー・チェン(香港の俳優:映画監督編)
- 田中将大(プロ野球選手・東北楽天ゴールデンイーグルス 巨人軍以外のプロ野球選手は新庄剛志以来2人目 収録は宮城球場ではなく、日本ハムの本拠・札幌ドームで行った)
[編集] 元気ハツラツぅ? CMバトル
2005年5月9日より半年間に渡り、総勢16組の吉本興業所属若手芸人達による「元気ハツラツぅ?CMバトル」が行われた。 この企画は若手芸人達が自分達が考案・出演するオロナミンCのCMを作り、トーナメント方式で争うというもの。 優勝すると、賞金が8,202ペソ(日本円でおよそ37万円)、さらに優勝者の出身地にてCM放映権を獲得できた。 麒麟、南海キャンディーズ、笑い飯らM-1グランプリ出場経験者が多数エントリーする中、優勝はニブンノゴ!だった。
なおCMの審査は、1・2回戦はWEB投票とルミネtheよしもとの観客の拍手数(拍手が多い方がその日の来場者数の投票を全て獲得)、決勝は木村祐一ら審査員によって行われた。
[編集] 出場芸人
- あべこうじ
- カラテカ
- 麒麟
- 佐久間一行
- 次長課長
- ダイノジ
- タカアンドトシ
- 千鳥
- トータルテンボス
- ニブンノゴ!
- 南海キャンディーズ
- ハローバイバイ
- POISON GIRL BAND
- パンクブーブー
- 笑い飯
- レギュラー
[編集] 優勝芸人
[編集] オロナミン・セーキ
1973年に放送されたオロナミンCのテレビCM「ホーム・パーティー」編で、オロナミンCを卵で割った「オロナミン・セーキ」というのがあった。2007年現在でもこのレシピは、ホームページで紹介されている。「僕とお姉ちゃんはオロナミンCとジュース。ママはオロナミンCに卵で割ってオロナミンセーキ。パパはジンで割ってオロナミンジンだ」と当時CMをやっていた。 その後、2004年の冨永愛と泉谷しげるが出演したCMで再び紹介された。
[編集] 主な類似商品
- ミンナミンCドリンク(タムラ活性、1991年販売開始)
- ボンヌC(ボンヌコーポレイション)
- ビタミンCドリンク(オールジャパンドラッグ)
- オリゴミンCドリンク(大共薬品、オリゴ糖を配合)
- ビタレモンCドリンク(オクダ化学工業)
- トップバリュC(アイク、イオングループ)
- ビタアミノC(オートマックセールス)
- ビタシー(ビタック)ドリンク/ビタシー(ビタック)ドリンクZ(常盤薬品工業)
- ビタッとC(三本コーヒー)
- Turbo C / New Turbo C(ペプシコインク、C言語処理系のTurbo Cと同名)
- バイオミンX/バイオミンC(サントリーフーズ)
- ミラクルボディV(サンガリア)
- リアルゴールド(日本コカコーラ)
- ドデカミン/ドデカミンV(アサヒ飲料)
- ナイスC(理研薬品)
- ローヤルトップ(名古屋牛乳)
- ブレーブスCドリンク(阪急食品)
- デカビタC(サントリー)
- エナジージム(DyDo)
- ビタエネC (ポッカ)
[編集] 関連項目
- 大村昆
- 清涼飲料水
- 小さな巨人
- 徳島県鳴門総合運動公園野球場(オロナミンC球場)