オパビニア

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?オパビニア

オパビニア・レガリス
Opabinia regalis

種の保全状態評価

絶滅（化石）

界	：	動物界 Animal
門	：	?節足動物門 Arthropoda ?†ディノカリダ門 Dinocarida
綱	：	?アノマロカリス綱 Anomalocarida
目	：	?ラディオドンタ目 Radiodonta ?オパビニア目 Opabiniida
科	：	オパビニア科 Opabiniidae
属	：	オパビニア Opabinia　Walcott, 1912
種	：	O. regalis

学名

Opabinia regalis　
Walcott, 1912

オットイア（Ottoia）を捕らえるオパビニア（Opabinia regalis）: 想像図

オパビニア（Opabinia）は、古生代カンブリア紀中期（約5億2,500万年前- 約5億0,500万年前）の海に生息していたバージェス動物群に属する生物。

学名は現地語由来で「岩場のもの」を意味する。

[編集] 化石

化石は、カナダはブリティッシュコロンビア州バージェスの約5億0,500万年前（中期の後期）の地層、および、中国雲南省澄江の約5億2,500万年前- 約5億2,000万年前（中期の初期）の地層から発見されている。本種は、バージェス頁岩にて米国人古生物学者チャールズ・ウォルコットによって発見され、1912年に記載（正式登録）されている。しかし、注目を集めるようになるのは1972年以降である（後述を参照）。

[編集] 特徴

体長はおよそ40mmから70mm程度。頭部にゾウの鼻のような管状の器官や5つの眼といった、他には全く見られない独特の形態を持つ。細長い体は体節に分かれ、各体節にほぼ一定の幅の鰭（ひれ）状の構造が対をなして配列している。推進器官と考えられるこの構造体は、カンブリア紀の一部の動物だけに特有のものである。

発見者はこれを、原始的な節足動物で、環形動物の性質を色濃く残しているものと見なした。その後の研究者もほぼその見解を踏襲していた。

ところが1985年、ハリー・ウィッティントンが再検討したところ、節足動物とは見なされず、さらには、環形動物を含む現在の動物には当てはまらない構造の動物であるらしいことが分かった。

それによると、頭部の前面に5つもの眼を備えている。前方の一組の眼と1つの正中眼は三角形を作って配置されているが、斜め後方にはさらに2つ一組の眼がついている。この特異な後方2つの眼の基部には短いながら軸がついていて眼を心持ち持ち上げている（軸は前方の一組にもわずかについているので、それも数えて4本ともされる）。本種はそれによって上方に360°近い視野を確保していたように見える。また、頭部先端の下面にはゾウの鼻にも似たところのある長くて柔軟な管状の器官を備えている（もっとも「管」は便宜的表現であり、中空構造になってはいない）。この管の先端には、ギザギザのついたカニのハサミのような、トングのような構造体が並んでいて、物を掴めるかのように見える。しかし、口はそこには無く、管の付け根の後ろに開いている。体は15の体節に分かれており、それぞれの体節の側面には膜状の鰓（えら）がついた突出部がずらりと並ぶ。これら規則性を持って連なる突出部は、ムカデの脚のように、ガレー船の櫂（かい）のように、順序良く波状に動かすことによって推進力を生み出すことができたはずであり、本種はこれを用いて泳ぎ、獲物を捕まえていたものと考えられる。なお、本種の鰭には節足動物にあるような関節や歩脚型付属肢が見当たらない。体の最後尾についている3対の小さな鰭は、斜め上に向いている。

1972年にバージェス動物群の学会発表があった際、この復元図が映し出された途端、会場は大爆笑に包まれた。そうして、いつまでも収まらなかったため、学会進行が一時中断となったという逸話が残っている。

[編集] 系統

本種と現生生物との類縁関係ははっきりしない。『ワンダフルライフ』の著者であるスティーヴン・ジェイ・グールドは、バージェス生物群には現在の動物門の枠組みには収まりきらない奇妙奇天烈動物（プロブレマティカ）であり、動物界の孤児であるとして、カンブリア紀動物相の現在との異質性を主張し、その代表例の一つとしてこの動物を扱ったが、その後、専門家からの反発が強く、そこまで言うほどの異質性は無いとの主張も多い。例えば、環形動物と節足動物の共通祖先から枝分かれしたものであるという説（ハリー・ウィッテントンの説）がある。

オパビニアを含むバージェス動物群の比較図

また、アノマロカリスとの類似性を指摘する研究者もいる。例えば、左右に対をなす鰭のうち、最後の3対は斜め上を向くが、この点ではアノマロカリスも同じである。なお、このような配列は現生の動物には見られない。加えて、頭部の管状器官を触手と見なせば、頭部の下面に口があり、その前に触手がある、という点でも共通しており、この触手の形が大きく異なっているだけと見ることもできる。アノマロカリスには近縁の別属があったことが分かっており、オパビニアはそれらと同系統の、しかしもう少し離れたところに位置している、という説である。